玉川学園高等部は、東京都町田市の広大なキャンパスに幼稚園から大学までが集まる、総合学園の中にある高校です。創立以来「全人教育」という一貫した理念のもと、知識だけでなく、豊かな人間性を育むことを大切にしています。緑あふれる恵まれた自然環境の中で、生徒一人ひとりが自分の興味や関心を深く探求できるのが、玉川学園の大きな魅力です。

この学校の特色は、なんといってもその多様な学びにあります。国際的な視野を養うIB(国際バカロレア)クラスの設置や、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)としての先進的な理数教育など、生徒の「もっと知りたい」という気持ちに応える環境が整っています。のびのびとした雰囲気の中で、自分の可能性を最大限に広げたいと考えている中学生にとって、玉川学園高等部は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

この記事では、そんな玉川学園高等部がどのような学校なのか、その特色や学校生活、進路について、進学アドバイザーの視点から詳しく、そして分かりやすく解説していきます。学校選びで大切なのは、偏差値だけでなく、その学校が持つ「空気感」や「教育の中身」を知ることです。この記事を通して、玉川学園の魅力を感じ取ってみてください。

玉川学園高等部の基本情報

項目 内容
正式名称 玉川学園高等部
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒194-8610 東京都町田市玉川学園6-1-1
代表電話番号 042-739-8111(代表)、042-739-8931(入試広報課)
公式サイト https://www.tamagawa.jp/academy/

玉川学園高等部の偏差値・難易度・併願校

玉川学園高等部では、帰国生入試や一般入試(専願・併願優遇、オープン)が実施されています。

偏差値はコースによって異なり、一般クラスが55前後、国際バカロレア(IB)クラスが62前後と言われています。同じくらいの偏差値の高校としては、近隣の私立高校などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安は、専願優遇や併願優遇制度を利用する場合、学校が定める基準を満たす必要がありますので、必ず学校説明会や募集要項で確認してください。

玉川学園高等部を第一志望としない場合の併願校としては、東京都や神奈川県の他の私立高校を選ぶ生徒が多いようです。具体的な併願パターンは生徒の学力や希望進路によって様々ですが、同程度の難易度や、通学の利便性が良い学校が選ばれる傾向にあります。

玉川学園高等部に設置されている学科・コース

玉川学園高等部には、生徒一人ひとりの進路や興味に合わせた2つのコースが設置されています。

  • 一般クラス

    文部科学省の学習指導要領に基づいたカリキュラムで、幅広い知識と教養を身につけます。2年生からは文系・理系に分かれ、さらに3年生では多様な選択科目を通じて、それぞれの志望大学合格に向けた学力を養成します。基礎から応用まで、自分のペースで着実に学びたい生徒におすすめです。

  • 国際バカロレア(IB)クラス

    国際的な大学入学資格であるIBディプロマ・プログラムの取得を目指すコースです。授業の多くが英語で行われ、探究型の学習や論文作成を通して、論理的思考力や表現力を鍛えます。将来、海外の大学への進学や、国際的な舞台で活躍したいという高い志を持つ生徒に最適の環境です。

玉川学園高等部の特色・校風

玉川学園高等部は、「全人教育」の理念のもと、生徒の自主性を尊重する「自由で伸びやか」な校風が特徴です。

  • 宿題の量

    宿題の量は、コースや学年、選択科目によって異なりますが、IBクラスでは特に課題やレポートが多く、計画的な学習が求められるようです。一般クラスも、日々の予習復習は欠かせません。

  • 校則

    校則は、他の私立高校と比較すると緩やかな傾向があるようです。スマートフォンの持ち込みは許可されていますが、校内での使用にはマナーを守るよう指導されています。

  • 服装

    男子は指定のスーツとネクタイですが、女子は制服が定められておらず、15種類もの標準スカートから自由に選んで組み合わせるスタイルです。これは生徒の個性を尊重する玉川学園ならではの特色で、生徒からも好評です。2025年度からはスラックスも導入されました。

  • 生徒たちの雰囲気

    裕福な家庭の生徒が多く、全体的に穏やかでおっとりとした雰囲気があると言われています。生徒同士の仲も良く、いじめなどは少ないという声が多いようです。

  • アルバイト

    アルバイトは原則として禁止されています。

  • 土曜授業

    土曜日は基本的に授業や講座、行事などが行われる週6日制です。

玉川学園高等部の部活動・イベント

部活動

玉川学園高等部では、多くの生徒が部活動に参加し、文武両道を目指しています。体育系・文化系ともに多彩なクラブがあり、充実した施設でのびのびと活動しています。

  • 運動部

    特にチアダンス部は全国大会の常連として知られています。また、ラグビー部、スキー部、エアロビック部なども強豪として実績を残しています。広大な人工芝グラウンドや複数の体育館など、活動に打ち込める環境が整っています。

  • 文化部

    文化部では、サイエンスクラブやロボット部が世界大会に出場するなど、非常に活発です。吹奏楽部やオーケストラ部、英語劇部なども盛んに活動しており、学園内のイベントで成果を披露する機会も豊富です。

イベント

玉川学園の学校行事は、幼稚園から大学までが一体となって行われるものが多く、非常に大規模で盛り上がるのが特徴です。

  • 玉川学園展(ペガサス祭)

