福岡大学附属大濠高等学校は、福岡市中央区という都心にありながら、緑豊かな大濠公園に隣接する恵まれた環境を誇る、県内屈指の私立進学校です。勉強だけでなく部活動にも全力で打ち込める環境が整っており、その「文武両道」の精神は全国レベルで高い評価を受けています。

高いレベルでの学習と、日本一を目指す部活動。この二つを両立させることは決して簡単ではありませんが、福岡大学附属大濠高等学校には、生徒一人ひとりの挑戦を後押しする熱意ある先生方と、互いに高め合える仲間たちがいます。充実した設備と独自の教育プログラムのもと、多くの卒業生が夢を叶えて社会へと羽ばたいています。

この記事では、そんな大濠高校がどんな学校なのか、偏差値やコースの違いから、校則、学校行事、そして在校生や保護者のリアルな声まで、皆さんが本当に知りたい情報を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。この記事が、皆さんの高校選びの確かな一歩となることを願っています。

福岡大学附属大濠高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。

項目 内容
正式名称 福岡大学附属大濠高等学校
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男女共学(2011年度より共学化)
所在地 〒810-0044 福岡県福岡市中央区六本松1丁目12-1
代表電話番号 092-771-0731
公式サイトURL https://www.ohori.ed.jp/

福岡大学附属大濠高等学校の偏差値・難易度・併願校

福岡大学附属大濠高等学校は、福岡県内でもトップクラスの人気と難易度を誇る私立高校です。2025年度の入試では、全体の志願倍率が3.31倍に達するなど、非常に多くの受験生が集まることからもその人気がうかがえます。

コースごとに求められる学力レベルが異なるため、自分の目標に合ったコースの偏差値を把握しておくことが重要です。

  • 普通科スーパー進学コース: 偏差値 71~72

  • 普通科進学コース: 偏差値 62~63

偏差値72というのは、模試を受けた生徒全体の上位1%程度にあたる極めて高いレベルです。例えば、学年が300人の中学校であれば、学年でトップ3~4名に入る実力が求められる計算になります。進学コースの偏差値63も、県内の公立進学校に匹敵する高いレベルです。

合格に必要な内申点の目安としては、推薦入試の出願資格の一つに「3年生の評定合計が36以上(評定平均4.0以上)」という基準が設けられていることから、日頃の学習態度や定期テストでの成績も重視される傾向があると考えられます。

このような高いレベルから、福岡大学附属大濠高等学校は、県内のトップ公立高校を目指す生徒の併願校としても選ばれることが非常に多いです。

  • 主な併願校(公立)

    • スーパー進学コースは、修猷館高校を目指す生徒が多く併願します。

    • 進学コースは、城南高校を目指す生徒の併願先として人気です。

  • 主な併願校(私立)

    • 同じくらいの偏差値帯の私立高校としては、筑陽学園高校(特別進学S選抜)、九州産業大学付属九州高校(スーパー特進)、筑紫女学園高校(Ⅰ類医進)などが挙げられます。

福岡大学附属大濠高等学校に設置されている学科・コース

福岡大学附属大濠高等学校には、高校から入学する生徒向けに、目標に応じて2つのコースが設置されています。それぞれのコースについて見ていきましょう。

  • 普通科スーパー進学コース

    • 九州大学をはじめとする最難関国公立大学への現役合格を目標とする、トップレベルのコースです。独自のカリキュラムと豊富な演習量で、高い学力を徹底的に鍛え上げます。

  • 普通科進学コース

    • 国公立大学や難関私立大学への現役合格を目指す、学校の中核をなすコースです。勉強と部活動を高いレベルで両立させたい生徒に最適で、多くの生徒が学校生活を謳歌しています。

  • 進学コース内 特別クラス(特進クラス)

    • 進学コースの中に、入学試験の成績優秀者などを対象とした特別クラスが2クラス編成されます。九州大学などの難関大学を目指すためのハイレベルな授業が展開され、2年生以降も成績に応じて入ることが可能です。

