熊本マリスト学園高等学校は、熊本市内に数ある高校の中でも、温かい心と確かな学力を育むことに定評のある、魅力的な私立共学校です。この学校の根底には、「家族的愛」というカトリックの教えに基づいた教育理念が流れています。ただ勉強を教えるだけでなく、一人ひとりの生徒を家族のように大切に想い、個性を尊重しながら成長をサポートしていく。そんな温かい雰囲気が、学校全体を包み込んでいます。
もちろん、学習面においても非常にレベルが高く、県内でも有数の進学校として知られています。多くの生徒が国公立大学や難関私立大学へと進学しており、その実績は確かな指導力の証です。熊本マリスト学園が目指すのは、単に学力が高いだけでなく、「他者の幸せのために生きる」ことができる人間を育てること。高い目標に向かって仲間と切磋琢磨しながら、人としての思いやりや優しさも身につけられる環境がここにはあります。
この記事では、そんな熊本マリスト学園の偏差値や難易度といった受験情報から、校則、部活動、学校行事といったリアルな高校生活の様子、そして在校生や卒業生からの率直な口コミまで、皆さんが本当に知りたい情報を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、きっとマリスト学園での3年間が具体的にイメージできるはずです。さあ、一緒にその魅力の扉を開けてみましょう。
熊本マリスト学園高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。いざという時にすぐ確認できるよう、大切な情報を一覧表にまとめました。
項目 | 内容 |
正式名称 | 熊本マリスト学園高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒862-0911 熊本県熊本市東区健軍2-11-54 |
代表電話番号 | 096-368-2131 |
公式サイトURL | https://www.marist.ed.jp/ |
熊本マリスト学園高等学校の偏差値・難易度・併願校
熊本マリスト学園を志望する上で、最も気になるのが偏差値や難易度ですよね。ここでは具体的な数字と、それがどのくらいのレベルなのかを分かりやすく解説します。
偏差値
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普通科: 62~64程度
この偏差値は、熊本県内の高校の中でもかなり高いレベルに位置します。合格するためには、中学校の学習内容をしっかりと理解し、応用力まで身につけておく必要があります。
難易度のイメージ
偏差値62~64と聞いても、ピンとこないかもしれません。具体的にイメージするために、他の高校と比較してみましょう。
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同じくらいの偏差値の公立高校
熊本県のトップクラスの公立高校である、済々黌高等学校や第二高等学校などが、学力レベルの目安として挙げられます。これらの高校を目指す受験生が、併願校として熊本マリスト学園を選ぶケースが非常に多いです。このことからも、マリスト学園が県内トップレベルの学力が求められる学校であることが分かります。
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合格に必要な内申点の目安
明確な基準は公表されていませんが、このレベルの高校に合格するためには、中学校3年間の成績が非常に重要になります。通知表の評価では、主要5教科はもちろん、その他の教科でもほとんどが「4」以上、できれば「5」が多くある状態が望ましいでしょう。日々の授業態度や提出物など、中学校生活全般を通して真摯に取り組む姿勢が求められます。
主な併願校
受験戦略を立てる上で、他の受験生がどの高校を併願しているかを知ることはとても大切です。熊本マリスト学園を受験する生徒がよく併願する高校は以下の通りです。
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私立高校
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真和高等学校
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熊本学園大学付属高等学校
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文徳高等学校(普通科進学特待コース)
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公立高校(マリスト学園を私立の併願校とする場合)
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熊本高等学校
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済々黌高等学校
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第二高等学校
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これらの併願校リストを見ると、熊本マリスト学園が、県内最難関の公立高校を目指す優秀な生徒たちの重要な受け皿になっていることがわかります。単なる私立の選択肢というだけでなく、第一志望として選ぶ生徒と、トップ公立校との併願で選ぶ生徒が集まる、レベルの高い学習環境が形成されていると言えるでしょう。
熊本マリスト学園高等学校に設置されている学科・コース
熊本マリスト学園には、幅広い進路希望に対応できる柔軟な教育課程が用意されています。
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普通科
