高校選びは、これからの3年間、そしてその先の未来を考える上でとても大切な一歩ですね。数ある高校の中から自分にぴったりの場所を見つけるために、たくさんの情報を集めていることと思います。そんな皆さんにご紹介したいのが、岩手県で唯一の市立高校である盛岡市立高等学校です。1920年の創立から100年以上の歴史を誇り、地域と共に歩んできた伝統ある学校です。

盛岡市立高等学校の最大の魅力は、勉強にも部活動にも全力で打ち込める「文武両道」の活気あふれる校風にあります。普通科と商業科が設置され、国公立大学を目指す生徒から、専門的な資格を取得して社会で活躍したい生徒まで、800名を超える多様な仲間たちがそれぞれの目標に向かって切磋琢磨しています。この紹介記事では、そんな盛岡市立高校のリアルな姿を、偏差値や学校生活、そしてユニークな取り組みまで、詳しく掘り下げていきます。

この記事を読み終える頃には、あなたが盛岡市立高校でどんな高校生活を送れるのか、具体的なイメージが湧いているはずです。パンフレットだけでは分からない、先輩たちの声や学校の雰囲気まで感じ取れるように、丁寧にご案内します。さあ、一緒に未来のキャンパスライフを覗いてみましょう。

盛岡市立高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 盛岡市立高等学校 (もりおかしりつこうとうがっこう)
公立/私立の別 公立
共学/別学 共学
所在地 〒020-0053 岩手県盛岡市上太田上川原96
代表電話番号 019-658-0491
公式サイト https://www2.iwate-ed.jp/mor-c/

盛岡市立高等学校の偏差値・難易度・併願校

高校選びで気になるのが、やはり偏差値と難易度ですよね。盛岡市立高校の学力レベルを具体的に見ていきましょう。

学科・コースごとの最新の偏差値の目安は以下の通りです。

  • 普通科 特別進学コース(Aコース): 54

  • 普通科 進学コース(Bコース): 50

  • 商業科: 46

これらの偏差値は、盛岡市内では盛岡第四高等学校(偏差値50〜54)と同じくらいか、コースによっては少し挑戦しやすくなっています。また、盛岡北高等学校(偏差値45〜49)よりは少し高めの目標設定が必要になるでしょう。

ただし、岩手県の公立高校入試で非常に重要なのが「内申点」です。中学1年生から3年生までの3年間の成績がすべて評価の対象となるため、受験勉強だけでなく、日々の授業や定期テストに真面目に取り組む姿勢が合格への鍵を握ります。合格者の傾向を見ると、9教科の評定合計が45点満点中30点〜35点あたりが一つの目安となりそうです。盛岡市立高校を目指すなら、中1の最初のテストからコツコツと努力を積み重ねることが大切です。

また、併願校選びには注意が必要です。岩手県では協定により、盛岡市立高等学校と他の岩手県立高校を同時に出願することはできません。そのため、万が一に備えて私立高校を併願するのが一般的です。主な併願校としては、盛岡中央高等学校、岩手高等学校、盛岡大学附属高等学校などが多くの受験生に選ばれています。

盛岡市立高等学校に設置されている学科・コース

盛岡市立高校には、将来の夢に合わせて選べる多彩な学科・コースが用意されています。それぞれの特色を理解して、自分に合った学びの場を見つけましょう。

  • 普通科 特別進学コース(Aコース)

    • どんなことを学ぶ場所か:国公立大学や難関私立大学への現役合格を目指すコースです。1・2年次は国語・数学・英語に重点を置いた1日7時間授業で、応用力を徹底的に鍛えます。

    • どんな生徒におすすめか:高い目標を持ち、大学受験に向けて集中して勉強に打ち込みたい人、仲間と切磋琢磨できる環境を求めている人におすすめです。

  • 普通科 進学コース(Bコース)

    • どんなことを学ぶ場所か:4年制大学を中心に、多様な進路希望に対応するための学力をバランス良く身につけるコースです。

    • どんな生徒におすすめか:勉強と部活動を両立させながら、自分の可能性を広げたい人、大学進学を考えつつ、充実した高校生活を送りたい人にぴったりです。

  • 普通科 総合キャリアコース

    • どんなことを学ぶ場所か:短期大学や専門学校への進学、そして就職など、卒業後のキャリアに直結する実践的な学びを重視するコースです。

    • どんな生徒におすすめか:将来やりたいことが具体的に決まっていて、そのためのスキルや知識を高校から身につけたいと考えている人におすすめです。

  • 商業科

    • どんなことを学ぶ場所か:簿記や情報処理、マーケティングといったビジネスの専門知識と技術を学びます。社会で即戦力となるための各種検定資格の取得に力を入れているのが特長です。

