埼玉県立狭山緑陽高等学校は、「未来志向」を合言葉に、生徒一人ひとりの「やってみたい」という気持ちを大切にする、新しいタイプの高校です。総合学科という特色を活かし、普通科目だけでなく、ビジネスや福祉といった専門的な科目まで、幅広い選択肢の中から自分の興味や将来の夢に合わせて時間割を組み立てることができます。「朝は少しゆっくりしたい」「自分のペースで学びたい」といった多様なニーズに応えるため、午前から授業が始まるⅠ部と、午後から始まるⅡ部が用意されているのも狭山緑陽高等学校の大きな特徴です。

この学校の魅力は、なんといってもその自由度の高さと、生徒の主体性を尊重する校風にあります。自分の好きなことをとことん追求できる環境は、高校生活をより充実したものにしてくれるでしょう。様々な興味を持つ仲間たちと刺激し合いながら、まだ自分でも気づいていない新たな可能性を発見できる場所、それが狭山緑陽高等学校です。

この記事では、そんな狭山緑陽高等学校について、偏差値や難易度、学校生活の様子、部活動、進学実績まで、受験生や保護者の皆さんが本当に知りたい情報を、進学アドバイザーの視点から分かりやすく、そして詳しく解説していきます。この記事を読めば、きっと狭山緑陽の魅力が伝わるはずです。

狭山緑陽高等学校の基本情報

まずは、狭山緑陽高等学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 埼玉県立狭山緑陽高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒350-1320 埼玉県狭山市広瀬東4-3-1
代表電話番号 04-2952-5295
公式サイトURL https://sr-h.spec.ed.jp/

狭山緑陽高等学校の偏差値・難易度・併願校

狭山緑陽高等学校の受験を考える上で、偏差値や難易度は重要なポイントです。

  • 総合学科:偏差値 41

偏差値はあくまで一つの目安ですが、同じくらいの偏差値の高校としては、飯能南高校、児玉高校、妻沼高校などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安は、9教科で23前後と言われることが多いようです。ただし、これはあくまで目安であり、当日の学力検査の得点や面接の結果も重要になります。狭山緑陽高等学校の選抜では、学力検査、調査書、面接が評価の対象となりますので、日々の授業に真面目に取り組み、基本的な学力を定着させることが大切です。

併願校としては、同じ西部地区の私立高校である武蔵越生高校埼玉平成高校東野高校、秀明英光高校などがよく選ばれる傾向にあります。

狭山緑陽高等学校に設置されている学科・コース

狭山緑陽高等学校は、普通科の中に専門的な学びの系統(系列)が用意されている「総合学科」の高校です。1年次に入学後、自分の興味関心や進路希望に応じて、2年次から以下の4つの系列に分かれて学習を進めていきます。

  • 情報ビジネス系列: パソコンスキルや簿記、マーケティングなど、社会で役立つビジネスの基礎を学びます。将来、事務職や販売職、IT関連の仕事に就きたい人におすすめです。

  • 健康福祉系列: 介護の基礎技術や福祉の制度、保育などについて学びます。介護職員初任者研修の資格取得も目指せます。思いやりの心を持ち、人の役に立ちたいと考えている人にぴったりです。

  • 国際教養系列: 英語コミュニケーション能力の向上はもちろん、異文化理解や国際問題についても学びを深めます。海外に興味があったり、語学を活かした仕事を目指す人におすすめです。

  • 総合サイエンス系列: 理科や数学の発展的な内容や、生活と科学の関わりについて探究します。理系分野への進学や、科学的な思考力を身につけたい人に適しています。

狭山緑陽高等学校の特色・校風

狭山緑陽高等学校の校風は、「生徒の自主性尊重」や「多様な学び」といったキーワードで表すことができます。単位制・総合学科・二部制という柔軟なシステムが、生徒一人ひとりの個性を伸ばす土壌となっています。

  • 宿題の量: 選択する科目によって異なりますが、全体的には標準的か、やや少なめという声が多いようです。自分で学習計画を立てて進めることが求められます。

  • 校則: 他の高校と比較すると、緩やかだという評判です。頭髪の色やピアスなどについては指導がありますが、スマートフォンの持ち込みや使用については、授業中の使用を除き比較的自由なようです。服装に関しても、定められた制服をきちんと着用していれば厳しく注意されることは少ないとの口コミが見られます。

  • 生徒たちの雰囲気: Ⅰ部は10時登校ということもあり、落ち着いた雰囲気の中で学校生活を送りたい生徒が集まる傾向があります。様々な興味関心を持つ生徒がいるため、お互いの個性を認め合う風土があるようです。

  • アルバイト: 届け出を出せば可能とされています。実際に多くの生徒がアルバイトと学業を両立させているようです。

  • 制服: 落ち着いた色合いのブレザースタイルで、特に女子生徒のスカートのチェック柄が可愛いと評判です。リボンやネクタイも選択でき、着こなしの幅がある点が評価されています。

  • 土曜授業: 基本的に土曜授業はありません。

狭山緑陽高等学校の部活動・イベント

部活動

狭山緑陽高等学校は、定時制通信制の大会で輝かしい実績を誇る部活動が多くあります。Ⅰ部とⅡ部の生徒が一緒に活動しており、活気にあふれています。

  • 実績豊富な部活動: 陸上部、ソフトテニス部、バドミントン部、卓球部などは、毎年のように全国大会に出場している強豪です。限られた時間の中で集中して練習に取り組み、高いレベルを目指しています。

