関西大倉高等学校は、大阪府北摂地域でも屈指の人気と実力を誇る、文武両道を掲げる進学校です。毎年多くの受験生が目標として名前を挙げるこの学校には、一体どのような魅力が詰まっているのでしょうか。高いレベルでの学習環境はもちろんのこと、緑豊かな広大なキャンパスでのびのびと部活動に打ち込める環境は、関西大倉高等学校ならではの大きな特長と言えるでしょう。

高校選びは、偏差値や進学実績といった数字だけでは測れない、とても大切な決断です。学校の雰囲気は自分に合っているか、どんな先生や仲間と出会えるのか、3年間を「楽しい」と感じられるか——。この記事では、そんな皆さんの疑問や不安に寄り添いながら、進学アドバイザーとして、関西大倉がどのような学校なのかを、様々な角度から深く掘り下げていきます。

公式サイトの情報だけでなく、在校生や卒業生のリアルな声もたくさん集めました。良いところも、少し気になるかもしれない点も、すべて正直にお伝えします。この記事を読み終える頃には、あなたが関西大倉で過ごす高校生活を、より具体的にイメージできるようになっているはずです。さあ、一緒に未来への扉を開くための、学校探しの旅を始めましょう。

関西大倉高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 関西大倉高等学校
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒567-0052 大阪府茨木市室山2-14-1
代表電話番号 072-643-6321
公式サイトURL https://www.kankura.jp/

関西大倉高等学校の偏差値・難易度・併願校

関西大倉高等学校は、大阪府内でもトップクラスの学力レベルを誇る私立高校です。コースによって求められる学力も異なるため、自分の目標と照らし合わせて確認することが大切です。

学科・コースごとの偏差値

各種模擬試験機関によって偏差値は多少異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。

  • 特進Sコース: 73前後

  • 特進コース: 69前後

特進Sコースは最難関国公立大学を目指す選抜コースであり、府内でも最上位の学力が求められます。特進コースも難関国公立大学を目指すハイレベルなコースで、高い学力が必要です。

難易度のイメージと内申点

偏差値70を超えるレベルというのは、中学校の定期テストでは常に上位5%以内に入り、主要5教科でほぼ満点に近い成績を収めていることが一つの目安となります。合格には、高い当日得点力はもちろんのこと、中学校での学習態度を示す内申点も重要視される傾向があります。具体的な必要内申点は公表されていませんが、オール5に近い評価を得ている受験生が多く挑戦すると考えておくと良いでしょう。

関西大倉高等学校の入試の特徴として、公立トップ校を目指す受験生が併願校として選択するケースが非常に多い点が挙げられます。特に特進Sコースの併願受験者数は専願受験者数を大きく上回っており、極めてレベルの高い競争になることを覚悟しておく必要があります。この事実は、関西大倉が単なる「滑り止め」ではなく、高い目標を持つ生徒にとって「第一志望の公立に匹敵する魅力的な選択肢」と認識されていることを示しています。このため、学校側もその期待に応えるべく、高いレベルの教育環境を維持しており、それが学校全体の雰囲気や進学実績につながっています。

主な併願校

多くの受験生が、以下のような公立高校と併願して関西大倉を受験する傾向があります。

  • 特進Sコースの主な併願校

    • 公立高校: 北野高校(文理学科)、茨木高校(文理学科)、大手前高校(文理学科)など

  • 特進コースの主な併願校

    • 公立高校: 豊中高校(文理学科)、春日丘高校、千里高校(国際文化科・総合科学科)、池田高校など

私立高校同士では、立命館高校や関西大学高等部などを併願先に選ぶ受験生もいるようです。

関西大倉高等学校に設置されている学科・コース

関西大倉高等学校には、生徒一人ひとりの進路目標に合わせて最適化された2つのコースが設置されています。

  • 特進Sコース

    • どんなことを学ぶ場所か:東京大学、京都大学、大阪大学といった最難関国公立大学への現役合格を目指す少数精鋭の選抜コースです。1年次からハイレベルな授業が展開され、二次試験で求められる高度な記述力や論述力を早期から徹底的に鍛えます。

    • どんな生徒におすすめか:明確に最難関大学を志望しており、高い目標を持つ仲間と切磋琢磨しながら、3年間集中して学習に取り組みたい人におすすめです。

  • 特進コース

    • どんなことを学ぶ場所か:大阪大学、神戸大学などの難関国公立大学や、関関同立をはじめとする難関私立大学への進学を目指すコースです。2年次から文系・理系に分かれ、受験に必要な科目に重点を置いたカリキュラムで、基礎力から応用力まで着実に力を伸ばします。

