獨協埼玉高等学校は、「自ら考え、判断し、行動することのできる若者を育てる」という教育理念を大切にしている学校です。高校選びは、これからの3年間を過ごす大切な場所を決める一大イベント。ただ勉強するだけでなく、自分自身がどう成長したいかを考えたとき、どんな環境が合っているのかを見極めることが重要になります。
この学校の最大の魅力は、県内でも有数の進学校でありながら、生徒がのびのびと過ごせる自由な雰囲気を持っている点です。勉強漬けの毎日ではなく、自主性を尊重する校風の中で、一人ひとりが持つ様々な可能性を引き出す教育を実践しています。そんな獨協埼玉高等学校だからこそ送れる、充実した学校生活があるのかもしれません。
では、実際の学校生活はどのようなものなのでしょうか。校則の厳しさや宿題の量、先輩たちの雰囲気、そして卒業後の進路はどうなっているのか。この記事では、皆さんが本当に知りたいと思っている情報を、一つひとつ丁寧に解き明かしていきます。一緒に、獨協埼玉の扉を開けてみましょう。
獨協埼玉高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校見学や資料請求の際に役立ててください。
項目 | 内容 |
正式名称 | 獨協埼玉高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 埼玉県越谷市恩間新田寺前316 |
代表電話番号 | 048-977-5441 |
公式サイトURL | https://www.dokkyo-saitama.ed.jp/ |
獨協埼玉高等学校の偏差値・難易度・併願校
高校選びで気になるのが、やはり偏差値や難易度ですよね。獨協埼玉高等学校の立ち位置を具体的に見ていきましょう。
学科は普通科のみですが、偏差値は複数の模試や調査機関によって異なる数値で示されることがあります。例えば、ある調査では68、埼玉県の受験生が多く利用する北辰テストを基準としたものでは64、また別の調査では55〜59というデータもあります。これは、模試を受ける受験者層が異なるためです。埼玉県の公立高校と併願を考えている場合は、北辰テストの偏差値である64あたりを一つの目安とすると良いでしょう。
合格に必要な内申点の目安については、学校から公表されていません。一般的に私立高校の推薦入試や併願優遇制度では、中学3年生の成績が重視されます。学校説明会などで個別に相談する機会があれば、最新の情報を確認することをおすすめします。
獨協埼玉を志望する生徒が、併願校として選ぶことが多い学校は以下の通りです。これらの学校のレベル感を知ることで、獨協埼玉の難易度をより具体的にイメージできるはずです。
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主な私立併願校:大宮開成高等学校、昌平高等学校、浦和実業学園高等学校、浦和学院高等学校、埼玉栄高等学校
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主な公立併願校:蕨高等学校、大宮光陵高等学校、浦和北高等学校、春日部高等学校(男子校)
獨協埼玉高等学校に設置されている学科・コース
獨協埼玉高等学校には普通科のみが設置されていますが、学年が上がるにつれて生徒一人ひとりの進路希望に合わせてコースが細分化されていくのが大きな特徴です。自分の目標に合わせて、学習内容を特化させていくことができます。
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高校1年生
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中学からの内部進学生と、高校から入学した外部進学生は別のクラスで学びます。内部進学生の中には、中学時代の成績上位者で構成される「特進クラス」が設けられますが、学習カリキュラム自体は他のクラスと同じです。まずは高校生活に慣れ、基礎学力を固める時期です。
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高校2年生
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内部進学生と外部進学生が混合のクラスとなり、文系・理系の2つのコースに分かれます。ここから、本格的に自分の興味や得意分野に基づいた学習が始まります。
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高校3年生
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最終学年では、より具体的な志望大学に合わせて5つの専門的なコースに分かれます。これにより、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨しながら、効率的に受験対策を進めることができます。
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文系Ⅰコース:国公立大学や早慶上智といった難関私立大学の文系学部を目指す生徒におすすめです。
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文系Ⅱコース:GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)をはじめとする私立大学の文系学部を第一志望とする生徒に最適です。
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理系Ⅰコース:国公立大学や早慶上智、そして医学部・歯学部・薬学部などを含む難関私立大学の理系学部を目指す生徒におすすめです。
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理系Ⅱコース:GMARCHや東京理科大学など、私立大学の理系学部を志望する生徒にぴったりのコースです。
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獨協コース:系列校である獨協大学への推薦進学を目指す、非常にユニークなコースです。一般的な受験勉強は行わず、大学での学問研究の基礎となる力を養います。16,000字以上の卒業論文執筆や年間30冊の読書が課されるなど、探究心旺盛な生徒におすすめです。
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獨協埼玉高等学校の特色・校風
獨協埼玉の雰囲気をつかむために、キーワードと具体的な口コミを見ていきましょう。
キーワード:自由、自主性の尊重、のびのび、文武両道
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宿題の量:他の進学校と比較して「少ない」という声が多いようです。その分、自分で計画を立てて勉強を進める自主性が求められます。
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校則:私立高校の中では「緩やか」という評判です。ただし、髪を染めることは厳しく指導されるなど、守るべきラインはしっかりと定められています。
