沖縄本島の最北端、「やんばる」と呼ばれる世界自然遺産の豊かな自然に抱かれた場所に、沖縄県立辺土名高等学校はあります。 1945年に設立された歴史と伝統のある学校で、地域からは「辺高(へんこう)」の愛称で親しまれています。 少人数制のクラス編成で、先生と生徒の距離が近く、一人ひとりの個性を大切にしたアットホームな教育が魅力です。

辺土名高等学校の最大の特長は、なんといっても「やんばる」の自然を最大限に活かした教育です。 県内で唯一「自然環境科」が設置されており、カヌーでの川の探検や森林での動植物観察など、教室を飛び出して五感で学ぶ体験的な授業が豊富に用意されています。 普通科の生徒も、やんばるの自然や文化に触れる機会が多く、地域に根ざした学びを通して、広い視野と豊かな人間性を育むことができます。

この記事では、そんな魅力あふれる辺土名高等学校について、偏差値や気になる学校生活の様子、部活動、進路実績まで、受験生と保護者の皆さんが知りたい情報を詳しくご紹介します。自然が好きな人、少人数でのびのびと学びたい人、地域に貢献したいと考えている人にとって、辺土名高等学校は最高の3年間を約束してくれる場所かもしれません。

辺土名高等学校の基本情報

辺土名高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 沖縄県立辺土名高等学校
公立/私立 公立
共学/別学 男女共学
所在地 〒905-1304 沖縄県国頭郡大宜味村饒波2015番地
代表電話番号 0980-44-3103
公式サイトURL http://www.hentona-h.open.ed.jp/

辺土名高等学校の偏差値・難易度・併願校

辺土名高等学校の偏差値や難易度について解説します。

学科・コースごとの最新の偏差値は以下の通りです。

  • 普通科:38

  • 自然環境科:38

同じくらいの偏差値の他の高校としては、名護商工高等学校(総合ビジネス科、商業科など)や北部農林高等学校(熱帯農業科、生活科学科など)が挙げられます。合格に必要な内申点の目安は、80点前後と言われていますが、あくまで目安として考えてください。辺土名高等学校は、学力だけでなく、面接やプレゼンテーションを通じて、生徒の意欲や個性を多角的に評価する傾向があります。

沖縄県の公立高校入試制度では、原則として他の公立高校を併願することはできません。そのため、併願校としては私立高校を選択することになります。主な併願校としては、沖縄尚学高等学校や興南高等学校などが考えられますが、通学距離や各校の特色をよく調べて選ぶことが大切です。

辺土名高等学校に設置されている学科・コース

辺土名高等学校には、特色ある2つの学科が設置されています。

  • 普通科

    興味・関心や進路に応じた多様な選択科目が用意されており、少人数授業で確かな学力を身につけることができます。 自然環境科の科目を一部学ぶことも可能で、文系・理系を問わず、幅広い進路に対応できるカリキュラムが魅力です。

  • 自然環境科

    やんばるの豊かな自然をフィールドに、山・海・川とそこに生きる生物について体験的に学びます。 環境調査の基礎的な知識や技術を習得し、環境問題を深く理解したい、将来は自然に関わる仕事がしたいという生徒におすすめです。 この学科は沖縄県全域から生徒を募集しています。

辺土名高等学校の特色・校風

辺土名高等学校は、「文武両道」をモットーに、生徒一人ひとりがのびのびと学校生活を送っています。

  • 校風・雰囲気

    キーワードは「アットホーム」「自然豊か」「地域密着」です。全校生徒数が100名程度の小規模校ならではの、先生と生徒、生徒同士の距離の近さが最大の魅力です。 生徒は明るく素直な子が多いと言われており、まるで家族のような温かい雰囲気の中で学校生活を送ることができます。

  • 宿題・校則

    宿題の量は標準的ですが、探究活動やレポート作成など、自主的に学ぶ姿勢が求められる場面も多いようです。校則は、他の高校と比較して標準的か、やや緩やかという声が見られます。スマホの持ち込みは許可されていますが、授業中の使用など、ルールを守ることが求められます。服装に関する規定はありますが、頭髪などについては比較的自由なようです。

  • 生徒の様子・その他

    生徒たちは、やんばるの自然の中でのびのびと過ごしており、活発で好奇心旺盛な生徒が多い印象です。アルバイトは原則として許可制となっています。制服は、男子は学ラン、女子はセーラー服で、落ち着いたデザインが評判です。土曜授業は基本的にありません。

辺土名高等学校の部活動・イベント

部活動

辺土名高等学校は、部活動も盛んで、多くの生徒が参加し、文武両道を目指しています。

特に、ウエイトリフティング部やサイエンス部の活躍は県内外から注目を集めています。 ウエイトリフティング部は全国大会の常連であり、サイエンス部は、やんばるの自然をテーマにした研究で数々の賞を受賞しています。 また、豊かな自然環境を活かしたカヌー部もユニークな部活動の一つです。過去には、男子バスケットボール部が全国3位、放送部がNHK全国高校放送コンテストで優勝するなど、輝かしい実績を残しています。

イベント

辺土名高等学校では、生徒が主体となって企画・運営する学校行事が多く、学校全体で盛り上がります。

  • 辺高祭(文化祭)

