樟南高等学校は、140年以上の歴史を誇る、鹿児島県内でも有数の伝統校です。この学校の最大の魅力は、その「多様性」にあります。最難関大学を目指す特進コースから、全国の頂点を狙う部活動、そして社会で即戦力となる専門技術を磨く学科まで、まるでいくつかの異なる学校が一つのキャンパスに集まっているかのような、多彩な学びの場が提供されています。
あなたの夢は何ですか?難関大学に合格することでしょうか。それとも、大好きな部活動で日本一になることでしょうか。あるいは、専門的な資格をたくさん取って、憧れの企業で活躍することでしょうか。樟南高等学校には、そのどれもを目指せる環境が整っています。普通科だけでなく、商業科や工業科といった専門学科も充実しており、一人ひとりの目標に合わせたオーダーメイドの高校生活を送ることができます。
この記事では、そんな魅力あふれる樟南高等学校について、中学生の皆さんと保護者の方々が本当に知りたい情報を、分かりやすく、そして詳しく解説していきます。偏差値や進学実績といったデータはもちろん、在校生のリアルな声から見えてくる学校の雰囲気や特色まで、余すところなくお伝えします。あなたの未来の選択肢として、ぜひじっくりと読み進めてみてください。
樟南高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 学校法人時任学園 樟南高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/男女別の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒890-0073 鹿児島県鹿児島市武岡1丁目120-1 |
代表電話番号 | 099-281-2900 |
公式サイトURL | https://www.shonan-h.ac.jp/ |
樟南高等学校の偏差値・難易度・併願校
樟南高等学校の偏差値は、設置されている学科・コースによって大きく異なります。これは、この学校が多様な生徒のニーズに応える「総合高校」としての側面を持っていることを示しています。
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普通科 文理コース:74~75
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普通科 英数コース:62~64
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普通科 未来創造コース:44~46
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工業科 機械工学コース:41
特筆すべきは、普通科文理コースの偏差値の高さです。この74~75という数値は、鹿児島県内のトップ公立高校である鶴丸高校や甲南高校に匹敵するレベルです。そのため、これらの公立高校を受験する生徒が、併願校として樟南高等学校の文理コースを選ぶケースが非常に多いようです。一方で、未来創造コースや工業科は、基礎学力を固めながら自分の興味や得意なことを伸ばしたい生徒にとって、門戸の広い選択肢となっています。
このように、同じ樟南高等学校という名前でも、コースによって求められる学力レベルや生徒の雰囲気が大きく異なる「一つの学校の中に、複数の学校がある」ようなイメージを持つと分かりやすいでしょう。
合格に必要な内申点の目安もコースによって様々ですが、文理コースを目指す場合は、公立トップ校に合格できるレベルの成績が求められると考えておくと良いでしょう。
主な併願校としては、文理コースの受験生は鶴丸高校や甲南高校を第一志望にしていることが多いです。その他のコースでは、鹿児島実業高校や鹿児島高校といった市内の私立高校や、鹿児島中央高校、武岡台高校などの公立高校と合わせて検討する生徒が多い傾向にあります。
樟南高等学校に設置されている学科・コース
樟南高等学校には、大きく分けて普通科、商業科、工業科の3つの科があり、さらにその中で細かくコースが分かれています。それぞれのコースで学べる内容や目指す進路が異なるため、自分の興味や将来の夢に合わせて選ぶことが非常に重要です。
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普通科 文理コース
国公立大学や難関私立大学への現役合格を目指す、学力トップ層向けのコース。少人数制と90分授業で、深い思考力と応用力を養います。
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普通科 英数コース
鹿児島大学などの国公立大学進学を目標としながら、部活動にも全力で取り組む「文武両道」を実践するコースです。
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普通科 未来創造コース
スピーチコンテストや国際交流など独自の活動を通して、自分の可能性を探求するコース。大学進学から就職まで、幅広い進路に対応しています。
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商業科 特進ビジネスコース
商業の専門知識と資格を武器に、大学の推薦入試などを活用して国公立大学への進学を目指す、商業科の特進コースです。
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商業科 資格キャリアコース
簿記や情報処理、医療事務など、社会で役立つ資格を多数取得することに特化。就職や専門学校進学に非常に強いコースです。
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工業科 機械工学コース
「ものづくり」の基礎から、ロボットなどの最先端技術までを実践的に学ぶコース。手を動かすことが好きな生徒におすすめです。
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工業科 電気工学コース
電気工事士などの国家資格取得を目指し、社会のインフラを支える電気技術者になるための知識と技術を習得します。
