高校選びは、未来の自分を描く大切な第一歩です。今回は、2024年に新たな歴史をスタートさせた山形県立致道館高等学校に注目してみましょう。この学校は、庄内地方で初めての中高一貫教育校として誕生し、文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)にも指定されている、まさに未来を切り拓くための学び舎です。伝統と革新が融合するこの場所で、どんな高校生活が待っているのでしょうか。

致道館高等学校は、長い歴史を持つ鶴岡南高校と鶴岡北高校が統合して生まれた新しい学校です。そのため、両校が築き上げてきた素晴らしい伝統を受け継ぎながら、これからの時代に求められる新しい教育を創り出そうとしています。先輩たちが残してくれた確かな土台の上で、皆さんが主役となって新しい校風や文化を築いていける、そんな魅力に溢れています。

この記事では、そんな致道館高等学校での学びや学校生活、部活動、そして未来への繋がりについて、皆さんが具体的にイメージできるよう、一つひとつ丁寧に解説していきます。この記事を読み終える頃には、きっと「この学校で学んでみたい!」というワクワクした気持ちが湧いてくるはずです。さあ、一緒に致道館高校の扉を開けてみましょう。

致道館高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校見学や問い合わせの際に役立ちます。

項目 情報
正式名称 山形県立致道館高等学校
公立/私立の別 公立
共学/別学の別 男女共学
所在地 〒997-0037 山形県鶴岡市若葉町26-31
代表電話番号 0235-22-0061
公式サイトURL https://www.chidokan.ed.jp/

致道館高等学校の偏差値・難易度・併願校

致道館高校への合格を目指す上で、学力的な目安はとても気になりますよね。ここでは、偏差値や合格に必要な内申点の目安、そして多くの受験生が併願する私立高校について解説します。

学科・コースごとの偏差値

致道館高等学校には2つの学科があり、それぞれ偏差値の目安が異なります。

  • 理数科: 60~64

  • 普通科: 50~51

この数字はあくまで一つの目安です。理数科は、県内でもトップクラスの学力が求められる難関コースと言えるでしょう。普通科も、地域の中心的な進学校として、しっかりとした学力が必要です。

難易度のイメージと内申点の目安

偏差値だけでは、具体的な難易度は分かりにくいかもしれません。同じくらいの偏差値の高校としては、酒田東高校(探究科・普通科)などが挙げられます。

山形県の公立高校入試で特に重要なのが、「内申点」です。山形県では、中学3年生の9教科(5段階評価、計45点満点)の成績のみが点数化されて合否判定に使われます。つまり、中学3年生になってからの一年間、日々の授業態度や提出物、定期テストなど、すべての学習活動が非常に大切になるということです。

致道館高校に合格するためには、内申点の目安として、9教科合計で36点以上、つまり全教科で平均「4」以上を目指すことが一つの目標となるでしょう。もちろん、これはあくまで目安であり、当日の学力検査の点数との合計で判断されます。内申点が少し足りなくても、当日の試験で高得点を取れば逆転の可能性は十分にありますし、逆に内申点に余裕があっても油断は禁物です。3年生の一年間、コツコツと努力を積み重ねることが合格への一番の近道です。

主な併願校

山形県の公立高校入試では、公立高校を複数同時に受験することはできません。そのため、致道館高校を第一志望にする受験生の多くは、万が一の場合に備えて私立高校を併願します。主な併願先としては、以下のような高校が挙げられます。

  • 羽黒高等学校(普通科特進コース)

  • 鶴岡東高等学校(普通課程特進コースⅠ類)

  • 酒田南高等学校(普通科特別進学コースZ進学専攻)

これらの私立高校もそれぞれ特色ある教育を行っていますので、ぜひ一度調べてみてください。

致道館高等学校に設置されている学科・コース

致道館高等学校には、皆さんの興味や将来の目標に合わせて選べる2つの魅力的な学科が設置されています。

  • 理数科

    • どんなことを学ぶ場所か:数学や理科の専門的な内容を深く掘り下げて学ぶ学科です。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の活動の中心でもあり、大学の先生を招いた講義や、自分でテーマを決めて研究を行う探究活動「致道ゼミ」が充実しています。

    • どんな生徒におすすめか:「科学が大好き!」「実験や研究に没頭したい」「将来は研究者や医師、エンジニアになりたい」と考えている探究心旺盛な人におすすめです。

  • 普通科

    • どんなことを学ぶ場所か:国語、数学、英語、理科、社会などの主要教科をバランス良く学び、幅広い知識と教養を身につける学科です。文系・理系の多様な進路に対応できるカリキュラムが組まれており、自分の興味関心に合わせて科目を選択できます。

    • どんな生徒におすすめか:「まだ将来の夢は決まっていないけど、大学に進学したい」「文系・理系どちらの可能性も探りたい」「部活動と勉強を両立させながら、自分の得意なことを見つけたい」という人におすすめです。