    • どんな生徒におすすめか:高いレベルの大学を目指したいけれど、まずは基礎を固め、2年生でじっくり文理選択をしたい人や、幅広い進路の可能性の中から自分に合った道を見つけたい人におすすめです。

関西大倉高等学校の特色・校風

学校選びで最も気になるのが、その学校が持つ「空気感」ではないでしょうか。関西大倉の特色や校風をキーワードで表すと、「文武両道」「落ち着いた雰囲気」「進学校」「自然豊か」といった言葉が挙げられます。

リアルな学校生活の姿

ここでは、口コミや評判を基に、中学生の皆さんが本当に知りたいであろう学校生活のリアルな姿を詳しく見ていきましょう。

  • 宿題の量

    「宿題は多い」と感じる生徒が多いようです。特に小テストが頻繁に行われ、その準備に追われることもあるという声があります。一方で、「長期休暇中は課題がそこまで多くなく、自分のペースで受験勉強を進められた」という意見もあり、時期や担当の先生によって量は変わる可能性があります。全体としては、日々の学習習慣を確立させようとする学校の方針がうかがえます。

  • 校則(スマホ、服装など)

    校則は「厳しい」という口コミが非常に多く見られます。特に服装や頭髪に関する指導は厳しいと感じる生徒が多いようです。例えば、「女子は肩より長い髪は結ぶ」「靴下はワンポイント禁止の白」といった細かな規定があります。スマートフォンの持ち込みは許可されていますが、校内での使用は原則禁止で、朝礼時に預けたり、ロッカーにしまったりするルールになっています。こうした厳しさは、学習に集中できる環境を整え、社会で通用する規律を身につけさせたいという学校の教育方針の表れと捉えることができます。しかし、自由な校風を求める生徒にとっては、少し窮屈に感じられるかもしれません。

  • 生徒たちの雰囲気

    「真面目で落ち着いた生徒が多い」という評判が一般的です。北摂地域のトップクラスの公立高校を目指していた生徒が多く集まるため、学習意欲が高く、休み時間や放課後に教室や自習室で勉強する姿もよく見られます。いじめなどは少ないという声が多く、安心して学校生活を送れる環境のようです。一方で、一部の生徒からは「青春はできない」「自称進学校の雰囲気がある」といった、勉強中心の生活に対する少しネガティブな意見も見られます。これは、学校側が提供する手厚い進学サポートと、生徒が求める「高校生らしい楽しさ」との間に少しギャップがあることを示しているのかもしれません。自分から積極的に友人関係を築き、行事などを楽しむ姿勢が、充実した高校生活を送る鍵となりそうです。

  • アルバイト

    原則として禁止されています。

  • 制服の評判

    男女ともにブレザースタイルです。デザイン自体に強い賛否両論は見られませんが、着こなしに関する校則が厳しいため、その点についての意見が多いようです。

  • 土曜授業

    公式サイトの年間行事予定には明記されていませんが、模試や講習などが土曜日に行われることはあるようです。

関西大倉高等学校の部活動・イベント

「文武両道」を掲げる関西大倉は、勉強だけでなく部活動や学校行事にも力を入れています。

部活動

運動部、文化部ともに非常に活発で、多くの生徒が部活動に参加し、勉強と両立しながら充実した日々を送っています。全国レベルで活躍する部も少なくありません。

  • アメリカンフットボール部

    関西大倉を象徴する部活動の一つで、全国高校選手権(クリスマスボウル)で準優勝経験を何度も誇る全国屈指の強豪です。専用のグラウンドで日々厳しい練習に励んでいます。

  • ダンス部

    近年、特に目覚ましい活躍を見せている部です。全国大会の常連であり、近畿大会では準優勝を果たすなど、高いレベルで活動しています。キレのあるパフォーマンスは文化祭などでも注目の的です。

  • その他の活発な部活動

    運動部ではソフトボール部や陸上競技部、洋弓部なども強豪として知られています。文化部では、地域のイベントにも出演する和太鼓部や、コンテストに出場する交通研究・写真部、歴史あるクラシックギター部など、ユニークで多彩なクラブが活動しています。

イベント

勉強で忙しい毎日の中、学校行事はクラスの団結力を高め、最高の思い出を作る貴重な機会です。

  • 文化祭(9月)

    「関倉祭」と呼ばれ、校内で最も盛り上がる行事の一つです。1年生は趣向を凝らした展示、2年生はステージでの演劇やダンスなどのパフォーマンス、そして3年生は模擬店を出店します。クラス一丸となって準備を進める過程は、まさに青春そのものです。

  • 体育祭(6月)