  • 文化部: 運動部だけでなく、美術部、吹奏楽部、軽音楽部、コンピュータ部など、文化部も多彩です。特に軽音楽部やダンス部は、文化祭のステージで素晴らしいパフォーマンスを披露し、学校を盛り上げています。

イベント

学校生活を彩るイベントも、狭山緑陽高等学校の魅力の一つです。

  • 緑陽祭(文化祭): 毎年秋に開催される文化祭は、クラスや部活動ごとの展示・発表・模擬店などで大変盛り上がります。一般公開もされており、多くの来場者で賑わいます。生徒たちが主体となって企画・運営を行い、一体感を味わえる一大イベントです。

  • 体育祭: クラス対抗で様々な競技に臨み、団結力を深めます。学年やクラスの垣根を越えて応援し合う姿が見られます。

  • 修学旅行: 2年次に実施され、沖縄などへ行きます。平和学習や体験学習を通じて、仲間との絆を深め、見聞を広める貴重な機会となっています。

  • 遠足: 各学年で実施され、校外での活動を楽しみます。

狭山緑陽高等学校の進学実績

狭山緑陽高等学校は、多様な進路希望に対応できるサポート体制が整っています。大学進学から専門学校、就職まで、幅広い実績があります。

近年の主な進路状況を見ると、卒業生のうち約半数が就職、約3割が専門学校へ進学、約2割が大学・短大へ進学しています。

  • 大学進学: 指定校推薦を利用して大学へ進学する生徒が多いようです。主な進学先としては、城西大学、駿河台大学、東京国際大学、西武文理大学などが挙げられます。

  • 専門学校: 看護、福祉、保育、調理、美容、IT関連など、各自が目指す分野の専門学校へ進学しています。

  • 就職: 地元である狭山市や入間市周辺の企業への就職が中心です。製造業や介護・福祉職への就職が多い傾向があります。

進路実現に向け、1年次から「産業社会と人間」という授業でキャリア教育が行われるほか、進路ガイダンスや外部機関と連携した補講なども実施され、生徒一人ひとりの希望に合わせた的確な進路指導が行われています。

狭山緑陽高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、狭山緑陽高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをご紹介します。

  • 自分のペースで学べる二部制(Ⅰ部は10時登校): 午前から始まるⅠ部と午後から始まるⅡ部があり、自分のライフスタイルに合わせて学べます。

  • 興味をとことん追求できる総合学科: 4つの系列から自分の好きな分野を選び、専門的な知識や技術を身につけることができます。

  • 3年間での卒業が可能: 単位制のため、必履修科目を含め74単位以上を修得すれば、定時制でありながら3年間で卒業することが可能です。

  • 少人数・習熟度別授業: 数学や英語などの科目では、生徒の理解度に合わせた少人数・習熟度別授業が展開され、基礎からじっくり学び直したい生徒にも手厚いサポートがあります。

  • 「産業社会と人間」という独自の科目: 1年次に全員が履修し、社会の仕組みや働くことの意義について学び、自分の将来について深く考える機会となります。

  • 資格取得のサポートが手厚い: 「健康福祉系列」での介護職員初任者研修修了資格をはじめ、情報処理や簿記など、各系列で将来に役立つ資格の取得を積極的に支援しています。

  • 地域や大学との連携: 武蔵野学院大学とのコラボレーション講座や、地元企業での就業体験など、学校外での学びの機会も豊富に用意されています。

狭山緑陽高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、狭山緑陽高等学校の自由な校風や、自分のペースで学べる環境を評価する声が多く聞かれます。

  • 良い点:

    • 「自分の好きな科目をたくさん選べるので、授業が楽しい」

    • 「先生方が親身になって相談に乗ってくれる」

    • 「校則が厳しくないので、のびのびと学校生活が送れる」

    • 「定時制の全国大会を目指せる部活動があり、やりがいがある」

    • 「色々な考えを持った人がいて、視野が広がった」

    • 「制服が可愛いと友達から褒められる」

  • 気になる点:

    • 「駅から少し距離があり、バスか自転車が必要」

    • 「施設が少し古いという意見があります」

    • 「大学進学を目指すには、自分自身の強い意志と努力が必要」

    • 「生徒の学習意欲に差があるように感じることもある」

アクセス・通学

狭山緑陽高等学校へのアクセス方法は以下の通りです。

  • 西武新宿線「狭山市駅」西口下車、徒歩約20分

  • 西武新宿線「狭山市駅」西口より西武バス、「狭山緑陽高校」下車すぐ(日生団地・智光山公園行き)

  • 西武池袋線「稲荷山公園駅」より徒歩約35分

狭山市内から通学する生徒が最も多いですが、入間市、所沢市、飯能市など、近隣の市からも多くの生徒が通学しています。

狭山緑陽高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでいただき、狭山緑陽高等学校の魅力が伝わったでしょうか。この学校は、「高校では新しいことにチャレンジしたい」「自分の好きなことを見つけて、それを伸ばしたい」と考えている君にぴったりの場所です。また、「中学校では少し不登校気味だったけれど、高校からは自分のペースで頑張りたい」という生徒にも、狭山緑陽高等学校は温かく手を差し伸べてくれるはずです。

受験勉強においては、まずは中学校の教科書レベルの基礎・基本を徹底的に固めることが何よりも大切です。特に英語と数学は、毎日の積み重ねが力になります。また、面接も重視されるので、なぜ狭山緑陽高等学校で学びたいのか、高校に入ってどんなことに挑戦したいのかを、自分の言葉でしっかりと伝えられるように準備しておきましょう。君の「学びたい」という熱意を、先生方はきっと見てくれます。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。