福岡市立福岡西陵高等学校は、福岡市西部の緑豊かな丘の上に立つ、長い歴史と伝統を誇る市立高校です。1975年の創立以来、「誠実・協力・創造」の校訓のもと、多くの卒業生を社会に送り出してきました。生徒一人ひとりの個性を尊重し、希望進路の実現に向けてきめ細やかな指導を行っているのが、福岡西陵高等学校の大きな魅力です。
近年では、ICT教育の推進校として、生徒一人一台のiPadを活用した授業を展開するなど、新しい時代に対応した教育にも力を入れています。また、韓国の姉妹校との交流や海外語学研修など、国際性を育むプログラムも充実しています。この記事では、そんな福岡西陵高等学校の特色や魅力を、さまざまな角度から詳しくご紹介していきます。
文武両道を実践し、充実した高校生活を送りたいと考えている中学生の皆さんにとって、福岡西陵高等学校は非常に魅力的な選択肢の一つとなるでしょう。学校の雰囲気や進学実績、部活動の様子などを具体的に解説していきますので、ぜひ最後まで読んで、あなたの高校選びの参考にしてください。
福岡西陵高等学校の基本情報
以下に福岡西陵高等学校の基本的な情報をまとめました。
福岡西陵高等学校の偏差値・難易度・併願校
福岡西陵高等学校への進学を考える上で、偏差値や難易度は重要な指標となります。
この偏差値は、福岡県内でも上位に位置し、合格にはしっかりとした学力が求められます。同じくらいの偏差値の高校としては、福岡県の公立高校では香椎高等学校や筑紫中央高等学校、私立高校では福岡大学附属大濠高等学校(普通科進学コース)や筑紫女学園高等学校(普通科進学コース)などが挙げられます。
合格に必要な内申点の目安としては、3年次の評定合計が「36」以上が一つの基準となるようです。もちろん、これはあくまで目安であり、入試本番の得点も重要になります。
福岡県の公立高校入試では、原則として公立高校同士の併願はできません。そのため、福岡西陵高等学校を第一志望とする受験生の多くは、私立高校を併願校として受験します。主な併願校としては、中村学園三陽高等学校、福岡大学附属若葉高等学校、東福岡高等学校などが人気です。
福岡西陵高等学校に設置されている学科・コース
福岡西陵高等学校には普通科が設置されており、生徒一人ひとりの進路希望に対応できるよう、学年ごとに特色あるコース編成を行っています。
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1年生:共通履修
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全員が同じカリキュラムで学び、基礎学力の定着を図ります。文系・理系の選択や将来の進路についてじっくり考える期間です。
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2年生:文系・理系コース、探究コース
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生徒の興味や進路希望に応じて、文系と理系のコースに分かれます。
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さらに、より深く探究活動に取り組みたい生徒向けに「探究コース」も設置されています。
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3年生:文Ⅰ(国公立文系)・文Ⅱ(私立文系)・理系コース、探究コース
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志望大学の受験科目に合わせて、より専門的な学習を進めます。国公立大学を目指す文系、私立大学を目指す文系、そして理系の3つのコースに分かれ、効率的に受験対策を行います。
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2年生から引き続き「探究コース」も選択可能です。
また、福岡西陵高等学校では、学力上位の生徒を対象とした「特進クラス」を各学年に設置しており、より高いレベルの学力伸長を目指せる環境が整っています。
福岡西陵高等学校の特色・校風
福岡西陵高等学校は、「文武両道」と「グローバルな視野」を育むことを大切にしている学校です。
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校風・雰囲気
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生徒たちは全体的に落ち着いており、真面目に学習に取り組む雰囲気があります。同時に、学校行事や部活動には情熱的に打ち込む活発な一面も持ち合わせています。緑に囲まれた広大なキャンパスで、のびのびとした高校生活を送ることができるでしょう。
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宿題・学習
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宿題の量は、他の進学校と比較して標準的か、やや多めという声が多いようです。特に、特進クラスでは課題が多くなる傾向があります。また、英語と数学では習熟度別の少人数授業が実施されており、自分のレベルに合った丁寧な指導を受けられます。
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校則
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校則は、以前は厳しいという意見もありましたが、近年、生徒やPTA、教員が一体となって見直しを進めています。
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スマホの校内での使用は原則禁止ですが、文化祭などの行事では写真撮影が許可されることもあるようです。
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服装検査は以前ほど厳しくなく、眉を整えることなども認められています。
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アルバイトは原則として許可されていませんが、特別な事情がある場合は学校に相談することができます。
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制服
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現在の制服は、男子が黒の詰襟、女子が紺のブレザーとスカートです。シンプルで伝統的なデザインですが、2026年度の入学生からは、生徒が自由にアイテムを選んでコーディネートできる新しい制服に変更される予定です。
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土曜授業
