舞鶴工業高等専門学校(舞鶴高専)は、未来のエンジニアを目指す君たちにとって、夢への扉を開く特別な場所です。一般的な高校とは少し違い、5年間の一貫教育を通して、ものづくりの楽しさや科学技術の奥深さを、実践的に学ぶことができます。中学校を卒業してすぐに専門分野の学習をスタートできるのが、舞鶴高専の大きな魅力です。

ここでは、ロボット開発やプログラミング、社会を支えるインフラ整備や建築デザインなど、幅広い専門知識と技術を深く探求できます。同じ目標を持つ仲間たちと切磋琢磨しながら、専門的なスキルを身につけ、社会で即戦力として活躍する技術者、あるいはさらに高度な研究を目指す研究者の卵として成長していくことができます。

この記事では、そんな舞鶴工業高等専門学校の偏差値や難易度、学校生活のリアルな様子、そして卒業後の輝かしい進路について、進学アドバイザーとして詳しく、そして分かりやすく解説していきます。君の「好き」や「得意」を、未来を切り拓く力に変えるためのヒントがきっと見つかるはずです。

舞鶴工業高等専門学校の基本情報

舞鶴工業高等専門学校は、京都府舞鶴市にある国立の高等専門学校です。

項目 内容
正式名称 独立行政法人国立高等専門学校機構 舞鶴工業高等専門学校
公立/私立の別 国立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒625-8511 京都府舞鶴市字白屋234
代表電話番号 0773-62-5600
公式サイト https://www.maizuru-ct.ac.jp/

舞鶴工業高等専門学校の偏差値・難易度・併願校

舞鶴工業高等専門学校の偏差値は、専門性の高い教育内容を反映して高水準にあります。

学科・コースごとの偏差値の目安は以下の通りです。

  • 機械工学科:62

  • 電気情報工学科:62

  • 電子制御工学科:62

  • 建設システム工学科:62

偏差値62は、京都府内の高校の中でも上位に位置します。同じくらいの偏差値の高校としては、京都府立の福知山高校(普通科)や綾部高校(普通科)などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安としては、中学3年間の9教科の5段階評価の合計が135点満点中100点前後が一つの基準とされていますが、推薦選抜ではさらに高いレベルが求められる傾向があります。

舞鶴工業高等専門学校は国立のため、京都府内の公立高校との併願はできません。そのため、併願校としては私立高校を選択するのが一般的です。主な併願校としては、京都共栄学園高等学校、福知山成美高等学校、日星高等学校などが挙げられます。自分の学力や将来の目標に合わせて、慎重に併願校を選ぶことが大切です。

舞鶴工業高等専門学校に設置されている学科・コース

舞鶴工業高等専門学校には、社会の様々な場面で活躍できる技術者を育てるための4つの専門学科が設置されています。

  • 機械工学科 – 生活を豊かにする機械の設計や製作を学びます。ロボットや自動車など、動くものづくりに興味がある人におすすめです。

  • 電気情報工学科 – 電気エネルギーや情報通信技術のプロを目指します。コンピュータやネットワーク、電子回路などに強い関心を持つ生徒に最適です。

  • 電子制御工学科 – 機械と電子回路、コンピュータを組み合わせて賢い機械(メカトロニクス製品)を作る技術を学びます。ロボット制御やプログラミングが好きな人に向いています。

  • 建設システム工学科 – 人々が安全で快適に暮らすための街づくりや建築を学びます。橋やダムなどの社会基盤や、機能的な建物の設計に興味がある生徒におすすめです。

舞鶴工業高等専門学校の特色・校風

舞鶴工業高等専門学校は、一言で表すと「自由と責任」の校風が根付いています。大学に近い雰囲気があり、生徒の自主性が重んじられています。

  • 校風のキーワード:自主自律、実践的、専門志向、アットホーム

  • 宿題・課題の量:専門科目の学習が中心となるため、実験レポートや課題は多い傾向にあります。計画的に学習を進める自己管理能力が求められます。

  • 校則:校則は比較的緩やかで、制服はなく私服での通学が認められています。髪型や髪染め、ピアスの着用なども基本的には自由です。スマートフォンの持ち込みも許可されており、生徒の自主性に任されている部分が多いようです。

  • 生徒たちの雰囲気:ものづくりや科学技術が好きな生徒が集まっているため、真面目で探究心の強い生徒が多いようです。共通の興味を持つ仲間と、専門的な話題で盛り上がれる環境です。

  • アルバイト:アルバイトは原則として禁止されていませんが、学業との両立が求められます。

  • 制服:指定の制服はありません。式典などでは標準服(スーツなど)を着用することが推奨されています。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。

  • 寮生活:遠方からの学生のために学生寮(鶴友寮)が完備されており、多くの学生が寮生活を送っています。 全体の約7割にあたる学生が寮で生活しており、共同生活を通して協調性や人間性を育む場にもなっています。 ただし、寮の規則は学校の校則に比べて厳しいという声や、二人部屋でのプライバシーに関する意見も見られます。

舞鶴工業高等専門学校の部活動・イベント

部活動

舞鶴工業高等専門学校では、勉強だけでなく部活動も盛んです。運動部、文化部に加え、高専ならではの技術系のクラブが充実しているのが大きな特徴です。

高専の代名詞ともいえる「ロボコン(アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト)」を目指すロボット製作研究会や、「プロコン(プログラミングコンテスト)」、「デザコン(デザインコンペティション)」といった専門知識を活かせる部活動では、全国大会で活躍する実績を誇ります。 これらの活動を通して、授業だけでは得られない実践的なスキルやチームワークを学ぶことができます。