致道館高等学校の特色・校風

新しい学校だからこそ、その雰囲気や文化は気になるところですよね。ここでは、キーワードや口コミを基に、致道館高校のリアルな学校生活に迫ります。

校風を表現するキーワード

文武両道、探究心、新たな伝統の創造

学校生活のリアル

  • 宿題の量:鶴岡地域トップの進学校であり、SSH指定校でもあるため、宿題や予習・復習の量は多い傾向にあると考えられます。日々の学習習慣をしっかりと身につけることが求められるでしょう。

  • 校則:前身校の一つである鶴岡南高校が、生徒の自主性を尊重する比較的自由な校風だったことから、致道館高校も生徒の良識を信頼する雰囲気を受け継いでいるようです。ただし、授業中のスマホ使用禁止など、守るべき基本的なルールは定められています。

  • 服装・頭髪:制服は指定のものを正しく着用することが基本です。スカート丈や頭髪(染髪・パーマの禁止など)については、山形県立高校の標準的なルールに沿っていると考えられます。清潔感のある、高校生らしい身だしなみが求められます。

  • 生徒たちの雰囲気:口コミなどからは、真面目で学習意欲の高い生徒が多い印象を受けます。「クラスの仲間と教え合いをしたり、先生に積極的に質問したりする」といった声もあり、互いに高め合える学習環境があるようです。

  • アルバイト:原則として、学業に専念することが推奨されています。家庭の事情などで必要な場合は、学校に申請し、許可を得る必要があるでしょう。

  • 制服の評判:新しい学校のため、制服の評判に関する口コミはまだ多くありません。公式サイトの写真や学校説明会で実際に確認してみるのが一番です。

  • 土曜授業:SSHの活動や進学補習などで、土曜日に授業や講座が開かれる可能性があります。

致道館高等学校の部活動・イベント

高校生活の楽しみといえば、部活動や学校行事!勉強だけでなく、仲間との絆を深め、忘れられない思い出を作る大切な時間です。

部活動

致道館高校の大きな魅力の一つは、非常に充実した部活動です。鶴岡南高校と鶴岡北高校の両方の部活動を原則として引き継いでいるため、運動部・文化部ともに選択肢が非常に豊富です。きっと、あなたが打ち込める活動が見つかるはずです。

  • 全体の様子:運動部はサッカー、野球、バスケットボール、陸上競技といった人気の部から、水泳、柔道、剣道、弓道まで幅広く揃っています。文化部も吹奏楽、美術、書道、茶道といった伝統的なものから、科学、英語、報道など、知的好奇心を満たす部まで多彩です。多くの生徒が部活動に加入し、文武両道を実践しています。

  • 注目の部活動

    • アーチェリー部:高校の部活動としては比較的珍しく、高い集中力と精神力が鍛えられます。新しいスポーツに挑戦したい人にはぴったりです。

    • 山岳部:山形県の豊かな自然をフィールドに活動する部活動です。仲間と協力して山に登る経験は、体力だけでなく、計画性や協調性も育んでくれます。

    • 科学部:SSH指定校の中核を担う部活動の一つです。日頃の探究活動「致道ゼミ」と連携しながら、より高度な研究や実験に取り組むことができます。科学コンテストなどでの活躍も期待されます。

    • 応援団・チア:学校全体の行事や運動部の大会を盛り上げる、元気いっぱいの部活動です。応援を通じて、学校全体の一体感を創り出す重要な役割を担っています。

イベント

致道館高校として、これから新しい伝統が作られていく学校行事。一年を通して、クラスや学年の絆を深めるイベントが盛りだくさんです。

  • 文化祭:クラスごとの展示やステージ発表、文化部の活動報告、有志によるパフォーマンスなど、生徒が主体となって作り上げる最大のイベントの一つです。仲間と一つのものを作り上げる達成感は格別です。

  • 体育祭(クラスマッチなど):クラス対抗で様々な競技に熱中する一日。運動が得意な人もそうでない人も、クラスのために一丸となって応援し、汗を流す時間は最高の思い出になります。

  • 修学旅行:高校生活のハイライトとも言えるイベント。主に2年次に、関西方面や関東方面などを訪れ、歴史や文化を学びながら、友人との絆を深めます。

致道館高等学校の進学実績

致道館高校は、鶴岡地域を代表する進学校としての高い実績を持っています。ここで紹介する実績は、統合前の鶴岡南高校と鶴岡北高校の過去3年間の実績を合算したものですが、この高いレベルの進学実績を維持・向上させていくことが、新しい学校の大きな目標となっています。

  • 国公立大学:東北大学や山形大学をはじめとする東北地方の大学を中心に、全国の国公立大学へ多数の合格者を輩出しています。地域に貢献したいという志を持つ生徒から、全国レベルで挑戦したい生徒まで、幅広いニーズに応える進路指導が行われています。

  • 難関私立大学:早稲田大学、慶應義塾大学や、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)といった首都圏の難関私立大学にも、多くの卒業生が進学しています。

  • その他の進路:多くの生徒が4年制大学への進学を目指しますが、看護・医療系の専門学校や公務員など、多様な進路選択にも対応しています。卒業生の口コミには、就職希望者に対しても先生方が親身にサポートしてくれたという声もありました。