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特進クラスと希望者を対象に、年間10回程度の土曜課外授業が開設されています。週末にも集中して学習に取り組みたい生徒をサポートする体制が整っています。
福岡西陵高等学校の部活動・イベント
部活動
福岡西陵高等学校は部活動が非常に盛んで、約80%の生徒が何らかの部に加入して活動しています。体育部15、文化部13と、多種多様な部活動があり、多くの部が県大会以上のレベルで活躍しています。
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特に有名な部活動
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ダンス部:全国大会の常連であり、その実力は全国トップレベルです。キレのあるパフォーマンスは、学校内外で高い評価を得ています。
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管弦楽部:定期演奏会を開催するなど、活発に活動しています。美しいハーモニーで聴衆を魅了しており、こちらも全国大会に出場する実力を持っています。
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陸上部、書道部:九州大会に出場するなど、高い実績を誇ります。
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その他、バレーボール部、サッカー部、テニス部なども県大会で活躍しており、文武両道を体現しています。
イベント
福岡西陵高等学校では、生徒たちが主体となって作り上げる学校行事が多く、一年を通して活気に満ちています。
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体育祭:例年、大変な盛り上がりを見せる一大イベントです。ブロックごとに分かれて競い合い、応援合戦やパネル、集団演技など、各ブロックの団結力が見どころです。以前は9月開催でしたが、近年は4月に行われるようになり、新入生がクラスに馴染む良い機会にもなっています。
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西陵祭(文化祭):各クラスや文化部が趣向を凝らした展示やステージ発表を行い、校内は熱気に包まれます。生徒たちの創造性や企画力が発揮される場です。
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修学旅行:生徒たちにとって高校生活の大きな思い出の一つです。行き先は年によって異なりますが、仲間との絆を深める貴重な機会となっています。
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芸術鑑賞会:演劇や音楽など、普段触れる機会の少ない優れた芸術を鑑賞します。豊かな感性を育むことを目的としています。
福岡西陵高等学校の進学実績
福岡西陵高等学校は、生徒一人ひとりの希望進路実現に向けた手厚いサポート体制が整っており、国公立大学や難関私立大学へも多数の合格者を輩出しています。
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国公立大学
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2024年度入試では、九州大学2名、九州工業大学2名、福岡教育大学2名をはじめ、熊本大学、長崎大学、鹿児島大学など、九州地方の主要な国公立大学に多くの合格者を出しています。
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難関私立大学
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地元の西南学院大学に180名、福岡大学に275名という圧倒的な合格者数を誇ります。
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また、関東のGMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)に4名、関西の関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)に22名が合格するなど、全国の有名私立大学にも実績を残しています。
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進学サポート
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特進クラスの設置や、英語・数学での習熟度別少人数授業に加え、希望者対象の土曜課外や長期休暇中の補習、放課後の自学会など、学力向上のためのプログラムが充実しています。
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また、大学の先生を招いての「大学セミナー」や、現役大学生と交流できる「進学ゼミナール」など、生徒の進路意識を高めるためのイベントも積極的に開催されています。
福岡西陵高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、福岡西陵高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをご紹介します。
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最先端のICT教育
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福岡市から「ICT教育推進校」の指定を受けており、生徒一人一台のiPadを授業や探究活動で日常的に活用しています。これからの社会で必須となる情報活用能力を自然に身につけることができます。
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主体性を育む独自の探究活動
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1年生では企業や行政の課題解決に挑む「アイデア屋」、2・3年生では自ら課題を見つけてプロジェクトを進める「チャレンジ屋」というユニークな探究プログラムを実施しています。2023年度には、この活動からキャリア甲子園全国大会に出場する生徒も輩出しました。
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活発な国際交流プログラム
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韓国に姉妹校があり、相互訪問などの交流を続けています。また、希望者対象の夏休み海外語学研修や、1年間の長期留学プログラムも用意されており、グローバルな視野を広げるチャンスが豊富です。
