高校選びは、これからの3年間、そしてその先の未来を考える上でとても大切な一歩ですね。数ある学校の中から自分にぴったりの場所を見つけるために、今回は埼玉県さいたま市にある大規模な私立総合学園、浦和実業学園高等学校をご紹介します。近年、新校舎が次々と完成し、学習環境が大きくリニューアルされたことでも注目を集めています。
「浦実(うらじつ)」の愛称で親しまれるこの学校の最大の魅力は、その規模と多様性です。国公立大学や最難関私立大学を目指すコースから、専門的な資格取得を通じて社会で活躍する力を養うコースまで、一人ひとりの夢や目標に合わせた多彩な学びのステージが用意されています。建学の精神である「実学に勤め徳を養う」の言葉通り、実社会で役立つ知識や技術と、豊かな人間性を育むことを目指しています。
この記事では、浦和実業学園高等学校の偏差値やコースごとの特色はもちろん、部活動や学校行事、在校生たちのリアルな声まで、皆さんが本当に知りたい情報を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。この学校が持つたくさんの選択肢の中から、あなたの「やりたいこと」が見つかるかもしれません。ぜひ、最後まで読んで、あなたの高校選びの参考にしてください。
浦和実業学園高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 浦和実業学園高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 埼玉県さいたま市南区文蔵3-9-1 |
代表電話番号 | 048-861-6131 |
公式サイトURL | https://www.urajitsu.ed.jp/sh/ |
浦和実業学園高等学校の偏差値・難易度・併願校
浦和実業学園高等学校の難易度を理解する上で最も大切なのは、コースごとの偏差値と、埼玉県独自の「確約」というシステムです。自分の学力に合ったコースを見つけるための参考にしてください。
コースが細かく分かれているため、偏差値も幅広くなっています。以下は、各コースの偏差値の目安です。
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普通科 特進選抜コース:59~63
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普通科 特進コース:56~61
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普通科 選抜αコース:54~58
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普通科 選抜コース:51~56
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普通科 進学コース:48~54
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商業科 プログレスコース:46~50
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商業科 キャリアアップコース:46~50
埼玉県の私立高校受験では、夏以降に実施される「北辰テスト」の偏差値や中学校の通知表の成績(内申点)を基に、高校の先生と個別相談を行い、「確約」をもらうのが一般的です。確約とは、出願すれば合格を約束してもらえる内定のようなものです。浦和実業学園高等学校でもこの制度が採用されており、コースごとに基準が設けられています。
コース名 | 偏差値目安 | 確約基準の目安(北辰テスト2回平均・5教科) |
単願 | ||
特進選抜 | 59~63 | 61 |
特進 | 56~61 | 58 |
選抜α | 54~58 | 55 |
選抜 | 51~56 | 53 |
進学 | 48~54 | 51 |
プログレス | 46~50 | 47 |
キャリアアップ | 46~50 | 47 |
※上記はあくまで目安です。内申点での基準や、検定取得などによる加点制度もありますので、必ず学校説明会で最新の情報を確認してください。
注意点として、特に併願の場合、確約があっても入学試験当日の点数があまりに低いと不合格になる可能性がゼロではありません。特に、進学コースや商業科を併願で受験する場合は、最後まで気を抜かずに試験本番に臨むことが大切です。
併願校としては、多くの生徒が公立高校を第一志望としています。主な併願先の例は以下の通りです。
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主な公立併願校:浦和北、浦和東、大宮光陵、川口市立、南稜、与野、朝霞西など
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主な私立併願校:浦和学院、埼玉栄、武南、叡明など
浦和実業学園高等学校に設置されている学科・コース
浦和実業学園高等学校には、大きく分けて「普通科」と「商業科」の2つの学科があり、その中に生徒一人ひとりの進路目標に合わせて7つのコースが設置されています。この学校の大きな特長の一つに、入学後の成績や希望に応じてコースを変更できる柔軟性があります。例えば、「選抜αコース」から「特進部」へステップアップすることも可能です。
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普通科 特進部 特進選抜コース
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最難関の国公立大学や私立大学への現役合格を目指す、最もハイレベルなコース。少数精鋭で徹底的に学力を鍛えたい人におすすめです。
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普通科 特進部 特進コース
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国公立大学やGMARCHなどの難関私立大学を目指すコース。特進選抜コースと切磋琢磨しながら、高いレベルで学習したい人に適しています。
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普通科 選抜αコース
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GMARCHをはじめとする首都圏の主要私立大学を目指すコース。特進部へのステップアップも視野に入れながら、高い学習意欲を持って取り組みたい人におすすめです。
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普通科 選抜コース
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選抜αコースと同様に、首都圏の主要私立大学を目指します。大学入試に向けて、基礎から応用まで着実に学力を伸ばしたい人にぴったりです。
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普通科 進学コース
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幅広い四年制大学への進学を目指すコース。基礎学力をじっくり固め、学校推薦型選抜なども活用しながら、自分に合った大学を見つけたい人におすすめです。
