鳥取県立倉吉東高等学校(通称「倉東(そうとう)」)は、ただ大学進学を目指すだけの場所ではありません。ここは、伝統を大切にしながら、世界へとつながる新しい学びにも挑戦できる、とてもユニークな可能性に満ちた学校です。歴史ある進学校としての確かな実績と、未来を見据えた革新的な教育プログラムが、ここでしか得られない充実した3年間を約束してくれます。
活気あふれる部活動と、生徒が主役になって創り上げる学校行事。そして、山陰の公立高校で初めて導入された国際バカロレア(IB)コース。倉吉東高等学校での3年間は、勉強はもちろん、友人や先生との関わりの中で、きっとあなたの世界を大きく広げてくれるはずです。高い目標を持つ仲間たちと切磋琢磨しながら、自分自身の新たな一面を発見できるかもしれません。
この記事では、そんな倉吉東高等学校の魅力を、さまざまな角度から詳しくご紹介していきます。偏差値や進学実績といったデータだけでなく、在校生や卒業生のリアルな声も交えながら、学校生活の様子が具体的にイメージできるようにまとめました。この先を読み進めて、倉東がどんな学校なのか、じっくりと確かめてみてください。あなたにぴったりの高校生活が、ここにあるかもしれません。
倉吉東高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 鳥取県立倉吉東高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/別学 | 男女共学 |
所在地 | 〒682-0812 鳥取県倉吉市下田中町801 |
代表電話番号 | 0858-22-5205 |
公式サイトURL | https://www.torikyo.ed.jp/kurae-h/ |
倉吉東高等学校の偏差値・難易度・併願校
倉吉東高等学校を目指す上で、まず気になるのが偏差値や難易度ですよね。具体的な数字と合わせて、合格のために何が必要かを見ていきましょう。
偏差値
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普通科: 59 – 62
この偏差値は、鳥取県内の公立高校の中ではトップクラスに位置します。米子東高校や鳥取西高校といった県内の最難関校に次ぐ、学力レベルの高い進学校と考えるのが良いでしょう。近年、入試の倍率が1.0倍を下回ることもありますが、これは決して難易度が低いという意味ではありません。同じくらいの学力を持つ受験生が集まる中での競争になるため、しっかりとした準備が必要です。高い偏差値に臆することなく、目標を定めて対策をすれば、倉吉東高等学校への合格の道は開けます。
難易度・合格に必要な内申点の目安
鳥取県の公立高校入試では、中学3年生の成績(内申点)が非常に重視されます。倉吉東高校の一般入試では、調査書の評定が195点満点、学力検査が250点満点で評価されることが多いようです。
合格のためには、5段階評価で平均4以上、特に主要5教科では高い成績を維持することが一つの目標になります。副教科も評価の対象となるため、全ての教科にバランス良く取り組むことが大切です。
特に、2年生から選択できる国際バカロレア(IB)コースを視野に入れる場合、中学3年時点で「英語の評定が5」または「英検準2級以上」、そして「5教科の評定平均が4.0以上」が出願の目安とされています。これは、倉吉東高等学校が特に英語力と探究心のある生徒を求めていることの表れです。
主な併願校
鳥取県の公立高校入試では、原則として他の公立高校との併願はできません。そのため、万が一に備えて私立高校を併願校として検討することが一般的です。倉吉東高等学校を受験する生徒が併願先として選ぶことが多い私立高校には、以下のような学校があります。
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米子松蔭高等学校
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米子北高等学校
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青翔開智高等学校
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鳥取城北高等学校
これらの学校は、倉吉東高等学校と学力レベルが近い生徒が多く受験するため、併願校選びの参考にすると良いでしょう。
倉吉東高等学校に設置されている学科・コース
倉吉東高等学校では、生徒一人ひとりの興味や進路希望に合わせて、2年生から専門的なコースに分かれて学びを深めていきます。
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全日制課程 普通科
1年生では、全員が同じカリキュラムで文系・理系問わず幅広い基礎学力を身につけます。この1年間で自分の興味や適性を見極め、2年生からのコースを選択する準備をします。
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文科系: 国語、英語、地歴・公民といった科目に重点を置き、文学部、法学部、経済学部など、文系の大学への進学を目指すコースです。文章を読んだり書いたりすることや、社会の仕組みに興味がある生徒におすすめです。
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理科系: 数学や理科の授業が多く、理学部、工学部、医学部、農学部など、理系の大学への進学を目指します。実験や論理的な思考が得意な生徒に向いています。