  • 中高一貫コース

    • 附属中学校からの内部進学生が所属するコースです。高校からの入学生とは別のカリキュラムで学びます。

福岡大学附属大濠高等学校の特色・校風

福岡大学附属大濠高等学校の校風をキーワードで表すなら、「文武両道」「生徒主体」「活気がある」「質実剛健」といった言葉がぴったりです。勉強も部活も行事も、すべてに全力で取り組むエネルギッシュな雰囲気が学校全体に満ちています。

  • 宿題の量

    • 口コミによると、宿題や課題は多めに出される傾向があるようです。特にスーパー進学コースは授業の進度も速く、日々の予習・復習が欠かせません。この学習習慣が、高い進学実績につながっていると考えられます。

  • 校則(スマホ、服装など)

    • 校則は、服装や頭髪に関する指導が定期的になされるなど、比較的厳しいという声が多いようです。しかし、この規律ある環境が学習への集中や品格を育むと、保護者からは肯定的に評価されています。

    • スマートフォンについては、2024年度から校内への持ち込みが許可されましたが、校内での使用は禁止されています。これは以前の全面禁止からの大きな変更点です。

  • 生徒たちの雰囲気

    • 真面目で意識の高い生徒が多く、互いに良い刺激を受けながら成長できる環境です。公立高校の併願で入学した生徒も多いですが、「大濠に来て本当に良かった」「最高の友達ができた」という声が多数聞かれ、充実した学校生活を送っている様子がうかがえます。

  • アルバイト

    • 原則として禁止されています。ただし、家庭の事情など、やむを得ない理由がある場合は、学校と保護者との協議の上で許可される場合もあるようです。

  • 制服

    • 男子は伝統的な黒の学生服(学ラン)、女子はセーラー服です。

  • 土曜授業

    • 第1・第3・第5土曜日は授業や「総合的な探究の時間」が設定されており、講演会や大学見学などが行われます。第2・第4土曜日は原則として休みです。

  • 施設

    • 校舎は「ホテルのよう」「大学のキャンパスみたい」と評されるほど、近代的で非常に綺麗です。人工芝のグラウンドや500人以上を収容できる食堂など、充実した設備は生徒たちの自慢の一つとなっています。

福岡大学附属大濠高等学校の部活動・イベント

部活動

福岡大学附属大濠高等学校の「文武両道」を象徴するのが、非常に活発な部活動です。多くの部が全国レベルで活躍しており、学校全体が活気に満ちています。

  • 運動部

    • 運動部は全国屈指の強豪揃いです。特にバスケットボール部は「バスケ界で知らない人はいない」と言われるほどの超名門で、全国優勝10回を誇り、数多くのプロ選手を輩出しています。

    • 剣道部も輝かしい歴史を持ち、玉竜旗優勝6回、全国優勝4回など、常に全国の頂点を争っています。

    • 硬式野球部も春夏の甲子園に計8回出場し、ベスト8に3度進出するなど、県を代表する強豪校として知られています。

    • この他にも、駅伝部柔道部バレーボール部なども全国優勝の経験があるなど、多岐にわたる部活動が輝かしい実績を残しています。

  • 文化部

    • 文化部も全国レベルで活躍しています。吹奏楽部は、特にマーチングの実力が高く評価されており、全国大会に11年連続で出場し、金賞を多数受賞しています。野球応援から生まれた「熱闘甲子園シリーズ」の演奏は特に有名です。

    • 珍しい部活動としては弓道部があり、初心者でも先輩から丁寧に指導してもらえると人気です。また、囲碁部が全国大会で団体戦1位に輝くなど、文化部も多方面で高い実績を上げています。

イベント

生徒たちが主体となって作り上げる学校行事は、大濠高校の大きな魅力の一つです。

  • 体育祭

    • 「大濠の学校行事で最も盛り上がる」と言われる一大イベントです。中高全校生徒が赤・青・黄・黒の4つのブロックに分かれて競い合います。名物となっているのが、各ブロックの3年生が中心となって創り上げる「応援合戦」。その完成度の高さと迫力は、見る人に感動を与えます。また、部活動のユニフォームや道具を使って走る「クラブ対抗リレー」も大変な盛り上がりを見せます。

