東京都立小松川高等学校は、100年以上の歴史を誇る伝統校で、勉強にも部活動にも全力で打ち込みたいと考える中学生にとって、非常に魅力的な選択肢の一つです。大正5年の創立以来、受け継がれてきた「質実剛健」の精神のもと、「ハイレベルな文武両道」を教育の柱に掲げています。これは、ただ勉強と部活動を両立するだけでなく、その両方で高いレベルを目指すという、挑戦心あふれる生徒を育てるという強い意志の表れです。

学校生活は活気に満ちあふれています。部活動への加入率は95%を超え、多くの生徒が放課後も仲間と共に汗を流しています。また、体育祭や文化祭といった学校行事は生徒が主体となって企画・運営するため、クラスの団結力が高まり、一生の思い出を作ることができます。このような充実した学校生活が、小松川高等学校ならではの大きな魅力となっています。

もちろん、学習面でのサポートも万全です。東京都教育委員会から「進学指導特別推進校」に指定されており、国公立大学や難関私立大学への進学を力強く後押しする体制が整っています。この記事では、そんな小松川高等学校の具体的な魅力や特色、そして受験に役立つ情報を、進学アドバイザーの視点から分かりやすく解説していきます。あなたの高校選びの参考に、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

小松川高等学校の基本情報

小松川高等学校の基本的な情報を以下の表にまとめました。学校選びの第一歩として、まずは正確な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 東京都立小松川高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒132-0035 東京都江戸川区平井1-27-10
代表電話番号 03-3685-1010
公式サイトURL https://www.metro.ed.jp/komatsugawa-h/

小松川高等学校の偏差値・難易度・併願校

小松川高等学校への合格を目指す上で、偏差値や内申点の目安を把握することは非常に重要です。ここでは、具体的な数値と共に、難易度をイメージしやすくなる情報をお伝えします。

最新のVもぎのデータによると、小松川高等学校の偏差値は60〜61が一つの目安とされています。ただし、調査機関によっては偏差値67と高く評価されることもあり、これは「進学指導特別推進校」としての実績や人気が年々高まっていることの表れとも言えるでしょう。都立高校の中でも、学力レベルの高い生徒が集まる人気の進学校と位置づけられています。

合格の難易度を具体的に見ていきましょう。一般入試では、調査書点(内申点)と学力検査点の合計1000点満点で合否が決まります。合格の目安となる総合得点は810点〜835点あたりです。これを達成するためには、まず内申点が重要になります。65点満点に換算される換算内申で51〜54点程度が目標となります。これは、9教科の成績がおおむねオール4で、さらにいくつかの教科で5が必要になるレベルです。学力検査では、500点満点中400点以上、つまり各教科で8割以上の得点が求められます。内申点と当日の学力検査、この両方で高いレベルが要求されるため、中学1年生の時からコツコツと学習を積み重ねることが合格への鍵となります。

同じくらいの偏差値の都立高校としては、城東高校(偏差値58)や竹早高校(偏差値62)などが挙げられます。これらの学校と比較検討することで、小松川高等学校の立ち位置がより明確になるでしょう。

都立高校が第一志望の場合、併願する私立高校選びも大切な受験戦略です。小松川高校の受験生が多く併願する主な私立高校は以下の通りです。

  • 東洋高等学校

  • 駒込高等学校

  • 安田学園高等学校

  • 國學院高等学校

  • 江戸川女子高等学校

  • 淑徳巣鴨高等学校

小松川高等学校に設置されている学科・コース

小松川高等学校に設置されているのは「普通科」のみです。しかし、そのカリキュラムには大きな特徴があります。

  • 普通科

    • どんなことを学ぶ場所か:1、2年次では文系・理系の区別を設けず、幅広い教科を共通で学び、総合的な学力と教養を身につけます。そして、3年次からそれぞれの進路希望に応じて文系・理系のコースに分かれ、専門性を深めていくカリキュラムとなっています。

    • どんな生徒におすすめか:国公立大学や難関私立大学への進学を目指している生徒はもちろん、高校生活を通して自分の興味や関心を見極め、じっくりと将来の進路を考えたい生徒に最適です。早い段階で専門分野に特化するのではなく、幅広い知識の土台を築きたい人におすすめします。

小松川高等学校の特色・校風

小松川高等学校の雰囲気は、いくつかのキーワードで表すことができます。「質実剛健」「ハイレベルな文武両道」「生徒主体」「落ち着いた雰囲気」といった言葉が、この学校の文化をよく表しています。

  • 宿題の量:口コミでは「多い」という声が非常に多く聞かれます。これは、学校が「塾や予備校に頼らなくても現役合格できる学力」を育てることを目標にしているためです。日々の予習・復習が前提となる授業スタイルで、小テストも頻繁に行われるため、学習習慣をしっかり身につける必要があります。