全ての生徒がこの普通科に所属します。1年次では、文系・理系どちらにも対応できるよう、基礎学力を徹底的に固めます。そして2年次に進級する際に、それぞれの希望進路に合わせて文系・理系のコースに分かれていきます。国公立大学から私立大学まで、多様な進路を目指す生徒におすすめです。
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特進クラス
普通科の中に、難関大学への進学を特に強く希望する生徒を対象とした「特進クラス」が1クラス設置されています。このクラスは、入学試験の成績優秀者などから選抜された約40名で構成され、よりハイレベルで密度の濃い授業が展開されます。国公立大学の医学部や歯学部、薬学部、あるいは旧帝大などの最難関大学を目指す生徒に最適な環境です。
熊本マリスト学園高等学校の特色・校風
学校選びでは、偏差値だけでなく、学校全体の雰囲気が自分に合うかどうかも非常に重要です。マリスト学園での毎日がどんなものか、詳しく見ていきましょう。
キーワードで表す校風は、「家族的愛」「落ち着いた雰囲気」「文武両道」「グローバル」といった言葉がぴったりです。
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宿題の量や学習の進度
多くの在校生が「宿題は多い」「授業の進度が速い」と感じているようです。特に数学などは、予習をしていることが前提で授業が進むこともあり、日々の家庭学習が欠かせません。また、通常の授業以外に「課外」と呼ばれる補習も行われます。この学習量の多さは、高い進学実績を支える源泉ですが、一部の生徒からは「非効率的だ」という声も聞かれます。この環境は、受け身で授業を聞くだけでなく、自ら計画を立てて学習を進められる「自立した学習者」を育む土壌とも言えます。先生方は質問に行けば親身に教えてくれるため、分からないことを放置せず、積極的に聞きに行く姿勢が成績アップの鍵となります。
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校則(スマホ、服装など)
校則は、他の私立高校と比較すると「厳しい」という意見が多いようです。服装については、スカート丈や髪型、メイク、アクセサリーなどが細かく定められています。スマートフォンについては、以前は持ち込み禁止でしたが、現在は誓約書を提出すれば持ち込み可能となっています。ただし、校内では電源を切り、カバンにしまっておくのがルールです。時代に合わせて少しずつ変化は見られますが、基本的には規律を重んじる校風と言えるでしょう。
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生徒たちの雰囲気
口コミで共通して見られるのは、「穏やかで優しい生徒が多い」という点です。偏差値が高いこともあり、いじめをするような生徒はほとんどおらず、真面目で落ち着いた雰囲気の中で学校生活を送ることができます。男女問わず仲が良く、クラスの雰囲気も良好だという声が多く聞かれます。
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アルバイト
原則として禁止されている可能性が高いです。学業と部活動に専念することが推奨される校風のため、アルバイトをしたいと考えている場合は、事前に学校に確認が必要です。
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制服の評判
制服は、生徒からの評判が非常に良いです。特に女子の制服は、上品なベージュのブレザーに、赤と青の2種類から選べるチェック柄のスカートが「可愛い」と人気です。男子は知的な印象の黒いブレザースタイル。エンブレムがアクセントになっており、お洒落なデザインです。
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土曜授業
毎週ではありませんが、模試や学校行事などで土曜日が使われることはあるようです。「土日もほぼ潰れる」という口コミもあり、学業や部活動に打ち込む忙しい週末を過ごす生徒が多いことがうかがえます。
熊本マリスト学園高等学校の部活動・イベント
勉強だけでなく、部活動やイベントも高校生活を彩る大切な要素です。マリスト学園の活動の様子を覗いてみましょう。
部活動
熊本マリスト学園では、体育系・文化系ともに約12ずつの部活動があり、多くの生徒が文武両道を目指して活動に励んでいます。
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特に実績豊富な部活動
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ハンドボール部: 九州大会の常連であり、県予選ではマリスト史上初の2連覇を達成するなど、県内屈指の強豪校として知られています。その練習は気迫に満ちており、高いレベルでのプレーを目指す生徒が集まっています。
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空手道部: こちらも九州大会や全国大会で活躍する強豪部です。練習にダンスを取り入れるなど、独創的なトレーニングも特徴で、技術だけでなく礼儀や人間性の育成にも力を入れています。
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ディベート同好会: 文化部の中でも特に輝かしい実績を誇ります。全国中学・高校ディベート選手権(ディベート甲子園)で優勝経験があり、論理的思考力や表現力を鍛えたい生徒にとって最高の環境です。
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その他の活発な部活動
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吹奏楽部: 有名な顧問の先生の指導のもと、コンクールや学校行事での演奏など、活発に活動しています。中高一緒に活動しており、和気あいあいとした雰囲気が魅力です。
