鹿児島工業高等学校は、100年以上の歴史と伝統を誇る県立の工業高校です。「鹿工(ろっこう)」の愛称で親しまれ、これまでに2万人以上の卒業生を社会に送り出してきました。ものづくりのプロフェッショナルを目指す生徒たちが集い、活気にあふれた学校生活を送っています。

工業高校と聞くと、専門的な勉強ばかりで大変そうだと感じるかもしれません。しかし、鹿児島工業高等学校では、充実した設備での実習や資格取得のサポートはもちろん、部活動や学校行事にも力を入れており、「文武両道」を体現できる環境が整っています。ラグビー部や弓道部、陸上部など全国レベルで活躍する部活動も多く、学校全体が活気に満ちています。

この記事では、そんな鹿児島工業高等学校の偏差値や気になる口コミ、学校生活の様子などを、進学アドバイザーの視点から詳しく解説していきます。あなたの「知りたい!」がきっと見つかるはずです。ぜひ最後まで読んで、将来の進路選択の参考にしてください。

鹿児島工業高等学校の基本情報

鹿児島工業高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 鹿児島県立鹿児島工業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒890-0014 鹿児島県鹿児島市草牟田二丁目57番1号
代表電話番号 099-222-9205
公式サイト http://www.edu.pref.kagoshima.jp/sh/Kagoshima-T/

鹿児島工業高等学校の偏差値・難易度・併願校

鹿児島工業高等学校の偏差値は、例年54前後で推移しています。専門高校であるため、学科によって多少の差はありますが、工業系の高校としては県内でも高いレベルに位置しています。

  • 工業Ⅰ類・工業Ⅱ類:54

同じくらいの偏差値の他の高校としては、鹿児島南高校(普通科)、武岡台高校(普通科)、松陽高校(普通科)などがあげられます。合格に必要な内申点の目安は、中学校の成績評価にもよりますが、5段階評価で平均3.5以上、特に技術・家庭科や数学、理科などの評定が高いと有利になる傾向があるようです。

鹿児島県では公立高校の併願ができないため、鹿児島工業高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、鹿児島情報高校、樟南高校、鹿児島実業高校などが多くの受験生に選ばれているようです。

鹿児島工業高等学校に設置されている学科・コース

鹿児島工業高等学校では、1年次に「工業Ⅰ類」「工業Ⅱ類」のいずれかに所属し、工業の基礎を幅広く学びます。その後、2年生に進級する際に、自分の興味や適性に合わせて7つの専門的な「系(学科)」に分かれて学習を進めていく「類-系」システムを導入しているのが大きな特徴です。

  • 工業Ⅰ類

    • 電子機械系: 機械と電子、情報の技術を融合した「メカトロニクス」を学びます。ロボットや自動化技術に興味がある人におすすめです。

    • 電気技術系: 私たちの生活に欠かせない電気エネルギーについて学びます。発電から送電、電気工事まで、電気のプロを目指す人におすすめです。

    • 情報技術系: コンピュータの仕組みやプログラミング、ネットワーク技術などを幅広く学びます。ITエンジニアを目指したい人におすすめです。

    • 工業化学系: 化学の知識を活かして、新しい素材の開発や環境問題の解決などを学びます。化学実験や研究に興味がある人におすすめです。

  • 工業Ⅱ類

    • 建築系: 家やビルなどの建物を安全で快適に設計・建築するための知識と技術を学びます。将来、建築士や施工管理技士になりたい人におすすめです。

    • 建設技術系: 道路や橋、ダムなど、社会基盤を支える土木技術について学びます。人々の暮らしを支える大きな仕事がしたい人におすすめです。

    • インテリア系: 家具のデザインや製作、快適な住空間のコーディネートなどを学びます。ものづくりやデザインを通して、人の暮らしを豊かにしたい人におすすめです。

鹿児島工業高等学校の特色・校風

鹿児島工業高等学校の校風は、「文武両道」「質実剛健」といった言葉で表現されることが多いです。歴史と伝統を重んじる雰囲気があり、校訓である「精進・創造・誠実」が日々の教育活動の基盤となっています。