  • 校則:校則は、一見すると厳しい印象です。アルバイトは原則禁止(許可制)、頭髪の染髪や加工、化粧も認められていません。しかし、在校生からは「思ったより自由」という声も多く聞かれます。頭ごなしに禁止するのではなく、生徒の自主性を尊重し、高校生としての品位を保つ範囲での自由が認められているようです。スマホの使用は、昼休みと放課後に限定されているという声もあります。

  • 生徒たちの雰囲気:生徒は「真面目で穏やか」なタイプが多いようです。勉強するときは集中し、行事や部活では思い切り楽しむという、オンとオフの切り替えが上手な生徒が集まっています。いじめが少ないという評判も多く、誰もが安心して学校生活を送れる環境が整っている点は大きな魅力です。

  • アルバイト:原則として禁止されていますが、家庭の事情などがある場合は、所定の手続きを経て許可される場合があります。

  • 制服の評判:伝統的なスタイルで、男子は黒の学ラン、女子は紺のセーラー服です。特に女子のセーラー服はデザインが可愛らしいと人気が高く、制服に憧れて入学を決める生徒もいるほどです。

  • 土曜授業:年間で20回程度、土曜授業が実施されています。国公立大学進学に対応した十分な授業時間を確保するための取り組みです。

小松川高等学校の部活動・イベント

部活動

小松川高等学校の「文武両道」を象徴するのが、活発な部活動です。生徒の加入率は95%以上と非常に高く、ほとんどの生徒が学業と両立しながら熱心に活動に取り組んでいます。運動部が約19、文化部が約16と、選択肢が豊富なのも魅力です。

  • ボート部:小松川高校を代表する部活動で、全国的な強豪として知られています。インターハイや国体の常連であり、東京都から「Sport-Science Promotion Club」の指定を受け、特別な支援を受けて活動しています。特筆すべきは、部員のほとんどが高校からボートを始めた初心者である点です。新しいことに挑戦し、全国の舞台を目指したい人には絶好の環境です。

  • その他の活発な部活動:運動部ではサッカー部やテニス部、ソフトボール部なども都内で強豪校として知られています。文化部では、生物部、地学部、化学部、コンピュータ部などが「科学の甲子園」に出場するなど、理数系の部活動も非常に活発です。

イベント

小松川高校の学校行事は、生徒が主体となって企画・運営されるのが最大の特色です。仲間と協力して一つのものを創り上げる経験は、学力だけでは測れない大きな成長の機会となります。

  • 体育祭:6月頃に開催され、学校全体が熱気に包まれます。赤・青・黄・白の4つの団に分かれて競い合いますが、最大の見どころは各団が一体となって披露する「応援合戦」です。その迫力とクオリティの高さは圧巻で、学校の名物となっています。

  • 小松川祭(文化祭):9月に行われる文化祭は、クラスや部活動、有志団体が趣向を凝らした出し物で来場者を楽しませます。夏休みから準備を進め、クラスの団結力が一気に高まるイベントです。閉会時に花火が打ち上げられるという口コミもあり、生徒にとって特別な思い出となるようです。

  • 合唱祭:12月に行われる、もう一つの大きな学校行事です。全てのクラスが本気で優勝を目指して練習に励み、ホールに美しい歌声を響かせます。指揮者や伴奏者、パートリーダーなど、生徒が中心となって運営する点も特徴です。

  • 修学旅行:2年次に実施される修学旅行は、海外へ行くのが伝統です。最近では台湾を訪れるなど、異文化に触れる貴重な体験ができます。現地の高校生との交流プログラムもあり、グローバルな視野を広げる機会となっています。

小松川高等学校の進学実績

「進学指導特別推進校」である小松川高等学校は、国公立大学や難関私立大学へ多数の合格者を輩出しており、その実績は年々向上しています。卒業生の約9割が4年制大学へ進学しており、生徒一人ひとりの進路希望を叶えるための手厚いサポート体制が整っています。

以下に、最新の2025年度入試における主な大学合格実績(既卒生含む)をまとめました。

大学分類 主な大学名 2025年度合格者数
国公立大学 京都大学 1
一橋大学 1
東京科学大学 2
東北大学 1
九州大学 1
千葉大学 16
東京都立大学 9
お茶の水女子大学 4
国公立大学 合計 78
難関私立大学 早稲田大学 26
慶應義塾大学 14
上智大学 18
東京理科大学 39
早慶上理 合計 97
明治大学 79
青山学院大学 30
立教大学 59
中央大学 37
法政大学 87
学習院大学 36
GMARCH 合計 328

これらの輝かしい実績は、学校独自の充実した進学サポート体制によって支えられています。

  • ウィンズプロジェクト:1年生から3年生まで続く、体系的な進路指導・キャリア教育プログラムです。大学模擬講義や卒業生の話を聞く会などを通して、早期から進路意識を高めます。