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工業科 自動車工学コース
国土交通省の養成施設校に指定されており、在学中に三級自動車整備士の国家資格取得が目指せる、非常に実践的なコースです。
樟南高等学校の特色・校風
樟南高等学校の校風をキーワードで表すなら、「文武両道」「伝統と革新」「規律重視」「多様性の共存」といった言葉が当てはまるでしょう。140年以上の歴史が育んだ伝統を重んじながらも、新しい時代に対応しようとする姿勢が見られます。
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宿題の量
文理コースや英数コースでは、日々の授業の予習・復習に加え、週末課題などが出されることが多く、学習量は多い傾向にあります。特に朝補習や長期休暇中の課外授業も充実しており、学校全体で学力向上をサポートする体制が整っています。
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校則(スマホ、服装など)
校則は、私立高校として標準的か、やや厳しいという声が多いようです。特にスマートフォンについては、持ち込みは許可制で、校内では電源を切りカバンにしまうのが原則。校内での使用が見つかると厳しい指導があるようです。服装に関しても、スカート丈や靴下、靴は指定のものがあり、頭髪は染髪やパーマ、メイク、アクセサリーは禁止されています。制服は有名デザイナーによるもので、特に女子の制服は「おしゃれで可愛い」と評判が良いようです。
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生徒たちの雰囲気
コースによる雰囲気の違いが非常に大きいのが特徴です。文理コースは、トップ公立高校からの併願者が多く、非常に真面目で学習意欲の高い生徒が集まっています。一方で、未来創造コースや部活動が盛んなコースでは、活発で元気な生徒が多いようです。口コミでは「コース間の交流はほとんどない」という声もあり、自分がどのコースに所属するかで高校生活のカラーが大きく決まる傾向があります。
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アルバイト
アルバイトは原則として、1年生は禁止されています。2・3年生は可能ですが、学業優先が前提です。ただし、最も学業に力を入れる文理コースと英数コースの生徒は、学年を問わずアルバイトは認められていないようです。
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制服の評判
前述の通り、制服は生徒からの人気が高いようです。特に女子の制服は、冬服・夏服・中間服ともにデザイン性が高く、気に入っているという声が多く聞かれます。男子の制服も伝統的で格好良いと評判です。
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土曜授業
文理コースと英数コースでは、月2回程度の土曜授業が実施されています。平日の授業と同様の内容で、学力定着を図る目的があるようです。
樟南高等学校の部活動・イベント
部活動
樟南高等学校の大きな魅力の一つが、全国レベルで活躍する部活動の数々です。運動部、文化部ともに非常に充実しており、学校全体で部活動を応援する雰囲気に満ちています。
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運動部
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野球部:甲子園出場27回(夏20回、春7回)を誇る、全国屈指の名門です。夏の甲子園で準優勝した実績もあり、野球部への入部を夢見て樟南を選ぶ生徒も少なくありません。
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レスリング部・剣道部・相撲部:いずれもインターハイ優勝経験を持つなど、輝かしい実績を誇ります。オリンピック選手や大相撲の力士など、多くのトップアスリートを輩出しています。
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その他、駅伝部やバレーボール部、ゴルフ部なども全国大会や九州大会の常連として活躍しています。
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文化部
樟南高校が他校と一線を画すのが、「知的アスリート」とも呼べる文化部の圧倒的な強さです。
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ワープロ部:全国大会で団体7連覇という前人未到の偉業を達成している、日本一の部活動です。タイピングの速さと正確性を競う競技で、その実力は他の追随を許しません。
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珠算・電卓部:こちらも全国大会で団体優勝経験を持つ強豪です。計算能力を極限まで高め、全国の舞台で競い合っています。
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簿記部:全国大会に25年連続で出場し、県大会では18年連続優勝という驚異的な記録を持っています。高い専門性を身につけられる部活動です。
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その他、吹奏楽部や放送部なども活発に活動しています。
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イベント
学校生活を彩る年間行事も多彩です。
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体育大会
以前は秋開催でしたが、近年は春(5月頃)に実施されています。全校生徒が一体となって盛り上がる、学校最大のイベントの一つです。
