城北埼玉高等学校への進学を考えている皆さん、こんにちは。高校選びは、これからの3年間、そしてその先の未来を左右する、とても大切な決断ですよね。数ある高校の中から自分にぴったりの一校を見つけるのは、期待と不安が入り混じる大変な作業だと思います。そんな皆さんに向けて、今回は埼玉県内でも有数の私立男子進学校として知られる城北埼玉高等学校の魅力と実態を、進学アドバイザーの視点から詳しく、そして分かりやすく解説していきます。

この学校には、「自主・勤勉・着実」という三つの言葉を大切にする伝統があります。これは、ただ勉強を頑張るだけでなく、自分で考えて行動し、コツコツと努力を積み重ね、着実に目標を達成できる人間になることを目指す、という教えです。男子校ならではの伸び伸びとした雰囲気の中で、生徒たちは深い友情を育みながら、勉強にも部活動にも全力で打ち込んでいます。城北埼玉で過ごす3年間が、皆さんにとってどんな時間になるのか、一緒に見ていきましょう。

この記事では、偏差値や大学進学実績といったデータはもちろん、学校生活のリアルな様子が伝わる口コミや評判、ユニークな学校行事や特色ある取り組みまで、皆さんが本当に知りたい情報を余すところなくお伝えします。パンフレットだけでは分からない城北埼玉高等学校の「本当の姿」を知ることで、ここがあなたの未来を輝かせる場所になるかどうか、じっくりと考える手助けができれば嬉しいです。

城北埼玉高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校選びの第一歩は、正確な情報を把握することから始まります。

項目 内容
正式名称 城北埼玉中学・高等学校
私立/公立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男子校
所在地 〒350-0014 埼玉県川越市古市場585-1
代表電話番号 049-235-3222
公式サイトURL https://www.johokusaitama.ac.jp/

城北埼玉高等学校の偏差値・難易度・併願校

城北埼玉高等学校の学力レベルや、受験する際にライバルとなる学校について見ていきましょう。偏差値はあくまで一つの目安ですが、自分の現在地を知り、目標を設定する上で重要な指標となります。

各種の塾や模試機関によると、城北埼玉高等学校の偏差値は概ね67〜68とされています。この数値は埼玉県内の私立高校の中でもトップクラスに位置しており、合格するには高い学力が求められることを示しています。進研ゼミなど一部の媒体では55〜59という数値も出ていますが、これは模試の種類による算出方法の違いが考えられます。より競争の厳しい首都圏模試などを基準に考えると、60台後半を目標に設定するのが現実的でしょう。

この偏差値67〜68というレベルを具体的にイメージすると、中学校ではクラスや学年で常に上位の成績を維持している生徒たちが目指す学校と言えます。内申点については、推薦入試の基準は毎年変動しますが、一般入試であっても主要5教科を中心に「5」が多く、「3」がほとんどないような高い評定が望ましいでしょう。

このような学力レベルのため、城北埼玉高等学校を受験する生徒の多くは、他の難関校も視野に入れています。主な併願校としては、以下のような学校が挙げられます。

  • 主な私立併願校:川越東、城西大学付属川越、大宮開成、栄東など、同じく県内トップレベルの進学校が中心です。特に川越東高校は、立地や校風が似ていることから、よく比較検討されるライバル校と言えるでしょう。

  • 主な公立併願校:県立の男子校トップである県立川越高校や浦和高校、共学トップの大宮高校などが主な目標校となります。これらの公立高校を第一志望とする生徒が、実力を試す意味合いや、万が一の場合の進学先として城北埼玉を併願するケースが非常に多いです。

城北埼玉高等学校に設置されている学科・コース

城北埼玉高等学校には、生徒一人ひとりの学び方や目標に合わせて選べる、特色ある2つのコースが設置されています。どちらのコースも大学進学を最終目標としていますが、そこに至るアプローチが異なります。

  • 本科コース

    • どんなことを学ぶ場所か:難関大学への現役合格を目標に、体系的かつ効率的なカリキュラムで学ぶコースです。高校3年生の1学期までに高校の学習範囲をほぼ終え、その後は大学入試に向けた実践的な演習に多くの時間を費やします。

    • どんな生徒におすすめか:国公立大学や難関私立大学など、具体的な進学目標が定まっており、着実に学力を伸ばして受験に臨みたい生徒におすすめです。伝統的な進学校のスタイルで、質の高い授業と演習を積み重ねたい人に最適です。

  • フロンティアコース

    • どんなことを学ぶ場所か:従来の座学中心の学習だけでなく、フィールドワークやプロジェクト型学習(PBL)を軸に、実社会と繋がりながら探究力や課題解決能力を養うコースです。文系・理系の枠にとらわれない「文理融合型」の学びが特徴です。

