追手門学院高等学校は、1888年の創立という長い歴史と伝統を礎に、未来を見据えた革新的な教育を実践している私立高校です。2019年には大阪府茨木市に最先端の設備を備えた新キャンパスへ全面的に移転し、まさに新しい時代への挑戦を象徴する学び舎へと生まれ変わりました。伝統を重んじながらも、常に社会の変化に対応し、生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出すための改革を続けています。
この学校の最大の魅力は、生徒の多様な目標に応える多彩なコース設定にあります。最難関大学を目指す「特選SSコース」から、定期テストを設けずプロジェクト型の学びを実践するユニークな「創造コース」まで、それぞれの夢や学習スタイルに合わせた道が用意されています。追手門学院高等学校は、画一的な教育ではなく、生徒一人ひとりが主役になれる場所と言えるでしょう。
この記事では、進学アドバイザーとして、偏差値や進学実績といったデータはもちろん、在校生や卒業生のリアルな声をもとに、追手門学院での学校生活がどのようなものかを具体的にお伝えしていきます。パンフレットだけでは分からない学校の雰囲気や本当の魅力を感じ取り、あなたにとって最高の高校選びの参考にしてください。
追手門学院高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 追手門学院高等学校 |
私立/公立の別 | 私立 |
共学/別学の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒567-0013 大阪府茨木市太田東芝町1-1 |
代表電話番号 | 072-697-8185 |
公式サイト | https://www.otemon-jh.ed.jp/hs/ |
追手門学院高等学校の偏差値・難易度・併願校
追手門学院高等学校のコースごとの偏差値は、北摂エリアでも高いレベルに位置しており、しっかりとした学力が求められます。
コース別偏差値の目安(進研Vもし 合格可能性80%)
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特選SSコース: 併願 66 / 専願 62
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創造コース: 併願 64 / 専願 60
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Ⅰ類: 併願 63 / 専願 60
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Ⅱ類: 併願 57 / 専願 53
注目すべきは、併願と専願で偏差値に4〜5ポイントの差がある点です。これは、追手門学院高等学校が、春日丘高校、豊中高校、千里高校といったトップレベルの公立高校を目指す受験生から、非常に人気の高い併願校であることを示しています。一方で、「この学校で学びたい」という強い意志を持つ専願の受験生にとっては、合格のチャンスが広がることを意味します。もしあなたが追手門学院の教育方針や環境に強く惹かれているなら、専願での受験は非常に有効な選択肢となるでしょう。
難易度の目安として、同じくらいの偏差値帯の高校には、私立では関西大倉高校(特進)や大阪青凌高校(特進S)、箕面自由学園高校(スーパー特進)などが挙げられます。合格に必要な内申点の具体的な基準は公表されていませんが、このレベルの学校を目指すには、主要5教科で「4」以上、できれば「5」に近い成績を安定して取っておくことが望ましいでしょう。
主な併願校
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公立高校:春日丘高校、豊中高校、千里高校、池田高校、箕面高校、北千里高校、山田高校
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私立高校:関西大倉高校、大阪青凌高校、箕面自由学園高校、常翔啓光学園高校
追手門学院高等学校に設置されている学科・コース
追手門学院高等学校には、生徒の進路目標や興味関心に合わせて4つの個性豊かなコースが設置されています。それぞれの特色を理解し、自分にぴったりのコースを見つけましょう。
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特選SSコース
最難関国公立大学や医歯薬系学部への現役合格を目指す、最もハイレベルなコース。応用力や思考力を徹底的に鍛え、難関大学の二次試験にも対応できる学力を養います。
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Ⅰ類
国公立大学や「関関同立」をはじめとする難関私立大学を目指すコース。5教科をバランス良く学び、幅広い進路に対応できる確かな学力の土台を築きます。成績次第で特選SSコースへの変更も可能です。
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Ⅱ類
クラブ活動などにも力を入れながら、「産近甲龍」をはじめとする多様な私立大学への進学を目指すコース。基礎学力を固め、充実した高校生活と大学進学を両立させたい生徒におすすめです。
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創造コース
定期テスト(中間)を廃止し、探究的なプロジェクト学習を中心に学ぶ革新的なコース。自ら課題を見つけ、仲間と協働しながら答えを探す力を養い、総合型選抜など新しい形の大学入試にも強みを発揮します。
追手門学院高等学校の特色・校風
追手門学院高等学校の校風は、「協働する学校」「独立自彊・社会有為」「探究と挑戦」といったキーワードで表すことができます。生徒と教員、生徒同士が対話を重ねながら共に学び成長していく文化が根付いています。
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宿題の量
口コミを見ると「少ない」という声と「多い」という声の両方があり、コースによる差が大きいようです。特に最難関大学を目指す特選SSコースでは課題が多く、高い学習意欲が求められる傾向があります。一方で、他コースでは自己管理に任される部分も多く、クラブ活動などとの両立もしやすい環境のようです。
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校則(スマホ、服装など)
「私立の中では平均的」「厳しすぎず、緩すぎず」という意見が多いようです。スマートフォンは校内での使用ルールが定められていますが、持ち込みは可能です。服装や頭髪に関しても、常識の範囲内であれば厳しく指導されることは少ないとの声が見られます。ただし、「教室への入出許可証」といった独自のルールもあり、規律を重んじる側面も持ち合わせています。
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生徒たちの雰囲気