  • 宿題の量: 専門教科に関するレポートや課題が出されることがありますが、毎日大量の宿題に追われるというよりは、予習・復習をきちんと行う習慣が求められるようです。

  • 校則: 他の高校と比較して、校則は厳しいという声が多く聞かれます。特に頭髪指導は厳格で、月に一度の検査があり、基準も細かいようです。スマートフォンの校内での使用は、基本的には制限されていることが多いようです。

  • 生徒たちの雰囲気: 生徒の多くは男子生徒ですが、女子生徒も年々増えています。ものづくりが好きな生徒が集まっているため、実習などでは互いに協力し合う真面目で活発な雰囲気があります。一方で、男子生徒が多いためか、上下関係が厳しいと感じる場面もあるようです。

  • アルバイト: アルバイトは原則として禁止されているようです。学業や部活動に専念することが推奨されています。

  • 制服の評判: 伝統的な黒の詰襟学生服(男子)とブレザー(女子)で、特に可もなく不可もなくといった評判が多いようです。

  • 土曜授業: 基本的に土曜授業はありません。

鹿児島工業高等学校の部活動・イベント

部活動

鹿児島工業高等学校は部活動が非常に盛んで、多くの部が県大会上位、さらには全国大会で優秀な成績を収めています。運動部、文化部ともに充実しており、多くの生徒が部活動に加入して文武両道を目指しています。

  • ラグビー部: 「花園」こと全国高等学校ラグビーフットボール大会の常連校として全国的に有名です。県内では圧倒的な強さを誇ります。

  • 弓道部: 全国大会で準優勝するなど、輝かしい実績を持っています。伝統ある弓道部の存在は学校の誇りの一つです。

  • 陸上競技部: 駅伝は全国高校駅伝(都大路)に出場する強豪です。

  • メカトロ部(ロボット研究部): ものづくりコンテストやロボット競技大会などで、全国の常連として活躍しています。工業高校ならではの専門知識を活かした活動が魅力です。

  • 建築部: こちらもものづくりコンテストなどで高い評価を受けており、専門性を追求できる部活動です。

イベント

鹿児島工業高等学校では、生徒たちの手で作り上げるイベントが多く、学校全体が一体となって盛り上がります。

  • 工業展(文化祭): 毎年秋に開催される最大のイベントです。各系(学科)が日頃の学習成果を発表・展示するもので、生徒が製作したロボットの操縦体験やミニチュア建築モデルの展示、化学実験ショーなど、工業高校ならではのユニークな催しが満載です。一般公開もされ、地域の人々も楽しみにしている一大イベントとなっています。

  • 体育祭: 全校生徒が団結し、クラスや学科対抗で競い合います。特に応援団の演舞や、各科の特色を活かした競技は大きな見どころです。

  • 修学旅行: 近年では、関東や関西方面を訪れることが多いようです。仲間との絆を深める貴重な機会となっています。

鹿児島工業高等学校の進学実績

鹿児島工業高等学校は、高い就職率を誇る一方で、専門知識をさらに深めるための大学進学や専門学校への進学など、多様な進路に対応しているのが特徴です。

  • 就職: 卒業生の多くが、県内はもちろん全国の大手企業や優良企業に就職しています。学校には多くの企業から求人が寄せられ、生徒一人ひとりに対する就職サポートも手厚いことで定評があります。

  • 国公立大学: 鹿児島大学、九州工業大学、鹿屋体育大学などへ進学する生徒がいます。指定校推薦やAO入試などを活用して進学するケースが多いようです。

  • 私立大学: 福岡工業大学、第一工科大学、九州産業大学など、工業系の大学への進学者が多い傾向にあります。

  • 専門学校: より専門的な技術を身につけるため、各種専門学校へ進学する生徒も少なくありません。

進路実現に向け、放課後や長期休暇中には進学希望者向けの補習や、就職希望者向けの面接指導などがきめ細かく行われています。

鹿児島工業高等学校の特長・アピールポイント

鹿児島工業高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • 100年以上の歴史と伝統: 明治41年の創立以来、多くの優秀な技術者を育成してきた実績と、卒業生の強いネットワークが強みです。

