横浜市立南高等学校は、横浜市が誇る屈指の進学校として、高い学力と豊かな人間性を育む教育で知られています。中高一貫教育校として、国際社会で活躍できるグローバル人材の育成を目標に掲げ、「自主自立」の精神を重んじる校風の中で、生徒一人ひとりが主体的に学び、成長できる環境が整っています。

勉強はもちろんのこと、生徒が主体となって創り上げる学校行事や部活動も非常に活発で、充実した高校生活を送りたいと考える中学生にとって、まさに理想的な場所と言えるでしょう。仲間と切磋琢磨しながら、学問にも青春にも全力で打ち込める日々が、この横浜市立南高等学校にはあります。

そして、2025年度の入学生、すなわち72期生となる皆さんにとって、これは特別な意味を持つ機会となります。なぜなら、横浜市立南高等学校が高校からの入学者を募集するのは、この年が最後となるからです。歴史ある「南高」の新たな一歩を刻む、最後の高校入学生として学校生活を送るという、またとないチャンスが目の前にあります。この記事で、その魅力の全てを詳しく見ていきましょう。

横浜市立南高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 横浜市立南高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒233-0011 横浜市港南区東永谷二丁目1-1
代表電話番号 045-822-1910
公式サイトのURL https://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/hs/minami/

横浜市立南高等学校の偏差値・難易度・併願校

横浜市立南高等学校を目指す上で、どのくらいの学力が必要になるのか、具体的な目標を立てるために見ていきましょう。

  • 普通科 偏差値: 62

この偏差値は、神奈川県内の公立高校の中でも上位に位置し、学力レベルの高い生徒たちが集まることを示しています。偏差値62は、おおよそ上位10%〜15%以内に入る学力が必要とされる水準です。横浜市立南高等学校に合格するためには、中学校の勉強をしっかり理解し、応用力まで身につけておく必要があります。

偏差値だけでなく、合格の目安となる内申点や入試当日の得点も重要です。神奈川県の公立高校入試では、中学2年生の成績と、中学3年生の成績を2倍したものの合計(135点満点)が内申点として評価されます。横浜市立南高等学校の合格者の平均的な内申点は、110〜115点あたりが目安となることが多いようです。これは、9教科の成績がおおむね「オール4」に加えて、主要教科を中心に「5」がいくつか必要になる計算です。

同じくらいの偏差値の高校としては、横浜市立金沢高等学校や横浜市立桜丘高等学校、横浜市立戸塚高等学校などが挙げられます。これらの学校も視野に入れながら、自分の学力や目指す学校の特色を比較検討すると良いでしょう。

神奈川県の公立高校入試では、原則として公立高校を複数併願することはできません。そのため、併願校としては私立高校を選ぶのが一般的です。横浜市立南高等学校を受験する生徒が多く併願する私立高校には、以下のような学校があります。

  • 山手学院高等学校

  • 桐光学園高等学校

  • 中央大学附属横浜高等学校

  • 横須賀学院高等学校

  • 横浜隼人高等学校

横浜市立南高等学校に設置されている学科・コース

横浜市立南高等学校には、以下の学科が設置されています。

  • 普通科

    • どんなことを学ぶ場所か:国公立大学や難関私立大学への進学を目指し、5教科を中心に幅広く、そして深く学ぶコースです。1・2年生では文系・理系に偏らずに基礎学力を徹底的に固め、3年生でそれぞれの進路希望に合わせて文系・理系に分かれ、専門性を高めていきます。

    • どんな生徒におすすめか:将来、大学で専門的な学問を究めたいと考えている人や、まだ特定の分野に絞りきれず、高校で学びながら自分の興味関心を見つけたい人におすすめです。

横浜市立南高等学校の特色・校風

横浜市立南高等学校の雰囲気は、「自主自立」「文武両道」「グローバル」といった言葉で表現されることが多いです。生徒の主体性を尊重する自由な校風の中で、落ち着いた学習環境が保たれています。

  • 宿題の量:進学校ということもあり、授業の進度は速く、日々の予習・復習が欠かせません。そのため、課題や宿題の量は多いと感じる生徒が多いようです。特に、中学からの内部進学生の学習ペースに追いつくため、高校からの入学生は入学当初、より一層の努力が求められる傾向があります。

