東京都立豊多摩高等学校は、1940年に設立された80年以上の歴史を持つ伝統校です。「自主自律」を教育理念に掲げ、生徒一人ひとりの主体性を尊重する自由な校風で知られています。制服や細かい校則がなく、生徒たちは「学友」と呼ばれ、互いを尊重しながらのびのびと学校生活を送っています。

そんな自由な雰囲気の中でも、学業や部活動、学校行事には真剣に取り組むのが豊多摩高校の大きな魅力です。東京都教育委員会から「進学指導推進校」に指定されており、充実した学習サポート体制のもと、多くの生徒が現役で難関大学への進学を果たしています。部活動加入率は100%を超え、関東大会に出場する部もあるなど、文武両道を高いレベルで実現しています。

この記事では、そんな豊多摩高等学校について、偏差値や難易度、学校生活の様子、進学実績などを詳しく解説していきます。自由な環境で高校生活を思い切り楽しみながら、自分の夢や目標に向かって着実に成長したいと考えている中学生の皆さんは、ぜひ最後まで読んでみてください。

豊多摩高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 東京都立豊多摩高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒166-0016 東京都杉並区成田西二丁目6-18
代表電話番号 03-3393-1331
公式サイト http://www.toyotama-h.metro.tokyo.jp/site/zen/

豊多摩高等学校の偏差値・難易度・併願校

豊多摩高等学校の偏差値は65前後とされており、都立高校の中では難関校の一つに位置づけられています。合格するためには、高い学力としっかりとした内申点の両方が求められます。

合格に必要な内申点の目安は、換算内申で50台前半が一つの基準となることが多いようです。学力検査では、都立高校共通問題で安定して高得点を取ることが重要になります。

同じくらいの偏差値の都立高校としては、三田高校、竹早高校、小金井北高校などが挙げられます。これらの高校もそれぞれ特色があるため、豊多摩高校と比較検討してみると良いでしょう。

併願校としては、多くの受験生が私立高校を選択します。主な併願校としては、杉並学院高校、宝仙学園高校(理数インター)、東洋大学京北高校、日本大学第二高校などが挙げられます。

豊多摩高等学校に設置されている学科・コース

豊多摩高等学校に設置されているのは「普通科」のみです。1、2年次では、国語・数学・英語を中心に基礎学力をバランス良く身につけるためのカリキュラムが組まれています。

3年次になると、生徒一人ひとりの進路希望に応じて、多種多様な選択科目が用意されています。文系・理系の進路に合わせた科目選択モデルが示されるため、自分の興味や目標に合わせて、大学受験に必要な科目を効率的に学ぶことができます。

豊多摩高等学校の特色・校風

豊多摩高等学校の校風を表すキーワードは、「自主自律」「自由闊達」「文武両道」です。生徒の主体性を最大限に尊重する文化が根付いています。

  • 宿題の量:宿題の量は、他の進学校と比較して標準的か、やや少なめという声が多いようです。ただし、日々の予習・復習は欠かせません。

  • 校則:校則は非常に緩やかで、制服はありません。生徒は私服で通学し、髪型や持ち物に関する厳しい規則もほとんどないようです。スマホの使用についても比較的自由ですが、授業中はマナーを守ることが求められます。

  • 生徒たちの雰囲気:自由な校風のもと、明るく活発な生徒が多い一方で、自分のやるべきことには真面目に取り組む姿勢が見られます。行事や部活動に全力で打ち込む、エネルギッシュな雰囲気が特徴です。

  • アルバイト:アルバイトは原則として禁止されていませんが、学業との両立が前提となります。

  • 制服の評判:制服はなく私服通学ですが、入学式や卒業式などの式典では、標準服を着用する生徒もいます。

  • 土曜授業:ほぼ隔週で土曜授業が実施されており、授業時間数の確保と学力向上に繋げられています。

豊多摩高等学校の部活動・イベント

部活動

豊多摩高等学校は部活動が非常に盛んで、加入率は100%を超えています。運動部、文化部ともに多くの部があり、活発に活動しています。

  • 運動部では、水泳部やラグビー部、ダンス部などが強豪として知られています。特に水泳部は全国レベルの実績を誇ります。

  • 文化部では、アニメーションの巨匠、宮崎駿監督を輩出したこともあり、創作活動が盛んです。文芸部なども全国レベルで活躍しています。珍しい部活動としては、天文部があり、校内に天文台が設置されているようです。

イベント

豊多摩高校の学校行事は、生徒会にあたる「学友会」が中心となって企画・運営され、非常に盛り上がります。中でも「三大行事」と呼ばれる合唱コンクール、記念祭(文化祭)、体育祭は、生徒たちの熱気が最高潮に達します。