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樟南祭(文化祭)
秋に開催される文化祭です。各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や発表を行いますが、口コミによると、平日に開催され、一般公開がないため、他校の文化祭に比べると盛り上がりに欠けると感じる生徒もいるようです。
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修学旅行
2年生の冬に実施されます。行き先は年度によって異なりますが、国内や海外など、思い出に残る旅行が企画されています。
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持久走大会
冬の風物詩として、桜島を舞台に持久走大会が行われます。雄大な桜島を背景に走る経験は、心身ともに生徒をたくましく成長させます。
樟南高等学校の進学実績
樟南高等学校は、多様なコース設定を反映し、非常に幅広い進路実績を誇ります。難関大学への進学から、大手企業への就職まで、生徒一人ひとりの夢を実現するサポート体制が整っています。
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国公立大学
文理コース、英数コースを中心に、毎年多数の合格者を輩出しています。
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主な合格実績(過去の実績を含む):京都大学、一橋大学、東北大学、九州大学、北海道大学といった旧帝国大学や難関国立大学に合格者を出しています。
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地元の鹿児島大学には、文理・英数コースだけでなく、特進ビジネスコースや未来創造コースからも含め、毎年50名以上の合格者を出すなど、非常に強い実績を持っています。
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難関私立大学
関東の早慶上理、GMARCH、関西の関関同立といった全国の有名私立大学にも多数の合格実績があります。
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主な合格実績:慶應義塾大学、同志社大学(5名)、立命館大学(7名)、法政大学、関西学院大学など。
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その他の進路
樟南高校の強みは、大学進学だけではありません。
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専門学校:医療、看護、美容、調理、ITなど、各分野の専門学校へも多数進学しています。特に工業科や商業科で身につけた専門知識を活かせる分野への進学が目立ちます。
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就職:工業科、商業科の生徒を中心に、就職希望者の内定率は非常に高い水準を誇ります。トヨタ自動車、川崎重工業、九州電力、JR九州といった日本を代表する大手企業や、地元の優良企業からの求人も多く、学校への信頼の厚さがうかがえます。
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これらの実績を支えているのが、朝補習や放課後の個別指導、長期休暇中の課外授業といった手厚い学習サポートです。特に文理コースでは、少人数制を活かした教員によるきめ細やかな指導が、難関大学合格へと繋がっています。
樟南高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、樟南高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。
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偏差値75から40台までをカバーする「学びのデパート」
最難関大学を目指す文理コースから、専門技術を磨く工業科まで、一つの学校であらゆる学力層と目標に対応できるコース設定は、県内随一の多様性を誇ります。
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全国制覇を続ける「知的アスリート」たちの存在
ワープロ部や珠算部、簿記部が全国大会で優勝や上位入賞を続ける姿は、運動部だけでなく文化部でも日本一を目指せる樟南ならではの強みです。
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甲子園常連の野球部を筆頭とするエリート運動部
野球部をはじめ、レスリング、剣道、駅伝など、多くの部活動が全国レベルで活躍しており、高いレベルでスポーツに打ち込みたい生徒にとって最高の環境です。
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大手企業への就職に繋がる強力な専門教育
工業科や商業科では、在学中に国家資格を取得できたり、大手企業への高い就職実績があったりと、卒業後のキャリアに直結する実践的な教育が受けられます。
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難関大学合格を本気で目指す特進教育システム
文理コースや英数コースでは、90分授業や朝補習、少人数制クラスなど、学力を最大限に伸ばすための独自の教育プログラムが確立されています。
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新幹線通学も可能な抜群のアクセス環境
鹿児島中央駅から徒歩圏内という立地に加え、3路線のスクールバスや、駅と学校を結ぶ割安な特定バスも運行しており、県内広域から多くの生徒が通学しています。
