帝塚山高等学校は、奈良県でもトップクラスの進学実績を誇る、伝統と革新が共存する私立高校です。近鉄「学園前」駅から徒歩1分という抜群の立地は、奈良県内だけでなく大阪や京都からも多くの生徒が安心して通える大きな魅力となっています。
高い学力を持つ生徒たちが集い、互いに切磋琢磨しながら夢の実現を目指す活気ある環境がここにはあります。勉強はもちろん、部活動や学校行事にも全力で打ち込む「文武両道」の精神が根付いており、充実した3年間を送ることができるでしょう。
そして今、帝塚山高等学校は大きな変化の時を迎えています。2027年度からは、高校が男女共学へと移行することが決定しました。この記事では、そんな歴史の転換点に立つ帝塚山高等学校の「今」と「これから」について、皆さんの高校選びの助けとなるよう、詳しくご紹介していきます。
帝塚山高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。特に、現在の「男女併学」と2027年度からの「男女共学」の違いは、学校選びの重要なポイントになります。
項目 | 内容 |
正式名称 | 帝塚山高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女併学 ※2027年度の高校入学生より完全共学化 |
所在地 | 〒631-0034 奈良県奈良市学園南3-1-3 |
代表電話番号 | 0742-41-4685 |
公式サイトURL | https://www.tezukayama-h.ed.jp/ |
帝塚山高等学校の偏差値・難易度・併願校
帝塚山高等学校への合格を目指す上で、その難易度を正確に把握しておくことは非常に大切です。偏差値は、自分の学力と志望校との距離を測るための一つの目安になります。
学科・コース名 | 偏差値 |
普通科 男子英数コース | 74 |
普通科 女子英数コース | 74 |
普通科 女子特進コース | 68 |
この偏差値は奈良県内でトップレベルであり、全国的に見ても非常に高い水準です。同じくらいの偏差値の高校としては、奈良県内の最難関公立高校や、近隣の有名私立高校が挙げられます。
難易度が高い理由は、偏差値だけではありません。帝塚山高等学校は中高一貫校であるため、内部進学生が多数を占め、高校からの募集人数が限られていることも、入試の厳しさを物語っています。合格に必要な内申点の目安としては、5段階評価で45点満点中、40点前後は目指したいところです。主要5教科でオール5に近い成績に加え、副教科でも高い評価を得ていることが望ましいでしょう。
このような高いレベルから、奈良県立畝傍高校や郡山高校といったトップレベルの公立高校を受験する生徒の多くが、併願校として帝塚山高等学校を選んでいます。また、私立高校同士の併願としては、奈良学園高校、智辯学園高校、大阪府の近畿大学附属高校などが主な候補となります。
帝塚山高等学校に設置されている学科・コース
帝塚山高等学校では、生徒一人ひとりの進路目標に合わせて、特色あるコースが設置されています。自分が高校で何を学び、どんな大学を目指したいのかをイメージしながら読んでみてください。
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男子英数コース / 女子英数コース
東京大学や京都大学といった最難関国公立大学や、国公立大学医学部への現役合格を目指すトップレベルのコースです。高校2年生までに高校の学習内容を終え、3年生の1年間は大学受験対策に専念する、密度の濃いカリキュラムが組まれています。
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女子特進コース
神戸大学や大阪公立大学などの難関国公立大学や、関関同立をはじめとする難関私立大学への現役合格を目指すコースです。英数コースに準じた高いレベルの授業が行われ、多様な進路希望にきめ細かく対応しています。
なお、これらのコース名は現在の「男女併学」制度に基づいたものです。2027年度からの完全共学化に伴い、コースの名称や編成は変更される予定です。これから受験を考える皆さんは、コース名だけでなく「どんな大学を目指すコースなのか」という目線で、自分の目標に合った学びの場を選んでいくことが大切です。
帝塚山高等学校の特色・校風
帝塚山高等学校の雰囲気は、キーワードで表すと「文武両道」「グローバル」「落ち着いた雰囲気」といった言葉がぴったりです。伝統を重んじながらも、新しい挑戦を続ける校風が魅力です。
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宿題の量と学習
宿題や課題の量は「多い」と感じる生徒が多いようです。特に、塾に通いながら学校の課題をこなすのは大変だという声もあります。しかし、これは裏を返せば、学校の授業だけで高い学力を身につけられるよう、きめ細かい指導が行われている証拠とも言えます。放課後には80席ある自習室が開放されており、夜遅くまで集中して勉強できる環境が整っています。
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校則(スマホ、服装、アルバイトなど)
校則は、他の高校と比較して「厳しい」という評判です。スマートフォンの校内での使用は原則禁止で、登校後に先生に預ける決まりになっているようです。服装や頭髪についても定期的な検査があり、きちんとした身だしなみが求められます。アルバイトは原則として禁止されています。
一見すると厳しいルールですが、これは生徒が学業に集中し、落ち着いた学校生活を送るための環境づくりと捉えることができます。
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生徒たちの雰囲気
校則は厳しいものの、生徒たちは明るく、個性豊かな人が多いようです。口コミでは「素敵な仲間と充実した学校生活を送れた」「良いライバルに恵まれた」といった声が多く見られ、生徒同士の仲が良く、互いに高め合える雰囲気があることがうかがえます。
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制服の評判
制服については、公式サイトなどでデザインを確認できますが、評判は人それぞれのようです。学校説明会などで実際に見てみることをお勧めします。