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茶道部: 「和敬清寂」をコンセプトに、おもてなしの心を学ぶことができる、落ち着いた雰囲気の文化部です。国際交流の場で日本の文化を紹介する機会もあります。
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イベント
生徒が主体となって作り上げるイベントは、クラスの団結力を高め、最高の思い出を作る場所です。
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マリスト祭(文化発表会・体育発表会)
9月に行われる学校最大の一大イベントです。文化発表会では、各クラスや文化部による展示やステージ発表が行われます。特に、文化祭前日の午後に行われる「歌祭」は、全校生徒が一体となって盛り上がる人気のプログラムです。体育発表会はいわゆる体育祭で、クラス対抗のリレーや競技で熱戦が繰り広げられます。
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強歩大会
4月に行われる伝統行事です。長い距離を仲間と励まし合いながら歩ききるこのイベントは、新入生にとってはクラスメイトとの絆を深める良い機会となります。
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宗教行事
カトリックの学校ならではの行事も特色の一つです。クリスマスにはミサやイルミネーションが行われ、厳かで心温まる時間を過ごします。
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早期の卒業式
大学入試のピークを避けるため、卒業式が1月下旬から2月上旬という早い時期に行われるのもユニークな点です。受験に集中できるよう配慮された、生徒第一の姿勢が表れています。
熊本マリスト学園高等学校の進学実績
高校選びにおいて、卒業後の進路は最も重要な関心事の一つです。熊本マリスト学園は、毎年安定して高い進学実績を誇っています。
国公立大学から難関私立大学、そして地元の大学まで、幅広い進路に対応できる指導力がこの学校の強みです。特に、熊本大学や熊本県立大学といった地元の国公立大学には毎年多くの合格者を輩出しています。また、九州大学や京都大学といった旧帝大や、東京のGMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)、関西の関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)といった難関私立大学にも、安定して合格者を出しています。
この高い実績は、地域との強い連携にも支えられています。地元九州の大学を中心に100校以上の指定校推薦枠を持っており、学校での成績をしっかりと維持することで、有利に進学の道を開くことも可能です。これは、多様な進路選択を可能にする大きな強みと言えるでしょう。
2024年度 主な大学合格実績
分類 | 主な大学名と合格者数(一部抜粋・過年度実績含む) |
国公立大学 | 熊本大学(7)、熊本県立大学(10)、広島大学(2)、九州大学(2023年:2)、京都大学(2022年:1)など |
難関私立大学 | GMARCH・関関同立など(立教大学(3)、中央大学(2)、関西学院大学(2)、同志社大学(1)など) |
地元・九州の私立大学 | 熊本学園大学(74)、福岡大学(22)、崇城大学(18)、西南学院大学(4)など |
進学実績を支える取り組み
こうした実績は、日々の手厚いサポート体制によって実現されています。難関大学を目指す「特進クラス」の設置はもちろん、放課後や長期休暇中に行われる課外授業(補習・講習)も充実しています。また、崇城大学と連携した「高大連携授業」では、大学の教授から直接、専門的な学問を学ぶ機会も設けられており、早い段階から学問への探究心を深めることができます。
熊本マリスト学園高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、熊本マリスト学園ならではの強みや魅力を7つのポイントにまとめました。
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「家族的愛」に基づくカトリックの教育理念
学校の最も根幹にあるのが、生徒一人ひとりを大切にする温かい精神です。学習面だけでなく、心の成長もサポートする全人教育を実践しています。
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地域トップクラスの進学実績と手厚い進路指導
難関国公立大学への挑戦から、指定校推薦を活用した進学まで、生徒一人ひとりの目標に合わせた多様な進路指導が強みです。
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全国レベルで活躍する文武両道の部活動
ハンドボール部や空手道部といった強豪運動部だけでなく、全国優勝経験のあるディベート同好会など、学業と両立させながら全国の舞台で輝ける環境があります。
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独自のキャリア教育と探究学習プログラム
SDGsをテーマにした課題研究や「マリステリアプログラム」と呼ばれる探究学習を通じて、答えのない問題に立ち向かう思考力や表現力を養います。
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抜群のアクセスを誇る便利な立地
熊本市電・バスの「健軍校前」停留所から徒歩わずか1〜2分という最高のロケーション。市内各地からスムーズに通学でき、時間を有効に使えます。
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県内トップクラスの蔵書数を誇る図書館