進学実績を支える取り組み

高い進学実績の背景には、学校独自の手厚いサポート体制があります。特に、SSH事業の中核である探究活動「致道ゼミ」は、生徒の思考力や表現力を大きく伸ばします。自分で課題を見つけ、仮説を立て、検証し、発表するという一連のプロセスは、大学入試の総合型選抜や学校推薦型選抜で高く評価されるだけでなく、大学入学後の学びにも直結する本質的な力となります。

致道館高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、致道館高校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 庄内初の併設型中高一貫教育校

    庄内地方で初めての県立中高一貫校として、6年間を見通した計画的な教育を展開しています。高校から入学する生徒も、中高一貫の先進的な教育環境の中で学ぶことができます。

  • スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校

    国から指定を受けた、科学技術人材を育成するための特別なプログラムを実施しています。理数科の生徒だけでなく、学校全体で探究的な学びや先進的な理数教育に触れる機会が豊富にあります。

  • 独自の探究学習「致道ゼミ」

    全校生徒が取り組む探究活動です。1年次で基礎を学び、2年次からは自分の興味関心に基づいてテーマを設定し、研究を進めます。中間発表や英語での発表会などを通じて、プレゼンテーション能力や論理的思考力が飛躍的に向上します。

  • 旧鶴岡南・北高校から受け継いだ豊富な部活動

    統合によって、運動部・文化部合わせて非常に多くの部活動が存在します。選択肢が多いため、高校から新しいことに挑戦したい人にも、中学から続けてきたことを極めたい人にも、最適な環境が整っています。

  • 地域トップクラスの進学実績という確かな土台

    前身校が長年培ってきた高い進学実績とノウハウが、新しい学校にも引き継がれています。難関大学を目指す仲間たちと切磋琢磨できる環境は、大きな魅力です。

  • 新たな歴史を創る一員になれる

    まだ始まったばかりの新しい学校だからこそ、生徒一人ひとりが学校の歴史を創る主役です。文化祭や体育祭などの行事、日々の学校生活の中で、自分たちの手で新しい伝統を築き上げていくという、他では味わえない経験ができます。

致道館高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からの声は、学校選びの貴重な参考になります。ここでは、ポジティブな口コミと、少し気になる点を公平に紹介します。

良い点

  • 「鶴岡では一番の進学校」という声が多いです。大学進学を真剣に考えている生徒にとって、目標を高く持って学べる環境であることがうかがえます。

  • 「先生のサポートが手厚い」という評判があります。進学相談はもちろん、就職を希望する生徒に対しても、先生が親身になって一緒に勤め先を探してくれた、という声もありました。

  • 「クラスの仲間と教え合える雰囲気がある」という意見も見られます。学習意欲の高い生徒が集まっているため、互いに刺激し合い、協力しながら学力を伸ばしていけるようです。

  • 前身校の評判として「校則が比較的緩やかで、生徒の自主性が尊重されている」という声がありました。自由な雰囲気の中で、自分で考えて行動する力が身につきそうです。

気になる点

  • 「THE自称進って感じ」という少し辛口な意見もありました。これは、大学進学を重視するあまり、課題が多くて大変だったり、進路指導が大学受験一辺倒に感じられたりする、という意味合いで使われることがあります。高い目標に向かって頑張りたい人には最適ですが、自分のペースで学びたい人には少し窮屈に感じる場面もあるかもしれません。

  • 「新しい学校なので、まだ校風が固まっていない」という点は、魅力であると同時に、人によっては不安要素かもしれません。確立された伝統の中で過ごしたい人には、少し物足りなく感じる可能性もあります。

  • 「鶴岡駅から徒歩20〜25分と、少し遠い」という声があります。特に冬場の通学は少し大変かもしれません。バスを利用する生徒も多いようです。

アクセス・通学

致道館高校への通学方法を確認しておきましょう。

  • 最寄り駅:JR羽越本線「鶴岡駅」

  • 駅からのアクセス:

    • 徒歩の場合:約20分~25分

    • バスの場合:鶴岡駅前からバスに乗車し、「荘内病院」や「致道博物館」などのバス停で下車、そこから徒歩約7~8分。

  • 通学エリア:鶴岡市内の生徒が最も多いですが、その高い教育レベルから、酒田市など庄内地方の広い範囲から電車で通学している生徒もいます。

致道館高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。もしあなたが、まだ誰も見たことのない未来を自分の手で創り出すことにワクワクする人なら、致道館高等学校は最高の舞台になるはずです。新しいことに挑戦したい、好きなことをとことん突き詰めたい、そして高い目標を持つ仲間と一緒に成長したい。そんな熱い想いを持つあなたに、致道館高校は心からおすすめできます。

受験勉強では、山形県入試の特色である「中学3年生の内申点」を強く意識してください。入試直前の追い込みだけでなく、3年生の4月から始まる毎日の授業、一つひとつの提出物を大切にすることが、合格への確実な一歩となります。そして過去問を解く際には、必ず時間を計って実践的な練習を繰り返しましょう。先輩たちからは「本番は思ったより時間が足りない」という声が多く聞かれます。

新しい学校の歴史を創る一期生、二期生として、あなたの可能性をこの致道館高等学校で花開かせてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。