  • 充実した講習・補習:夏休みなどの長期休暇中や放課後に、受験対策の講習が数多く開かれます。これにより、多くの生徒が塾や予備校に通うことなく、志望校合格を勝ち取っています。

  • 卒業生チューター制度:平日の放課後、自習室には小松川高校を卒業した現役大学生がチューターとして常駐し、後輩たちの質問に答えたり、学習相談に乗ったりしています。年の近い先輩からのアドバイスは、非常に心強いサポートとなります。

小松川高等学校の特長・アピールポイント

数ある都立高校の中で、小松川高等学校が持つ独自の強みや魅力を5つのポイントに絞ってご紹介します。

  • 独自の探究学習とキャリア教育「ウィンズプロジェクト」

    3年間を通して行われる体系的なプログラムで、単なる大学選びに留まらず、自分の興味・関心を探求し、将来の生き方やキャリアについて深く考える機会を提供します。大学模擬講義や企業と連携したプログラムなど、内容は多岐にわたります。

  • 「進学指導特別推進校」としての手厚い学習サポート

    経験豊富な教員による質の高い授業に加え、充実した講習や補習、個別添削指導など、「塾いらず」で難関大学を目指せる環境が整っています。生徒のやる気に全力で応える体制が、高い進学実績の源です。

  • 全国レベルで活躍するボート部をはじめとした活発な部活動

    学校の象徴でもあるボート部は、全国の舞台で輝かしい成績を収めています。部活動加入率95%以上という数字が示す通り、学校全体で部活動を奨励しており、勉強と両立しながら何かに打ち込む充実した3年間を送ることができます。

  • 生徒が主役となって創り上げる学校行事

    体育祭の応援合戦や文化祭の企画・運営など、すべての行事で生徒が中心的な役割を担います。仲間と協力して目標を達成する経験を通して、自主性や協調性、リーダーシップを実践的に学ぶことができます。

  • グローバルな視野を育む国際交流プログラム

    2年次の修学旅行では、原則として全員が海外(近年は台湾など)を訪れ、現地の高校生と交流します。その他にも、英語研修プログラム(TGG)や海外の姉妹校とのオンライン交流など、国際感覚を養う機会が豊富に用意されています。

小松川高等学校の口コミ・評判のまとめ

ここでは、在校生や卒業生から寄せられたリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。

  • 良い点

    • 「生徒の雰囲気が良く、いじめがない」という声が圧倒的に多いです。真面目で穏やかな生徒が多く、互いを尊重し合う文化が根付いているようです。

    • 「行事が本当に楽しい」という評判も非常に高いです。生徒主体で運営されるため、クラスの団結力が強く、一生の思い出になると感じている生徒が多いようです。

    • 「先生方のサポートが手厚い」という意見も目立ちます。進路相談や質問に親身になって対応してくれるため、安心して勉強に集中できる環境です。

    • 「周りの生徒の学習意欲が高く、切磋琢磨できる」という点も、進学校ならではの魅力として挙げられています。

  • 気になる点

    • 最も多く聞かれるのが「課題や小テストが多くて大変」という声です。学校の学習だけで大学受験に対応できる分、日々の学習負担は大きいと感じる生徒が多いようです。

    • 「校舎やトイレなどの施設が少し古い」という意見もあります。歴史ある学校ならではの点と言えるかもしれません。

    • 一部の生徒からは、課題の多さなどから「自称進学校」といった表現で、学校の厳しい学習方針について言及されることもあります。

    • 「最寄り駅から少し歩くのが難点」という声も少数ながら見られます。

アクセス・通学

小松川高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。複数の路線が利用可能ですが、多くの生徒はJR平井駅から通学しています。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • JR総武線「平井」駅 南口から徒歩 約12分

    • 都営新宿線「東大島」駅 から徒歩 約20分

    • 都営バス「小松川三丁目」バス停から徒歩 約5分

  • 通学エリアの傾向

    学校が江戸川区にあるため、江戸川区、江東区、葛飾区、墨田区といった城東地区から通学している生徒が中心です。地元からの生徒も多く、自転車で通学している姿もよく見られます。

小松川高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、小松川高等学校を目指す君たちにメッセージを送ります。

この学校は、「勉強も学校生活も、どちらも本気で頑張りたい」と強く願う君にこそ、ぴったりの場所です。高い目標に向かって努力する仲間たちと切磋琢磨しながら、行事や部活動を通してかけがえのない経験を積むことができます。小松川高等学校は、そんな君の挑戦を全力でサポートしてくれる学校です。

受験勉強においては、まず「内申点」をしっかり確保することが何よりも大切です。オール4をベースに、得意教科で5を取れるよう、日々の授業と定期テストに真剣に取り組みましょう。その上で、入試本番で8割以上の得点を取るために、特に英語・数学・国語の基礎を徹底的に固めてください。諦めずに努力を続ければ、道は必ず開けます。君の挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。