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スマートフォンの扱い:持ち込みは許可されていますが、朝のホームルームで預け、帰りのホームルームで返却されるというルールのようです。校内での自由な使用はできませんが、緊急時の連絡手段として持てるのは安心ですね。
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生徒たちの雰囲気:「明るく活発」「誰とでも仲良くなれるフレンドリーな人が多い」といった声が目立ちます。一方で、自由な校風のため、勉強へのモチベーションが高い生徒とそうでない生徒の差が出やすいという意見もあります。どんな人でも居場所が見つかる学校、と言えるかもしれません。
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アルバイト:原則として禁止されているようです。
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制服の評判:特に女子生徒の制服が人気です。紺のブレザーを基本に、夏用(グレーのチェック)と冬用(緑のチェック)の替えスカートがあり、コーディネートを楽しめます。男子は伝統的な詰襟(学ラン)です。
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土曜授業:週6日制で、土曜日は午前中に授業があります。
獨協埼玉高等学校の部活動・イベント
勉強だけでなく、学校生活を彩る部活動やイベントも高校選びの重要なポイントです。
部活動
獨協埼玉では多くの生徒が部活動に加入しており(加入率は約9割との情報も)、文武両道が実践されています。運動部、文化部ともに種類が豊富で、自分に合った活動を見つけやすい環境です。
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特に有名な部活動:看板部活として人気が高いのがソングリーディング部です。全国大会に出場することもあるようで、学校を盛り上げる華やかな存在です。
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注目したい部活動:サイエンス部は、興味を持ったテーマを深く研究し、学会発表や論文作成まで行う本格的な活動をしています。大学での研究活動を先取りできるような貴重な経験ができそうです。また、珍しい部活動としてマウンテンバイク部があるという情報もあります。
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全体の様子:全体的にどの部活も熱心に活動していますが、特定の部活だけが突出して厳しいというよりは、勉強とのバランスを取りながら真面目に取り組む雰囲気のようです。
イベント
生徒が主体となって作り上げるイベントは、獨協埼玉の大きな魅力の一つです。仲間との絆が深まる、忘れられない思い出が作れます。
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体育祭(6月):クラスごとにデザインしたオリジナルのTシャツを着て競い合います。特に高校3年生は、Tシャツに加えて手作りの衣装をまとい、名物競技「ムカデリレー」に挑むのが伝統です。また、埼玉県内だけでなく東京や千葉など様々な地域から生徒が通っているため、出身地域別にチームを組む「地域対抗リレー」というユニークな種目もあり、大変盛り上がるそうです。
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蛙鳴祭(あめいさい・文化祭)(9月):生徒主体の実行委員会によって運営され、活気に満ちあふれています。一般公開日の夜には、生徒だけが参加できる「中夜祭」が開かれ、有志バンドやダンスチームのパフォーマンスで盛り上がります。また、3年生の「獨協コース」の生徒たちが古代ギリシャ劇を上演するのも、蛙鳴祭の伝統的な見どころの一つです。
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修学旅行(高校2年・12月):行き先は沖縄です。美しい自然や文化に触れるだけでなく、平和学習を通じて沖縄の歴史や現状について深く学ぶ機会も設けられており、単なる観光旅行ではない、学びの多い旅行となっています。
獨協埼玉高等学校の進学実績
卒業後の進路は、誰もが気になるところでしょう。獨協埼玉高等学校は、生徒一人ひとりの目標達成をサポートし、高い現役進学率を誇っています。
最新の2025年度の大学合格実績を見ると、その実力の高さがうかがえます。
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国公立大学:14名
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主な合格大学:東京科学大学、筑波大学、千葉大学、埼玉大学など
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難関私立大学:
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早慶上理(早稲田・慶應義塾・上智・東京理科):合計37名(うち早稲田大学13名、慶應義塾大学7名)
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GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政):合計128名(うち明治大学31名、法政大学27名)
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医学部医学科:4名
これらの実績から、国公立から最難関私立大学まで、幅広い大学に合格者を輩出していることがわかります。特にGMARCHへの合格者数が非常に多く、このレベルの大学を目指す生徒にとっては非常に心強い環境と言えるでしょう。
また、獨協学園の系列校であることの強みも大きいです。卒業生の約2割が、獨協大学や獨協医科大学への内部推薦制度を利用して進学しています。この推薦制度には、他大学との併願が可能なものもあり、安心して難関大学の一般入試にチャレンジできる「保険」のような役割も果たしています。進路指導においては、夏期や冬期の講習など、受験に向けたサポート体制も整っています。
獨協埼玉高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、獨協埼玉ならではの魅力を5つのポイントにまとめました。
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大学での学びを先取りする「獨協コース」
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受験勉強の代わりに16,000字以上の卒業論文を執筆。探究心や論理的思考力を養う、他では経験できない独自のプログラムです。
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生徒の自主性を信じる「大学のような」自由な校風
