静岡県東部にある田方農業高等学校は、1902年(明治35年)に創立され、120年以上の歴史と伝統を誇る農業の専門高校です。 「田農(でんのう)」の愛称で親しまれ、地域に根差した教育を行っています。動物、食品、花、野菜づくりなど、農業に関する幅広い分野を、実習を通して体験的に学べるのが田方農業高等学校の大きな魅力です。
田方農業高等学校の基本情報
田方農業高等学校の偏差値・難易度・併願校
学科・コースごとの偏差値 動物科学科:45 生産科学科、園芸デザイン科、食品科学科、ライフデザイン科:44
難易度の目安
偏差値44〜45は、静岡県内の高校の中では比較的入学しやすいレベルと言えます。合格に必要な内申点の目安は27前後とされています。 ただし、農業への興味・関心が非常に重視されるため、面接などで自分の学びたいことや将来の夢をしっかりとアピールすることが大切です。 主な併願校
静岡県の公立高校入試では、基本的に公立高校同士の併願はできません。そのため、田方農業高等学校を第一志望とする受験生の多くは、私立高校を併願校として選択します。主な併願先としては、以下のような高校が挙げられます。 日本大学三島高等学校 知徳高等学校
田方農業高等学校に設置されている学科・コース
生産科学科 どんなことを学ぶ?:野菜や果樹の栽培、有機農業、植物バイオテクノロジーなど、安全で環境に優しい農産物の生産と流通について学びます。 どんな生徒におすすめ?:自分で作物を育ててみたい人、食料生産の裏側に興味がある人におすすめです。
園芸デザイン科 どんなことを学ぶ?:草花の栽培や管理、フラワーデザイン、庭園のデザインや施工など、植物で生活空間を豊かにする方法を学びます。 どんな生徒におすすめ?:花や緑が好きで、デザインや空間プロデュースに興味がある人におすすめです。
動物科学科 どんなことを学ぶ?:乳牛などの生産動物や、犬などの愛玩動物の飼育管理、乳製品・肉製品の加工について学びます。 どんな生徒におすすめ?:動物が大好きで、飼育や動物と人との関わりについて深く学びたい人におすすめです。
食品科学科 どんなことを学ぶ?:ジャムやパンなどの食品加工、食品の栄養分析、微生物の利用法など、食に関する科学的な知識と技術を学びます。 どんな生徒におすすめ?:食べることが好きで、食品開発や栄養、衛生管理に興味がある人におすすめです。
ライフデザイン科 どんなことを学ぶ?:調理や栄養に関する知識、野菜や草花の栽培、植物を活用した福祉(園芸福祉)など、生活を豊かにするための知識と技術を学びます。 どんな生徒におすすめ?:食や健康、園芸などを通して人の暮らしや福祉に貢献したい人におすすめです。
田方農業高等学校の特色・校風
校風・雰囲気 キーワード:実学尊重、地域連携、共生・共育 生徒たちの雰囲気は、動物や植物が好きという共通点を持つ生徒が多いため、穏やかで真面目な生徒が多いようです。専門分野を学ぶという目的意識がはっきりしているため、落ち着いた雰囲気の中で学校生活を送りたい人に向いていると言えるでしょう。
学校生活について 宿題の量:専門高校という特性上、レポートや実習記録などの提出物はありますが、量は標準的という声が多いようです。 校則:校則は、他の高校と比較して標準的か、やや厳しいと感じる生徒もいるようです。特に、頭髪や服装に関する指導はきちんと行われる傾向があります。スマートフォンの使用については、校内でのルールが定められており、授業中の使用は禁止されています。 アルバイト:アルバイトは、長期休暇中などに許可制で行うことができます。学業との両立が条件となります。 制服:制服は、男子は詰襟、女子はブレザーです。デザインについては、伝統的なスタイルで落ち着いているという評判です。 土曜授業:土曜授業は基本的にありません。
田方農業高等学校の部活動・イベント
部活動
特徴的な部活動 フラワーデザイン部:全国レベルの大会で優秀な成績を収めている強豪部です。技能五輪全国大会で銅賞や敢闘賞を受賞するなど、高校生トップクラスの実力を誇ります。 花いけバトルなど、ユニークな大会にも挑戦しています。 動物科学部:動物の飼育管理や研究活動を行っています。 食品科学部:新商品の開発や地域の特産品を使った加工品づくりなどに取り組んでいます。 フェンシング部:県内でも数少ないフェンシング部があり、東海大会や全国大会に出場する選手もいます。
全体の様子
運動部、文化部ともにバランス良く設置されており、多くの生徒が部活動に参加し、充実した学校生活を送っています。農業系の部活動では、日頃の学習をさらに深めることができ、専門性を高める良い機会となっています。