全体的に「穏やか」「真面目」な生徒が多く、落ち着いて学習に取り組める環境です。特に上位コースは勉強熱心な生徒が集まり、互いに高め合える雰囲気があります。公立高校のような賑やかさとは少し違うかもしれませんが、その分、いじめなども少なく、安心して過ごせるという声が多く聞かれます。
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アルバイト
原則として禁止されている可能性が高いです。多くの私立進学校と同様に、学業への専念が第一と考えられています。特別な事情がある場合は学校への相談が必要になるでしょう。
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制服の評判
制服のデザインそのものについての評判は様々ですが、機能性に関する意見が見られます。特に指定の革製カバンが「重くて使いにくい」という声が一部の生徒から挙がっています。オープンスクールなどで実物を確認してみるのがおすすめです。
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土曜授業
多くの生徒にとって嬉しいポイントとして、「土曜日に通常授業がない」ことが挙げられます。模試やクラブ活動が行われることはありますが、週末の時間を自分の学習やリフレッシュに使えるのは大きなメリットです。
追手門学院高等学校の部活動・イベント
部活動
追手門学院高等学校では、学業だけでなく部活動も非常に盛んで、多くの生徒が文武両道を目指して活動に打ち込んでいます。
特に力を入れている「強化クラブ」として、アメリカンフットボール部、女子ラグビー部、女子サッカー部が全国レベルで活躍しています。これらの部活は専用の公式サイトを持つなど、学校からの手厚いサポートを受けており、高いレベルで競技を続けたい生徒にとって最高の環境が整っています。
運動部全体が活気にあふれており、バドミントン部(約113名)や男子サッカー部(約64名)、ダンス部(約64名)など、多くの部員が所属する人気のクラブも多数あります。文化部では、軽音楽部(約101名)が最大規模を誇り、吹奏楽部や演劇部も熱心に活動しています。また、現代的な「サイエンス部(ロボットパート)」から、日本の伝統文化に触れる「茶道・華道部」まで、多種多様なクラブがあり、自分の興味や関心に合った活動を見つけることができるでしょう。
イベント
追手門学院では、生徒たちの手で作り上げる学校行事が一年を彩ります。
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文化祭「栞澪祭(かんれいさい)」
7月に行われる学校最大のイベントの一つです。クラスや文化部が一体となって展示やステージ発表を行い、日頃の活動の成果を披露します。活気にあふれ、生徒たちの創造性とエネルギーが爆発する一日です。
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体育祭
9月に行われ、クラス対抗で様々な競技に挑みます。学年やクラスの垣根を越えて応援に熱が入り、学校全体が一体感に包まれる伝統行事です。
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修学旅行(体験旅行・探究旅行など)
2年次に実施される修学旅行は、コースの特色が色濃く反映されているのが大きな特徴です。SS・Ⅰ・Ⅱ類は国内外の文化に触れる「体験旅行」、創造コースは課題解決型の学習を行う「探究旅行」、スポーツコースは競技力向上を目指す「研修旅行」と、それぞれの学びに直結したプログラムが組まれています。さらに、GA・GSコースでは1年次と2年次に海外研修が用意されており、グローバルな視野を養う貴重な機会となっています。
追手門学院高等学校の進学実績
追手門学院高等学校は、近年の教育改革が実を結び、大学進学実績が飛躍的に向上しています。「国公立大学・関関同立の合格者数が5年前の2.7倍以上」という成果は、その勢いを明確に示しています。
2025年度 大学進学実績(合格のべ数)
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国公立大学:93名
主な合格大学:京都大学(2)、大阪大学、神戸大学(2)、大阪公立大学(3)など、難関国公立大学への合格者を多数輩出しています。
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難関私立大学
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関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学):合計 258名
内訳:関西大学 89名、関西学院大学 57名、同志社大学 32名、立命館大学 80名
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産近甲龍(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学):合計 380名
内訳:近畿大学 176名、龍谷大学 113名、京都産業大学 79名、甲南大学 12名
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その他の進路
affiliated校である追手門学院大学へは135名が合格しています。また、海外の大学(トロント大学、ブリティッシュコロンビア大学など)への合格実績もあり、グローバルな進路選択も可能です。
これらの高い進学実績を支えているのが、手厚い学習サポート体制です。生徒一人ひとりが目標達成までの道筋を描く「合格ストーリー」の作成指導や、授業内容の定着を図る「リフレクション学習」の実践など、独自の取り組みが行われています。放課後には先生に質問しやすい環境や自習スペースも整っており、生徒の「学びたい」という意欲に全力で応えています。
追手門学院高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、追手門学院高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。
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2019年完成の最新鋭キャンパス
東芝の工場跡地に建設された広大で新しいキャンパスは、まさに未来の学び舎。ICT設備が整った明るい教室や充実した施設で、快適な学校生活を送ることができます。
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定期テストにとらわれない革新的な「創造コース」
知識の暗記だけでなく、思考力や表現力を伸ばしたい生徒に最適なコースです。プロジェクト学習を通じて、仲間と協働しながら答えのない問いに挑戦する経験は、大学入試やその先の社会で生きる大きな力になります。