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校則や宿題で縛り付けるのではなく、生徒一人ひとりの自主性を尊重します。この環境が、大学や社会で必要とされる自己管理能力を育てます。
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GMARCHに強い進学実績と、安心の内部推薦制度
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難関私立大学への高い合格実績に加え、獨協大学・獨協医科大学への推薦という選択肢があることで、多様な進路希望に対応できます。
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生徒が主役の、熱くて楽しい学校行事
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体育祭の創作衣装や文化祭のギリシャ劇など、生徒たちのアイデアとエネルギーが爆発するユニークな行事が、最高の高校時代の思い出を作ります。
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「語学の獨協」の伝統を受け継ぐ英語教育
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創立以来の伝統である語学教育に力を入れており、ネイティブ教員とのコミュニケーションや国際交流の機会も豊富に用意されています。
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獨協埼玉高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生の「生の声」は、学校の本当の姿を知る上でとても参考になります。良い点と気になる点を公平に見てみましょう。
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良い点
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「自由な校風なので、自分で考えて行動する力が身についた」という声が非常に多いです。学校から信頼されていると感じられるようです。
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「先生との距離が近く、質問や相談に親身になってくれる」という意見も目立ちます。フレンドリーで話しやすい先生が多いようです。
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「行事が本当に楽しくて、クラスの団結力が強まる。最高の思い出ができた」と、学校行事を絶賛する声が多数あります。
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「制服が可愛い」「トイレが綺麗で施設が充実している」など、学習環境や設備に対する満足度も高いようです。
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気になる点
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「自由なのは良いが、裏を返せば放任主義とも言える。流されやすい人は勉強しなくなるかも」という注意を促す声もあります。自主性がなければ厳しい環境かもしれません。
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「先生によって授業の分かりやすさや熱心さに差がある『先生ガチャ』な部分がある」という意見も見られます。
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「駅から少し遠いのが難点」という声は少なくありません。毎日の通学なので、バスに乗るか20分歩くかを現実的に考える必要があります。
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これらの口コミから浮かび上がるのは、獨協埼玉が「自分次第で最高の3年間にできる学校」だということです。自主性を持って積極的に学校生活を楽しめる生徒にとっては素晴らしい環境ですが、手厚い管理や指導を求める生徒には、物足りなく感じられる側面もあるかもしれません。
アクセス・通学
獨協埼玉高等学校への通学方法と、どのあたりから生徒が通っているのかを見てみましょう。
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最寄り駅:東武スカイツリーライン「せんげん台」駅
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駅からのアクセス:
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バス:せんげん台駅西口から専用バスで約5分。朝の通学時間帯はひんぱんに運行しています。
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徒歩:駅から約20分。
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通学エリア:
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最寄り駅は越谷市ですが、生徒は埼玉県内だけでなく、東京都や千葉県など、かなり広い範囲から通学しています。
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主要駅からの「せんげん台」駅までの所要時間は、北千住駅や大宮駅から約25分、上野駅から約35分が目安です。このため、様々な路線から乗り換えて通学している生徒が多いのが特徴です。
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獨協埼玉高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。獨協埼玉高等学校が、皆さんの目にどのように映ったでしょうか。この学校は、ただ偏差値が高いだけでなく、生徒一人ひとりが主役になれる場所です。自由な校風の中で、勉強も、部活も、行事も、すべてに全力で打ち込みたい。そして、やらされるのではなく、自分で考えて行動する力を身につけたい。そんな風に考えている君に、獨協埼玉高等学校は最高の舞台を用意してくれるはずです。
受験勉強では、基礎を固めることはもちろん大切ですが、ぜひ「なぜそうなるのか?」という一歩踏み込んだ理解を心がけてみてください。獨協埼玉の入試問題には、単なる知識だけでなく、思考力を問う問題も含まれる傾向があります。それは、「自ら考える生徒」を求めている学校からのメッセージです。自分の力を信じて、頑張ってください。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。