    • どんな生徒におすすめか:知的好奇心が旺盛で、受け身の学習だけでは物足りないと感じる生徒にぴったりです。仲間と協力しながら主体的に課題に取り組み、教科書だけでは得られない「生きた学び」を体験したい人におすすめのコースです。

この2つのコース設定は、城北埼玉が伝統的な大学受験指導の強みを維持しつつも、これからの社会で求められる新しい学力観にも対応しようとしている表れです。自分の興味や性格に合わせてコースを選べるのは、大きな魅力と言えるでしょう。

城北埼玉高等学校の特色・校風

城北埼玉高等学校の雰囲気は、一言で表すなら「質実剛健」と「文武両道」です。派手さはありませんが、真面目で落ち着いた生徒が多く、学習に集中できる環境が整っています。同時に、男子校ならではの伸び伸びとした活気もあり、生徒たちは何事にも全力で取り組んでいます。

ここでは、中学生の皆さんが特に気になる学校生活のリアルなポイントを、口コミなどを基に詳しく見ていきましょう。

  • キーワードで見る校風:質実剛健、文武両道、落ち着いた雰囲気、面倒見が良い、伸び伸び

  • 宿題の量は多いか少ないか:口コミによれば、「多い」と感じる生徒が多いようです。特に長期休暇中の課題はかなりの量が出されることもありますが、これは日々の学習習慣を確立させ、着実に学力を定着させるという学校の方針の表れです。補習や講習も頻繁に行われ、学習サポートは非常に手厚いと言えます。

  • 校則は厳しいか緩やかか:全体的に「厳しくはない」という意見が多数です。服装は伝統的な黒の詰襟学生服(学ラン)で、頭髪についても染髪やピアスなどは禁止ですが、常識の範囲内であれば細かく指導されることは少ないようです。スマートフォンについては、校内での使用ルールはありますが、持ち込みは許可されており、比較的自由な雰囲気です。

  • 生徒たちの雰囲気:多くの在校生や保護者が「真面目で穏やかな生徒が多い」と評価しています。いじめなどの話はほとんど聞かれず、安心して学校生活を送れる環境です。一方で、休み時間や行事の際には、男子校らしいエネルギッシュで賑やかな一面も見られ、卒業生からは親しみを込めて「動物園のようだった」という声も聞かれます。この「やるときはやる、楽しむときは楽しむ」というメリハリが、この学校の大きな特徴です。

  • アルバイトは可能か:原則として禁止されています。学業と部活動に専念することが求められます。

  • 制服の評判はどうか:昔ながらの黒の学ランです。デザインに派手さはありませんが、「男子校らしくて良い」「洗濯機で丸洗いできて便利」といった保護者からの肯定的な声もあります。

  • 土曜授業はあるか:はい、土曜日も授業が行われています。十分な授業時間を確保し、大学進学に向けた学力向上を図っています。

そして、城北埼玉の校風を語る上で欠かせないのが「静座」というユニークな伝統です。これは、毎回の授業の始めと終わりに、30秒ほど目を閉じて精神を統一する時間のことです。賑やかな休み時間から一転、静座によって心を落ち着け、授業への集中力を高めます。この習慣が、生徒たちの切り替えの早さや落ち着いた学習態度を育んでいると言えるでしょう。

城北埼玉高等学校の部活動・イベント

城北埼玉は「文武両道」を掲げている通り、勉強だけでなく部活動や学校行事にも非常に力を入れています。

部活動

部活動への加入は任意ですが、ほとんどの生徒が何らかの部に所属し、仲間と共に汗を流しています。運動部・文化部合わせて40以上のクラブや同好会があり、選択肢が非常に豊富なのが魅力です。

  • 全体の様子:運動部、文化部ともに活発に活動しています。特に強豪として知られる部活も多く、学校全体で部活動を応援する雰囲気が根付いています。中高一緒に活動する部も多く、先輩から後輩へと技術だけでなく、礼儀や心構えも受け継がれていきます。

  • 実績豊富な部活動(運動部):

    • 少林寺拳法部:全国大会の常連で、学校を代表する強豪部です。心身ともに鍛えたい生徒に人気があります。

    • 剣道部:こちらも関東大会や全国大会への出場経験が豊富な伝統ある部です。厳しい稽古を通じて、高いレベルを目指しています。

    • 自転車競技部:県内でも珍しい部活ですが、インターハイに出場するなど輝かしい実績を誇ります。

    • 水泳部:強豪として知られ、関東大会などでも活躍しています。校内には年間を通して使用できる温水プールがあり、練習環境も整っています。

  • ユニークな部活動(文化部):