    • どんな生徒におすすめか:ビジネスの世界に興味がある人、将来、事務職や販売職などで活躍したい人、実践的な資格を武器に進学や就職を有利に進めたい人に最適です。

盛岡市立高等学校の特色・校風

盛岡市立高校は、一言で表すと「文武両道」を地で行く、活気にあふれた学校です。生徒も先生も挨拶が盛んで、明るく元気な雰囲気が学校全体に満ちています。

中学生の皆さんが特に気になる学校生活のリアルな部分を、口コミなどを基に詳しく見ていきましょう。

  • 宿題の量:進学を目指すコースでは、課外授業が必須であったり、課題の量が多いと感じる生徒もいるようです。「自称進学校」という声もあり、大学進学に向けて手厚い分、ある程度の学習量は覚悟しておくと良いかもしれません。

  • 校則:全体的に「厳しい」という意見が多く見られます。特にスマートフォンの扱いには厳格なルールがあります。持ち込みには許可願が必要で、校内では朝、担任の先生に預け、放課後まで使用できません。緊急時以外は使えないと考えておいた方が良いでしょう。

  • 生徒たちの雰囲気:非常に活発で、多くの生徒が部活動や行事に全力で取り組んでいます。先生と生徒の距離が近く、親身に進路相談に乗ってくれるというポジティブな声が多いです。一方で、活発な生徒が多い分、クラスやグループによっては「スクールカースト」のような雰囲気を感じるという意見もあり、自分に合った友人関係を築けるかどうかが学校生活の楽しさを左右するかもしれません。

  • アルバイト:許可願を提出すれば可能です。ただし、1年生は夏休み以降から、また活動は土日祝日や長期休業中に限られるなど、学業に支障が出ないような配慮が求められます。

  • 制服の評判:制服が特に人気、あるいは不人気といった目立った評判はあまり聞かれないようです。伝統的なスタイルと言えるでしょう。

  • 土曜授業:特別な講習などを除き、通常の土曜授業は基本的にないようです。

盛岡市立高等学校の部活動・イベント

部活動

盛岡市立高校の大きな魅力の一つが、非常に盛んな部活動です。アンケートでは約6割の生徒が「部活動を精一杯やりたい」と思って入学しており、その期待に応える環境が整っています。運動部15、文化部14と選択肢が豊富で、広大なグラウンドでは野球、サッカー、陸上競技などが同時に活動できるほど施設も充実しています。

中でも、特に輝かしい実績を誇る部活動をいくつか紹介します。

  • 男子新体操部:岩手県内では唯一の存在で、全国的にもその名を知られる強豪です。過去には全国制覇も成し遂げており、近年では14年ぶりに東北大会で優勝するなど、常に高いレベルで活動しています。彼らの演技は、学校の誇りそのものです。

  • 陸上競技部:男女ともに多くの選手がインターハイ(全国大会)や東北大会へ出場する、まさに「陸上王国」。短距離から長距離、跳躍、投てきまで幅広い種目で選手が活躍しており、高いレベルで自分を磨きたい生徒にとっては最高の環境です。

  • 男子バスケットボール部:県大会で優勝するなど、県内トップクラスの実力を持っています。チーム一丸となって勝利を目指す熱い姿は、全校生徒の応援を集めます。

  • 書道部:文化部も負けていません。書道部は高校生国際美術展で岩手県知事賞を受賞するなど、文化の面でも高い評価を受けています。

イベント

文化祭である「市高祭」や体育祭、修学旅行など、高校生活を彩るイベントももちろん開催されます。しかし、口コミなどでは部活動の大会に関する話題が圧倒的に多く、学校全体のイベントがどの程度盛り上がるかについては、少し情報が少ないようです。一部には「イベントは少し物足りない」という声も見られます。このことから、盛岡市立高校の学校生活のエネルギーは、クラス単位の行事よりも、各部活動が東北大会や全国大会といった大きな舞台で活躍することに、より強く注がれているのかもしれません。

盛岡市立高等学校の進学実績

盛岡市立高校は、多様な進路希望に応える高い実績を誇っています。特に国公立大学への進学に強く、近年では毎年40名から50名以上の合格者を輩出しています。

最新の進路状況の主な内訳は以下の通りです。

  • 国公立大学:地元の岩手大学や岩手県立大学への進学者が特に多く、安定した合格実績があります。ある年度では、岩手大学に15名、岩手県立大学に7名が合格しました。地域に根ざし、地域に貢献する人材を育成していることがうかがえます。

  • 難関私立大学:全国の有名私立大学へ進学する生徒もいます。特別進学コースを中心に、個別の進路指導や課外授業などを通じて、難関大学突破をサポートする体制が整っています。

  • その他:大学進学だけでなく、生徒一人ひとりの夢を応援するのも盛岡市立高校の特長です。2024年3月の卒業生では、短期大学へ16名、専門学校へ83名が進学したほか、41名が就職の道を選びました。特に商業科の就職実績は素晴らしく、20年以上連続で就職率100%を達成しています。

こうした高い進学実績は、特別進学コースでの7時間授業や、全校を挙げてのきめ細やかな進路指導体制によって支えられています。生徒一人ひとりの目標達成に向けて、学校全体でバックアップしてくれる環境があると言えるでしょう。

盛岡市立高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、盛岡市立高校ならではの強みやユニークな取り組みを7つのポイントにまとめました。

  • 盛岡市との連携による本格的な市民教育

    岩手県唯一の市立高校という強みを活かし、「盛岡市高校生議会」というプログラムがあります。本物の市議会議場で、市の課題について議員と直接議論を交わすという、他ではできない貴重な体験ができます。