  • 文化祭(大濠祭)

    • 体育祭と並ぶ大きな行事で、こちらも生徒会が中心となって企画・運営されます。クラスや文化部が日頃の活動の成果を発表する貴重な機会であり、校内は活気に包まれます。

  • 修学旅行

    • 高校2年生の秋に実施され、生徒からの満足度が非常に高い人気の行事です。行き先は年度によって異なりますが、過去には北米やオセアニアでのホームステイプログラムや、国内の様々な地域を訪れるなど、国際感覚を養い、見聞を広める貴重な体験となっています。

福岡大学附属大濠高等学校の進学実績

福岡大学附属大濠高等学校は、県内トップクラスの大学進学実績を誇ります。生徒一人ひとりの目標達成を支える手厚いサポート体制が、その高い実績の礎となっています。

2025年度の主な大学合格者数は以下の通りです(既卒生含む)。

分類 主な大学名 合格者数
国公立大学 九州大学 48
東京大学 1
京都大学 2
大阪大学 6
九州工業大学 24
熊本大学 19
国公立大学等 合計 248
難関私立大学 早稲田・慶應・上智・東京理科大 70
GMARCH 103
関関同立 200
附属校推薦等 福岡大学 330
  • 国公立大学・難関私立大学への高い実績

    • 九州大学に48名、東京大学・京都大学にも合格者を輩出するなど、最難関国公立大学への進学実績は目覚ましいものがあります。また、早慶上理やGMARCH、関関同立といった全国の難関私立大学にも、毎年多くの合格者を出しています。

  • 福岡大学への内部進学

    • 最大の強みの一つが、系列の福岡大学への進学です。「附属高校推薦制度」という強力な制度があり、2025年度は医学部医学科5名、薬学部10名を含む、全学部で合計157名の推薦枠が用意されています。これは、医療系を志す生徒にとって特に大きな魅力と言えるでしょう。実際に毎年300名以上の生徒が福岡大学へ進学しており、確かな進路の一つとなっています。

  • 進学を支える取り組み

    • スーパー進学コースなどを対象とした早朝や長期休暇中の補習が充実しており、大学受験に向けた十分な演習時間を確保しています。

    • 3年生になると、志望大学や教科別に細かく分かれた講座制の午後補習を自由に選択でき、一人ひとりのニーズに合わせた対策が可能です。

    • 卒業生の進路を詳細に分析した独自の進路情報誌『軌路』を発行するなど、手厚い進路指導も行われています。

福岡大学附属大濠高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、福岡大学附属大濠高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを7つのポイントにまとめました。

  • 福岡大学との強力な連携と附属推薦制度

    • 医学部・薬学部を含む全学部への推薦枠(157名)は最大の魅力です。また、大学の授業を実際に体験できる「福大講座」など、高大連携プログラムも充実しています。

  • 医療系志望者必見の「アカデミアシリーズ」

    • 医師や薬剤師を目指す生徒が学年やコースの垣根を越えて集う独自の講座です。福岡大学医学部の教授による講義や、病院での実習など、他では得られない貴重な体験ができます。

  • 全国トップレベルの文武両道

    • 勉強と部活動のどちらも日本一を目指せる環境は、大濠高校ならでは。全国大会常連の部活動に所属しながら、難関大学への進学を果たす生徒が数多くいます。

  • 生徒が主役となって創り上げる熱い学校行事

    • 体育祭や文化祭は、企画から運営まで生徒が中心となって行います。この経験を通して、リーダーシップや協調性が育まれ、一生の思い出と強い絆が生まれます。

  • 最新鋭の学習環境と美しいキャンパス

    • 「大学のよう」と評されるモダンな校舎、人工芝のグラウンド、充実した図書館や食堂など、生徒が毎日を快適に過ごせるための施設が整っています。

  • 多彩な国際交流・海外研修プログラム

    • 希望者向けに、夏休みを利用した北米やオセアニアでのホームステイ、セブ島での語学研修などが用意されており、グローバルな視野を広げるチャンスが豊富です。

  • 生徒による授業評価とオリジナル教材

    • 年に一度、生徒が全教員の授業を評価するアンケートを実施し、授業の質の向上に繋げています。また、卒業生の進路データを分析した独自の情報誌『軌路』など、教材開発にも力を入れています。