樟南高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生からのリアルな声をまとめました。学校選びの参考にしてください。
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良い点
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「先生方がとても熱心で、分からないところは個別で丁寧に教えてくれる」という声が多数あります。
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「部活動と勉強を高いレベルで両立できる環境が整っている」
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「文理コースの学習環境は素晴らしく、周りの意識も高いので集中して勉強できる」
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「女子の制服が可愛くて、学校に通うモチベーションの一つになっている」
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「学科やコースがたくさんあるので、様々な個性を持った友達と出会える」
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「部活動の実績がすごいので、学校全体の知名度が高く、誇りに思える」
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気になる点
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「校舎や一部の施設が古いと感じることがある」という意見が見られます。
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「コースによって生徒の雰囲気や先生の厳しさが全く違う。コース間の交流も少ない」
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「スマホのルールが厳しすぎる。校内で一切使えないのは不便」
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「文化祭が一般公開されず、盛り上がりに欠けるのが少し残念」
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「先生によっては考え方が古風で、授業の進め方などが合わない場合がある」
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「文理コースは学校の勉強を最優先する雰囲気があり、塾に通うことに良い顔をされないことがある」
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アクセス・通学
樟南高等学校は、鹿児島市の交通の要所である鹿児島中央駅の近くにあり、通学の利便性が非常に高い学校です。
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最寄り駅からのアクセス
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JR「鹿児島中央駅」西口から徒歩約15~20分。駅と学校を結ぶ坂道は「樟南ロード」と呼ばれ、多くの生徒が利用しています。坂道は少し大変ですが、毎日の通学で足腰が鍛えられるかもしれません。
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JR「鹿児島中央駅」西口から、学校専用の「特定バス」(南国交通運行)が出ています。学校からの補助により、1ヶ月3,500円という格安の定期代で利用でき、非常に便利です。
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バスでのアクセス
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路線バスの場合、南国交通の「樟南高校前」バス停または「武岡団地入口」バス停から徒歩約5分です。
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県内3方面(姶良線・伊集院線・谷山線)へスクールバスが運行されており、遠方からの通学もサポートしています。
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通学エリア
鹿児島市内全域はもちろん、スクールバスやJR、新幹線を利用して、日置市、姶良市、薩摩川内市、出水市など、県内各地から生徒が通学しています。
樟南高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
樟南高等学校を目指す皆さんへ、進学アドバイザーとして最後に応援メッセージを送ります。
この学校は、「高校3年間でこれをやり遂げたい!」という、明確で強い目標を持っている君にこそ、強くおすすめします。日本一の部活動で汗を流したい、難関大学に現役で合格したい、専門資格を取って社会で活躍したい。そんな熱い想いを、樟南高等学校は全力で受け止め、実現へと導いてくれるはずです。大切なのは、数あるコースの中から、自分の目標に最も合った場所を真剣に選ぶことです。
受験勉強では、目指すコースによって対策が大きく変わります。文理コースを狙うなら、公立トップ校の入試問題を解けるレベルの実力が必須です。基礎を固めるだけでなく、応用問題にもどんどんチャレンジしてください。専門学科を目指すなら、中学校での基礎学力はもちろん、「なぜこの分野を学びたいのか」という情熱を、面接などで自分の言葉で伝えられるように準備しておきましょう。樟南高等学校は、君の「本気」を待っています。自分を信じて、夢への一歩を踏み出してください。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。