青森県立五所川原高等学校は、津軽地方の中心に位置し、100年以上の長きにわたり地域社会を支える人材を育成してきた、歴史と伝統を誇る進学校です。地域からの厚い信頼を背負い、生徒一人ひとりの夢の実現を力強くサポートしています。
近年、文部科学省から「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」に指定されるなど、先進的な理数教育にも力を入れています。一方で、地域の夏を彩る「立佞武多(たちねぷた)」への参加といった伝統文化も大切にするなど、五所川原高等学校ならではの多様な学びがここにはあります。勉強だけでなく、他ではできない貴重な経験を通して大きく成長できるのが、この学校の魅力です。
この記事では、そんな五所川原高等学校の偏差値や校風、部活動、進学実績などを、中学生の皆さんにも分かりやすく、詳しく解説していきます。皆さんの高校選びの羅針盤として、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
五所川原高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 青森県立五所川原高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/別学 | 男女共学 |
所在地 | 〒037-0066 青森県五所川原市字中平井町3番地3 |
代表電話番号 | 0173-35-3073 |
公式サイトURL | https://www.goshogawara-h.asn.ed.jp/ |
五所川原高等学校の偏差値・難易度・併願校
五所川原高等学校の合格に必要な学力レベルは、西北五地域でトップクラスです。具体的な数字を見ながら、難易度をイメージしてみましょう。
各種の模擬試験や塾によって示される偏差値には幅がありますが、五所川原高等学校の偏差値は、おおむねからの範囲に位置しています。特に、安定して合格を目指すには台後半以上の学力が一つの目安となるでしょう。入学時点では普通科と理数科の区別なく募集されるため、偏差値は一本化されています。
偏差値だけでなく、中学校での成績(内申点)も非常に重要です。合格した先輩たちの例を見ると、9教科5段階評価の合計で点満点中点から点を取得しているケースが多く見られます。これは、主要5教科だけでなく、副教科においても高い成績を維持し続ける努力が求められることを意味しています。入試当日の学力試験では、500点満点中点前後がひとつのボーダーラインと言われることもありますが、これは毎年の問題の難易度によって変動します。
青森県の公立高校入試では、出願できる高校は1校のみと定められています。そのため、五所川原高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。多くの受験生が併願先として選ぶのは、以下のような高校です。
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五所川原第一高等学校(特に特別進学コース)
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東奥義塾高等学校
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青森山田高等学校
五所川原高等学校に設置されている学科・コース
五所川原高等学校には、入学後の2年生から分かれる2つの学科があります。自分の興味や将来の進路に合わせて選ぶことができます。
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普通科
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どんなことを学ぶ場所か:文系・理系を問わず、幅広い大学進学に対応できるバランスの取れたカリキュラムで学びます。国語、社会、英語などの人文科学系から、数学、理科などの自然科学系まで、基礎から応用までをしっかりと固めます。
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どんな生徒におすすめか:将来の夢がまだ具体的に決まっていない人や、文系・教育学系・社会科学系の大学を目指したい人におすすめです。
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理数科
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どんなことを学ぶ場所か:数学や理科(物理・化学・生物)の専門科目をより深く、発展的に学びます。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業の中核を担う学科であり、大学や研究機関と連携した探究活動や課題研究に挑戦できます。
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どんな生徒におすすめか:科学や数学が大好きで、論理的に物事を考えるのが得意な人、将来は理学・工学・医学・農学系の分野に進みたいと考えている人に最適です。SSHの特別なプログラムに魅力を感じるなら、迷わず理数科を目指しましょう。
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五所川原高等学校の特色・校風
学校選びでは、勉強や進学実績だけでなく、学校全体の雰囲気も大切なポイントです。五所川原高等学校の校風は、「文武両道」「質実剛健」といった言葉で表現されることが多いですが、在校生や卒業生からは「自称進学校」というキーワードが頻繁に使われます。これは、学校全体が大学進学を強く意識しており、学習に非常に力を入れていることの表れです。
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宿題の量や学習について
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課題の量は「非常に多い」という声が大多数です。毎日のように行われる朝の小テスト、週末の課題、そして夏休みや冬休み期間中に行われる補習(講習)は、ほぼ全生徒が参加するようです。この手厚くも厳しい学習サポート体制が、高い進学実績を支えています。
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校則について
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校則は「厳しい」と感じる生徒が多いようです。特にスマートフォンの使用には厳しいルールがあり、校舎内では電源を切り、放課後に校舎外でのみ使用が許可されています。服装や頭髪に関しても、定期的に厳しい検査が行われます。
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生徒たちの雰囲気
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真面目で落ち着いた生徒が多い印象です。高い目標を持つ生徒が集まるため、学習に対する意識は非常に高いです。一方で、トップレベルの生徒とそうでない生徒との間に、学習意欲の差が生まれることもあるようです。五所川原市内や近隣の地域から通う生徒が多く、出身中学校などでグループが作られる傾向も見られます。
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アルバイト