    • 鉄道研究部:全国規模のコンテストで受賞歴もある、非常にレベルの高い部活です。ジオラマ製作や研究発表など、本格的な活動を行っています。

    • 模型部、つり部、DRC(デジタル技術研究部)など:生徒の多様な興味に応えるユニークな部活が多数存在し、自分の「好き」をとことん追求できる環境があります。

イベント

城北埼玉の学校生活を彩るイベントは、どれも生徒が主体となって創り上げる、熱気あふれるものばかりです。

  • 文化祭(欅祭):年に一度、秋に開催される「欅祭(けやきさい)」は、学校が最も盛り上がる一大イベントです。全クラスが参加する出店や展示、ステージ発表など、その規模と熱量は圧巻です。近隣の女子校の生徒をはじめ、多くの来場者で賑わい、後夜祭で打ち上げられる花火は、生徒たちにとって最高の思い出となります。

  • 体育祭:文化祭と並ぶ大きなイベントで、クラス対抗で様々な競技に臨みます。男子校ならではのパワーとスピードがぶつかり合う、迫力満点の戦いが繰り広げられます。

  • 修学旅行:高校2年生の秋に実施されます。仲間と共に過ごす数日間は、一生忘れられない貴重な体験となります。

  • オリエンテーション合宿(高1):入学直後に行われる宿泊行事で、新しいクラスメイトとの親睦を深め、城北埼玉生としての一体感を育みます。

  • 勉強合宿:夏休みなどに行われる集中学習プログラムです。普段の環境を離れ、1日に10時間以上勉強漬けの日々を送ることで、学力だけでなく精神力も鍛えられます。

城北埼玉高等学校の進学実績

城北埼玉高等学校は、その教育理念の柱の一つに「大学進学指導」を掲げており、毎年安定して高い進学実績を上げています。特に、難関私立大学への進学に強みを持っています。

以下は、2025年度の最新の大学合格実績です。(人数は既卒生を含む場合があります)

  • 国公立大学:合計17名

    • 主な合格大学:東北大学 1名、筑波大学 1名、千葉大学 2名、横浜国立大学 1名、埼玉大学 1名など。

  • 難関私立大学:

    • 早慶上理(早稲田・慶應義塾・上智・東京理科):合計28名

      • 早稲田大学 4名、慶應義塾大学 4名、上智大学 9名、東京理科大学 11名

    • GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政):合計74名

      • 明治大学 13名、青山学院大学 11名、立教大学 14名、中央大学 14名、法政大学 15名、学習院大学 7名

  • その他:

    • 医学部医学科にも3名の合格者を輩出しています。

    • 上記以外にも、日本大学(26名)や東洋大学(24名)など、多くの生徒が首都圏の有名私立大学に進学しています。

これらの高い進学実績を支えているのが、学校の徹底した学習サポート体制です。授業のレベルが高いことはもちろん、放課後や夏休み・冬休みには、ほぼ毎日と言っていいほど補習や講習会が組まれています。「城北埼玉は半分予備校」と表現する卒業生もいるほど、そのサポートは手厚いです。特に高校3年生になると、志望校別の対策講座や、1日10時間以上勉強する「受験合宿」など、第一志望合格に向けた万全の体制が整えられています。

城北埼玉高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、城北埼玉高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを6つのポイントにまとめました。

  • 心を整える伝統「静座」

    創立以来続く、授業の始めと終わりに行う30秒間の精神統一。賑やかな男子校生活の中で、心を落ち着けて学習に向かう「切り替え力」と「集中力」を自然と身につけることができる、この学校の文化の根幹をなす取り組みです。

  • 社会と繋がる「JSプログラム」

    弁護士会と協力して模擬裁判を体験したり、JAXA(宇宙航空研究開発機構)を訪問して宇宙開発の最前線に触れたりと、学校の外に出て実社会の課題に触れる体験型学習プログラムです。学ぶことの本当の意味を体感し、将来の進路を考える大きなきっかけになります。

  • 4年間続く体系的な英語教育

    中学から高校にかけて、「イングリッシュ・キャンプ」をはじめとする独自の英語教育プログラムが組まれています。ネイティブの先生との交流を通じて、受験英語にとどまらない「使える英語力」と、物怖じしないコミュニケーション能力を養います。

  • 手厚すぎるほどの大学受験サポート

    放課後や長期休暇中にびっしりと組まれた補習・講習会、そして夏休みの「勉強合宿」など、学校全体で生徒の大学受験を強力にバックアップする体制が整っています。塾や予備校に頼らなくても、学校のプログラムだけで難関大学を目指せるほどの充実度です。

