長崎県の五島列島、福江島に佇む長崎県立五島高等学校は、1900年(明治33年)に創立された歴史と伝統を誇る学校です。福江藩の居城であった石田城の本丸跡に校舎を構え、城門がそのまま校門として使われている全国でも珍しい高等学校として知られています。生徒たちは日々、歴史の息吹を感じながら勉学や部活動に励んでいます。

五島高等学校は、普通科(普通コース・スポーツコース)と衛生看護科を設置し、多様な進路希望に対応できる教育環境が整っています。特に、県内の公立高校で唯一となる衛生看護科や、離島留学制度を利用して県内外から生徒を受け入れている普通科スポーツコースなど、特色ある学びが魅力です。この記事では、そんな五島高等学校の具体的な魅力について、進学アドバイザーの視点から詳しく解説していきます。

この記事を読めば、五島高校がどのような学校で、どのような特色を持っているのかが具体的にイメージできるはずです。歴史と自然に囲まれた素晴らしい環境の中で、充実した高校生活を送りたいと考えている中学生と保護者の皆さんにとって、きっと有益な情報が見つかるでしょう。

長崎県立五島高等学校の基本情報

長崎県立五島高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 長崎県立五島高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒853-0018 長崎県五島市池田町1-1
代表電話番号 0959-72-3505
公式サイトURL https://www.news.ed.jp/goto-h/

長崎県立五島高等学校の偏差値・難易度・併願校

長崎県立五島高等学校の偏差値は、学科によって異なりますが、おおよそ46〜53の範囲にあります。これは長崎県内の高校の中では中堅レベルに位置づけられます。

  • 普通科:53

  • 衛生看護科:46

合格に必要な内申点の目安としては、5教科で17〜18程度が一つの基準となるようです。ただし、これはあくまで目安であり、実際の合否は学力検査の点数や面接の結果などを総合的に判断して決まります。長崎県の公立高校入試は2025年度から制度が大きく変わるため、最新の情報を必ず確認するようにしてください。

長崎県の公立高校入試では、原則として1校しか出願できません。そのため、五島高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。五島市内に私立高校はないため、長崎本土の高校などが選択肢となりますが、通学の現実性を考慮すると、専願で受験する生徒が多い傾向にあります。

長崎県立五島高等学校に設置されている学科・コース

長崎県立五島高等学校には、生徒一人ひとりの興味や進路希望に応えるための魅力的な学科・コースが設置されています。

  • 普通科 普通コース

    国公立大学や私立大学への進学を目指すコースです。早朝補習や土曜補習(石田塾)などを実施し、生徒の学力向上をきめ細かくサポートしています。

  • 普通科 スポーツコース

    陸上、柔道、剣道のいずれかの部活動に所属し、専門的な指導のもとで競技力向上を目指します。スポーツ理論や栄養学なども学び、離島留学制度により県内外から意欲の高い生徒が集まります。

  • 衛生看護科

    長崎県の公立高校で唯一、准看護師の養成を行っている学科です。卒業後の進路として、多くの生徒が正看護師の資格取得を目指し、看護系の専門学校や大学へ進学しています。

長崎県立五島高等学校の特色・校風

長崎県立五島高等学校は、「文武両道」と「地域との連携」を大切にする校風が根付いています。福江城跡という歴史的な場所にあり、落ち着いた雰囲気の中で学校生活を送ることができます。

  • 校風・雰囲気

    生徒たちは真面目で落ち着いているという評判が多いようです。一方で、部活動や学校行事には活発に取り組む生徒も多く、メリハリのある学校生活を送っています。

  • 宿題の量

    進学を目指す生徒が多いため、特に普通科では補習なども含め、学習量は少なくないようです。毎日の予習・復習が大切になります。

  • 校則

    校則は、他の公立高校と比較して標準的か、やや厳しいという声が見られます。特に服装や頭髪に関する規定は細かく定められているようです。スマートフォンの校内への持ち込みは原則として禁止されています。

  • アルバイト

    アルバイトは原則として禁止されているようです。特別な事情がある場合は学校への届け出が必要となります。

  • 制服

    伝統的なデザインの制服で、男子は黒の学生服、女子は紺のセーラー服です。落ち着いたデザインで、保護者からの評判は良い傾向にあります。

  • 土曜授業

    進学希望者を対象とした「石田塾」という土曜補習が実施されています。

長崎県立五島高等学校の部活動・イベント

部活動

五島高等学校は、運動部・文化部ともに活発に活動しており、多くの生徒が部活動に加入し、充実した学校生活を送っています。

特に、普通科スポーツコースが設置されていることもあり、以下の部活動は県内でも高い実績を誇っています。

  • 陸上競技部:全国高校駅伝への出場経験もある強豪です。五島の豊かな自然を活かしたトレーニングで、日々実力を磨いています。

  • 柔道部:九州大会や全国大会で活躍する選手を多数輩出しています。トップレベルの指導者のもと、技術と精神力を鍛えることができます。

  • 剣道部:男女ともに県大会の上位常連校です。武道場での厳しい稽古を通して、礼儀と集中力を養います。

この他にも、野球部、サッカー部、バレーボール部などの運動部や、吹奏楽部、美術部、放送部といった文化部も熱心に活動しています。

イベント

五島高等学校では、生徒たちの手で作り上げる学校行事が盛んに行われ、学校全体が一体となって盛り上がります。

  • 五高祭(文化祭):毎年秋に開催される最大のイベントです。各クラスや文化部が趣向を凝らした展示やステージ発表を行い、多くの地域住民も訪れ、大変な賑わいを見せます。