  • 記念祭(豊多摩フェスタ):毎年多くの来場者で賑わう文化祭です。クラスごとの演劇や展示、有志団体によるパフォーマンスなど、クオリティの高い出し物が魅力です。

  • 体育祭:学年を越えた縦割りのチームで競い合います。応援合戦や各競技で、クラスやチームの団結力が試されます。

  • 合唱コンクール:クラス一丸となって練習に励み、美しいハーモニーを響かせます。

  • 修学旅行:例年、関西方面(京都・奈良など)を訪れることが多いようです。

豊多摩高等学校の進学実績

豊多摩高等学校は、「進学指導推進校」として、手厚い進路サポート体制を整えており、高い大学進学実績を誇ります。卒業生の多くが、国公立大学や難関私立大学へ現役で進学しています。

  • 国公立大学:2024年度は、東京大学に1名、東京都立大学に11名など、合計で26名以上の合格者を出しています。東北大や横浜国立大といった難関大学にも合格者を輩出しています。

  • 難関私立大学:早慶上理ICUには合計79名、GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)には合計333名が合格しています(2024年度実績)。特に早稲田大学やGMARCHへの進学者が多い傾向があります。

  • 進路サポート:夏休みや冬休みには多数の講習や補習が実施され、多くの生徒が参加しています。進路室には各大学の過去問(赤本)が豊富に揃っており、貸し出しも積極的に行われています。また、自習室が夜19時半まで開放されているなど、塾や予備校に通わなくても学校内で集中して学習できる環境が整っています。

豊多摩高等学校の特長・アピールポイント

豊多摩高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • 「自主自律」の精神が息づく自由な校風:制服や厳しい校則がなく、生徒の主体性を尊重する環境で、のびのびと高校生活を送ることができます。

  • 生徒が主役で創り上げる学校行事:文化祭や体育祭などの行事は生徒会(学友会)が中心となって運営され、学校全体が一体となって盛り上がります。

  • 高いレベルで実現する「文武両道」:部活動加入率は100%を超え、多くの部が素晴らしい実績を上げています。

  • 充実した進学指導と高い現役進学率:進学指導推進校として、講習や個別指導など手厚いサポート体制が整っており、多くの生徒が希望の進路を実現しています。

  • 緑豊かな広いキャンパス:都心にありながら、広々としたグラウンドや緑豊かな環境が魅力です。敷地内には特徴的ないちょう並木もあります。

  • 著名な文化人を輩出した伝統:アニメ監督の宮崎駿さんや詩人の谷川俊太郎さんなど、多くの著名な卒業生を輩出しており、文化的な活動が盛んな伝統があります。

  • 探究活動「イチョウを宝にプロジェクト」:総合的な探究の時間を利用し、学校のシンボルであるイチョウをテーマに、環境問題などを考えるユニークな取り組みを行っています。

豊多摩高等学校の口コミ・評判のまとめ

豊多摩高等学校は、自由な校風と活気のある学校生活で、生徒からの満足度が非常に高い学校です。

  • 良い点:

    • 「とにかく自由!私服OK、校則も緩やかで、自分らしくいられる」

    • 「行事が本当に楽しい。クラスや学年全体で本気で取り組むので、最高の思い出になる」

    • 「部活動が盛んで、何かに打ち込みたい人には最高の環境」

    • 「先生方のサポートが手厚く、進路相談にも親身に乗ってくれる」

    • 「周りの生徒の意識が高く、お互いに高め合える雰囲気がある」

  • 気になる点:

    • 「自由な分、自己管理能力が求められる。流されやすい人は注意が必要かも」

    • 「校舎や施設が少し古いと感じる部分がある」

    • 「最寄り駅から少し歩くのが難点」

アクセス・通学

豊多摩高等学校へのアクセス方法は以下の通りです。

  • 京王井の頭線「浜田山駅」より徒歩約10〜13分

  • 東京メトロ丸ノ内線「南阿佐ケ谷駅」より徒歩約16〜19分

  • 関東バス「豊多摩高校」バス停下車すぐ(JR中野駅や吉祥寺駅などからバスが出ています)

通学している生徒は、杉並区、中野区、練馬区、世田谷区など、近隣のエリアからが多い傾向にあります。

豊多摩高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

豊多摩高等学校は、「自由な環境で、何事にも主体的にチャレンジしたい!」というエネルギーあふれる生徒に心からおすすめできる学校です。勉強はもちろん、部活動や学校行事にも全力で打ち込み、充実した3年間を送りたいと考えている君にぴったりの場所でしょう。この学校の最大の魅力である「自主自律」の精神を理解し、その中で自分をどう成長させたいかを具体的にイメージできると、入学後のミスマッチが少なくなるはずです。

豊多摩高等学校の入試では、内申点と当日の学力検査の合計点で合否が決まります。まずは、中学校での授業態度や提出物をしっかりこなし、高い内申点を確保することが非常に重要です。その上で、都立高校の共通問題で安定して高得点を取れるよう、基礎を固め、過去問演習を繰り返しましょう。自由な校風に憧れるだけでなく、そこで何を成し遂げたいかという強い意志を持って、受験勉強に励んでください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。