  • 校則:校則は比較的緩やかで、生徒の自主性が重んじられています。「自由」であることには「責任」が伴うことを学ぶ良い機会にもなっています。

    • スマホの持ち込みは許可されていますが、授業中の使用などについてはルールが定められています。

    • 服装に関しても、制服の着こなしについて厳しく指導されることは少ないようです。

  • 生徒たちの雰囲気:真面目で知的好奇心が旺盛な生徒が多く、落ち着いた雰囲気です。いじめなどもほとんどなく、お互いを尊重し合う文化が根付いています。ただ勉強ができるだけでなく、コミュニケーション能力が高い生徒も多く、男女問わず仲が良いという声が聞かれます。

  • アルバイト:学校に届け出をすれば可能です。ただし、学業との両立が前提となります。

  • 制服の評判:男子は伝統的な黒の詰襟(学ラン)、女子はブレザーです。特にファッション性が高いという評判は少ないですが、清楚で品があると好意的に受け止められています。

  • 土曜授業:月に1〜2回程度、土曜日に授業が設定されています。多くは、後述する独自の探究学習プログラム「TRY & ACT」の時間に充てられています。

横浜市立南高等学校の部活動・イベント

部活動

横浜市立南高等学校では、9割以上の生徒が部活動に加入しており、勉強だけでなく部活動にも熱心に取り組む「文武両道」の精神が息づいています。運動部、文化部ともに種類が豊富で、中には中高合同で活動する部もあり、学年を超えた交流が盛んです。

特に、野球専用グラウンド、5面のオムニテニスコート、弓道場、本格的なトレーニングルームといった充実した施設は、運動部の活発な活動を支えています。サッカー部やバスケットボール部なども人気があります。

文化部では、学校にプラネタリウムが設置されていることから、天文部や地学部の活動が特色あるものになっている可能性があります。その他、音楽系の部活や文化系の部活も多岐にわたり、自分の興味に合わせて活動を選ぶことができます。

イベント

学校生活を彩るイベントは、南高の大きな魅力の一つです。生徒が主体となって企画・運営するため、毎年大変な盛り上がりを見せます。

  • 南高祭(文化祭・体育祭)

    南高最大のイベントが「南高祭」です。文化祭と体育祭が一体となった大規模なもので、企画から運営まで生徒会や実行委員が中心となって行います。文化祭では、各クラスが趣向を凝らした展示や発表を行い、3年生によるフードコートは名物となっています。体育祭は、中高合同で赤・青・黄の3色に分かれて競い合い、応援合戦は圧巻の一言です。学年を超えた団結力が生まれ、一生の思い出になること間違いありません。

  • 修学旅行

    2年生の秋には研修旅行が実施されます。近年の行き先は北海道で、豊かな自然や文化に触れながら、仲間との絆を深める貴重な機会となっています。

横浜市立南高等学校の進学実績

横浜市立南高等学校は、横浜市を代表する進学校として、毎年非常に高い大学進学実績を誇ります。卒業生のほとんどが大学進学を希望し、現役進学率も高い水準を維持しています。

以下は、2025年春の最新の主要大学合格実績です。

  • 国公立大学(合計77名)

    • 東京大学:3名

    • 京都大学:1名

    • 一橋大学:2名

    • 東京科学大学(旧 東京工業大学):8名

    • 北海道大学:4名

    • 東北大学:2名

    • 横浜国立大学:7名

    • 千葉大学:4名

    • 筑波大学:4名

      など、全国の難関国公立大学に多数の合格者を出しています。

  • 難関私立大学

    • 早稲田・慶應義塾・上智・東京理科大学:早稲田大学34名、慶應義塾大学27名、上智大学22名、東京理科大学41名など、最難関私立大学にも圧倒的な強さを見せています。

    • GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政):明治大学70名、立教大学31名、法政大学32名、青山学院大学25名、中央大学25名など、合計で190名以上の合格実績があります。

こうした輝かしい進学実績は、質の高い授業はもちろん、学校の手厚いサポート体制によって支えられています。国公立大学受験に対応したカリキュラムに加え、長期休暇中や土曜日を利用した進学補習や講習、計画的に実施される模擬試験とその解説会など、生徒一人ひとりの進路実現に向けた万全の体制が整えられています。

横浜市立南高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、横浜市立南高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • スーパーグローバルハイスクール(SGH)としての高度な国際教育

    文部科学省のSGHネットワーク参加校として、世界的な視野を持つリーダーの育成に力を入れています。海外の姉妹校との交流や、ニューヨークでの海外研修、大学や企業と連携したグローバルな課題に取り組むプログラムが多数用意されています。