  • 体育祭:初夏に行われる体育祭では、学年やクラス対抗で様々な競技に熱戦を繰り広げます。応援合戦なども見どころの一つで、生徒たちの団結力が深まる一日です。

  • 修学旅行:例年、関西方面などを訪れ、歴史や文化を学びます。友人との絆を深める貴重な機会となっています。

長崎県立五島高等学校の進学実績

長崎県立五島高等学校は、離島にありながらも高い進学実績を誇っており、国公立大学を中心に多くの生徒が現役で合格を果たしています。

令和6年度(2024年)の大学入試では、国公立大学に62名が合格しました。

  • 国公立大学

    • 大阪大学:1名

    • 広島大学:2名

    • 熊本大学:4名

    • 長崎大学:10名

    • 長崎県立大学:9名

    • 九州工業大学:2名

    • 福岡教育大学:2名

      など、九州内外の大学に多数の合格者を出しています。

  • 難関私立大学

    福岡大学(7名)や西南学院大学など、九州の主要な私立大学にも多くの合格実績があります。

  • その他の進路

    衛生看護科の卒業生の多くは、正看護師を目指して看護専門学校へ進学します。また、公務員や民間企業への就職実績もあり、多様な進路選択が可能です。

このような高い進学実績を支えているのが、五島高校の手厚い進路指導体制です。早朝や土曜日に行われる補習「石田塾」や、個別の進路相談などを通して、生徒一人ひとりの目標達成を力強くサポートしています。

長崎県立五島高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、長崎県立五島高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 福江城(石田城)跡に建つ歴史ある校舎

    日本で唯一、城郭内に校舎があり、城門が校門として使われています。日々の学校生活の中で、歴史と伝統を肌で感じることができます。

  • 県内唯一の公立衛生看護科

    准看護師の資格取得を目指せる専門学科が設置されており、地域医療に貢献したいという志を持つ生徒にとって最適な環境です。

  • 離島留学制度を活かしたスポーツコース

    陸上・柔道・剣道の3競技に特化し、県内外から集まった仲間と切磋琢磨しながら全国を目指せます。五島の自然を活かしたトレーニングも魅力の一つです。

  • 手厚い進学サポート体制

    早朝補習や土曜補習「石田塾」など、きめ細やかな学習サポートが充実しており、国公立大学をはじめとする高い進学実績につながっています。

  • 独自の探究学習「バラモンプラン」

    地域課題の解決など、生徒が主体的にテーマを設定して探究活動を行うプログラムです。思考力や表現力を養い、大学入試にも活かせる力を育みます。

  • 豊かな自然環境

    美しい海と山に囲まれた五島列島の自然は、生徒たちの感性を豊かに育みます。マリンスポーツ実習など、五島ならではの体験活動も行われます。

  • 充実した施設

    300名収容可能なメモリアルホールや、学習合宿に使われるセミナーハウス「石城館」、トレーニングルームなど、生徒の学びと活動を支える施設が整っています。

長崎県立五島高等学校の口コミ・評判のまとめ

長崎県立五島高等学校に通う在校生や卒業生からは、様々な声が寄せられています。ここでは、良い点と気になる点を公平に紹介します。

  • 良い点

    • 「先生方が熱心で、進路相談に親身に乗ってくれる」という声が多く聞かれます。特に大学進学を目指す生徒へのサポートが手厚いと評判です。

    • 「落ち着いた環境で勉強に集中できる」という意見も多数あります。歴史ある校舎と豊かな自然が、穏やかな学校生活を支えているようです。

    • 「部活動が盛んで、仲間と目標に向かって頑張れる」といった口コミも多く、文武両道を実践できる環境が評価されています。

    • 「五高祭(文化祭)などの学校行事がとても楽しく、クラスの団結力が強まる」という声も目立ちます。

  • 気になる点

    • 「校則が少し厳しいと感じる」という意見があります。特に、服装や頭髪、スマートフォンの使用に関するルールについては、窮屈に感じる生徒もいるようです。

    • 「交通の便があまり良くない」という声も聞かれます。島内のバスを利用して通学する生徒が多いですが、便数が限られているエリアもあります。

    • 「施設の古さが少し気になる」という口コミも見られます。歴史ある校舎である一方、一部の設備については新しさを求める声もあるようです。

アクセス・通学

長崎県立五島高等学校へのアクセス方法です。

  • バスでのアクセス

    • 五島バス「五島高校前」バス停下車すぐ

    • 「カンパーナホテル前」バス停から徒歩約3分

    • 「福江港ターミナル」からバスで約5分

  • 通学エリア

    五島市内の福江島全域から生徒が通学しています。また、普通科スポーツコースは離島留学制度により、五島列島の他の島々や長崎県本土、さらには県外からも生徒を受け入れています。寄宿舎も完備されているため、遠方からの通学も可能です。

長崎県立五島高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

長崎県立五島高等学校を目指す皆さんへ、進学アドバイザーとして応援メッセージを送ります。

五島高校は、歴史と豊かな自然に囲まれた素晴らしい環境の中で、自分の夢に向かってじっくりと打ち込める学校です。特に、「落ち着いた環境で勉強に集中し、国公立大学への進学を目指したい」と考えている人や、「専門的な指導のもとでスポーツに打ち込み、全国の舞台で活躍したい」という高い志を持つ人には、最高の環境が整っています。また、「地域医療に貢献する看護師になりたい」という明確な目標がある人にとっても、衛生看護科は大きな魅力でしょう。

受験勉強においては、まず中学校の基礎基本を徹底的に固めることが大切です。2025年度から長崎県の入試制度が変わり、思考力や表現力を問う問題が増える傾向にあります。日頃から新聞や本を読んで自分の考えをまとめる練習をしたり、社会の出来事に関心を持ったりすることも、きっと皆さんの力になるはずです。五島高校で充実した3年間を送り、自分の可能性を大きく広げてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。