大分県で歴史と伝統のある高校への進学を考えているなら、杵築高等学校(きつきこうとうがっこう)は注目の選択肢の一つです。1897年の創立から120年以上の歴史を誇り、「文武両道」をモットーに、地域社会を担う多くの人材を輩出してきました。通称「杵高(きっこう)」として、地域から親しまれ、信頼されている進学校です。

この記事では、そんな魅力あふれる杵築高等学校について、偏差値や難易度、学校生活のリアルな様子、部活動、進学実績まで、受験生と保護者の皆さんが本当に知りたい情報を分かりやすくまとめました。長い歴史の中で培われた校風や、他の高校にはないユニークな取り組みも紹介します。

この記事を読めば、杵築高校がどんな学校で、どんな高校生活が待っているのか、具体的にイメージできるようになるはずです。あなたの高校選びの参考に、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

杵築高等学校の基本情報

杵築高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 大分県立杵築高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒873-0014 大分県杵築市大字本庄2379
代表電話番号 0978-62-2037
公式サイト https://kou.oita-ed.jp/kituki/

杵築高等学校の偏差値・難易度・併願校

長い歴史を持つ杵築高等学校は、地域でも有数の進学校として知られています。ここでは、その難易度を具体的に見ていきましょう。

  • 偏差値

    • 普通科:53

偏差値53は、大分県内の公立高校の中では上位に位置します。同じくらいの偏差値の高校としては、大分西高等学校や中津南高等学校などが挙げられます。合格するためには、中学校の定期テストで常に平均点以上、特に主要5教科では高得点をキープしておくことが求められるでしょう。

合格に必要な内申点の目安としては、9教科の評価が5段階で平均4程度、つまり合計で36以上あると安心できるラインと言えそうです。ただし、これはあくまで目安であり、当日の学力検査の結果も重要になります。

大分県の高校入試制度では、公立高校同士の併願はできません。そのため、杵築高等学校を受験する場合、併願校は私立高校となります。主な併願校としては、大分東明高等学校や昭和学園高等学校などが選ばれることが多いようです。

杵築高等学校に設置されている学科・コース

杵築高等学校に設置されているのは普通科のみです。しかし、ただ一つの科というわけではなく、生徒の進路希望や学習意欲に応じたクラス編成が行われているのが特長です。

  • 普通科

    • 志学クラス:主に難関国公立大学や難関私立大学への進学を目指す生徒向けのクラスです。より高度で発展的な内容を学び、高いレベルでの学力向上を図ります。将来、高い目標を持って大学受験に臨みたい人におすすめです。

    • 向学クラス:幅広い進路希望に対応し、基礎学力の定着から応用力の育成まで、一人ひとりの目標達成をサポートするクラスです。部活動と勉強を両立させながら、自分のペースで着実に力をつけたい人に向いています。

杵築高等学校の特色・校風

杵築高等学校は、「文武両道」と「地域に根差した進学校」というキーワードがぴったりの学校です。

  • 校風: 創立120年以上の歴史が育んだ、落ち着きと品のある校風です。「尚学・剛健・真摯・向上」の校訓のもと、真面目に学業や部活動に取り組む生徒が多いようです。

  • 宿題の量: 口コミを見ると、「課題は少ない」という声が見られます。生徒の自主性を重んじる校風の表れかもしれません。

  • 校則: 「校則は厳しい」と感じる生徒が多いようです。特に、スマートフォンは校内での使用が禁止されているという口コミが見られます。服装に関する指導もきちんと行われているようで、伝統校らしい真面目な雰囲気がうかがえます。

  • 生徒の雰囲気: 全体的に真面目で落ち着いた生徒が多いようです。いじめに関するネガティブな口コミは少なく、安心して学校生活が送れる環境と言えそうです。

  • アルバイト: アルバイトは原則として許可されていないようです。学業や部活動に専念することが推奨されています。

  • 制服: 男子は伝統的な黒の学生服、女子は紺色のブレザーとスカートです。口コミでは「昔ながらのデザイン」という声があり、着崩す生徒は少ないようです。

  • 土曜授業: 土曜授業の有無に関する明確な情報はありませんが、進学校のため、模試や補習などが行われる可能性はあります。

杵築高等学校の部活動・イベント

部活動

杵築高等学校は、学業だけでなく部活動にも力を入れています。多くの部が県大会で活躍しており、文武両道を実践できる環境が整っています。

  • 運動部: 特に野球部は、2012年に春夏通じて初の甲子園出場を果たした実績があります。近年も安定した力を持っており、活気のある部の一つです。他にも、剣道部や陸上部、テニス部などが県レベルで活躍しています。

  • 文化部: 放送部は、お昼の校内放送などで日々の学校生活を盛り上げる存在です。書道部や美術部、吹奏楽部なども熱心に活動しています。

全体の加入率は高い水準にあり、多くの生徒が勉強と両立しながら部活動に打ち込んでいるようです。

イベント

杵築高校の学校生活を彩るイベントは、生徒たちにとって忘れられない思い出となります。

  • 十王祭(じゅうおうさい): 9月に行われる学校祭で、文化祭と体育祭を連続して行うのが最大の特徴です。文化祭では各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や発表を行い、体育祭では学年対抗で熱い戦いが繰り広げられます。準備期間から本番まで、学校全体が一体となって盛り上がる一大イベントです。