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商業科 プログレスコース
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簿記などの高度な資格取得を武器に、大学の商学部や経済学部への進学を目指すコース。専門知識を学びながら大学受験を有利に進めたい人におすすめです。
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商業科 キャリアアップコース
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ビジネスや情報処理の知識・スキルを幅広く学び、大学・短大・専門学校への進学から就職まで、多様な進路に対応するコース。将来の選択肢を広く持っておきたい人に適しています。
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浦和実業学園高等学校の特色・校風
浦和実業学園高等学校の校風は、一言で表すのが難しいほど多様です。これは、全校生徒2000人を超える「マンモス校」であり、設置されているコースによって生徒の雰囲気や目指すものが大きく異なるためです。キーワードを挙げるとすれば、「大規模」「多様性」「文武両道」「実学志向」といった言葉が当てはまるでしょう。
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宿題の量
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コースによって大きく異なります。特進部では、難関大学合格を目指すため、日々の課題や小テストが多く、家庭学習の時間も長くなる傾向があります。一方、進学コースや商業科では、部活動などと両立しやすいように配慮されているようです。
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校則(スマホ、服装など)
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私立高校として標準的か、やや厳しいという声が多いようです。特に1年生のうちは厳しく指導される傾向があります。
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スマートフォン:校内への持ち込みは可能ですが、授業中の使用は禁止されており、電源を切ってカバンにしまうのがルールです。休み時間などに使用している生徒は多いようです。
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頭髪・服装:定期的に頭髪検査があります。染髪やパーマは禁止。女子は肩より長い髪は結ぶ、スカート丈は膝が基本とされています。男子も髪が目にかからないように指導されます。
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生徒たちの雰囲気
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明るく個性的な生徒が多く、友達は作りやすいという評判です。特進部など上位コースは落ち着いた雰囲気で、学校全体としては活気があるようです。ただし、人数が多い分、様々な生徒がいるため、クラスやコースによって雰囲気は異なります。
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アルバイト
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学校に申請し、許可を得れば可能です。
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制服の評判
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2021年にリニューアルされた制服は、生徒から非常に人気が高いです。チャコールグレーを基調としたブレザースタイルで、女子はエンジ色のチェック柄スカート(スラックスも選択可)とリボン(ネクタイも選択可)が可愛いと評判です。
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土曜授業
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第1・第3・第5土曜日は授業があります。第2・第4土曜日は休みです。
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近年、校舎が新しくなったことは、学校生活の快適さを大きく向上させています。2022年に2号館、2023年に1号館が完成し、最新のICT設備が整った理科実験室やPCルーム、開放的なカフェテリア(UJ Cafe)、約3万6千冊の蔵書を誇る図書館などが整備されました。この学習環境の充実は、古い施設が指摘されていたかつてのイメージを払拭する大きな魅力となっています。
浦和実業学園高等学校の部活動・イベント
部活動
浦和実業学園高等学校のスクールライフを語る上で欠かせないのが、非常に活発な部活動です。加入率は9割を超え、多くの生徒が勉強と両立しながら打ち込んでいます。全国レベルで活躍する強豪部から、ユニークな文化部まで、その選択肢の多さは県内でもトップクラスです。
運動部、文化部ともに非常に充実しており、50以上の部・同好会が活動しています。
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特に有名な部活動(運動部)
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男女ハンドボール部:全国大会の常連で、インターハイ出場など輝かしい実績を誇る学校の顔ともいえる部活です。
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硬式野球部:強豪として知られ、近年では秋季関東大会ベスト4、選抜高等学校野球大会(甲子園)ベスト4という目覚ましい成績を収めています。
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チアダンス部・ストリートダンス部:どちらも全国大会で優勝や上位入賞を果たすハイレベルな部活で、文化祭などでのパフォーマンスは圧巻です。
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空手道部:男女ともにインターハイや関東大会で活躍する強豪です。
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注目の部活動(文化部)
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生物部:ウズラやタコ、マダイなどを飼育・研究し、学会で発表するなど、高校の部活動の枠を超えた本格的な活動をしています。
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鉄道研究部:全国高等学校鉄道模型コンテストで奨励賞を受賞するなど、専門性の高い活動で知られています。