運動部では陸上競技部や野球部、サッカー部、テニス部、バスケットボール部など多くのクラブがあり、近畿地区高専体育大会などでの活躍を目指して日々練習に励んでいます。文化部も、吹奏楽部や美術部、写真部などが活発に活動しています。

イベント

舞鶴高専の学生生活を彩るイベントもたくさんあります。中でも最大のイベントは、秋に3日間にわたって開催される「高専祭」です。 クラスや部活動ごとの展示、模擬店、ステージ企画などで大変な盛り上がりを見せます。

その他にも、クラス対抗で競い合うスポーツフェスタ(体育祭)や、見聞を広める研修旅行(修学旅行)など、仲間との絆を深める行事が年間を通して計画されています。寮でも新入生歓迎会やクリスマス会など、寮生同士の交流を深めるイベントが行われています。

舞鶴工業高等専門学校の進学実績

舞鶴工業高等専門学校の卒業生の進路は、大きく分けて「就職」と「進学」の二つがあり、どちらの道を選んでも非常に有望なのが最大の強みです。

卒業生のうち約6割が就職し、約4割が進学を選びます。

就職に関しては、企業からの評価が非常に高く、毎年100%の就職率を誇ります。 求人倍率は平均して20倍を超えることもあり、大手有名企業から地元の優良企業まで、幅広い選択肢の中から自分に合った就職先を選ぶことができます。 主な就職先には、関西電力、JR西日本、ダイキン工業、三菱電機、京セラなど、名だたる企業が名を連ねています。

進学希望者の多くは、全国の国公立大学の工学部などに3年次から編入します。 高専での5年間の学びは大学の教養課程および専門基礎課程に相当するため、スムーズに大学での学習に移行できるのがメリットです。主な編入学先としては、豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学、京都工芸繊維大学、神戸大学、大阪大学、東北大学など、難関大学への進学実績が多数あります。 また、さらに専門性を深めるために、舞鶴高専に設置されている「専攻科」へ進学し、学士の学位取得を目指す道もあります。

舞鶴工業高等専門学校の特長・アピールポイント

舞鶴工業高等専門学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさん詰まっています。

  • 5年間の一貫した専門教育:中学校卒業後すぐに、大学レベルの専門分野までを5年間かけてじっくりと学ぶことができます。

  • 実践重視のカリキュラム:座学だけでなく、実験や実習、卒業研究に多くの時間が割かれており、手を動かしながら本物の技術を身につけることができます。

  • 驚異的な就職率と高い評価:卒業生は産業界から即戦力として高く評価されており、就職率は毎年ほぼ100%を達成しています。

  • 国公立大学への編入学制度:多くの卒業生が、全国の有名国公立大学の3年次に編入しており、さらに高度な研究者・技術者を目指す道が開かれています。

  • 充実した学生寮:遠方からの学生も安心して学業に専念できるよう、約580名を収容できる大規模な学生寮が完備されています。

  • グローバルな視野を育む国際交流:4年生全員を対象とした海外の連携大学への派遣研修などを実施し、国際感覚豊かな技術者の育成に力を入れています。

  • 自由で大学に近い校風:私服通学が可能で校則も緩やかなため、自主性と責任感を持ちながらのびのびと学生生活を送ることができます。

舞鶴工業高等専門学校の口コミ・評判のまとめ

舞鶴工業高等専門学校には、在校生や卒業生から様々な声が寄せられています。進路選択の参考として、良い点と気になる点の両方を見てみましょう。

  • 良い点

    • 「専門的な知識を深く学べるので、将来やりたいことが決まっている人には最高の環境」

    • 「就職に非常に強く、大手企業からの求人も多いので安心感がある」

    • 「大学への編入という選択肢もあり、進路の幅が広い」

    • 「校則が自由で、大学のような雰囲気で過ごせるのが良い」

    • 「同じ趣味や目標を持つ友人ができやすく、話が合う仲間と出会える」

  • 気になる点

    • 「実験レポートや課題が多く、勉強はかなり大変。自主的に勉強しないとついていけなくなる」

    • 「赤点が60点と高く、単位を落とすと留年の可能性があるため、学業への真剣な取り組みが必須」

    • 「最寄り駅からバスを利用する必要があり、交通の便はあまり良くない」

    • 「寮の規則が厳しかったり、建物が少し古いと感じる部分がある」

    • 「学科によっては男子生徒の割合が非常に高い」

アクセス・通学

舞鶴工業高等専門学校へのアクセス方法は以下の通りです。

  • JR舞鶴線・小浜線「東舞鶴駅」から

    • 京都交通バス(朝来循環線)に乗車し、「国立高専前」バス停で下車(所要時間:約20分)。

    • タクシーを利用した場合、約12分。

近隣の舞鶴市や綾部市、福知山市のほか、京都府北部、兵庫県北部、福井県嶺南地域などから多くの生徒が通学しています。また、学生寮が整備されているため、近畿地方全域やさらに遠方から入学する生徒も少なくありません。

舞鶴工業高等専門学校受験生へのワンポイントアドバイス

舞鶴工業高等専門学校を目指す君へ。この学校は、「ものづくりが好き」「科学技術にワクワクする」「早く専門家への一歩を踏み出したい」という強い想いを持つ君にぴったりの場所です。高校生活を送りながら、同時に未来のエンジニアとしての土台を築ける、他にない魅力的な環境が舞鶴高専にはあります。

受験勉強においては、特に数学と理科の基礎を徹底的に固めることが合格への鍵となります。高専の入試問題は、中学校で学んだ内容の深い理解と思考力を問う良問が多いのが特徴です。過去問題に繰り返し取り組み、問題の傾向に慣れておくことを強くお勧めします。夢中になれることを見つけ、専門性をとことん追求したい君を、舞鶴工業高等専門学校は温かく迎え入れてくれるでしょう。健闘を祈っています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。