    毎年9月に行われる文化祭で、生徒が主体となって企画・運営します。各クラスや部活動による展示・発表のほか、有志によるダンスやバンド演奏など、キャンパス中が熱気に包まれます。

  • 体育祭

    幼稚部生から大学生まで、全学園の児童・生徒・学生が参加する一大イベントです。年齢を超えた交流が生まれ、学園全体の一体感を味わうことができます。

  • 音楽祭

    学年ごとに合唱などを披露する芸術鑑賞の機会で、玉川学園の芸術教育の集大成ともいえる行事です。

  • 修学旅行・研修

    カナダにある学園の校地での海外研修(8年生)など、国際理解を深めるためのプログラムが充実しています。

玉川学園高等部の進学実績

玉川学園高等部の進路は、併設の玉川大学への内部進学と、他大学への受験という大きく2つの道があります。

例年、卒業生の約3割から5割が内部進学制度を利用して玉川大学へ進学します。内部進学には、高校3年間の成績(累積GPA)が基準を満たしている必要があります。

他大学への進学実績も豊富で、国公立大学や早慶上理、GMARCHといった難関私立大学へも毎年合格者を出しています。特にIBクラスの生徒は、そのカリキュラムの特性を活かして海外の大学へ進学するケースも少なくありません。

また、理系では伝統的に医歯薬系への進学希望者が多いのも特徴です。学校では、放課後や長期休暇中の講習など、生徒一人ひとりの進路希望に合わせたきめ細やかなサポート体制が整っています。

玉川学園高等部の特長・アピールポイント

玉川学園高等部には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • 「全人教育」という一貫した教育理念

    創立以来受け継がれる、知識だけでなく心や身体、実行力など、人間として調和の取れた成長を目指す教育を実践しています。

  • 広大で自然豊かなワンキャンパス

    約61万㎡の広大な敷地に幼稚園から大学院までが集結。最新の理科教育施設「サイテックセンター」や芸術専用校舎など、大学レベルの施設を利用できます。

  • 国際的な視野を育むIB(国際バカロレア)プログラム

    世界水準の教育プログラムを通じて、海外大学への進学も視野に入れた高度な学びが可能です。

  • スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校

    文部科学省からSSHの指定を受け、先進的な理数系教育や探究活動に力を入れています。

  • 生徒の個性を尊重する制服

    女子は15種類もの標準スカートから自由に選べるなど、自主性を大切にする校風が制服にも表れています。

  • 学年の枠を超えた多彩な学校行事

    体育祭やペガサス祭(文化祭)は、幼稚部から大学生までが参加する大規模なもので、他では味わえない一体感を経験できます。

  • 充実したグローバル教育

    ラウンドスクエア(国際私立学校連盟)に加盟しており、海外の生徒との交流や国際会議への参加機会が豊富にあります。

玉川学園高等部の口コミ・評判のまとめ

玉川学園高等部について、在校生や保護者からは様々な声が寄せられています。

  • 良い点

    • 「広大なキャンパスと自然豊かな環境が素晴らしく、のびのびと学校生活を送れる」という意見が非常に多いです。

    • 「IBクラスなど、特色ある教育プログラムが充実している」

    • 「施設が大学並みに整っており、特に理科や芸術の設備は素晴らしい」という声も目立ちます。

    • 「女子の制服が可愛く、自由に組み合わせられるのが嬉しい」という口コミも多数あります。

    • 「穏やかで優しい生徒が多く、いじめの心配が少ない」と感じる保護者も多いようです。

  • 気になる点

    • 「学費が他の私立高校に比べて高い」という点は、多くの人が指摘するポイントです。

    • 「最寄り駅から校舎まで距離があり、坂道も多いので少し大変」という声があります。

    • 「自由な校風のため、自主性がないと流されてしまう可能性がある」という意見や、「大学受験へのサポートが手厚いとは言えない」と感じる生徒も一部いるようです。

アクセス・通学

玉川学園高等部へのアクセス方法は以下の通りです。

  • 小田急線「玉川学園前」駅 北口より徒歩約15分

  • 東急田園都市線「青葉台」駅より東急バス「奈良北団地」行きで約17分、終点下車後徒歩10分

「玉川学園前」駅が最寄りとなりますが、広大なキャンパスのため、駅から校舎まではさらに時間がかかります。通学している生徒は、町田市、横浜市、川崎市、世田谷区など、小田急線や田園都市線沿線の幅広いエリアから集まっているようです。

玉川学園高等部受験生へのワンポイントアドバイス

玉川学園高等部を目指す皆さんへ。この学校は、ただ大学進学のためだけに勉強するのではなく、緑豊かな素晴らしい環境の中で、自分の「好き」や「得意」を思い切り伸ばしたいと考えている人にぴったりの場所です。特に、国際的なことや科学の探求に興味があるなら、玉川学園のIBクラスやSSHの取り組みは、皆さんにとって最高の学びの場となるでしょう。

受験勉強においては、まず基礎学力をしっかりと固めることが大切です。その上で、玉川学園高等部がどのような教育を目指しているのか、「全人教育」という理念をよく理解しておきましょう。面接では、この学校で何を学び、どのように成長したいのかを自分の言葉で熱意をもって伝えることが重要になります。学校説明会に積極的に参加して、先生方や在校生の雰囲気を肌で感じてみてください。皆さんの挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。