  • 高い就職率と手厚いサポート: 地元企業からの信頼が厚く、毎年多くの求人が寄せられます。就職を希望する生徒にとっては非常に有利な環境です。

  • 「類-系」システムによる柔軟な学科選択: 1年間、工業の基礎を学んだ上で自分の適性を見極め、2年生から専門分野を選択できるため、ミスマッチが少ないのが特長です。

  • 全国レベルの部活動: ラグビー部、弓道部、陸上部などを筆頭に、全国で活躍する部活動が多く、高いレベルで文武両道を目指せます。

  • 充実した実習設備と資格取得支援: 各学科に専門的な実習設備が整っており、実践的な技術を身につけることができます。また、在学中に多くの国家資格や検定に挑戦できるサポート体制も万全です。

  • 地域に開かれた「工業展」: 生徒が主体となって日頃の学びの成果を発表する工業展は、学校の活気と技術力の高さを地域にアピールする大きな機会となっています。

  • 登録有形文化財の「大煙突」: 1920年に建てられたレンガ造りの大煙突は学校のシンボルであり、国の登録有形文化財にも指定されています。

鹿児島工業高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からのリアルな声をまとめました。学校選びの参考にしてください。

  • 良い点

    • 「就職に圧倒的に強い。先生方のサポートが手厚く、大手企業への就職も夢ではない」という声が多数あります。

    • 「専門的な資格をたくさん取れるので、将来の武器になる」

    • 「部活動がとても盛んで、全国を目指せる環境がある。本気で打ち込みたい人には最高の学校」

    • 「工業展などの行事がとても楽しく、クラスや学科の団結力が強まる」

    • 「同じ目標を持つ仲間が多いので、刺激し合いながら成長できる」

  • 気になる点

    • 「校則、特に頭髪検査が厳しい」という意見は多く見られます。

    • 「施設や校舎が全体的に古いと感じる部分がある」

    • 「男子生徒がほとんどなので、女子は少し馴染みにくいかもしれない」という声も聞かれます。

    • 「伝統を重んじるあまり、少し考え方が古いと感じる先生もいる」

    • 「専門高校なので、途中で進路を変えたいと思ったときの選択肢が限られてしまう」

アクセス・通学

鹿児島工業高等学校へのアクセス方法です。

  • バスでのアクセス:

    • 「工業高校前」バス停下車、徒歩約2〜3分

    • 「護国神社前」バス停下車、徒歩約4〜5分

  • 電車でのアクセス:

    • JR「鹿児島中央駅」からはバスで約15分程度です。

    • 市電「加治屋町」電停からは徒歩で約34分かかります。

鹿児島市内全域から生徒が通学していますが、バスの路線が充実しているため、市内の広範囲からアクセスしやすい立地と言えます。

鹿児島工業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

鹿児島工業高等学校は、「将来、ものづくりや技術の世界で活躍したい」という明確な目標を持っている君に、最高の環境を提供してくれる学校です。中学の技術の授業が好きだったり、機械いじりやコンピュータ、建物のデザインに興味があったりするなら、鹿児島工業高等学校での3年間は、きっと夢中になれる時間になるでしょう。

受験勉強においては、数学と理科の基礎をしっかりと固めておくことが大切です。また、専門学科に進むことへの意欲や目的意識を問われる場面もあるため、なぜ鹿児島工業高等学校で学びたいのか、将来どんな技術者になりたいのかを、自分なりに考えておくと良いでしょう。部活動も非常に盛んなので、中学時代に部活動に打ち込んできた経験も、大きなアピールポイントになります。

あなたの「好き」を「専門技術」へと高め、社会で輝く未来を掴み取ってください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。