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競技かるた部:個人戦で全国レベルの大会で優勝者を出すなど、文化的ながらも熱い戦いを繰り広げています。
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箏曲部、中国語研究部、スポーツボランティア部など、珍しい部活動も多数あります。
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イベント
浦実での3年間を彩る学校行事も多彩です。クラスの仲間との絆を深めるイベントが数多く用意されています。
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浦実祭(文化祭・体育祭)
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9月に文化祭、10月に体育祭が開催されます。文化祭は、生徒数の多さから非常に活気があり、各クラスや部活動の出展はどこも大盛況です。特にダンス部や吹奏楽部、ギター部のステージ発表は多くの観客で盛り上がります。体育祭は、クラス対抗で競い合う伝統的なスポーツイベントです。
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ハワイ短期留学
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2年次に全員が参加する、この学校最大の特色ともいえる行事です。約2週間、ハワイ島ヒロ市にある提携カレッジで、英会話の授業や現地の人々との交流を体験します。単なる観光旅行ではなく、ドミトリーでの共同生活や自炊を通じて、自立心や協調性を養うことも目的としています。一生の思い出になるという声が多い一方で、プログラム内容については様々な意見もあるようです。
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その他の行事
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入学直後に行われる1年生のオリエンテーションキャンプ、芸術鑑賞会、校内弁論大会など、年間を通じて様々なイベントが計画されています。
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浦和実業学園高等学校の進学実績
浦和実業学園高等学校の進路実績は、7つのコースがそれぞれの目標を達成していることを示しています。特進部が難関大学への合格を牽引し、学校全体としては豊富な指定校推薦枠を活用して、多くの生徒が希望の進路を実現しています。
以下は、近年の主な大学合格実績(延べ人数)です。
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国公立大学
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例年、15名から25名程度の合格者を出しています。主な合格先として、九州大学、名古屋大学、千葉大学、埼玉大学、東京都立大学などが挙げられます。これらの実績は、主に特進部の生徒によるものです。
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難関私立大学
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早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学といった最難関私立大学グループには、合計で20名から30名程度の合格者を出しています。
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GMARCH(学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)には、合計で100名を超える多数の合格実績があります。
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その他の進路
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最も多くの生徒が進学するのは、日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)や大東亜帝国(大東文化大学、東海大学、亜細亜大学、帝京大学、国士舘大学)といった大学グループです。
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商業科では、地元企業との繋がりを活かした手厚い就職サポートも行われており、毎年安定した就職実績を上げています。
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これらの実績を支えているのが、手厚い進学サポート体制です。放課後や長期休暇中には、生徒のニーズに合わせた多彩な進学補習・講習が開講され、苦手克服や応用力養成を後押しします。
そして、この学校の進路における最大の強みの一つが、非常に豊富な「指定校推薦枠」です。多くの大学から推薦枠を得ており、例えば日東駒専レベルで38名、大東亜帝国レベルで74名、その他にも女子大学や理工系大学など、多数の枠があります。日々の授業に真面目に取り組み、一定の成績を収めることで、一般入試よりも負担の少ない形で大学進学を目指せるこの制度は、多くの生徒にとって大きな魅力となっています。
浦和実業学園高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、浦和実業学園高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。
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目標に合わせて選べる7つの多彩なコース制度
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最難関大学進学から専門資格の取得、就職まで、生徒一人ひとりの将来の夢に対応できる幅広いコース設定が最大の特長です。入学後も学力に応じてコース変更が可能で、常に自分に合った環境で学べます。
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2年次全員参加のハワイ短期留学
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全員参加の海外研修は、この学校ならではの特別な体験です。英語力だけでなく、異文化理解や自立心を育む貴重な機会となっています。
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新しくて快適な最新の校舎と設備
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2023年に完成したばかりの新校舎には、開放的なカフェテリアや充実した図書館、最先端の理科実験室などがあり、快適で質の高い学習環境が整っています。