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土曜授業
毎週土曜日も4時間の授業が行われており、十分な学習時間が確保されています。
この学校の文化は、日々の生活では規律を重んじる一方で、学校行事などでは生徒の自主性に大きく任せるという特徴があります。例えば、学園祭は企画から運営まで生徒会が中心となって行います。これは、規律ある環境で集中力を高めさせ、その中で生徒自身のリーダーシップや責任感を育むという、帝塚山ならではの教育方針の表れと言えるでしょう。
帝塚山高等学校の部活動・イベント
勉強だけでなく、学校生活を彩る部活動やイベントも帝塚山高等学校の大きな魅力です。
部活動
帝塚山高等学校は「勉強もしっかり、部活もしっかり」を奨励しており、多くの生徒が文武両道を実現しています。高校生の部活動加入率は約60~70%で、運動部・文化部ともに充実しています。
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理科部ロボット班
特に有名なのが理科部のロボット班です。ロボットの国際大会であるFLLやWROで何度も世界大会に出場するなど、国内外で輝かしい実績を誇っています。STEM分野に興味がある生徒にとっては、最高の環境と言えるでしょう。
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その他の有名な部活動
文化部では、全国レベルの実力を持つギター・マンドリン部や放送部も有名です。運動部も活発で、勉強と両立させながら近畿大会などに出場する生徒も少なくありません。
イベント
生徒たちが主体となって作り上げるイベントは、クラスの団結力を高め、忘れられない思い出になります。
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学園祭(4月)
生徒会が中心となり、テーマ設定から企画、運営までを生徒自身の手で行う一大イベントです。仲間と協力して一つのものを創り上げる経験は、大きな成長の機会となります。
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体育祭(5月)
クラス対抗で様々な競技に熱中する一日。応援にも熱が入り、学校全体が盛り上がります。
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コーラスコンクール(6月)
帝塚山の伝統行事の一つ。クラスごとに練習を重ね、美しいハーモニーを響かせます。男女併学ならではの、男子生徒と女子生徒が互いの合唱を聴き合い、刺激を受ける貴重な機会です。
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学年旅行(2年次10月)
高校2年生の秋には、4泊5日の日程で北海道へ向かいます。雄大な自然に触れたり、アイヌ文化を学んだりするだけでなく、職業体験などもプログラムに組み込まれており、視野を広げる絶好の機会です。
これらの多彩な活動は、学校の教育理念である「力の教育」を体現するものです。学園祭で企画力や実行力という「意志の力」を、コーラスコンクールで豊かな感受性という「情の力」を、そして部活動や体育祭でたくましい「躯幹(身体)の力」を育む。日々の授業で培う「知の力」と合わせ、バランスの取れた人間形成を目指しているのです。
帝塚山高等学校の進学実績
帝塚山高等学校の最も大きな魅力の一つが、全国でもトップクラスの大学進学実績です。生徒たちの努力と、それを支える学校の手厚いサポート体制が見事に結実しています。
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国公立大学
2024年度の入試では、京都大学に10名が合格したほか、東京大学、大阪大学、神戸大学といった最難関大学にも多数の合格者を輩出しています。特に、国公立大学の医学部医学科に22名が合格している点は、理系教育の高さを証明しています。
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難関私立大学
私立大学においても圧倒的な強さを見せています。関西の最難関私立大学群である「関関同立」には合計337名が合格。中でも立命館大学(115名)や同志社大学(93名)に多くの生徒が進学しています。また、首都圏の「早慶上理」(早稲田、慶應、上智、東京理科)にも30名の合格者を出すなど、全国の難関大学に通用する学力が育成されています。
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進学実績を支える取り組み
この輝かしい実績は、単に生徒の頑張りだけによるものではありません。高校2年生までに全範囲を終える先取り学習、長期休暇中の集中セミナーや指名制の補習、そして近年重要度を増している総合型選抜や学校推薦型選抜に向けた小論文・面接指導まで、一人ひとりの志望校合格に向けた万全のサポート体制が整っています。この二段構えの戦略、つまり最難関大学を目指す一般選抜対策と、幅広い大学に対応する推薦型選抜対策の両方に強いことが、帝塚山の進学指導の大きな特徴です。
帝塚山高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、帝塚山高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。
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独自の教育理念「力の教育」
知力だけでなく、豊かな感性(情の力)、やり遂げる力(意志の力)、たくましい心身(躯幹の力)をバランスよく育む全人教育を80年以上にわたって実践しています。
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抜群のアクセスと学習環境
近鉄「学園前」駅直結という最高の立地。複数の理科実験室や45,000冊の蔵書を誇る図書館、夜まで使える80席の自習室など、知的好奇心を満たす施設が充実しています。
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全国トップクラスの進学実績と手厚いサポート