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目標に合わせた多彩な海外研修プログラム
GA・GSコースを中心に、カナダ、マレーシア、シンガポール、オーストラリアなど、多彩な海外研修・留学制度が整っています。語学力だけでなく、異文化を理解し、多様な価値観を受け入れるグローバルマインドを育みます。
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目覚ましい伸びを見せる大学進学実績
近年の教育改革により、国公立大学や難関私立大学への合格者数が大きく増加しています。これは、学校全体の教育レベルの高さと、生徒一人ひとりへの手厚いサポート体制の証明です。
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全国レベルで活躍する強化指定クラブ
アメリカンフットボール、女子ラグビー、女子サッカーの3クラブは、全国の頂点を目指せる環境です。文武両道を高いレベルで実現したいアスリートにとって、非常に魅力的な選択肢となります。
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「協働」を重視した授業スタイル
一方的な講義形式ではなく、グループワークやディスカッションを積極的に取り入れています。他者の意見に耳を傾け、自分の考えを伝える対話的な学びを通じて、コミュニケーション能力や主体性を養います。
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ユニークな探究学習プログラム
「ガムテープ・プロジェクト」や「仮面制作」など、既成概念にとらわれないユニークな探究学習が用意されています。楽しみながら思考力を高め、創造性を刺激する授業が数多くあります。
追手門学院高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生からの声をまとめると、学校のリアルな姿が見えてきます。良い点と気になる点の両方を知って、総合的に判断しましょう。
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良い点
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「先生のサポートが手厚い」「親身になって相談に乗ってくれる」という声が非常に多いです。特にやる気のある生徒に対しては、先生方が全力で応援してくれる校風のようです。
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「校舎が新しくて綺麗」「施設が充実している」といった、2019年に移転した新キャンパスへの満足度は非常に高いです。
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「穏やかで優しい生徒が多い」「いじめの話は聞かない」など、安心して過ごせる落ち着いた学習環境が評価されています。
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「土曜授業がないのが嬉しい」という声は、多くの生徒にとって共通のポジティブなポイントのようです。
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気になる点
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「コースによって雰囲気や課題の量が全く違う」という意見があります。特にⅡ類は活発な生徒が多く、特選SSコースは勉強中心の落ち着いた雰囲気、といった差があるため、自分に合ったコース選びが重要になります。
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「駅から少し歩くのが大変」という声は少なくありません。特に夏場は、JR総持寺駅からでも15分以上歩くため、体力的な負担を感じる生徒もいるようです。
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「文化祭などの行事は公立高校ほど盛り上がらないかもしれない」という意見も見られます。勉強や部活動に集中したい生徒には良い環境ですが、「キラキラした高校生活」をイメージしていると、少し物足りなさを感じる可能性もあります。
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アクセス・通学
追手門学院高等学校は、複数の駅からアクセス可能です。自分にとって通いやすいルートを確認しておきましょう。
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最寄り駅からのアクセス
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JR京都線「総持寺」駅より徒歩約17分
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阪急京都線「総持寺」駅より徒歩約24分
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阪急京都線「茨木市」駅より近鉄バスに乗車、「追手門学院中高前」バス停下車すぐ
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JR総持寺駅が最も利用しやすく、多くの生徒がこの駅を利用しているようです。駅から学校までは少し距離がありますが、友人との会話を楽しみながら歩けば、あっという間に感じるかもしれません。
通学している生徒のエリアとしては、学校が位置する茨木市、高槻市、吹田市、豊中市、箕面市といった北摂地域が中心です。また、京都方面や大阪市内からJR線を利用して通学する生徒もいます。
追手門学院高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
追手門学院高等学校を目指す皆さんへ。この学校は、ただ授業を受けるだけでなく、自ら積極的に学びに参加し、挑戦したいという意欲を持った生徒にとって、最高の環境が整っています。新しい綺麗なキャンパスで、最先端の教育を受けながら、自分の可能性を試したいと考えている君に、追手門学院高等学校は特におすすめです。
受験勉強においては、まず自分の目標を明確にし、それに合ったコースを定めることが大切です。特選SSコースを目指すなら、応用問題に対応できる思考力が、創造コースを目指すなら、自分の考えを表現する力や探究心が求められます。過去問をしっかりと研究し、各コースの出題傾向を掴みましょう。そして何より、この学校を第一志望とする「専願」での受験は、合格への大きなアドバンテージになります。ぜひ一度オープンスクールに足を運び、その素晴らしい環境と活気ある雰囲気を肌で感じてみてください。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。