関西大学第一高等学校は、1913年の創立以来、100年以上の長い歴史を持つ伝統校です。多くの受験生がこの学校に惹かれるのは、関西大学への進学という確かな未来への道筋と、勉強だけに終わらないエネルギッシュな高校生活の両方を手に入れられる、そのユニークな環境にあります。単なる大学の附属校という枠を超え、生徒一人ひとりが自分の可能性を最大限に伸ばせる場所、それが関西大学第一高等学校の大きな魅力と言えるでしょう。
この学校が掲げる「文武両道」の精神は、単なるスローガンではありません。全国レベルで活躍する部活動に情熱を注ぎながら、関西大学への推薦という安心感を持ち、日々の学習に取り組むことができます。受験勉強だけに追われることなく、自分の好きなこと、得意なことに思い切り打ち込める3年間は、きっとあなたを大きく成長させてくれるはずです。
「部活動で全国を目指したいけど、大学進学も心配…」「確かな進路を確保しつつ、国公立大学のようなさらに高い目標にも挑戦してみたい」。もしあなたがそんな風に考えているなら、この先をぜひ読み進めてみてください。ここから、関西大学第一高等学校が持つ本当の魅力と、あなたの高校生活をどう彩ってくれるのかを、詳しくご紹介していきます。
関西大学第一高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 関西大学第一高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/別学 | 男女共学 |
所在地 | 〒564-0073 大阪府吹田市山手町3-3-24 |
代表電話番号 | 06-6337-7750 |
公式サイトURL | https://www.kansai-u.ac.jp/dai-ichi/high/ |
関西大学第一高等学校の偏差値・難易度・併願校
関西大学第一高等学校を目指す上で、どのくらいの学力が必要になるのか、具体的な数字と合わせて見ていきましょう。
普通科の偏差値は、おおよそ「68」とされています。この数値は大阪府内の私立高校の中でもトップクラスに位置しており、合格するにはしっかりとした学力と準備が必要な難関校と言えます。
偏差値68という数字をより具体的にイメージするために、他の高校と比較してみましょう。大阪府内の公立高校では、春日丘高校、泉陽高校、箕面高校などが同じくらいの難易度とされています。私立高校では、関西大学高等部や追手門学院高校、履正社高校などが比較対象となることが多いようです。
また、合格に必要な内申点も気になるところです。特に「専願A(中学校成績重視型)」という入試方式では、中学校での成績が非常に重要視されます。「オール5、またはそれに準ずる成績」がひとつの目安となり、日頃の授業態度や定期テストへの取り組みが合否に直結すると考えてよいでしょう。入学試験は当日の学力テストだけでなく、中学校の成績や面接などを総合的に評価して判断されます。関西大学第一高等学校は、単にテストの点数が高いだけでなく、中学校生活を通して真面目にコツコツと努力を続けられる生徒を求めていることがわかります。
併願校としては、同じくらいの偏差値帯である追手門学院高校、箕面自由学園高校、履正社高校、そして同じく関西大学の附属校である関西大学北陽高校などがよく選ばれているようです。
関西大学第一高等学校に設置されている学科・コース
関西大学第一高等学校では、入学時は全員が「普通科」に所属します。1年生の間は、文系・理系を問わず、全員が同じカリキュラムで学び、高校での学習の基礎を固めていきます。そして2年生に進級する際に、それぞれの希望進路に合わせて、以下の3つのコースに分かれます。
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文Iコース
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主に関西大学の文系学部への内部進学を目指すコースです。既に関西大学への進学を心に決めている生徒におすすめで、目標に合わせたカリキュラムで着実に学力を伸ばせます。高校全体で最もクラス数が多いコースです。
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文IIコース
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関西大学への進学を視野に入れつつ、国公立大学や他の難関私立大学の文系学部への進学を目指すコースです。より高いレベルの大学受験に挑戦したい、ハイレベルな環境で学びたいという生徒におすすめです。
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理コース
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関西大学の理工系学部や、国公立大学、他の私立大学の医歯薬系学部・理系学部への進学を目指すコースです。理数系の分野に強い興味があり、専門的な学びを深めたい生徒のためのコースです。
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このコース選択は、高校2年生からの学びの方向性を決める非常に重要なものです。一度コースを選択すると、3年生への進級時に変更することはできないため、1年生の間に自分の興味や将来の夢とじっくり向き合い、どの道に進むべきかを真剣に考える時間が必要になります。
関西大学第一高等学校の特色・校風
関西大学第一高等学校のスクールライフを語る上で欠かせないキーワードは、「文武両道」「自由な校風」、そして「関大の附属校」という点です。
学校全体の雰囲気は、関西大学の附属校ならではの、のびのびとした「自由な校風」が特徴です。しかし、この「自由」は「何でもあり」という意味ではありません。生徒の自主性を尊重する一方で、守るべきルールはしっかりと定められており、特にスマートフォンに関する校則は「厳しい」と感じる生徒が多いようです。校内はもちろん、登下校中も使用が原則禁止されており、ロッカーに預ける決まりになっています。この点は、現代の高校生にとっては少し窮屈に感じるかもしれません。一方で、頭髪や持ち物に関する検査は比較的緩やかで、生徒の自主性に任されている部分も多いようです。