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IB(国際バカロレア)系: 倉吉東高等学校のIBコースは、中学から直接応募するのではなく、まず普通科に入学し、1年生の夏に行われる選考に合格した生徒(最大20名)が進むことができる特別なプログラムです。世界基準の教育プログラムで、生徒が主体となる「探究型の学び」を英語と日本語で行います。将来、国際的な舞台で活躍したい、物事を深く掘り下げて考えるのが好きな生徒にとって、最高の環境と言えるでしょう。
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定時制課程 普通科(夜間)
働きながら高校卒業を目指す生徒などのために、夜間の定時制課程も設置されています。
倉吉東高等学校の特色・校風
倉東はどんな雰囲気の学校なのでしょうか。キーワードや在校生の声を基に、リアルな学校生活に迫ります。
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校風キーワード: 文武両道、自主自律、グローカル(グローバル+ローカル)、探究心
学校生活のリアル
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宿題の量: 「課題が多い」「模試の数がとても多い」という声が目立ちます。特に、学校全体の学力向上を目指す中で、課題が増える傾向があると感じる生徒もいるようです。自主的にどんどん勉強を進めたい生徒にとっては、自分の時間が削られると感じることもあるかもしれません。一方で、しっかりとした学習習慣を身につけたい生徒や、やるべきことが明確な方が頑張れるという生徒には、手厚いサポートと捉えることができるでしょう。
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校則(スマホ、服装など): 校則は比較的「緩やか」という評判です。髪型は自由で、制服も着こなしの自由度はある程度認められているようです。ただし、スマートフォンの校内持ち込みは可能ですが、授業中の使用は厳しく禁止されており、ルールを破ると指導の対象となります。自由には責任が伴うという、まさに「自主自律」の精神が求められる環境です。
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生徒たちの雰囲気: 「真面目な生徒が多い」「いじめなどはなく平和」という声が多数です。鳥取県中部地区の各中学校でトップクラスの成績だった生徒が集まるため、互いに高め合える良いライバル関係を築きやすいようです。部活動や学校行事を通じて先輩・後輩の仲も良く、全体的に落ち着いていて和やかな雰囲気があると言えます。
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アルバイト: 進学校という特性上、学業や部活動に専念することが推奨されており、原則としてアルバイトは認められていない可能性が高いです。特別な事情がある場合は、学校への相談が必要になるでしょう。
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制服の評判: 制服は男女ともにあり、特に新しいデザインのものは「かわいい」「かっこいい」と在校生からの評判も良いようです。
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土曜授業: 月に2回程度(第2・第4土曜日)、土曜授業が実施されています。これは、十分な授業時間を確保し、大学受験に向けた学力を着実に身につけるための取り組みの一つです。模試が土曜日に行われることも多いようです。
倉吉東高等学校の部活動・イベント
勉強だけじゃないのが倉東の魅力。ここでは、学校生活を彩る部活動とイベントについて紹介します。
部活動
「文武両道」を掲げる倉吉東高等学校では、部活動が非常に盛んです。生徒の加入率は90%を超え、ほとんどの生徒が勉強と部活を両立させて充実した日々を送っています。運動部・文化部ともに種類が豊富で、全国大会レベルで活躍する部も少なくありません。
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運動部: 特に陸上競技部、ラグビー部、ソフトボール部、テニス部、アーチェリー部などは、近年全国大会に出場するなどの輝かしい実績を誇ります。また、口コミでは女子バスケットボール部が、先輩・後輩の仲が良く、練習の質を重視した熱心な活動で知られています。
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文化部: 文化部も全国レベルで、オーケストラ部、囲碁部、新聞部、美術部などが高い評価を受けています。珍しい部活動としては、社会問題について学ぶ「部落解放研究会」や、探究活動を部活動として行う「CAS(Creativity, Activity, Service)」など、倉東ならではのユニークな活動もあります。
イベント