  • 独自の探究学習プログラム「TRY & ACT」

    「総合的な探究の時間」に行われる課題解決型学習です。生徒はグループでSDGsなどの社会課題について研究し、外部の専門家から学びながら、探究力やプレゼンテーション能力を養います。これは、大学での学びや社会に出てからも役立つ実践的な力となります。

  • 全国が注目する独自の英語教育「ラウンド制」

    中学から導入されている「聞く」ことを重視したユニークな英語学習法です。文法や単語の暗記だけでなく、まず大量の英語を聞くことで、言語を自然に習得することを目指します。この教育法が、高い英語力の土台を築いています。

  • プラネタリウムもある大学レベルの充実した施設

    384席の多目的ホール「南高ホール」や、本格的なプラネタリウム、2つのアリーナ、広大なグラウンドなど、公立高校とは思えないほど施設が充実しています。また、各教科の先生の研究室の隣には自習スペース「教科センター」があり、気軽に質問できる環境が整っています。

  • 中高一貫校ならではの高い学習環境

    中学から内部進学してくる学力・意識ともに高い生徒たちと共に学ぶ環境は、大きな刺激となります。お互いに切磋琢磨することで、集団全体で学力を高めていく好循環が生まれています。

  • 生徒が創り上げる、圧倒的に盛り上がる学校行事

    南高祭に代表される学校行事は、生徒の自主性を最大限に尊重して行われます。企画から運営まで生徒が中心となることで、大きな達成感と仲間との強い絆を育むことができます。

横浜市立南高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からの声をまとめました。良い点と、入学前に知っておきたい気になる点の両方を見て、自分に合う学校か考えてみましょう。

  • 良い点

    • 「一生の友人に出会える」という声が非常に多いです。知的で思いやりのある生徒が多く、深い人間関係を築けるようです。

    • 「施設が綺麗で充実している」点も高く評価されています。学習にも部活動にも打ち込める環境が整っています。

    • 「校則が緩やかで自由な校風」も魅力の一つです。生徒が信頼されている証であり、自主性を伸ばすことができます。

    • 「周りの生徒の意識が高く、勉強に集中できる」という意見も多く、学習環境としては最適だと言えます。

    • 「南高祭などの行事が本当に楽しく、最高の思い出になる」と、学校行事の充実度を挙げる声も多数あります。

  • 気になる点

    • 「高校からの入学生(高入生)と中学からの内部進学生(内進生)の間に、最初は壁を感じることがある」という声があります。学力や友人関係の面で、高入生は積極的に行動することが求められるかもしれません。

    • かつての「お祭り学校」というイメージから、近年は「勉強学校」へとシフトしていると感じる卒業生もいるようです。学業への比重が大きくなっている点は認識しておくと良いでしょう。

    • 「課題が多く、授業のペースも速い」ため、自主的に学習する習慣がないとついていくのが大変かもしれません。

    • 「最寄り駅から学校まで坂道を15分ほど歩く」ため、毎日の通学が少し大変だと感じる人もいるようです。

アクセス・通学

横浜市立南高等学校へのアクセス方法です。複数の駅が利用可能ですが、いずれの駅からも少し歩きます。

  • 横浜市営地下鉄ブルーライン「上永谷駅」から徒歩約15分

  • 京急線・横浜市営地下鉄ブルーライン「上大岡駅」から

    • 徒歩約20分

    • 京急バス「南高校前」行きに乗車、終点「南高校前」下車、徒歩1分

  • 横浜市営地下鉄ブルーライン「港南中央駅」から徒歩約18分

通学エリアは横浜市全域となっており、市内各地から生徒が通学しています。特に、市営地下鉄ブルーラインや京急線を利用する生徒が多いようです。

横浜市立南高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

横浜市立南高等学校の魅力、伝わりましたか?最後に、進学アドバイザーとして皆さんへの応援メッセージを送ります。

横浜市立南高等学校は、高い目標を持ち、自ら考えて行動できる人、そして国際的な舞台で活躍したいという夢を持つ人に特におすすめの学校です。勉強も、行事も、部活も、すべてに本気で取り組みたいという意欲的な仲間たちがあなたを待っています。受験勉強では、まず5教科の基礎を徹底的に固めましょう。その上で、特に中学2年生からの内申点を一つでも高く取れるよう、日々の授業と定期テストを大切にしてください。

そして何より、皆さんが目指す72期生は、横浜市立南高等学校の歴史の中で「最後の高校入学生」という特別な存在になります。この一度きりのチャンスを掴み、素晴らしい仲間と共に、かけがえのない3年間を創り上げてみませんか。皆さんの挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。