    学年を超えて、全校生徒が4つの縦割りチームに分かれて優勝を争います。応援合戦やリレーなど、様々な競技で熱い戦いが繰り広げられ、学年を超えた交流が生まれます。

  • 修学旅行(高校2年・11月)

    沖縄の八重山諸島を訪れます。石垣島を拠点に、カヌーやシュノーケリングといったマリンスポーツを体験したり、美しい自然や独自の文化に触れたりします。仲間と過ごす数日間は、一生忘れられない思い出になるでしょう。

  • ロードレース大会(高校1年・11月)

    学校周辺の自然豊かなコースを走る、冬の恒例行事です。自分の限界に挑戦し、ゴールした時の達成感は格別です。

関西大倉高等学校の進学実績

関西大倉高等学校の最大の強みの一つが、その高い大学進学実績です。生徒一人ひとりの目標達成に向けた、手厚いサポート体制が大きな成果に結びついています。

最新の大学合格実績(2025年入試)

国公立大学から難関私立大学まで、非常に多くの生徒が現役で合格を勝ち取っています。

  • 国公立大学:合計 217名

    • 主な合格大学(人数):

      • 京都大学 (3)

      • 大阪大学 (14)

      • 神戸大学 (18)

      • 北海道大学 (2)

      • 九州大学 (1)

      • 大阪公立大学 (28)

      • その他、全国の国公立大学に多数合格

  • 難関私立大学

    • 関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学):合計 580名

    • 産近甲龍(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学):合計 477名

    • 早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学など関東の難関大学にも合格者を出しています。

進学実績を支える取り組み

この輝かしい実績は、生徒自身の努力はもちろん、学校独自のきめ細やかなサポート体制によって支えられています。

  • 放課後学習会

    通常の授業とは別に、希望者を対象に年間40以上ものオリジナル講座が開講されます。「京大・阪大・神大対策講座」や「小論文対策講座」、ネイティブ教員による英会話講座など、自分の苦手克服や得意分野の伸長に合わせて自由に選択できます。同じ目標を持つ仲間と受講することで、学習効果も一層高まります。

  • 長期休暇中の講習

    夏休みや冬休みなどの長期休暇中にも、希望制の講習会が多数開かれます。休暇中に学習リズムを崩すことなく、集中的に実力を高めることができる貴重な機会です。

  • 講演会「進路を考える」

    年に5〜6回、生徒と保護者を対象とした進路講演会が開催されます。大学入試の最新情報から、卒業生の合格体験談、学部学科研究、さらには進学にかかる費用まで、その時々に必要な情報がタイムリーに提供される、非常に人気の高いイベントです。

関西大倉高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、関西大倉高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを7つのポイントにまとめました。

  • 広大で自然豊かなキャンパス

    甲子園球場約3個分という広大な敷地は、大阪府内の高校でも有数です。緑に囲まれた静かな環境は、まるで大学のキャンパスのよう。落ち着いた雰囲気の中で、日々の学習に集中することができます。

  • 最新の学習施設が整った新校舎

    2022年に完成した新校舎には、全教室へのプロジェクター設置やWi-Fi環境はもちろん、カフェのような雰囲気のおしゃれな図書館、生徒たちが自由に集い学べるコミュニケーションラウンジなど、最先端の学習環境が整っています。

  • 大学レベルの本格的な探究学習プログラム

    京都大学と連携した「野生動物学初歩実習」など、他の高校では体験できないような高度で本格的な探究活動が用意されています。本物の学問に触れることで、知的好奇心が刺激され、主体的に学ぶ力が育まれます。

  • 圧倒的な進学サポート体制

    放課後や長期休暇中の豊富な講習会、保護者も参加できる詳細な進路講演会など、生徒一人ひとりの志望校合格を全力でバックアップする多層的なサポートシステムは、この学校最大の強みです。

  • 全国レベルで活躍する文武両道の部活動

    アメリカンフットボール部やダンス部をはじめ、多くの部活動が全国の舞台で活躍しています。「勉強も部活も本気でやりたい」という生徒にとって、最高の環境が用意されています。

  • 一人一台タブレットを活用したICT教育

    生徒一人ひとりにタブレット端末が配布され、授業での調べ学習やプレゼンテーション、課題提出などに活用されています。ICTを使いこなすスキルは、大学での学びやその先の社会で必ず役立つ力になります。

  • グローバルな視野を育む多彩な国際教育

    ネイティブ教員と英語でディスカッションする「校内留学」プログラムや、大阪大学の留学生との交流会、希望者対象の海外研修(ベトナムなど)を通じて、生きた英語と異文化に触れ、国際感覚を養う機会が豊富にあります。