宿題の量については、所属するコースによって大きく異なります。主に関西大学への進学を目指す「文Iコース」は比較的少ないという声がある一方、国公立大学を目指す「文IIコース」や「理コース」の生徒は、やはり課題の量が多くなる傾向にあります。
生徒たちの雰囲気は、全体的に明るく、おおらかな生徒が多いと評判です。中学からの内部進学生と高校からの入学生がいますが、すぐに打ち解けて仲良くなれる環境のようです。アルバイトは禁止されています。制服については、冬服の評判は良いものの、夏服のデザインは「少しダサい」という声が一部で見られます。また、土曜日も4時間の授業があり、週6日制のカリキュラムとなっています。
関西大学第一高等学校の部活動・イベント
部活動
関西大学第一高等学校の「文武両道」を象徴するのが、非常に活発な部活動です。全校生徒の約84%が何らかの部に所属しており、学校生活の中心に部活動を置いている生徒が非常に多いのが特徴です。約35の多彩なクラブがあり、全国レベルで活躍する強豪部も少なくありません。
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アメリカンフットボール部
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全国大会の常連で、過去には全国制覇も成し遂げている超強豪部です。部員の多くが高校からアメフトを始める初心者でありながら、高いレベルに到達できるのは、指導体制の充実ぶりを物語っています。
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サッカー部
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全国高校サッカー選手権で全国3位に輝いた実績を持つ名門です。常に大阪のトップを争い、全国の舞台で活躍することを目指しています。
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硬式野球部
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春の選抜高校野球大会で準優勝という輝かしい実績を誇ります。甲子園出場を目指し、日々厳しい練習に打ち込んでいます。
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珍しい部活動
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高校の部活動としては珍しい、フェンシング部やアイスホッケー部なども全国レベルの実力を持っています。
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運動部だけでなく、文化部も活発です。俳句や川柳のコンクールで学校賞を受賞したり、料理部が全国規模のコンテストでグランプリを獲得したりと、様々な分野で生徒たちが才能を発揮しています。
イベント
学校生活を彩る年間行事も、生徒たちにとっては大切な思い出作りの場です。
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体育祭
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5月に、隣接する関西大学の中央グラウンドを借りて盛大に開催されます。全校生徒が5色のチームに分かれて優勝を目指し、リレーや綱引きなどの競技で熱戦を繰り広げます。特に、各部活動のプライドをかけた「クラブ対抗リレー」は、パフォーマンスあり、真剣勝負ありで、毎年大変な盛り上がりを見せる名物競技です。
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関一祭(文化祭)
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9月に行われる文化祭です。学校の一大イベントではありますが、口コミを見ると「他の高校と比べると規模が小さい」「少し物足りない」といった声も聞かれます。特にコロナ禍ではオンライン開催になるなど、形式が変化したことも影響しているようです。華やかな文化祭に強い憧れを持つ人は、少しイメージと違うと感じるかもしれません。
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修学旅行
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高校では北海道や東京方面へ行くことが多いようです。仲間との絆を深める貴重な機会ですが、過去には「旅行先での写真撮影が禁止された」という口コミもあり、ルール面では厳しい一面もあるようです。
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関西大学第一高等学校の進学実績
関西大学第一高等学校の進路を考える上で、最も大きな特徴は関西大学への内部進学制度です。
卒業生の約90%から95%という圧倒的多数が、この制度を利用して関西大学へ進学します。2023年度には、卒業生381名のうち344名が関西大学に進学しており、この数字からも、いかにこの進路がメインルートであるかが分かります。ただし、これは自動的に進学できるわけではありません。高校3年間の成績、附属校生共通で実施されるテストの結果、そして英検などの英語資格のスコアなどを総合的に判断して、進学できるかどうかが決まります。一夜漬けの勉強ではなく、3年間通してコツコツと努力を続ける真面目さが求められるのです。
一方で、国公立大学や他の難関私立大学への道も開かれています。特に注目すべきは、関西大学への内部進学の権利を保持したまま、国公立大学を受験できる制度があることです。これは受験生にとって非常に大きなメリットで、もし国公立大学の挑戦がうまくいかなくても関西大学に進学できるという安心感のもと、思い切ってハイレベルな受験に臨むことができます。
