沖縄の青い海に抱かれた糸満市に、未来の海のスペシャリストを育む沖縄水産高等学校があります。1904年(明治37年)の創立から120年以上の歴史を誇り、「自主独立」「団結融和」「実践躬行」の校訓のもと、国内外の海運業や水産業界で活躍する多くの卒業生を輩出してきました。沖縄水産高等学校は、単に水産について学ぶだけでなく、海のプロフェッショナルとして必要な知識・技術、そして豊かな人間性を育む場所です。
沖縄水産高等学校の基本情報 
沖縄水産高等学校の偏差値・難易度・併願校 
学科・コースごとの偏差値(目安) 海洋技術科:37 海洋サイエンス科:37 総合学科:37 
難易度のイメージ 
偏差値は37とされていますが、これはあくまで一つの目安です。沖縄水産高等学校のような専門高校では、学力試験の点数以上に、面接などで示される「この学校で学びたい」という強い意欲や目的意識が重視される傾向があります。 
合格に必要な内申点の目安としては、中学での基礎的な学習内容をしっかりと身につけていることが求められます。特定の教科が得意であることよりも、全教科で安定した成績を収めていることが望ましいでしょう。 主な併願校 
沖縄県の公立高校入試では、原則として他の公立高校を併願することはできません。そのため、沖縄水産高等学校を第一志望とする受験生の多くは、私立高校を併願校として検討することになります。 沖縄尚学高等学校 興南高等学校 沖縄カトリック高等学校 
沖縄水産高等学校に設置されている学科・コース 
海洋技術科 航海類型・機関類型 : 船長や機関長など、未来の船乗りを目指すための学科です。 航海術や船舶のエンジンについて学び、大型実習船での本格的な航海実習を通して、海運業や水産業界で活躍できる技術者を育成します。
総合学科 
1年生で共通の科目を学んだ後、2年生から興味や進路希望に応じて9つの「系列」に分かれて専門性を深めていきます。 海洋生物系列 : 魚介類の養殖技術や生態、水族館での飼育方法などを学びます。 生き物が好きで、将来は水産資源の育成や研究に関わりたい人におすすめです。食品科学系列 : 水産物をはじめとする食品の加工や品質管理、流通について学びます。 新しい商品を開発したり、食の安全を守る仕事に興味がある人にぴったりです。マリンスポーツ系列 : ダイビングや小型船舶の操縦など、マリンレジャーの専門知識と技術を習得します。 海の楽しさや安全を伝えるインストラクターなどを目指せます。流通ビジネス系列 : 簿記や情報処理など、ビジネスの基礎を学びます。 商業の知識を身につけ、水産物の流通や販売に関わる仕事を目指したい人におすすめです。情報通信系列 : コンピュータや情報通信技術について学びます。ITスキルを活かして、水産業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)に貢献したい人に適しています。生涯スポーツ系列 : スポーツ科学の知識やトレーニング方法を学び、地域のスポーツ指導者などを目指します。服飾・調理系列 : ファッションや料理に関する専門知識と技術を学び、生活を豊かにするスキルを身につけます。福祉サービス系列 : 介護の知識や技術を学び、福祉社会を支える人材を目指します。人文・自然教養系列 : 幅広い教養を身につけ、大学進学などを目指します。
沖縄水産高等学校の特色・校風 
校風を一言で表すと 
「実践躬行(じっせんきゅうこう)」。これは校訓の一つで、「理論だけでなく、自ら行動し体験することを重んじる」という意味です。 その言葉通り、座学だけでなく実習や体験活動を非常に大切にしているのが、沖縄水産高等学校の最大の特色です。 宿題・課題の量 
専門的なレポートや実習記録などの課題はありますが、一般的な普通科高校と比較して特に多いという声は少ないようです。計画的に取り組む姿勢が大切になります。 校則 
他の高校と比べると、校則は比較的緩やかだという口コミが見られます。 ただし、携帯電話・スマートフォンの使用ルールは厳しく、授業中の使用はもちろん、昼休みに見回りが来ることもあるようです。 また、実習などでは安全確保のために厳しい規則が定められています。 生徒たちの雰囲気 
海や水産という共通の目標を持った生徒が集まっているため、生徒同士の仲が良く、アットホームな雰囲気があるようです。先生と生徒の距離も近く、親身に相談に乗ってくれるという評判が多く聞かれます。 アルバイト 
アルバイトは許可制となっている場合が多いようです。学業や学校生活に支障が出ない範囲で行うことが求められます。 制服 
制服は男女ともにブレザータイプで、落ち着いたデザインが特徴です。特に女子生徒からは「可愛い」と評判のようです。 土曜授業 
土曜授業は基本的にありませんが、実習や部活動の大会などが入ることがあります。 
沖縄水産高等学校の部活動・イベント 
部活動 