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全国レベルからユニークな趣味まで揃う多彩な部活動
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50を超える部活動があり、全国大会を目指す強豪部から、自分の「好き」をとことん追求できる文化部まで、必ず打ち込めるものが見つかります。
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豊富な指定校推薦枠という強力な進路サポート
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多くの私立大学との間に築かれた信頼関係により、数多くの指定校推薦枠を確保しています。これは、安定して大学進学を目指す生徒にとって非常に有利な制度です。
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商業科ならではの実学教育とインターンシップ
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商業高校としてのルーツを活かし、簿記などの資格取得や、デパートなどでのインターンシップ(職業体験)といった、社会に直結する実践的な学びの機会が豊富にあります。
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浦和実業学園高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられる様々な声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。学校選びのリアルな参考情報としてください。
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良い点
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「新しい校舎が綺麗でカフェもおしゃれ。制服も可愛くなって学校に行くのが楽しい」という、近年のリニューアルを評価する声が非常に多いです。
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「生徒数が多いので、色々なタイプの人がいて、気の合う友達を見つけやすい」という意見も多く、学校生活の楽しさに繋がっているようです。
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「部活動がとても盛んで、本気で打ち込める環境があるのが良い」と、部活動の充実度を挙げる声が目立ちます。
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「進路相談で先生が親身になってくれた」「指定校推薦が充実していて助かった」など、進路サポートの手厚さを評価する声もあります。
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気になる点
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「先生によって授業の分かりやすさや熱意に差がある」「コースによって授業の雰囲気が全く違う」といった、教員の質や授業環境のばらつきを指摘する声があります。
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「課題が多い」「頭髪検査が厳しい」など、いわゆる「自称進学校」的な側面に窮屈さを感じる生徒もいるようです。
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「マンモス校なので、生徒のやる気の差が大きい。真面目に勉強したいのに、周りがうるさいことがある」という、大規模校ならではの悩みも聞かれます。
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「南浦和駅から10分以上歩くのが、特に夏や雨の日は大変」という、立地に関する意見もあります。
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「行事の運営や連絡事項の伝達が少し雑に感じることがある」といった、学校全体の管理体制についての指摘も見られます。
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アクセス・通学
浦和実業学園高等学校へのアクセス方法です。
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最寄り駅
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JR京浜東北線・武蔵野線「南浦和駅」
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駅からのアクセス
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「南浦和駅」西口から徒歩約12分です。
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通学エリア
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南浦和駅は複数路線が乗り入れるターミナル駅のため、さいたま市内、川口市、蕨市、戸田市といった近隣エリアはもちろん、武蔵野線を利用して越谷市方面や東京都内から通学する生徒もいます。
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自転車通学
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自転車での通学も可能ですが、登録が必要です。2024年度からはヘルメットの持参が義務化されています。
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浦和実業学園高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、浦和実業学園高等学校を目指す皆さんへメッセージを送ります。
浦和実業学園高等学校は、「高校で何をしたいか、まだ決めきれない」「たくさんの選択肢の中から自分に合うものを見つけたい」と考えている君に特におすすめの学校です。大規模校ならではの多様なコース、活気あふれる部活動、そして新しい施設。ここには、君が夢中になれる何かがきっと見つかるはずです。特に、学校の勉強を頑張って、指定校推薦で大学に進みたいと考えている人には、とても心強い味方になってくれるでしょう。
受験勉強でまず目指すべきは、自分が行きたいコースの「確約」基準をクリアすることです。夏休み以降の北辰テストで目標の偏差値を取れるように、苦手科目の克服に力を入れましょう。また、中学校の成績(内申点)も重要なので、定期テスト対策と提出物をしっかり行うことも忘れないでください。浦和実業学園高等学校は、未来に向かって頑張る君を温かく迎えてくれる学校です。自信を持って、挑戦してください。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。