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原則として禁止されています。ただし、家庭の事情など特別な理由がある場合は、所定の手続きを経て学校の許可を得ることで可能になります。
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制服の評判
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制服については、意見が分かれるようです。伝統的なセーラー服である冬服は「品があって良い」という声がある一方、夏服のデザインについては「あまり可愛くない」という口コミも複数見られます。
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土曜授業
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「土曜補講」という形で、土曜日にも授業や模試が行われることがあります。これは実質的に授業として扱われることが多いようです。
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五所川原高等学校の部活動・イベント
部活動
五所川原高等学校では、勉強だけでなく部活動にも力を入れており、加入率は約85%と非常に高い水準です。多くの生徒が学業と部活動を両立させています。運動部13、文化部10、同好会が設置されており、活気にあふれています。
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特に実績豊富な部活動
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卓球部:県内でも屈指の強豪として知られています。男女ともに団体戦で県大会上位に進出する実力があり、個人戦では全国選抜大会や東北大会に出場する選手を輩出しています。地区大会では優勝の常連であり、非常に高いレベルで活動しています。
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充実した部活動一覧
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運動部には、硬式野球、サッカー、陸上競技、バスケットボール、バレーボール、剣道、弓道、空手道部など、多彩な選択肢があります。
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文化部には、吹奏楽、放送、書道といった定番の部に加え、地域の特色を活かした「立佞武多同好会」や、知的な戦いが魅力の「競技かるた部」など、ユニークな活動も盛んです。
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イベント
勉強に集中する日々の中にも、高校生活を彩る楽しいイベントがたくさん用意されています。
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五高祭(ごこうさい):7月に行われる文化祭です。クラスや文化部が一体となって展示や発表、ステージパフォーマンスを繰り広げ、校内が一年で最も活気づく日の一つです。
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運動会:8月下旬に開催されます。クラス対抗で様々な競技に熱中し、仲間との団結を深めます。
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修学旅行:2年生の11月に行われる一大イベントです。近年では台湾を訪れ、現地の高校生と交流するなど、国際感覚を養う貴重な体験となっています。
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立佞武多運行:五所川原高等学校を象徴する、最も特徴的な行事です。毎年8月上旬、生徒と教職員が一体となって五所川原立佞武多祭りに参加します。地域の一員として巨大な山車を運行する経験は、他校では決して味わえない感動と誇りをもたらしてくれます。
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国際交流:台湾の台北市立永春高級中学と非常に活発な交流を行っています。オンラインでの交流会に始まり、台湾からの生徒の受け入れ、そして現地への訪問研修など、年間を通じて国際交流の機会が豊富にあります。
五所川原高等学校の進学実績
五所川原高等学校の最大の強みの一つが、その高い大学進学実績です。手厚い学習サポート体制が、確かな結果に結びついています。
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国公立大学
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地元の弘前大学には毎年27名から35名程度の合格者を輩出しており、最大の進学先となっています。
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青森公立大学(約10〜21名)、青森県立保健大学(約5〜15名)など、県内の主要公立大学にも多数の合格者を出しています。
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さらに、東北大学(約1〜6名)や岩手大学(約5〜14名)といった東北地方の難関大学にも安定して合格者を送り込んでいます。年度によっては北海道大学や東京工業大学といった全国トップクラスの大学への合格実績もあります。
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難関私立大学
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首都圏の有名私立大学にも多くの合格実績があります。特に、中央大学(約10名)、法政大学(約6名)、日本大学(約5名)、明治大学(約4名)などへの進学者が目立ちます。
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進学実績を支える取り組み
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これらの実績は、日々の小テストや課題、長期休暇中の講習といった徹底した学習管理によって支えられています。
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また、大学教授を招いての特別講義や、学年ごとの進路講演会なども頻繁に開催され、生徒の学習意欲を高め、具体的な進路設計をサポートしています。
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五所川原高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、五所川原高等学校ならではの魅力を5つのポイントにまとめました。
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スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校としての先進的教育