  • 将来に直結する独自のインターンシップ

    就職希望者だけでなく、大学進学を目指す生徒を対象とした「進学インターンシップ」を実施。市役所や保健所、小中学校などで仕事を体験し、将来の夢をより具体的に描くことができます。

  • 多様な進路を実現する「普通科」と「商業科」の併設

    国公立大学を目指す特進コースから、就職率100%を誇る商業科まで、一つの学校の中に多様な目標を持つ仲間がいる環境は、視野を広げる絶好の機会です。

  • 全国レベルで活躍する強豪部活動

    男子新体操部や陸上競技部をはじめ、全国の舞台で活躍する部活動が数多くあります。本気で日本一を目指したい、高いレベルで自分を試したいという情熱に応える環境が整っています。

  • 地域課題の解決に挑む探究学習

    SDGsなどをテーマに、地元の企業や団体と連携しながら課題解決に取り組む探究学習に力を入れています。教室の中だけでは学べない、社会とのつながりを実感できます。

  • 専任司書がいる自慢の図書館

    約3万冊の蔵書を誇る図書館には、専門の学校司書が常駐しています。学習のサポートはもちろん、生徒の知的好奇心を満たす様々な企画が行われる、まさに「知の拠点」です。

  • 生徒が作った第二の校歌「母校賛歌」

    校歌とは別に、卒業生が作詞・作曲した「母校賛歌」という曲があります。毎日午後の授業前に校内に流れ、生徒たちに親しまれているこの歌は、学校への愛着と一体感を育む、盛岡市立高校だけの特別な宝物です。

盛岡市立高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生の声をまとめると、盛岡市立高校のリアルな姿がより鮮明に見えてきます。良い点と気になる点を公平に見ていきましょう。

  • 良い点

    • 「部活動がとにかく盛んで楽しい」「全国レベルの部活で頑張れるのが誇り」といった、部活動に関する満足度の高い声が非常に多いです。同じ目標を持つ仲間との絆は、かけがえのない財産になるようです。

    • 「先生方が親身になって相談に乗ってくれる」「進路指導が手厚い」など、先生のサポート体制を評価する声も目立ちます。生徒との距離が近く、気軽に話せる雰囲気があるようです。

    • 「挨拶が活発で学校全体が明るい」「活気があって友達がたくさんできる」という、学校の雰囲気の良さを挙げる口コミも多く見られます。

  • 気になる点

    • 「校則が厳しい」、特に「スマホのルールが厳しすぎる」という意見は、多くの生徒が感じているようです。日中はスマホが使えないため、不便に感じる場面もあるかもしれません。

    • 「校舎が少し古い」「駅から遠く、周りにお店がなくて不便」といった、施設や立地に関する指摘もあります。バス通学が基本となるため、アクセス面は事前に確認が必要です。

    • 「課外授業が強制で大変」「課題が多い」など、進学コースの学習負担に関する声もあります。高い進学実績の裏には、相応の努力が求められるようです。

    • 「スクールカーストがある」「楽しんでいる人とそうでない人の差が激しい」という声も一部で見られます。活発な生徒が多い分、自分から積極的に関わっていく姿勢が大切になるかもしれません。

アクセス・通学

盛岡市立高校への通学は、JR盛岡駅からバスを利用するのが最も一般的です。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • JR盛岡駅東口バスターミナル10番のりばから、岩手県交通バス「太田線」に乗車し、「盛岡市立高校前」バス停で下車。所要時間は約22分〜24分です。

    • 「太田本宮線」などを利用する場合は、「市立高校口」バス停で下車し、そこから徒歩約5分〜7分かかります。

  • 通学エリア

    学校は盛岡市の郊外に位置しており、周囲は田んぼなどが広がる落ち着いた環境です。盛岡市内はもちろん、滝沢市、雫石町、矢巾町など、広い範囲から多くの生徒がバスを利用して通学しています。バスの時刻表に合わせた行動が基本となるため、放課後に市街地で気軽に遊ぶというよりは、学校内で部活動などに集中する生徒が多い傾向があります。

盛岡市立高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、盛岡市立高校を目指す皆さんへメッセージを送ります。

この学校は、「何か一つ、本気で打ち込みたいものがある」生徒に特におすすめです。それが全国レベルの部活動でも、国公立大学への進学でも、専門資格の取得でも構いません。盛岡市立高校には、その情熱を全力で受け止め、応援してくれる環境と仲間がいます。規律ある環境の中で、目標に向かってひたむきに努力できる人にとって、最高の3年間が待っているでしょう。

受験勉強で最も力を入れてほしいのは、やはり「内申点」です。岩手県の入試制度では、中1からの成績が合否を大きく左右します。一夜漬けの勉強ではなく、毎日の授業を大切にし、提出物をきちんと出し、定期テストで安定して点数を取る、その地道な努力こそが合格への一番の近道です。盛岡市立高校への挑戦は、もう始まっています。多様な夢を持つ仲間たちと共に、あなただけの未来を描いてみませんか。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。