岩手県立盛岡第二高等学校は、120年以上の長い歴史を誇る、岩手県で唯一の公立女子高等学校です。盛岡の中心部にありながら、落ち着いた雰囲気の中で、多くの生徒が充実した3年間を過ごしています。高校選びは、偏差値や場所だけで決めるものではなく、自分に合った環境で、どんな3年間を送りたいかを想像することがとても大切です。

このページでは、進学アドバイザーである私が、中学生の皆さんや保護者の方々の視点に立って、盛岡第二高等学校がどんな学校なのかを詳しく、そして分かりやすく解説していきます。「進取・清楚・強健」という「白梅精神」を校訓に掲げるこの伝統校が、あなたの未来にとって最高の舞台となるか、一緒に見ていきましょう。

学校の雰囲気、勉強のこと、部活動、そして卒業後の進路まで、あなたが本当に知りたい情報をたくさん詰め込みました。この情報が、あなたの素晴らしい高校選びの助けになることを心から願っています。さあ、盛岡第二高等学校の魅力を一緒に探る旅に出かけましょう。

盛岡第二高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。学校見学や問い合わせの際に役立ててください。

項目 内容
正式名称 岩手県立盛岡第二高等学校
公立/私立の別 公立
共学/女子校の別 女子校
所在地 〒020-0887 岩手県盛岡市上ノ橋町7-57
代表電話番号 019-622-5101
公式サイトURL https://www2.iwate-ed.jp/mo2-h/

盛岡第二高等学校の偏差値・難易度・併願校

高校選びで気になるのが、やはり学力レベル。ここでは偏差値や内申点の目安を具体的に見ていきましょう。

盛岡第二高等学校の偏差値は、普通科で54前後です。これは岩手県内の高校の中では、上位から中堅上位に位置するレベルで、しっかりとした学力が求められます。単に偏差値の数字を見るだけでなく、この学校が持つ学力的な立ち位置を理解することが大切です。非常に高いレベルの学力競争を毎日繰り広げるというよりは、落ち着いた環境で着実に学力を伸ばし、部活動や学校行事にも打ち込める「文武両道」を目指す生徒に適した環境と言えるでしょう。

合格に必要な内申点の目安は、5段階評価で9教科合計36〜38点あたりが一つの基準となりそうです。これは、通知表の評価で「4」を中心としながら、「5」もいくつか取れている状態をイメージすると分かりやすいでしょう。

同じくらいの偏差値の公立高校としては、黒沢尻北高校(普通科)や盛岡南高校(普通科)などが挙げられます。これらの高校と自分の興味や校風を比較してみるのも良いでしょう。また、盛岡第二高等学校を受験する生徒の多くが併願する私立高校としては、盛岡大学附属高校、盛岡中央高校、一関学院高校などが主な選択肢となっています。

盛岡第二高等学校に設置されている学科・コース

盛岡第二高等学校に設置されているのは「普通科」のみですが、2年生から将来の進路希望に合わせてコースが分かれるカリキュラムになっています。

  • 普通科

    • 1年生では、芸術(音楽・美術・書道から一つ選択)以外は全員が同じ共通科目を学び、高校での学習の基礎を固めます。

    • 2年生からは、それぞれの目標に合わせて以下の2つのコースに分かれます。

      • 文系コース:国公立大学や私立大学の文学部、法学部、経済学部、教育学部などを目指す生徒におすすめです。社会や国語、英語といった文系科目を重点的に学びます。

      • 理系コース:国公立大学や私立大学の理学部、工学部、農学部、そして看護・医療系の学部などを目指す生徒におすすめです。数学や理科といった理系科目を深く掘り下げて学習します。

このシンプルなコース分けは、生徒が幅広い大学・学部の推薦入試や一般入試に対応できるよう、柔軟でしっかりとした基礎学力を身につけることを目的としています。特定の分野に特化するのではなく、将来の可能性を広げるための土台作りに重点を置いたカリキュラムと言えるでしょう。

盛岡第二高等学校の特色・校風

学校の雰囲気や文化は、3年間の高校生活の満足度を大きく左右します。キーワードは「伝統的」「文武両道」「清楚」「女子校ならではの雰囲気」です。

宿題の量は、担当の先生によって差があるようですが、「進学校」というイメージからすると、毎日の量はそれほど多くないという声もあります。そのため、授業内容をしっかり定着させ、さらに上を目指すためには、自主的な学習習慣がとても大切になります。

校則は、県内の高校の中でも比較的厳しいという評判が多いようです。特に服装や身だしなみに関するルールは細かく定められています。例えば、スカートは膝丈、肩より長い髪は派手でないゴムで結ぶ、化粧やピアスは禁止、靴下は白といった決まりがあります。スマートフォンは校舎内での使用が一切禁止されており、昇降口で電源を切るルールになっています。自由な校風を求める人にとっては少し窮屈に感じるかもしれませんが、落ち着いた環境で勉強に集中したい人には合った環境と言えます。