イベント
田農祭(文化祭)
毎年11月に行われる最大のイベントです。 生徒たちが育てた新鮮な野菜や草花、手作りのジャムやパンなどの加工品が販売され、毎年多くの地域住民で賑わいます。 クラスごとの展示やステージ発表もあり、学校全体が一体となって盛り上がります。 体育祭
5月に行われ、学科対抗で様々な競技に熱戦を繰り広げます。 農業高校らしく、力仕事系の種目があるなどユニークな内容です。 修学旅行
12月に実施され、行き先は年によって異なりますが、農業や自然、文化に触れる体験的な学習が盛り込まれています。 その他
農業クラブの各種発表大会やプロジェクト発表大会など、日頃の学習成果を発表する機会も多く設けられています。
田方農業高等学校の進学実績
主な進学先
公式サイトでは詳細な大学名や人数の公開は限定的ですが、農業系の学部を持つ大学や短期大学、専門学校への進学者が多い傾向にあります。 大学・短期大学:日本大学、東海大学、常葉大学、静岡県立農林環境専門職大学など 専門学校:地域の農業大学校や、動物、調理、栄養、園芸、福祉などの専門学校
主な就職先
農業法人、食品製造会社、造園会社、ペット関連企業、福祉施設など、各学科で学んだ専門知識を直接活かせる企業への就職実績が多数あります。公務員(農業職)になる卒業生もいます。 進路サポート
2年次には社会体験学習(インターンシップ)が実施され、将来の進路を考える貴重な機会となっています。 また、進学希望者向けの補習や、就職希望者向けの面接指導など、一人ひとりの進路希望に応じた手厚いサポート体制が整っています。
田方農業高等学校の特長・アピールポイント
生きた学びを実感できる豊富な実習
広大な農場や充実した施設を活かし、動植物と直接ふれあう「生きた学び」を重視しています。 授業の多くが実習で構成されており、体験を通して専門知識と技術を確実に身につけることができます。 5つの専門学科と10のコース
農業という広い分野を5つの学科と10のコースに細分化し、自分の興味・関心に合わせて深く学べる環境が整っています。 地域との連携による実践的な学び
地域の住民や団体と連携し、地域の資源を活用した学習活動を積極的に行っています。 例えば、地域の課題解決を目指した「小さな収穫祭」の開催など、社会とのつながりを実感しながら学べます。 「共生・共育」の実践
敷地内に沼津特別支援学校伊豆田方分校が併設されており、農業実習や学校行事を共に行う「共生・共育」を実践しています。 多様性を受け入れ、互いを尊重する心を育む貴重な経験ができます。 全国レベルで活躍する部活動
特にフラワーデザイン部は全国大会の常連で、高いレベルで技術を磨くことができます。 農業系の部活動も盛んで、専門性をさらに高めることが可能です。 取得できる資格の多さ
危険物取扱者、ボイラー技士、日本農業技術検定、愛玩動物飼養管理士、食生活アドバイザーなど、将来に役立つ多くの資格取得をサポートしています。 地域で大人気の「田農祭」
生徒が生産した農産物や加工品を販売する文化祭は、地域の名物イベントとなっており、実践的な販売・流通を学ぶ場にもなっています。
田方農業高等学校の口コミ・評判のまとめ
良い点 「動物や植物が好きという共通の趣味を持つ友達がたくさんできるので、毎日が楽しい」 「実習が多く、座学だけでは学べないことを体験できるのが魅力。将来の夢に直結する学びができる」 「先生方が専門分野に詳しく、質問にも丁寧に答えてくれる。進路相談にも親身に乗ってくれる」 「田農祭は本当に盛り上がる。自分たちで作ったものを地域の人に買ってもらえるのは嬉しい経験」 「おっとりした生徒が多く、いじめなども少ない印象。自分のペースで学校生活を送れる」
気になる点 「駅から近いのは良いが、農場が広いため、実習場所によっては移動が大変」 「施設によっては少し古い部分もある」 「夏場の農場での実習は体力的にきついこともある」 「専門的な勉強が合わないと、授業についていくのが大変かもしれない」
アクセス・通学
最寄り駅からのアクセス 伊豆箱根鉄道 駿豆線「伊豆仁田駅」から徒歩約2〜3分 伊豆箱根鉄道 駿豆線「大場駅」から徒歩約18分
通学エリア
駅からのアクセスが非常に良いため、函南町、三島市、伊豆の国市、沼津市など、伊豆箱根鉄道沿線を中心に幅広いエリアから生徒が通学しています。
田方農業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス