早稲田佐賀高等学校は、単に高校生活の3年間を過ごす場所というだけでなく、全国から高い志を持った仲間が集う、特別な成長の舞台です。「九州のWASEDA」として知られ、多くの受験生が憧れを抱くこの学校での日々は、きっとあなたの未来にとってかけがえのない財産となるでしょう。歴史と自然豊かな佐賀県唐津の地で、新しい自分に出会う準備はできていますか。

この学校の最も大きな魅力は、三つの柱で成り立っています。一つ目は、言わずと知れた「早稲田大学への推薦制度」という大きな目標。二つ目は、全校生徒の約7割が生活を共にする「寮生活を通じた人間的成長」。そして三つ目は、唐津城の麓という「歴史と文化に恵まれた学習環境」です。この三つが組み合わさることで、早稲田佐賀高等学校ならではの濃密な3年間が生まれるのです。

この記事では、偏差値や進学実績といった数字だけでなく、学校の雰囲気、先輩たちのリアルな声、そしてここでしか得られない経験について、進学アドバイザーの視点から詳しく、そして分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、あなたが早稲田佐賀高等学校でどんな高校生活を送れるのか、具体的にイメージできるようになるはずです。さあ、一緒に未来の扉を開いてみましょう。

早稲田佐賀高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。進路を考える上で最も基礎となる大切な情報です。

項目 内容
正式名称 早稲田大学系属 早稲田佐賀中学校・高等学校
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒847-0016 佐賀県唐津市東城内7-1
代表電話番号 0955-58-9000
公式サイトURL https://www.wasedasaga.jp/

早稲田佐賀高等学校の偏差値・難易度・併願校

早稲田佐賀高等学校の偏差値は、各種の調査で68〜70とされており、佐賀県内ではトップクラス、九州全体でも屈指の難関校として位置づけられています。偏差値70というのは、受験生全体の上位約2〜3%に入る学力が必要とされるレベルです。生半可な努力では合格は難しい、非常に高い目標であると認識しておきましょう。

この難易度をより具体的にイメージするために、他の高校と比較してみましょう。佐賀県内では、県立トップ校の佐賀西高等学校や、同じく私立の弘学館高等学校が学力的に近いライバル校となります。九州全体で見ると、ラ・サール高校や久留米大学附設高校といった超難関校に次ぐグループに属し、福岡県の筑陽学園高校(特進コース)や小倉高校などと肩を並べるレベルです。合格には、中学校の成績(内申点)も優秀であることが望ましいですが、私立高校のため、何よりも入試本番での得点力が合否を分けます。

このような難易度のため、早稲田佐賀高等学校を受験する生徒の多くは、地元のトップレベルの高校も併願しています。特に福岡県からの受験生が多く、修猷館高校のような公立トップ校や、福岡大学附属大濠高校(スーパー進学コース)、西南学院高校といった難関私立高校と合わせて受験するケースが一般的です。これらの併願校のラインナップからも、早稲田佐賀が単なる佐賀県内の高校ではなく、九州全域から優秀な生徒が集まる「地域の才能を集める磁石」のような存在であることが分かります。地元の名門校に合格してもなお、寮生活や早稲田大学との繋がりに魅力を感じて進学を決める生徒が多いのが、この学校の求心力の強さを物語っています。

早稲田佐賀高等学校に設置されている学科・コース

早稲田佐賀高等学校に設置されている学科は「普通科」のみです。しかし、学年が上がるにつれて、生徒一人ひとりの進路希望に合わせたきめ細やかなコース分けが行われます。

  • 高校1年生 – 基礎力養成の共通カリキュラム

    • 中学校からの内部進学生と、高校から入学した外部生が同じクラスで学びます。まずは全員が同じカリキュラムで学習し、高校での学びに必要な土台をしっかりと築き上げます。この1年間で、お互いに刺激し合いながら学校の学習ペースに慣れていくことが目標です。

  • 高校2年生 – 文系・理系コースへの分化

    • 2年生からは、将来の進路希望に応じて「文系」と「理系」に分かれます。ここから本格的に、それぞれの専門分野に向けた学習が深まっていきます。自分の興味や得意分野を見極め、将来の大学進学を見据えた重要な選択となります。