    毎年10月頃に開催される辺高祭は、地域住民も訪れる一大イベントです。 各クラスや文化部による展示や発表、有志によるステージパフォーマンスなどが行われ、生徒たちの創造性や団結力が発揮されます。

  • PAHARAスポーツフェスタ(体育祭)

    4月に行われる体育祭は、学年やクラス対抗で様々な競技に熱戦を繰り広げます。 生徒たちのエネルギーが爆発する一日です。

  • 修学旅行

    平和学習や自然体験などを目的とした修学旅行が実施されます。行き先は年度によって異なりますが、仲間との絆を深める貴重な機会となっています。

その他にも、新入生を対象とした宿泊学習(自然環境科)や遠足、平和学習、総合的な探究の時間の全体発表会など、年間を通して多彩な行事が計画されています。

辺土名高等学校の進学実績

辺土名高等学校は、少人数教育の強みを活かし、生徒一人ひとりの進路希望に合わせた手厚いサポートを行っています。

近年の主な進学実績としては、琉球大学、名桜大学といった県内の国公立大学をはじめ、香川大学などの県外国公立大学への合格者も出ています。 私立大学では、沖縄国際大学、沖縄大学のほか、東海大学、東京農業大学などへ進学しています。

また、看護学校やリハビリテーション学院などの専門学校への進学や、ホテル業、建設業など地元企業への就職など、多様な進路を実現しています。 進学希望者に対しては、早朝や放課後、夏休みなどを利用した講座が開かれ、大学入学共通テスト対策や小論文指導、面接指導など、きめ細やかなサポート体制が整っています。

辺土名高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、辺土名高等学校ならではの魅力を5つのポイントにまとめました。

  • 世界自然遺産「やんばる」が学びのフィールド

    県内唯一の「自然環境科」を擁し、世界的に貴重な自然環境の中で、体験的な学習や研究活動ができます。 普通科の生徒も、地域の自然や文化に触れる機会が豊富にあります。

  • 家族のような温かい人間関係

    全校生徒100名程度の小規模校だからこそ実現できる、教員と生徒、生徒同士の密なコミュニケーションが魅力です。 一人ひとりが主役になれる環境があります。

  • 地域との強いつながり

    学校行事やボランティア活動などを通じて、国頭村、大宜味村、東村といった「やんばる」の地域社会と深く連携しています。 地域の人々に見守られながら成長できる環境です。

  • 全国レベルで活躍する部活動

    ウエイトリフティング部やサイエンス部など、全国的に注目される部活動があり、高いレベルで挑戦したい生徒をサポートします。

  • 充実した寄宿舎「北星寮」

    県内全域や県外からの生徒を受け入れるための寄宿舎が完備されています。 共同生活を通して、自立心や協調性を育むことができます。

辺土名高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、辺土名高等学校のどのような点が評価されているのでしょうか。

  • 良い点

    • 「先生方が親身になって進路相談に乗ってくれる」「先生と生徒の距離が近く、何でも相談しやすい」といった、手厚いサポート体制を評価する声が多く聞かれます。

    • 「少人数なので、クラスの団結力が強い」「生徒も先生もみんな家族みたいで楽しい」など、アットホームな学校の雰囲気が魅力だという意見が多数あります。

    • 「自然の中でしかできない貴重な体験ができる」「自分のやりたい研究に打ち込める」など、独自の教育環境に満足している声が目立ちます。

    • 「地域との交流が盛んで、学校全体が地域に支えられている感じがする」という口コミもありました。

  • 気になる点

    • 「交通の便があまり良くない」という意見は、特に遠方から通学する生徒から聞かれることがあります。

    • 「近くに遊ぶ場所やお店が少ない」といった、周辺環境に関する声もあります。

    • 小規模校であるため、「部活動の種類が限られる」「多様な価値観に触れる機会が少ないと感じることもある」といった意見も見られました。

アクセス・通学

辺土名高等学校へのアクセス情報です。

  • バスでのアクセス

    • 琉球バス交通・沖縄バス「辺土名高校前」バス停下車すぐ

    • 琉球バス交通・沖縄バス「饒波入口」バス停から徒歩約8分

沖縄本島北部の国頭村、大宜味村、東村を中心に、名護市などから通学している生徒が多いです。 また、自然環境科は全県から生徒を募集しており、寄宿舎を利用して遠方から通学する生徒もいます。

辺土名高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

辺土名高等学校を目指す皆さんへ、進学アドバイザーとしてメッセージを送ります。

辺土名高等学校は、「やんばるの自然が大好きだ!」「少人数の落ち着いた環境で、自分のペースでじっくり学びたい」「地域の人たちと交流しながら、学校生活を送りたい」と考えている君に、特におすすめの学校です。ここでは、教室での勉強だけでは得られない、たくさんの発見と感動が待っています。

受験勉強においては、基礎学力をしっかりと固めることが何よりも大切です。特に、辺土名高等学校が重視しているのは、知識の量だけでなく、「なぜそうなるのか?」を考える探究心や、自分の考えを表現する力です。日々の授業を大切にし、興味を持ったことは積極的に調べてみましょう。また、面接やプレゼンテーション選抜では、辺土名高校で何を学びたいのか、将来どんなことに挑戦したいのかを、自分の言葉で熱意をもって伝えることが合格への鍵となります。 やんばるの自然の中で、かけがえのない3年間を過ごしてみませんか。応援しています!


※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。