生徒たちの雰囲気は、口コミを見ると評価が大きく分かれるのが特徴です。一方では「先生方が親身で、先輩も優しく、いじめなどもなく毎日が楽しい」というポジティブな声が多くあります。女子だけの環境だからこそ、気兼ねなく話せる深い友情を育みやすいと感じる生徒も多いようです。しかし、もう一方では「女子特有のグループができて、陰湿な雰囲気がある」と感じる生徒もいるようです。これは、どの学校にも言えることかもしれませんが、自分から積極的に心を開いて友人関係を築いていこうとする姿勢が、楽しい学校生活を送る鍵になりそうです。

アルバイトは原則として禁止されていますが、やむを得ない事情がある場合は、学校に申請して許可を得ることで可能になります。制服は伝統的な紺色のブレザーとスカートで、「可愛い」というよりは「清楚」「真面目」という印象が強いようです。土曜授業は基本的にありません。

盛岡第二高等学校の部活動・イベント

部活動

盛岡第二高等学校は「文武両道」を掲げており、部活動が非常に盛んです。多くの部が県大会で優秀な成績を収め、全国大会や東北大会で活躍しています。

特に全国レベルでその名を知られているのが「なぎなた部」と「箏曲部」です。なぎなた部は、インターハイ(全国高等学校総合体育大会)の常連校であり、団体戦・個人戦ともに全国の強豪と渡り合っています。また、箏曲部(お琴の部活)も、全国高等学校総合文化祭で優良賞を受賞するなど、全国トップクラスの実力を誇ります。

これらの部だけでなく、書道部、文芸部、放送部といった文化部も全国大会で入賞するなど輝かしい実績を残しています。運動部も、ソフトテニス部や卓球部、陸上競技部などが東北大会へ出場しており、活気に満ちています。文化部には、マンドリン・ギター部や茶道部、華道部といった、伝統校ならではの趣のある部活動も揃っています。本気で部活動に打ち込み、高いレベルを目指したい生徒にとって、素晴らしい環境が整っていると言えるでしょう。

イベント

盛岡第二高等学校の学校行事は、生徒が主体となって運営され、非常に盛り上がります。

  • 体育祭(6月):大きなアリーナを借りて、クラス対抗で熱い戦いが繰り広げられます。応援にも熱が入り、クラスの団結力が高まる一日です。

  • 合唱コンクール(7月):県民会館などの本格的なホールで開催されます。各クラスが心を一つにして美しいハーモニーを響かせ、感動的なイベントとして知られています。

  • 二高祭(にこうさい・8月):学校最大のイベントである文化祭です。各クラスや文化部による展示や発表、ステージパフォーマンスなどで賑わいます。女子校ならではのユニークな企画として、生徒が投票で選ぶ「ミスター&ミス二高」があり、後夜祭で選ばれた二人が胸キュンなシーンを演じるという催しは、大変な盛り上がりを見せるそうです。

  • 修学旅行(11月):2年生の秋には、関西方面などを訪れる修学旅行があります。友人との絆を深める、高校生活一番の思い出になることでしょう。

また、新入生を迎える春に行われる「応援練習」は、二高の厳しいながらも有名な伝統行事です。上級生から応援歌や校歌の指導を受け、大きな声で歌えるようになるまで練習を重ねます。この経験を通して、二高生としての自覚と誇り、そして同期との一体感が生まれると言われています。

盛岡第二高等学校の進学実績

盛岡第二高等学校は、大学や短大、専門学校への進学率が非常に高い学校です。特に、学校の推薦制度を利用した進学に大きな強みを持っています。

国公立大学では、地元の岩手大学や岩手県立大学に毎年多くの合格者を出しています。その他にも、弘前大学など、東北地方の国公立大学への進学実績が豊富です。2022年度には、国公立大学に合計26名(現役のみ)が合格しています。

この学校の進学における最大の特徴は、私立大学への豊富な「指定校推薦枠」を持っていることです。伝統校として多くの大学との間に信頼関係が築かれており、卒業生の半数以上がこの推薦制度を利用して進学するとも言われています。東北学院大学や盛岡大学といった地元の有力私立大学はもちろん、日本女子大学など首都圏の大学への道も開かれています。

また、大学進学だけでなく、看護・医療系、美容系、公務員・ビジネス系など、専門学校への進路選択も非常に多いのが特徴です。特に看護師を目指す生徒が多く、看護専門学校への進学実績が豊富です。これは、生徒一人ひとりの多様な夢や目標を学校がしっかりとサポートしている証拠と言えるでしょう。こうした実績を支えるため、放課後の課外講座や小論文指導、面接指導なども充実しており、生徒の進路実現を力強く後押ししています。

盛岡第二高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、盛岡第二高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 県内唯一の公立女子校という伝統と環境