  • 難関大受験クラス – 国公立・医学部を目指す特別クラス

    • 2年生から、早稲田大学への推薦進学ではなく、東京大学や京都大学、九州大学などの難関国公立大学や医学部への進学を目指す生徒のために「難関大受験クラス」が設置されます。このクラスでは、よりハイレベルで進度の速い授業が展開され、難関大学の二次試験に対応できる応用力を徹底的に鍛えます。

このカリキュラムは、約半数の生徒が目指す「早稲田大学への推薦」と、残りの半数が挑戦する「難関大学の一般受験」という、二つの大きな目標を同時に達成するために緻密に設計されています。そのため、例えば文系の生徒でも早稲田大学の学部に合わせて数学IIIを履修するなど、高い学力水準が全体で求められます。一方で、難関大受験クラスや100を超える長期休暇中の講習など、一般受験組へのサポートも万全です。この柔軟かつハイレベルな体制が、多様な夢を持つ優秀な生徒たちを惹きつける大きな理由となっています。

早稲田佐賀高等学校の特色・校風

早稲田佐賀高等学校の校風をキーワードで表すなら、「文武両道」「グローバル」「規律正しい」「落ち着いた雰囲気」といった言葉がぴったりでしょう。多くの生徒が寮生活を送ることもあり、独特の文化が育まれています。

  • 宿題の量:口コミでは「非常に多い」という声が多数を占めます。日々の課題に加え、小テストや追試も頻繁に行われ、常に勉強と向き合う姿勢が求められます。学習習慣を確立するには最適な環境ですが、入学前から相応の覚悟が必要です。

  • 校則:全体的に「厳しい」という意見が多いようです。

    • スマホ:通学生は持ち込み可能ですが、校内では電源OFFが原則です。寮生は許可制で、夜間は回収されるなど厳しいルールが定められています。このルールが、勉強に集中できる環境を作っている一方で、窮屈に感じる生徒もいるようです。

    • 服装:制服は男子が学生服、女子がブレザーで、着こなしに関する指導は厳しい傾向にあります。

    • アルバイト:原則として禁止されています。学業と部活動に専念することが求められます。

  • 生徒たちの雰囲気:全国から集まった、真面目で学習意欲の高い生徒が多いです。親元を離れて生活している生徒が多いためか、年齢以上に自立しており、落ち着いた雰囲気があります。仲間意識が強く、寮生活などを通じて深い友情を育む生徒が多いようです。

  • 制服の評判:デザインについては賛否両論ありますが、特に大きな不満の声は少ないようです。早稲田の系属校としての品位を感じさせる、伝統的なデザインです。

  • 土曜授業:平常授業はありませんが、模試や特別講習などが土曜日に行われることが多く、多くの生徒が登校しています。

これらの特色を総合すると、早稲田佐賀はまるで「学問のインキュベーター(孵化器)」のような場所だと言えます。唐津という誘惑の少ない環境、スマホや娯楽を制限する厳しいルール、そして膨大な学習量。これらは全て、生徒が学業に最大限集中し、トップレベルの大学で成功するための学習習慣と精神力を養うために、意図的に設計されたシステムなのです。一部の生徒からは「青春がない」という声も聞かれますが、この環境だからこそ得られる学力と自己管理能力は、他では得がたい大きな武器となるでしょう。

早稲田佐賀高等学校の部活動・イベント

部活動

早稲田佐賀高等学校は、早稲田大学の精神である「文武両道」を掲げ、部活動にも非常に力を入れています。学業だけでなく、部活動にも全力で打ち込む生徒を学校全体でサポートする体制が整っています。

運動部、文化部ともに充実しており、全国レベルで活躍する部も少なくありません。

  • 野球部:高校野球ファンなら誰もが知る、甲子園出場経験を持つ強豪です。強化部に指定されていますが、部員も他の生徒と全く同じ学業基準が求められ、推薦枠で優遇されることもありません。まさに文武両道を体現する部と言えるでしょう。

  • 弓道部:全国大会の常連であり、常に高いレベルで安定した成績を収めています。静かな集中力と厳しい鍛錬が求められる弓道は、早稲田佐賀の校風にも合っているのかもしれません。