  • 全国レベルの部活と多様な活動の場

    少林寺拳法部や自転車競技部など全国レベルで活躍する運動部から、鉄道研究部のようなマニアックな文化部まで、40を超える多彩な部活動・同好会があります。どんな生徒でも自分の興味や才能を輝かせられる場所が必ず見つかります。

  • 未来を拓く「フロンティアコース」の新設

    伝統的な大学受験指導に加えて、探究学習やプロジェクト型学習を軸とした新しいコースを設置。これは、城北埼玉が時代の変化に対応し、未来を生き抜く力を育むことに真剣に取り組んでいる証です。

城北埼玉高等学校の口コミ・評判のまとめ

ここでは、在校生や卒業生、保護者から寄せられた様々な声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。

良い点

  • 「先生と生徒の距離が近く、面倒見が良い」という声が非常に多いです。熱心な先生が多く、勉強の質問はもちろん、進路や学校生活の悩みにも親身に相談に乗ってくれるようです。

  • 「一生付き合える最高の友人に出会えた」という卒業生の声が目立ちます。男子校ならではの気兼ねない雰囲気の中で、固い絆で結ばれた仲間ができるようです。

  • 「いじめが少なく、穏やかな生徒が多いので安心して通わせられる」という保護者の評価が高いです。真面目で心優しい生徒が多く、落ち着いた学校生活を送ることができます。

  • 「伸び伸びと過ごせる自由な校風が良い」という意見もあります。進学校でありながら、過度なプレッシャーはなく、生徒の自主性を尊重してくれる雰囲気があるようです。

気になる点

  • 「交通の便が悪い」という点は、最も多くの人が挙げる注意点です。「田んぼの真ん中にある」と表現されることもあり、最寄り駅からはかなり距離があるため、スクールバスの利用が必須となります。通学に時間がかかることは覚悟しておく必要があります。

  • 「施設が少し古い」という意見も散見されます。歴史のある学校なので、校舎の一部に古さを感じる部分があるようです。

  • 一部の生徒からは「『自称進学校』だと感じることもある」という厳しい声もあります。特に最難関大学を目指す生徒にとっては、授業の進度や内容が物足りなく感じられたり、先生によって指導力に差があると感じられたりすることがあるようです。

  • 「良くも悪くも男子校」という点も考慮すべきポイントです。多くの生徒がその環境を楽しんでいますが、エネルギッシュすぎて時に「動物園」のようだと感じる生徒もいるかもしれません。

アクセス・通学

城北埼玉高等学校への通学は、スクールバスの利用が基本となります。学校の立地上、駅から徒歩で通うのは現実的ではありません。

  • 最寄り駅からのスクールバス

    • 東武東上線「ふじみ野駅」東口から 約15分

    • JR川越線「南古谷駅」から 約10分

    • 西武新宿線「本川越駅」から 約25分

この3つの駅から専用のスクールバスが運行されており、ほとんどの生徒がこれを利用して通学しています。このバスネットワークのおかげで、川越市やふじみ野市だけでなく、さいたま市や所沢市など、広範囲から生徒が集まっています。朝夕のバスは、学年を超えた交流の場にもなっているようです。

城北埼玉高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。城北埼玉高等学校という学校に、少しでも興味を持ってもらえたでしょうか。最後に、この学校を目指す皆さんへ、私から応援のメッセージとアドバイスを送ります。

城北埼玉高等学校は、「勉強も頑張りたいけど、部活や行事にも全力で打ち込みたい」「信頼できる仲間や先生に囲まれて、充実した3年間を送りたい」そんな風に考えている君に、特におすすめしたい学校です。ここは、一つのことに特化するのではなく、学業、部活動、人間関係といった高校生活の様々な要素をバランス良く大切にできる場所です。真面目にコツコツ努力できる人、そして面倒見の良い先生方のサポートを受けながら着実に成長したい人にとって、最高の環境が整っています。

受験勉強においては、奇をてらった難問対策よりも、まずは中学校3年間の学習内容を完璧にマスターすることに力を注いでください。城北埼玉高等学校の入試では、基礎・基本がしっかり身についているかが問われます。苦手な分野を残さず、どの科目も穴がない状態にしておくことが合格への一番の近道です。そして、もし機会があれば、ぜひ学校説明会や文化祭「欅祭」に足を運んでみてください。そこで出会う先輩たちの姿や学校の活気は、きっと君の「この学校で学びたい!」という気持ちを、何倍にも強くしてくれるはずです。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。