  • 如月祭(きさらぎさい): 1月に行われる文化的なイベントです。内容は年によって変わることがありますが、芸術鑑賞会や講演会などが企画されることが多いようです。

  • 修学旅行: 生徒たちが楽しみにしている行事の一つです。行き先は年度によって異なりますが、仲間との絆を深め、見聞を広める貴重な機会となっています。

杵築高等学校の進学実績

杵築高等学校は、地域の進学拠点校として、国公立大学を中心に安定した進学実績を誇っています。

  • 国公立大学: 地元の大分大学や熊本大学をはじめ、九州内の大学への進学者が多い傾向にあります。2024年度の入試では、京都大学に1名、九州大学などの旧帝大に合計3名、その他の国公立大学に38名の合格者を出しています。

  • 難関私立大学: 早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、ICUといった難関私立大学群に1名、GMARCHに2名、関関同立には7名の合格実績があります(2024年度)。

  • その他の進路: 多くの生徒が大学進学を目指しますが、一部には専門学校への進学や公務員を目指す生徒もいます。

これらの実績を支えているのが、手厚い進路指導体制です。放課後や長期休暇中の補習、大学の担当者を招いての進学説明会、個別の進路相談などを通して、生徒一人ひとりの目標達成を力強くサポートしています。

杵築高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、杵築高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを紹介します。

  • 120年を超える歴史と伝統: 1897年創立という県内でも有数の歴史を誇ります。卒業生は各界で活躍しており、地域からの厚い信頼が寄せられています。

  • 「志四海」の精神: 外務大臣を務めた卒業生の重光葵氏から贈られた「志を全世界に広げる」という意味の言葉です。この精神のもと、国際的な視野を持った人材の育成を目指しています。

  • 文武両道の実践: 甲子園出場経験のある野球部をはじめ、多くの部活動が活発です。勉強と部活動を両立させ、充実した高校生活を送ることができます。

  • 落ち着いた学習環境: 伝統を重んじる校風のもと、真面目で落ち着いた生徒が多く、集中して学習に取り組める環境が整っています。

  • 習熟度別クラス編成: 普通科の中に、進路希望に応じた「志学クラス」と「向学クラス」を設置。自分のレベルや目標に合った授業を受けることができます。

  • 地域との強いつながり: 「城下町」杵築市に位置し、地域のイベントに参加するなど、地元との交流も大切にしています。

  • 充実した進路指導: 国公立大学への進学実績に裏打ちされた、丁寧で手厚い進路サポート体制が魅力です。

杵築高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からの声をまとめました。学校選びの参考にしてください。

  • 良い点:

    • 「先生方が熱心で、質問にも丁寧に対応してくれる」という声が多く聞かれます。

    • 「真面目な生徒が多く、落ち着いた環境で勉強に集中できる」

    • 「文武両道が実践できる学校。部活も勉強も頑張りたい人には良い環境」

    • 「十王祭(文化祭・体育祭)はとても盛り上がり、クラスの団結が深まる」

    • 「歴史と伝統があり、地域からの評判が良い」

  • 気になる点:

    • 「校則が他校に比べて厳しいと感じる部分がある(特にスマホの使用など)」という意見があります。

    • 「最寄りの杵築駅から学校まで距離があり、バスの本数も少ないため、交通の便が少し悪い」という声もあります。

    • 「施設が全体的に少し古い」という指摘も見られます。

    • 「坂の上にあるので、自転車通学は大変」

アクセス・通学

杵築高等学校へのアクセス方法です。

  • 最寄り駅: JR日豊本線「杵築駅」

  • アクセス方法:

    • 杵築駅からバスで約15分、「杵築高校前」バス停下車、徒歩約2分。

    • 杵築駅から自転車で約20分。

    • 杵築駅から徒歩で約43分。

杵築市内からの通学者が最も多いですが、別府市や国東市、速見郡日出町など、比較的広いエリアから生徒が通学しています。ただし、公共交通機関の便が良いとは言えないため、バスの時刻などを事前にしっかり確認しておくことが大切です。

杵築高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

これまで見てきたように、杵築高等学校は歴史と伝統に育まれた落ち着いた環境で、勉強と部活動の両方に打ち込みたいと考えている君にぴったりの学校です。先生方のサポートも手厚く、高い目標を持って大学進学を目指せる環境が整っています。もし君が、落ち着いた雰囲気の中で着実に学力を伸ばし、文武両道を実践して充実した3年間を送りたいなら、杵築高等学校は最高の舞台になるでしょう。

受験勉強においては、まず中学校の授業内容を完璧に理解し、基礎学力を固めることが何よりも大切です。特に英語・数学・国語の主要3教科は、毎日の積み重ねが力になります。また、内申点も重要視されるため、定期テスト対策はもちろん、提出物をきちんと出す、授業に積極的に参加するといった日々の学習態度も大切にしてください。杵築高校で待っている素晴らしい高校生活を思い描きながら、最後まで諦めずに頑張り抜きましょう!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。