関西大倉高等学校の口コミ・評判のまとめ

ここでは、在校生や卒業生から寄せられた様々な声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。学校選びの参考にしてください。

良い点

  • 先生方のサポートが手厚い

    「質問に行くと、どの先生も熱心に教えてくれる」「進路相談に親身に乗ってくれた」という声が多数あります。生徒の「学びたい」という意欲に、全力で応えてくれる先生方が多いようです。

  • 施設が綺麗で学習環境が整っている

    「新校舎は本当に綺麗で快適」「図書館や自習室が充実していて、勉強に集中できる」など、2022年に完成した新校舎の施設に対する評価は非常に高いです。

  • 落ち着いて勉強に集中できる雰囲気

    「真面目な生徒が多く、周りに流されずに勉強できる」「いじめなどの話はほとんど聞かず、安心して過ごせる」といった、穏やかで学習に適した環境を評価する声が多く聞かれます。

  • 公立に落ちて入学しても、結果的に満足できる

    「第一志望の公立は不合格だったが、関倉で良い先生や友達に出会えて、最終的にはこの学校で良かったと思えた」という卒業生からの声は、学校の教育内容やサポートの手厚さを示しています。

  • 部活動が盛んで、文武両道が実現できる

    「全国レベルの部活で頑張りながら、難関大学にも合格できた」「勉強と部活、どちらも本気で取り組める環境がある」という声は、まさに関西大倉の理念を体現しています。

気になる点

  • 立地が悪く、通学が大変

    「学校が山の上にあるので、坂がとにかくきつい」「最寄り駅からスクールバスで20分以上かかり、朝が早い」など、アクセスの不便さは最も多く聞かれる意見です。この点は入学前に必ず確認しておくべきポイントです。

  • 校則が厳しすぎるという意見

    「頭髪や服装のルールが細かくて厳しい」「スマホが自由に使えないのが不便」といった声は根強くあります。自由な校風をイメージしていると、ギャップを感じる可能性があります。

  • 宿題や小テストが多く、勉強が大変

    「課題が多くて自分の勉強時間が確保しにくい」「小テストの再テストに追われることがある」など、学校の学習ペースについていくのが大変だと感じる生徒もいるようです。

  • 先生の質にばらつきがあるという声

    「素晴らしい先生もいる一方で、授業が分かりにくい先生もいる」といった、教員の質に関する意見も見られます。これはどの学校にも言えることかもしれませんが、相性もあるようです。

  • 「青春」のイメージとは少し違うかもしれない

    「勉強中心の生活になりがちで、いわゆる『キラキラした高校生活』を送りたい人には向かないかも」という意見もあります。行事などは盛り上がるものの、日々の生活は比較的落ち着いているようです。

アクセス・通学

関西大倉高等学校のキャンパスは、茨木市の緑豊かな丘陵地にあります。そのため、ほとんどの生徒が主要駅から運行されている専用のスクールバスを利用して通学しています。

  • 最寄り駅からのアクセス

    以下の5つの主要駅から、それぞれスクールバスが運行されています。所要時間はいずれも約20分〜25分です。

    • JR京都線「茨木」駅

    • 阪急京都線「茨木市」駅

    • 北大阪急行・大阪モノレール「千里中央」駅

    • 阪急千里線「北千里」駅

    • 阪急宝塚線「石橋阪大前」駅

  • 通学エリア

    上記のバス路線がカバーする、茨木市、高槻市、吹田市、豊中市、箕面市といった大阪府北摂地域から通学している生徒が中心です。広範囲からアクセスが可能なため、様々な地域から生徒が集まっています。

関西大倉高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれて、ありがとうございます。関西大倉高等学校の魅力や特色、そしてちょっぴりリアルな姿が見えてきたでしょうか。

最後に、進学アドバイザーとして、この学校を目指す君にメッセージを送ります。関西大倉は、「明確な目標を持ち、その達成のために努力を惜しまない生徒」に特におすすめの学校です。少し厳しいくらいの環境で自分を律し、用意された最高の学習リソースを最大限に活用して、難関大学への現役合格という目標を掴み取りたい。そう考える君にとって、ここは最高の環境になるはずです。

関西大倉高等学校の入試を突破するには、5教科すべてにおいて穴のない、盤石な基礎学力が不可欠です。特に公立トップ校と併願するライバルとの競争は熾烈です。中学校の教科書レベルの内容を完璧にマスターした上で、過去問に繰り返し取り組み、出題傾向を掴んでおきましょう。苦手分野を一つひとつ着実に克服していく地道な努力が、合格への一番の近道です。君の挑戦を心から応援しています!