  • ラグビー部:2021年に創部された比較的新しい部ですが、着実に力をつけ、県内の強豪校を相手に接戦を繰り広げるなど、今後の活躍が非常に期待されています。

  • 文化部:放送部や書道部なども全国大会で活躍しています。他にも吹奏楽部、サイエンス部など、多様な文化部があり、生徒たちはそれぞれの興味関心を深めています。

イベント

勉強や部活動だけでなく、学校行事も生徒たちの絆を深める大切な機会です。特に中高合同で行われる行事も多く、学年を超えた交流が生まれるのが早稲田佐賀の魅力です。

  • 体育祭:4月から5月にかけて、中学・高校と日程を分けて開催されます。新学年が始まってすぐの大きなイベントで、クラスの団結力を高める絶好の機会です。

  • 興風祭(こうふうさい):9月下旬に2日間にわたって開催される文化祭です。クラスや部活動ごとの展示・発表、有志によるステージなど、学校中が一年で最も熱気に包まれるイベントです。中高合同で行われるため、非常に大規模で盛り上がります。

  • 修学旅行:高校生活の大きな思い出となる修学旅行も充実しています。高1では東京を訪れ、早稲田大学のキャンパス見学などを通じて、早稲田の精神に触れます。高2ではシンガポールなど海外へ足を運び、国際感覚を養います。

  • その他のユニークな行事:早稲田大学の創設者・大隈重信のゆかりの地を訪ねる「大隈重信ゆかりの地探訪」や、地域のお祭り「唐津くんち」の清掃ボランティアなど、早稲田のルーツと地域社会との繋がりを大切にする行事も多く行われています。

早稲田佐賀高等学校の進学実績

早稲田佐賀高等学校の進学実績は、その最大の魅力である早稲田大学への推薦制度と、難関国公立大学や医学部への高い合格実績という二つの柱によって支えられています。

最大の特長は、早稲田大学への推薦枠です。例年、卒業生の約半数がこの制度を利用して早稲田大学へ進学します。2024年度入試では、卒業生202名中106名(約52.5%)が推薦で合格しています。さらに、この推薦枠は2027年度の卒業生から148名に拡大される予定で、今後ますます早稲田大学への道が広がる見込みです。

しかし、早稲田佐賀の強みはそれだけではありません。早稲田大学への推薦を希望しない生徒や、推薦基準に届かなかった生徒も、一般受験で素晴らしい実績を残しています。難関大受験クラスの設置や、長期休暇中の100を超える講習、予備校と連携した専門講座など、手厚い受験サポート体制がその成果を支えています。

2024年度 主な大学合格実績

分類 大学名 合格者数
早稲田大学(推薦) 早稲田大学 106名
国公立大学 東京大学 1名
一橋大学 2名
大阪大学 1名
九州大学 4名
その他、北海道大学、筑波大学、神戸大学など 合計18名(現役8名)
難関私立大学 慶應義塾大学 2名
上智大学 4名
東京理科大学 3名
GMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政) 合計35名
関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館) 合計24名
医歯薬系 国公立・私立大学 医学部医学科 9名以上

(注)合格者数は既卒生を含みます。人数は大学公表のものを基にしています。

早稲田佐賀高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、早稲田佐賀高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 早稲田大学への太いパイプ

    卒業生の半数以上が進学できる、大規模な推薦制度が最大の魅力です。早稲田大学への進学を強く希望する生徒にとっては、最高の環境と言えるでしょう。

  • 附設寮「八太郎館」での人間的成長

    単なる宿舎ではなく、自立心や協調性、そして一生涯の友人を育む「もう一つの学び舎」です。規則正しい生活と学習習慣が自然と身につき、人間的に大きく成長できます。

  • 二兎を追える徹底した学習サポート

    「早稲田大学への推薦」と「難関国公立・医学部への一般受験」という二つの高い目標を、どちらも全力でサポートする手厚い体制が整っています。どんな夢にも挑戦できる環境です。

  • 世界を意識したグローバル教育

    オーストラリアやカナダなどへのターム留学や、多彩な海外研修プログラムを通じて、世界で活躍できる「地球市民」を育成します。生きた英語と異文化に触れる機会が豊富に用意されています。

  • 早稲田の「知」に触れる機会

    早稲田大学の授業をオンデマンドで受講できたり、各界の第一線で活躍する著名人を招いた「大隈記念講演会」が開催されたりと、高校にいながら大学レベルの知的好奇心を満たす機会に恵まれています。