福岡大学附属大濠高等学校の口コミ・評判のまとめ

ここでは、在校生や卒業生、保護者から寄せられた様々な声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。

  • 良い点

    • 先生のサポートが手厚い:「先生方がとても熱心で、質問にも丁寧に答えてくれる」「進路相談に親身に乗ってくれるので安心」といった、教師陣への信頼を寄せる声が非常に多いです。

    • 学校生活がとにかく楽しい:「最高の友達ができた」「公立に落ちて入ったけど、結果的に大濠で本当に良かった」など、充実した3年間を過ごせたという満足の声が目立ちます。

    • 施設が綺麗で環境が良い:「校舎がホテルのようで自慢できる」「勉強に集中できる環境が整っている」と、学習環境を高く評価する意見が多数あります。

    • 文武両道が実現できる:「勉強も部活も本気でできる」「高いレベルで両立できる環境がある」という、学校の理念が実践されていることを評価する声が多く聞かれます。

  • 気になる点

    • 勉強が大変・授業の進度が速い:「スーパー進学コースは授業の進度が速く、ついていくのが大変」「部活との両立が難しいと感じることもある」など、学習面の厳しさを指摘する声があります。

    • 校則が厳しい:「頭髪や服装のチェックが厳しい」という意見が見られます。この厳しさを規律として肯定的に捉える声もある一方で、窮屈に感じる生徒もいるようです。

    • 先生の質にばらつきがある?:多くの生徒が先生を高く評価する一方で、「先生によって面白さや分かりやすさが違う」といった声も一部にはあるようです。

    • 学費が高い:私立高校であるため、当然ながら公立高校に比べて学費は高くなります。しかし、「それに見合うだけの価値がある」と納得している保護者や生徒が多いようです。

アクセス・通学

福岡大学附属大濠高等学校は福岡市の中心部に位置し、公共交通機関でのアクセスが非常に便利です。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • 福岡市地下鉄 七隈線「六本松駅」:徒歩約5分~7分。最も利用者が多い最寄り駅です。

    • 福岡市地下鉄 空港線「大濠公園駅」:徒歩約12分~15分。

    • 福岡市地下鉄 空港線「唐人町駅」:徒歩約15分。

  • バスでのアクセス

    • 西鉄バス「福大大濠中高前」バス停:徒歩約1分。博多駅や天神から直通のバス路線があり、非常に便利です。

    • 西鉄バス「六本松」バス停:徒歩約5分。多くの路線が経由する主要なバス停です。

  • 通学エリア

    • 地下鉄七隈線・空港線沿線や、天神・博多駅からのバス路線が充実しているため、福岡市内全域はもちろん、市外の幅広いエリアから生徒が通学しています。

    • 遠方からの生徒のために、学校から徒歩10分の場所に男子寮「舞鶴寮」(定員100名)も完備されています。

福岡大学附属大濠高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

福岡大学附属大濠高等学校は、「高い目標に向かって、仲間と切磋琢磨しながら本気で挑戦したい」と考える君に、最高の舞台を用意してくれる学校です。勉強でも部活動でも、現状に満足せず、さらに上を目指したいという強い意志を持つ生徒に特におすすめします。ここで過ごす3年間は、君の可能性を大きく広げ、一生の財産となる素晴らしい経験と出会いをもたらしてくれるはずです。

受験勉強では、基礎を固めることはもちろんですが、福岡大学附属大濠高等学校の入試では思考力を問う応用問題が多く出題される傾向があります。過去問を繰り返し解き、問題の形式に慣れることが合格への鍵となります。特にスーパー進学コースを目指すなら、高いレベルでの得点力が求められます。最後まで諦めずに、自分を信じて頑張ってください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。