この制度を利用して、実際に多くの生徒が難関大学への合格を勝ち取っています。
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国公立大学
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2025年度入試では、東京大学1名、大阪大学2名、神戸大学3名をはじめ、多くの生徒が国公立大学に合格しています。
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難関私立大学
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早稲田大学や慶應義塾大学といった最難関私立大学や、大阪医科薬科大学などの医学系学部にも合格者を出しています。
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このように、関西大学第一高等学校は、関西大学への進学という安定した土台の上で、生徒一人ひとりの「もっと上を目指したい」という意欲にも応えてくれる、多様な進路選択が可能な学校です。
関西大学第一高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、関西大学第一高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。
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関西大学への圧倒的な内部進学率
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最大の魅力は、卒業生の9割以上が関西大学へ進学できるという確かな進路です。これにより、受験勉強だけに縛られず、部活動や探究活動など、幅広い経験に高校生活の時間を使うことができます。
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全国トップレベルの部活動
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アメリカンフットボール部やサッカー部をはじめ、全国の舞台で活躍する部活動が数多く存在します。本気でスポーツに打ち込みたい生徒にとって、最高の環境が整っています。
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国公立大学挑戦を支える併願制度
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関西大学への推薦権を確保したまま国公立大学を受験できる独自の制度は、失敗を恐れずに高い目標にチャレンジできる、非常に恵まれた仕組みです。
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高大連携を活かしたキャリア教育
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関西大学との連携により、大学の講義を聴講したり、企業の第一線で活躍する卒業生から話を聞いたりする機会が豊富にあります。高校時代から将来のキャリアを具体的に考えるきっかけになります。
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充実したICT教育環境
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生徒一人ひとりが学校指定のiPadを持ち、授業での調べ学習やレポート作成、プレゼンテーションなどに活用しています。Microsoft Teamsなどのツールも導入され、効果的な学習をサポートしています。
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大学施設の利用可能性
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関西大学の広大なキャンパス内にあり、大学の図書館やグラウンドといった充実した施設の一部を利用することができます。知的好奇心や活動の幅を広げる恵まれた環境です。
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国際感覚を養う海外研修
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希望者向けに、夏休みに実施されるカナダ・バンクーバーでの語学研修プログラムがあります。ホームステイをしながら現地の文化に触れ、生きた英語を学ぶ貴重な機会です。
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関西大学第一高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生、保護者からのリアルな声を集めてみました。良い点と気になる点の両方を知ることで、より深く学校を理解できるはずです。
良い点
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先生方のサポートが手厚い
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「先生との距離が近く、面白い先生が多い」「何かあれば親身に相談に乗ってくれる」といった声が多数あります。生徒一人ひとりに向き合ってくれる、温かい指導体制が評価されています。
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施設・設備が充実している
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私立の大学附属校だけあり、人工芝のグラウンドや校舎など、施設が非常に綺麗で整っているという口コミが多いです。学習や部活動に集中できる環境は大きな魅力です。