    岩手県で唯一の公立女子校であり、120年以上の歴史の中で育まれた独自の文化と落ち着いた学習環境があります。

  • 「4つの『みがく』」を柱とした独自の人間教育

    「所作をみがく(礼儀作法)」「徳性をみがく(ボランティア活動など)」「情操をみがく(芸術鑑賞など)」「健康をみがく」という4つの柱を掲げ、学力だけでなく、社会で輝く女性としての内面を育む教育を重視しています。

  • 私立高校にも引けを取らない美しく清潔な校舎

    多くの在校生や卒業生が自慢するのが、手入れの行き届いた綺麗な校舎です。トイレなどの設備も新しく、毎日気持ちよく過ごせる学習環境が整っています。

  • 全国レベルで活躍する強豪部活動

    なぎなた部や箏曲部をはじめ、多くの部活動が全国大会や東北大会で活躍しています。高い目標を持って部活動に打ち込みたい生徒にとって、最高の環境です。

  • 豊富な指定校推薦枠と多様な進路サポート

    伝統校ならではの豊富な指定校推薦枠は、大学進学を目指す生徒にとって大きな魅力です。また、専門学校への進学サポートも手厚く、多様な進路希望に対応しています。

  • 地域社会と連携したキャリア教育

    盛岡市の「盛岡まるごと学びの場プロジェクト」のモデル校として、キャリア形成やボランティア活動に関する出前講座などを実施。地域と連携しながら、社会で生きる力を育んでいます。

盛岡第二高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からのリアルな声をまとめました。良い点と気になる点の両方を知ることで、より深く学校を理解できるはずです。

  • 良い点

    • 「先生のサポートが手厚い」という声が多く聞かれます。授業で分からないことがあっても、質問に行けば親身になって教えてくれるフレンドリーな先生が多いようです。

    • 「施設が綺麗で学習環境が良い」という点は、多くの生徒が挙げる魅力です。特に校舎やトイレの清潔さは高く評価されています。

    • 「推薦での進学に強い」ことは、多くの生徒や保護者にとって大きな安心材料となっています。

    • 「女子だけの環境でのびのび過ごせる」「一生の友達ができた」など、同性だけの環境だからこその強い絆や友情を実感している声も多いです。

    • 「部活動が盛んで、高いレベルを目指せる」という点も、部活に打ち込みたい生徒からの評価が高いポイントです。

  • 気になる点

    • 「校則が厳しく、自由度が低い」という意見は少なくありません。特にスマートフォンや服装に関するルールを窮屈に感じる生徒がいるようです。

    • 「女子特有の人間関係の難しさがある」という声もあります。グループ内での付き合い方など、人によっては少し気疲れしてしまう場面もあるかもしれません。

    • 「一般受験で難関大学を目指すには、塾に通うなど個人の努力が不可欠」という意見も見られます。学校全体が推薦入試を重視する雰囲気があるため、一般入試組は強い意志を持って勉強に取り組む必要があるようです。

    • 「駅から少し歩くのが不便」という、通学に関する現実的な声も挙がっています。

アクセス・通学

盛岡第二高等学校への主な通学方法です。盛岡市の中心部に位置しているため、様々なエリアから通学が可能です。

  • 盛岡駅から

    • 盛岡都心循環バス「でんでんむし」(左回り)に乗車し、「城南小学校前」バス停で下車。所要時間は約15分です。

  • 盛岡バスセンターから

    • 徒歩で約10分です。

  • その他の通学方法

    • 多くの生徒が自転車で通学しています。冬になり雪が積もると、バスを利用する生徒が増える傾向にあります。

盛岡市内を中心に、近隣の市町村からも多くの生徒が通学しています。

盛岡第二高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、盛岡第二高等学校を目指すあなたにメッセージを送ります。

盛岡第二高等学校は、特に「落ち着いた伝統ある環境で、勉強も部活動も頑張りたい」「女子だけの環境で、のびのびと自分らしく成長したい」「大学や専門学校へ、推薦制度を活かして着実に進学したい」と考えている生徒さんに、とてもおすすめの学校です。また、なぎなたや箏曲など、全国レベルの部活動で自分の可能性を試したい人にとっても、最高の舞台が用意されています。

受験勉強では、まず中学校の授業を大切にし、全教科でバランス良く得点できる基礎学力を身につけることを目指してください。特に、合格の鍵となる内申点を上げるためには、日々の提出物をきちんと出すこと、そして定期テストで安定して高得点を取ることが重要です。盛岡第二高等学校の入試では、単なる知識だけでなく、思考力や表現力も問われます。普段から「なぜそうなるのか?」を考え、自分の言葉で説明する練習をしておくと、きっと本番で役立ちますよ。

高校選びは、あなたの未来を形作る大切な一歩です。この情報が、あなたが自信を持ってその一歩を踏み出すための力になることを信じています。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。