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倉東学園祭: 倉吉東高等学校の学校生活で最大のハイライトと言えるのが、6月下旬から7月上旬にかけて約1週間にわたって開催される学園祭です。企画・運営のほぼ全てを生徒自身が行い、全校生徒が縦割りの5つのチームに分かれて総合優勝を競い合います。有志によるバンド演奏や、生徒が作った衣装でランウェイを歩くファッションショー(SSC)、そして最終日の夜に打ち上げられる花火は、一生の思い出になると評判です。この準備期間から本番までが、まさに「青春」そのものだと語る卒業生も多い、学校が一体となる一大イベントです。
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修学旅行・研修: 2年生では、国際的な視野を広げるために台湾への研修旅行が実施されます。現地の文化や生活に触れ、姉妹校との交流を通じて、生きた国際理解を深める貴重な機会です。また、1年生の冬にはスキー・スノーボード研修があり、大自然の中で新しいことに挑戦し、クラスメイトとの絆を深めます。
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スポーツ大会: 秋にはスポーツ大会が開催され、クラス対抗でバスケットボールやサッカー、バレーボールなど様々な球技を楽しみます。学園祭とはまた違った形で、友情を深める一日です。
倉吉東高等学校の進学実績
卒業生の99%が大学進学を希望する、県内有数の進学校です。先生方の手厚い進路指導や、豊富な模試、充実した自習室といった環境が、高い進学実績を支えています。
倉吉東高等学校の最大の強みは、地元の鳥取大学や島根大学、岡山大学をはじめとする、質の高い国公立大学へ多くの生徒を送り出している点です。これは、地域社会に貢献できる人材を育成するという、公立進学校としての重要な役割を果たしている証拠と言えるでしょう。
主な進学先(過去の実績より)
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国公立大学: 鳥取大学、島根大学、岡山大学、広島大学といった中国地方の難関国公立大学に、毎年多数の合格者を出しています。さらに、京都大学、大阪大学、神戸大学といった関西の難関大学や、東京大学、筑波大学など全国の国公立大学にも合格実績があります。
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難関私立大学: 関西の「関関同立」(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)や、関東の「早慶」「MARCH」といった難関私立大学にも、着実に合格者を輩出しています。
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進学実績を支える取り組み: 高い進学実績は、日々の授業だけではなく、手厚いサポート体制によって支えられています。放課後遅くまで利用できる静かな自習室、頻繁に実施される模試による客観的な実力測定と弱点把握、そして生徒一人ひとりの進路希望に寄り添う先生方の熱心な指導が、生徒たちの目標達成を力強く後押ししています。
倉吉東高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、倉吉東高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。
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山陰初の公立IBワールドスクール
世界レベルの探究型学習プログラムである国際バカロレア(IB)を、山陰の公立高校で初めて導入。グローバルな視野を養う最先端の教育が受けられます。
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本格的な「探究活動」プログラム
全校で取り組む「探究活動」は、専門の「探究部」という部署がサポート。大学の研究室訪問や企業連携、海外の高校との共同研究など、教科書の枠を超えた本物の学びを体験できます。全国規模の発表会でグランプリを受賞した実績もあります。
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生徒が創り上げる、熱狂の「倉東学園祭」
準備期間を含め約1週間、学校全体が熱気に包まれる学園祭は、企画から運営までほぼ全てが生徒の手によるもの。仲間との深い一体感と達成感は、一生の宝物になります。
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活発な国際交流と海外研修
2年次の台湾研修旅行に加え、韓国、シンガポール、フィリピンなどの姉妹校と定期的にオンラインや対面で交流。日常的に異文化に触れる機会が豊富にあります。
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BYODとICTを活用した先進的な学習環境
生徒個人のスマートフォンや、学校が導入したChromebookを活用した授業を推進。Google Driveなどを使いこなし、現代社会で必須となるICTスキルを自然に身につけることができます。
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高いレベルでの「文武両道」の実践
90%以上の生徒が部活動に所属し、多くの部が全国大会で活躍しています。勉強だけでなく、何かに打ち込みたい、高校生活を全力で楽しみたいという生徒にとって最高の環境です。