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2024年度からSSH指定校となり、国から認められた先進的な理数教育を受けることができます。大学や研究機関と連携した本格的な探究活動は、科学の面白さを深く味わえる絶好の機会です。
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地域に根差した感動的な文化体験
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学校全体で参加する「五所川原立佞武多祭り」は、単なる学校行事を超えた、地域文化との一体感を味わえる貴重な体験です。仲間と共に汗を流す経験は、一生の思い出になるでしょう。
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活発な国際交流プログラム
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台湾の高校との深い交流は、生きた英語を使い、異文化を肌で感じるチャンスです。グローバルな視野を身につけたい生徒にとって、最高の環境が整っています。
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圧倒的に手厚い進学サポート体制
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「自称進学校」と評されるほどの徹底した学習指導は、生徒を志望大学合格へと導く強力なエンジンです。厳しいながらも、本気で学びたい生徒にとっては最高の環境と言えます。
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100年を超える歴史が育んだ信頼と実績
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地域を代表する進学校としての長い歴史は、豊富な卒業生ネットワークと、地域社会からの揺りぎない信頼につながっています。伝統校ならではの落ち着いた風格の中で、安心して学ぶことができます。
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五所川原高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生からの「生の声」は、学校の本当の姿を知る上でとても参考になります。良い点と気になる点の両方を公平に見ていきましょう。
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良い点
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「先生方のサポートが手厚い」という声が非常に多いです。特に、学習意欲の高い生徒に対しては、質問に丁寧に対応してくれるなど、熱心な指導が期待できます。
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「勉強に集中できる環境が整っている」という点も高く評価されています。静かで落ち着いた雰囲気の中、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できます。
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「厳しい学校生活を乗り越える中で、クラスの団結力が強まる」と感じる生徒もいます。
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「図書館が充実している」「校舎に冷暖房が完備されている」など、学習施設・設備への満足度も高いようです。
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気になる点
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最も多く聞かれるのは、「課題や小テスト、補習が多くて大変」という声です。自分のペースで学習したい人には、少し窮屈に感じられるかもしれません。
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「学校行事が少なく、勉強中心の毎日で楽しみが少ない」と感じる意見もあります。
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「スマートフォンの使用など、校則が厳しい」という声も少なくありません。自由な校風を求める人には合わない可能性があります。
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「先生によって指導力に差がある」「成績上位者への指導が手厚いように感じる」といった、指導の公平性に関する意見も見られます。
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アクセス・通学
五所川原高等学校への主な通学方法です。多くの生徒が公共交通機関を利用しています。
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鉄道を利用する場合
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津軽鉄道「津軽五所川原駅」から徒歩約9分
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JR五能線「五所川原駅」から徒歩約25分
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バスを利用する場合
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弘南バス「末広町」バス停から徒歩約3分
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通学エリア
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五所川原市を中心に、つがる市、中泊町、鶴田町など、西北五全域から生徒が通学しています。JR五能線や津軽鉄道、路線バスを利用する生徒が多数を占めます。JR五所川原駅からは少し距離があるため、バスへの乗り換えや、駅から自転車を利用する生徒もいるようです。
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五所川原高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
五所川原高等学校は、将来の目標が明確で、「大学でこんなことを学びたい」という強い意志を持っている君にこそ、おすすめしたい学校です。周りに流されず、自ら進んで学習に取り組むことができる人、そして厳しい環境を仲間と共に乗り越え、成長の糧にできる人にとって、最高の3年間が待っています。
受験勉強では、入試本番の点数だけでなく、中学校3年間の頑張りを示す内申点が非常に重視されます。一夜漬けの知識ではなく、日々の授業を大切にし、定期テストで着実に結果を出すことが合格への一番の近道です。5教科全ての基礎を固め、苦手分野を作らないようにバランス良く学習を進めてください。五所川原高等学校での挑戦は、君の未来を大きく切り拓く力になるはずです。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。