有名な部活動・珍しい部活動 野球部 : 甲子園出場の経験も豊富で、全国的にその名を知られています。 プロ野球選手も輩出しており、多くの野球少年が憧れる存在です。カッター部 : 全長9メートルの大型手漕ぎボート「カッター」を操り、速さを競う水産高校ならではの部活動です。チームワークが何よりも重要で、厳しい練習を通して心身ともに鍛えられます。相撲部 : 全国大会の常連校であり、数々の大会で優秀な成績を収めています。専用の土俵も完備されており、本格的な環境で稽古に打ち込めます。カヌー部 : 全国制覇や世界選手権入賞といった輝かしい実績を誇ります。ボクシング部 : 世界チャンピオンを輩出したこともある名門です。
イベント 
乗船実習 : 海洋技術科の生徒にとって最大のイベントです。大型実習船「海邦丸」に乗り込み、数週間にわたって実際の航海を体験します。 操船技術や漁業実習はもちろん、仲間との共同生活を通して、協調性や責任感を育みます。水高祭(文化祭) : 毎年大いに盛り上がる文化祭です。各クラスや部活動が趣向を凝らした展示や発表、模擬店などを出店します。特に、生徒たちが実習で生産したマグロの缶詰や魚の加工品などを販売する「水高デパート」は、地域住民も楽しみにしている名物イベントです。体育祭 : クラス対抗で様々な競技に熱中し、学校全体が一体となって盛り上がります。課題研究発表会 : 3年間の学びの集大成として、各学科・系列で取り組んだ研究の成果を発表する場です。専門性の高い発表が多く、生徒たちの成長を実感できるイベントです。
沖縄水産高等学校の進学実績 
主な進路 就職 : 海運会社、水産加工会社、食品会社、造船関連企業、海上保安庁など、学校で学んだ専門知識を直接活かせる企業への就職が非常に多いのが特徴です。 就職内定率は非常に高く、多くの企業から高い評価を得ています。進学(大学・短大) : 国公立大学の海洋系学部や、私立大学の水産学部、工学部などへ進学する生徒がいます。指定校推薦の枠も充実しているようです。進学(専門学校・水産大学校) : 水産大学校や、調理、福祉、IT系の専門学校へ進学し、より高度な専門技術の習得を目指す生徒もいます。専攻科への進学 : 本科3年間の課程を修了後、さらに2年間の「専攻科」に進学する道もあります。 専攻科では、より高度な海技士(船の運転免許)の国家資格取得を目指すことができ、多くの卒業生が航海士や機関士として国内外の航路で活躍しています。
進路サポート 
沖縄水産高等学校では、生徒一人ひとりの進路希望を実現するために、手厚いサポート体制を整えています。在学中に小型船舶操縦士、潜水士、危険物取扱者、ボイラー技士など、就職や進学に有利な多くの国家資格や検定を取得することが可能です。 
沖縄水産高等学校の特長・アピールポイント 
大型実習船「海邦丸」での本格的な航海実習 : 実際の海で、本物の船を使って学べる機会は非常に貴重です。ハワイなど海外へ寄港することもあり、国際感覚も養われます。取得できる資格・免許の種類の豊富さ : 小型船舶操縦士や潜水士、海技士、各種無線技士など、将来に直結する専門的な資格取得を学校が全面的にバックアップします。全国でも珍しい「専攻科」の設置 : 高校3年間に加え、さらに2年間専門分野を深く学ぶことで、大学卒業者と同等の高度な資格を取得し、即戦力として社会に出ることができます。海に直結した多様な学科・系列 : 船乗りから食品開発、海洋生物の研究、マリンスポーツまで、海に関する幅広い分野を網羅しており、自分の「好き」をとことん追求できます。就職率の高さと求人の質の良さ : 専門性の高さから、多くの企業から厚い信頼を寄せられており、安定した就職実績を誇ります。地域に根差した実践的な学び : 糸満市の水産業や地域イベントと連携した商品開発や実習が多く、社会とのつながりを実感しながら学べます。水産高校ならではの活気ある部活動 : カッター部や相撲部、ダイビング部など、ここでしかできない部活動に打ち込むことができます。
沖縄水産高等学校の口コミ・評判のまとめ 
良い点 「専門的な知識や資格がたくさん取れるので、将来の夢が明確になった」 「先生と生徒の距離が近く、何でも相談しやすいアットホームな雰囲気が良い」 「同じ目標を持つ仲間がたくさんいるので、毎日が楽しく刺激的」 「実習が多く、座学だけでは学べない実践的なスキルが身につくのが魅力」 「就職にとても強く、先生方が親身になってサポートしてくれる」 「部活動が盛んで、勉強と両立しながら充実した3年間を送れた」 
気になる点 「専門的な勉強が中心なので、普通科の大学への進学を考えている人には少し大変かもしれない」 「実習によっては体力的・精神的に厳しいと感じることもある」 「校舎や施設の一部が少し古いと感じる部分がある」 「スマートフォンの使用ルールが厳しいと感じる生徒もいる」 「専門分野への興味がないと、授業についていくのが難しいかもしれない」 
アクセス・通学 
最寄りバス停からのアクセス 琉球バス交通 81番 西崎・向陽高校線「水産高校前」バス停下車、徒歩約3分 琉球バス交通 89番 糸満線「糸満入口」バス停下車、徒歩約3〜5分 
通学エリア 
所在地である糸満市や、隣接する豊見城市、那覇市、八重瀬町など、沖縄本島南部から通学している生徒が多い傾向にあります。また、専門的な学びを求めて、本島中北部や離島から寮生活をしながら通う生徒もいます。 
沖縄水産高等学校受験生へのワンポイントアドバイス 