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関大に進学できる安心感が大きい
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やはり「関西大学に行けるのが一番のメリット」という声が圧倒的に多いです。この安心感が、のびのびとした高校生活につながっているようです。
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友人関係が良好で、いじめが少ない
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「おおらかな生徒が多く、みんな仲が良い」「スクールカーストのようなものはない」という意見が見られ、全体的に平和で過ごしやすい雰囲気のようです。
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部活動に全力で打ち込める環境
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「部活を頑張りたい人には最高の学校」という評価が多く、学校全体で部活動を応援する文化が根付いています。
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気になる点
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校則、特にスマホのルールが厳しい
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最も多く聞かれる不満点です。「時代遅れ」「厳しすぎる」と感じる生徒が少なくなく、学校生活でのスマートフォンの扱いについては、ある程度の覚悟が必要かもしれません。
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行事(特に文化祭)が期待外れという声がある
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「文化祭の規模が小さい」「他の高校の方が盛り上がっている」など、学校行事に対して物足りなさを感じる意見が見られます。
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内部進学が前提のため、学習意欲に差がある
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多くの生徒が内部進学するため、大学受験を経験する生徒との間で、勉強に対するモチベーションに差が生まれやすいという指摘もあります。
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夏服のデザインが不評
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細かい点ですが、「夏服がダサい」という口コミは、複数の生徒から繰り返し挙げられています。
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内部生と外部生の間に壁を感じるという意見も稀にある
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ほとんどの生徒は「すぐに馴染める」と答えていますが、ごく一部で「部活動の役職などで内部生が有利に感じることがある」といった声も見られました。
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アクセス・通学
関西大学第一高等学校は、非常に交通の便が良い場所にあります。
最寄り駅は阪急千里線の「関大前」駅で、駅から学校までは南へ歩いてわずか3〜5分ほどです。駅のすぐ近くなので、雨の日なども通学が楽で、非常に便利です。
このアクセスの良さから、通学している生徒のエリアは広範囲にわたります。学校が示す通学圏の目安は「自宅から1時間程度」ですが、実際には大阪府内全域はもちろん、兵庫県や京都府など、隣接する府県から毎日元気に通学している生徒もたくさんいます。ほとんどの生徒が電車を利用しており、自転車で通学する生徒は比較的少ないようです。
主要駅からのアクセス方法 | |
阪急「大阪梅田」駅から | 千里線直通で約20分 |
阪急「神戸三宮」駅から | 十三駅で乗り換え、約40分 |
阪急「京都河原町」駅から | 淡路駅で乗り換え、約45分 |
関西大学第一高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。進学アドバイザーとして、最後に皆さんへメッセージを送ります。関西大学第一高等学校は、「これを頑張りたい!」という熱い想いを持っている君にこそ、ぴったりの学校です。それは全国レベルの部活動かもしれないし、文化活動や、特定の学問分野への探究心かもしれません。「受験勉強のため」だけではない、もっとアクティブで充実した3年間を送りたいと願う生徒にとって、最高の舞台が用意されています。
もし君が関西大学第一高等学校を目指すなら、当日の学力テストの勉強だけにとらわれないでください。特に「専願A」での受験を考えているなら、中学校での通知表の成績や、部活動、生徒会活動といった日々の頑張りが、合否を分ける大きな力になります。テストの点数だけでは測れない君の魅力や努力を、学校はしっかりと見てくれています。自分は文武両道を実践できる、意欲的な生徒なのだということを、自信を持ってアピールしてください。
高校選びは、君の未来を左右する大きな決断です。でも、それと同時に、これからの自分にワクワクできる素晴らしい機会でもあります。ぜひ一度、オープンキャンパスなどで学校を訪れて、その活気ある雰囲気を肌で感じてみてください。関西大学第一高等学校が持つ、自由と規律、そして安心感と挑戦が共存する独特の空気が、君に合っているかどうかを確かめることが、何よりも大切です。君の挑戦を、心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。