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充実した学習サポート体制
静かで集中できる自習室、頻繁な模試による客観的な実力把握、そして親身な先生方の進路指導。国公立大学への高い進学実績は、こうした手厚いサポートに支えられています。
倉吉東高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生のリアルな声から、学校の良い点と、入学前に知っておきたい気になる点を公平にまとめました。
良い点
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先生方のサポートが手厚い: 「分からないところは1対1で丁寧に教えてくれる」「進路相談に熱心に乗ってくれる」など、先生方の親身なサポートを評価する声が多数あります。
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行事が最高に楽しい: 特に学園祭は「県内一だと思う」「一生の思い出になる」と絶賛されており、学校生活の満足度を大きく高めている要因です。
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良い仲間と出会える: 「真面目で意識の高い生徒が多い」「いじめがなく平和」で、互いに切磋琢磨できる友人ができるという口コミが多いです。部活や行事を通じて、学年を超えた強い絆が生まれます。
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学習環境が整っている: 自習室が充実している点や、国公立大学を目指す上で良い環境であるという意見が寄せられています。
気になる点
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課題・模試の多さへの不満: 「課題が多すぎる」「模試の回数が多くて大変」という声は、最もよく聞かれる注意点です。自分のペースで勉強したい生徒には負担に感じられることがあります。
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「自主自律」の理念と現実のギャップ: 学校が掲げる「自主自律」の理念と、管理されていると感じる学習面の現実との間にギャップを感じる生徒もいます。「自称進学校」的だと、少し批判的な意見も見られます。
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進度の差への対応: 一部の生徒からは、「勉強ができる生徒は手厚く見てもらえるが、そうでないと置いていかれる感じがする」といった、成績による対応の差を指摘する声もあります。
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施設の古さ: 校舎や一部の施設が少し古いという意見も散見されます。
アクセス・通学
倉吉東高等学校への通学方法と、どのエリアから通っている生徒が多いかを紹介します。
主なアクセス方法
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最寄り駅は、JR山陰本線の「倉吉駅」です。
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倉吉駅バスターミナルから、市内線バス(2番のりば・西倉吉行など)に乗車し、「総合事務所前」バス停で下車、そこから徒歩約5分です。
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また、学校のすぐ近くには「倉吉東高前」というバス停もあり、路線によっては直接アクセスも可能です。
主な通学エリア
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通学区域は、倉吉市および東伯郡(湯梨浜町、三朝町、北栄町、琴浦町)が中心です。
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これらのエリアから、多くの生徒が電車やバスを乗り継いで通学しています。自治体によっては通学費用の補助制度がある場合もありますので、お住まいの市町村に確認してみるのも良いでしょう。
倉吉東高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
倉吉東高等学校への進学を考えている皆さん、ここまで読んでくれてありがとうございます。倉東は、高い目標を持って勉強に打ち込みたい人、そして勉強だけでなく部活動や行事にも全力で取り組んで、最高の高校生活を送りたい人に特におすすめの学校です。特に、世界に目を向け、物事を深く考える「探究」の面白さに触れたいなら、倉吉東高等学校のIBコースや探究活動は、他では得られない素晴らしい経験を約束してくれます。
受験勉強では、まず中学3年生の内申点をしっかり確保することが何よりも大切です。その上で、5教科の基礎を固め、応用問題にも対応できる実力を養っていきましょう。特にIBコースを視野に入れるなら、英語力は大きな武器になります。大変なこともあると思いますが、倉東での充実した3年間を思い描きながら、最後まで諦めずに頑張ってください。心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。