最難関大学への高い合格実績は、先取り学習や個別指導といった学校の強力なバックアップ体制の賜物です。
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活発な国際交流とグローバル教育
シンガポールやハワイの姉妹校との交換留学プログラムや、ハーバード大学などの学生と議論を交わすハイレベルな研修など、世界を舞台に活躍するための多様な機会が用意されています。
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生徒主体で作り上げる学校行事と部活動
学園祭の運営を生徒に任せるなど、生徒の自主性を尊重する校風です。世界レベルで活躍する理科部ロボット班をはじめ、活気ある部活動も魅力です。
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「男女併学」から「完全共学」への進化
授業は男女別、行事は合同というユニークな「男女併学」の伝統を受け継ぎつつ、2027年度からは高校が「完全共学」へと移行します。歴史の転換点に立ち会える、またとない機会です。
帝塚山高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生、保護者からの声をまとめました。良い点と気になる点の両方を知ることで、学校生活をより具体的にイメージできるはずです。
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良い点
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「先生方が親身になって相談に乗ってくれる」「進路指導が手厚い」など、教員の熱心さやサポート体制を評価する声が非常に多いです。
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「一生付き合える友人やライバルに出会えた」「行事が楽しく、クラスの団結力が強い」といった、充実した人間関係を築ける点を挙げる声も目立ちます。
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勉強と部活動を両立できる環境が整っており、どちらも全力で打ち込める校風が良かったという意見も多く見られます。
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「駅直結で安全・便利」「校舎が綺麗で気持ちよく過ごせる」など、恵まれた施設・環境面での満足度も高いようです。
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気になる点
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「課題の量がとにかく多く、こなすのが大変だった」という声は、多くの口コミで共通して見られます。自己管理能力が求められる環境です。
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「校則が厳しい」と感じる生徒も少なくありません。特にスマートフォンや服装に関するルールは、自由な校風を求める人には窮屈に感じられる可能性があります。
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「勉強についていけない生徒へのフォローが手薄に感じる」という意見もありました。基本的には、自ら学ぶ意欲のある生徒が中心の環境と言えそうです。
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これらの口コミから浮かび上がるのは、帝塚山高等学校が「高い目標を持ち、自律的に努力できる生徒」にとって最高の環境であるということです。厳しい環境に身を置き、仲間と切磋琢磨しながら自分を成長させたいと考える人には、これ以上ない学校と言えるでしょう。
アクセス・通学
通学のしやすさは、3年間の学校生活の質を左右する大切な要素です。帝塚山高等学校は、その点で非常に恵まれています。
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最寄り駅とアクセス
最寄り駅は近鉄奈良線の「学園前」駅です。駅の南口改札を出ると、専用デッキでキャンパスに直結しており、徒歩わずか1分で正門に到着します。雨の日でも傘をささずに通学でき、交通量の多い道路を渡る必要もないため、非常に安全です。
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主な通学エリア
この抜群のアクセスにより、非常に広いエリアから生徒が通学しています。奈良市や生駒市といった奈良県内からはもちろん、大阪市内や東大阪市、京都府南部(京田辺市、木津川市など)からも多くの生徒が通っています。中には兵庫県や三重県から通う生徒もいるほどです。平均通学時間は約1時間10分とされていますが、駅直結という利便性が、その時間を感じさせない快適な通学を可能にしています。
帝塚山高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、帝塚山高等学校を目指す皆さんへ応援メッセージを送ります。
帝塚山高等学校は、「高いレベルで勉強も部活も頑張りたい」「将来の夢に向かって、最高の環境で努力したい」と考える、意欲あふれる君にこそ挑戦してほしい学校です。周りには同じ志を持つ仲間たちがたくさんいます。彼らと競い合い、励まし合う3年間は、きっと君を大きく成長させてくれるはずです。
受験勉強では、特に数学と英語が鍵を握ります。数学は、複雑な問題よりも、基本的な計算を速く正確に解く力が求められます。日々の演習でミスをしない丁寧さを身につけましょう。英語は、単語や熟語、文法といった基礎知識の徹底が合格への近道です。過去問にもしっかり取り組み、帝塚山高等学校ならではの出題形式に慣れておくことが大切です。
これからの挑戦は決して楽な道ではないかもしれませんが、その先には刺激的で充実した高校生活が待っています。頑張ってください!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。