  • 本気で「文武両道」を目指せる環境

    甲子園出場経験のある野球部をはじめ、全国レベルで活躍する部活動が多数あります。高い学業レベルを維持しながら、本気で部活動に打ち込める文化が根付いています。

早稲田佐賀高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生、保護者からのリアルな声を集めました。良い点と気になる点の両方を知ることで、より深く早稲田佐賀高等学校を理解できるはずです。

良い点

  • 先生方のサポートが手厚い

    「熱心で親身になって相談に乗ってくれる先生が多い」「放課後も質問に丁寧に対応してくれる」といった声が多数寄せられています。生徒一人ひとりの学習意欲を最大限に引き出す指導が評価されています。

  • 勉強に集中できる最高の環境

    「周りに遊ぶ場所がなく、勉強に集中するには最高の環境」「寮生活でスマホから離れる時間が増え、学習習慣がついた」など、誘惑の少ない環境が学力向上に繋がっているという意見が多いです。

  • 寮生活で得られる一生の仲間と自立心

    「親元を離れたことで自立できた」「苦楽を共にした寮の仲間は一生の宝物」という声が非常に多いです。共同生活を通して、学力だけでなく人間性も大きく成長できると感じる人が多いようです。

  • 高いレベルで切磋琢磨できる

    全国から集まった優秀な仲間たちと日々競い合う環境は、大きな刺激になります。「周りのレベルが高いので、自然と自分の目標も高くなる」といったポジティブな意見が見られます。

気になる点

  • 校則や寮のルールが厳しすぎる

    「スマホのルールが厳しすぎる」「寮生活は監視されているようで窮屈に感じる」など、規律を重んじる校風が合わないと感じる生徒もいるようです。「少年院のようだ」という厳しい意見も見られます。

  • 「青春」を謳歌したい人には不向き

    「勉強ばかりで、いわゆる『キラキラした高校生活』は送れない」「もっと自由に遊びたかった」という声もあります。学業に専念する環境であるため、リラックスした高校生活をイメージしているとギャップを感じるかもしれません。

  • 学費と寮費が高額

    私立高校であり、さらに寮費もかかるため、経済的な負担が大きいという点は多くの保護者が指摘しています。

  • 勉強のプレッシャーが非常に大きい

    常に高いレベルを求められるため、「課題やテストに追われて精神的にきつい」「早稲田の推薦をめぐる競争がストレス」といった声も聞かれます。強い精神力と自己管理能力が求められます。

アクセス・通学

早稲田佐賀高等学校へのアクセス方法と、生徒たちの通学スタイルについて説明します。

  • 最寄り駅:JR唐津駅

  • 駅からのアクセス:

    • 徒歩で約15分

    • スクールバスで約5分

生徒の多くは学校附設の寮「八太郎館」で生活していますが、自宅から通学する生徒もいます。通学生は主に唐津市内や佐賀県内からですが、福岡市内から毎日時間をかけて通学している生徒も少なくありません。博多駅や天神からは直通の高速バスも運行されており、福岡方面からのアクセスも比較的便利です。

早稲田佐賀高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとう。早稲田佐賀高等学校という高い目標に挑戦しようとしている君の熱意は、本当に素晴らしいものです。最後に、アドバイザーとして応援のメッセージを送ります。

早稲田佐賀高等学校は、「早稲田大学へ行きたい」という明確な目標がある人、そして「親元を離れてでも、自分を厳しい環境に置いて成長したい」と強く願う人に特におすすめの学校です。ここは、ただ学力を伸ばすだけの場所ではありません。寮生活や全国から集まる仲間との交流を通じて、自立心や多様な価値観を学び、人間として大きく成長できる舞台です。もし君が、 distractionsに流されず3年間ひたすら勉強に打ち込み、自分の限界に挑戦したいと考えているなら、早稲田佐賀は最高の環境を提供してくれるでしょう。

受験勉強では、5教科すべてで高いレベルが求められます。特に数学や理科では、単なる暗記ではなく、なぜそうなるのかを深く理解し、応用する力が試されます。公式サイトで公開されている過去問には必ず取り組み、時間配分を意識しながら何度も解いて、出題傾向に慣れておくことが合格への一番の近道です。大変な道のりだと思いますが、その先には、他では決して得られない充実した3年間と、素晴らしい仲間たちが待っています。君の挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。