探究学習や受験勉強、あるいは純粋な読書まで、生徒の知的好奇心に応える素晴らしい図書館があります。読書好きにはたまらない環境です。
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生徒からの評価も高い、お洒落で可愛い制服
高校生活のモチベーションにも繋がる制服は、特に女子生徒から大人気。上品で知的なデザインは、マリスト生であることの誇りを感じさせてくれます。
熊本マリスト学園高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられたリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。
良い点
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先生のサポートと面倒見の良さ
「質問に行くと熱心に教えてくれる」「先生方が親身になって相談に乗ってくれる」といった声が多数あります。職員室前のラウンジは質問しやすい環境で、意欲のある生徒にとっては最高のサポート体制です。
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穏やかで優しい生徒が多く、良い友人関係が築ける
「いじめなどは聞いたことがない」「真面目で優しい人が多く、安心して過ごせる」という評判です。落ち着いた環境で、勉強や部活動に集中したい人には最適な学校と言えるでしょう。
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行事が楽しく、クラスの団結力が強い
マリスト祭などの学校行事は非常に盛り上がり、「青春を実感できる」という口コミが多く見られます。行事を通じてクラスの絆が深まり、かけがえのない思い出を作ることができます。
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充実した施設(特に図書館)と交通の便
蔵書数が豊富な図書館や、市電・バス停からすぐというアクセスの良さは、多くの生徒が高く評価しているポイントです。
気になる点
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宿題の量が多く、授業の進度が速い
「課題が多くて大変」「予習が必須でついていくのがやっと」という声は少なくありません。高いレベルの学習環境であるため、自主的な学習習慣が身についていないと苦労する可能性があります。
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校則が厳しいと感じる生徒もいる
服装や頭髪、スマートフォンの使用など、規律を重んじる校風を窮屈に感じる生徒もいるようです。
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学習指導が非効率的だと感じる意見も
大量の課題や課外授業を課す指導方針について、「自分で勉強したい人には合わないかもしれない」という意見もあります。生徒の自主性を重んじるがゆえに、手取り足取りの指導を期待すると、物足りなさを感じるかもしれません。
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合う・合わないがはっきり分かれる校風
口コミを総合すると、マリスト学園は「自分から積極的に行動できる、自立した生徒」に最も合う学校だと言えそうです。与えられた環境を最大限に活用できる人にとっては素晴らしい学校ですが、受け身の姿勢だとその良さを実感しにくいかもしれません。
アクセス・通学
熊本マリスト学園は、その通いやすさも大きな魅力の一つです。
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最寄り駅からのアクセス
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熊本市電:「健軍校前」電停で下車、徒歩約1〜2分
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産交バス・熊本バス:「健軍校前」バス停で下車、徒歩約1〜2分
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このように、公共交通機関の停留所が目の前にあるため、雨の日でも通学が非常に楽です。
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通学エリア
熊本市電の沿線にあるため、熊本市内全域から多くの生徒が通学しています。また、口コミによれば「生徒の半数以上は自転車通学」とのことで、学校が位置する熊本市東区やその周辺地域から自転車で通う生徒も多いようです。
熊本マリスト学園高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、熊本マリスト学園を目指す君たちにメッセージを送ります。
熊本マリスト学園は、ただ大学合格を目指すだけではなく、温かい人間関係の中で、知性と心を同時に磨きたいと考える君にぴったりの学校です。高いレベルの勉強に挑戦したい、でも、冷たい競争だけの3年間は送りたくない。そんな風に思っているなら、ぜひ一度オープンスクールに足を運んで、マリストの「家族的愛」の雰囲気を肌で感じてみてください。
受験勉強においては、専願・奨学生試験は5教科が課されるため、苦手科目を作らないバランスの取れた学習が何よりも大切です。特に、応用力が問われる問題が多いため、基礎を固めた上で、過去問に繰り返し挑戦し、出題形式に慣れておきましょう。熊本マリスト学園高等学校で過ごす3年間は、君を大きく成長させてくれるはずです。高い志を持つ仲間たちと共に、充実した高校生活を送りたい君からの挑戦を、心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。