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地域との連携
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隣接する生の松原特別支援学校との交流会や、地域のイベントへの参加など、地域社会とのつながりを大切にした活動を積極的に行っています。
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2026年度からの新制服導入
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生徒の多様性を尊重し、自分で好きなアイテムを選んでコーディネートできる新しい制服が導入されます。自分らしいスタイルで学校生活を送れるようになります。
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充実した進路指導
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3年間を見通した計画的な進路指導計画のもと、模擬試験や補習、大学セミナーなど、生徒の希望進路実現を全力でバックアップする体制が整っています。
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創立50周年を迎える伝統
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2025年に創立50周年を迎える歴史と伝統のある学校です。これまでに約1万8千人以上の卒業生を輩出し、社会の様々な分野で活躍しています。
福岡西陵高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生からは、福岡西陵高等学校での学校生活について様々な声が寄せられています。
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良い点
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「先生方が親身に進路相談に乗ってくれる」「補習などのサポートが手厚い」といった、学習や進路指導に関するポジティブな口コミが多く見られます。
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「体育祭や文化祭などの行事がとても盛り上がり、クラスの団結力が深まる」という声も多数あります。
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「部活動が盛んで、高い目標を持って打ち込める環境がある」「ダンス部や管弦楽部など、全国レベルの部活があるのが誇り」といった、部活動の充実度を評価する意見も目立ちます。
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「iPadを使った授業が分かりやすく、楽しい」など、ICT教育の取り組みを評価する声も増えています。
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気になる点
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「学校が坂の上にあるため、自転車通学はかなり大変」という意見は非常に多く、入学前に一度、実際に通学路を確認することをおすすめします。
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「最寄り駅からバスに乗る必要があり、アクセスが良いとは言えない」という声もあります。
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「校則が少し厳しいと感じることがある」という口コミも見られますが、前述の通り、現在見直しが進められています。
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「施設が全体的に少し古い」という指摘も一部で見られます。
アクセス・通学
福岡西陵高等学校へのアクセス方法と、通学している生徒の主なエリアについてです。
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最寄り駅からのアクセス
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福岡西陵高等学校には、徒歩圏内に鉄道の駅がありません。そのため、多くの生徒がバスや自転車を利用して通学しています。
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**JR筑肥線「下山門駅」**から:西鉄バスに乗車し、「福岡西陵高校前」バス停で下車(バス停から徒歩約2分)。
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**福岡市地下鉄七隈線「橋本駅」**から:自転車で約15〜20分。バスの路線もあります。
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**福岡市地下鉄空港線「姪浜駅」**から:西鉄バスに乗車し、「福岡西陵高校前」バス停で下車。
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通学エリア
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福岡西陵高等学校の通学区域は、福岡市全域と糸島市全域です。特に、学校が位置する福岡市西区や、隣接する早良区、城南区などから通学している生徒が多い傾向にあります。
福岡西陵高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
福岡西陵高等学校を目指す皆さんへ、進学アドバイザーとして最後に応援メッセージを送ります。
福岡西陵高等学校は、しっかり勉強したい、でも学校行事や部活動も全力で楽しみたい、そんなあなたにぴったりの学校です。特に、仲間と協力して何かを成し遂げることに喜びを感じる人や、新しいことに積極的にチャレンジしたいという意欲のある人には、最高の環境が待っています。ICT教育や探究活動、国際交流など、あなたの可能性を広げるチャンスがたくさんあります。
受験勉強においては、まず基礎学力を徹底的に固めることが大切です。内申点も重要な評価ポイントになるため、中学校での授業態度や定期テストにも真剣に取り組みましょう。福岡県の公立高校入試問題は、標準的なレベルの問題が中心ですが、思考力や表現力を問う問題も出題されます。過去問を繰り返し解き、出題傾向に慣れておくことが合格への近道です。福岡西陵高等学校で、充実した3年間を送りましょう!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。