「普通」の高校じゃ物足りない、もっと早く専門的なことを学びたい!そんな熱い想いを持つ君に、ぜひ知ってほしいのが群馬工業高等専門学校(通称:群馬高専)です。ここは、中学校を卒業した瞬間から、未来のエンジニアや研究者を目指す5年間の特別な学びが始まる場所。普通の高校生活とは一味も二味も違う、刺激的な毎日が君を待っています。
「高専って、どんなところ?」と疑問に思うかもしれません。高専は、高校と短大が一体となったような5年制の国立の学校で、特に群馬工業高等専門学校は、座学だけでなく「手を動かす」実験や実習を重視したカリキュラムが大きな魅力です。自分の興味がある分野にとことん没頭できる環境は、君の「好き」を「得意」に変え、やがては社会で活躍するための「本物の力」へと育ててくれるでしょう。
この記事では、そんな群馬高専の偏差値や難易度、学校生活のリアルな様子、そして卒業後の輝かしい進路まで、進学アドバイザーである私が、中学生の君と保護者の方に分かりやすく、そして詳しく解説していきます。この記事を読み終える頃には、群馬高専が君にとって「運命の学校」になるかもしれません。さあ、一緒に未来への扉を開けてみましょう。
群馬工業高等専門学校の基本情報
まずは、群馬工業高等専門学校の基本的な情報を確認しておきましょう。進路を考える上で大切な情報なので、しっかりチェックしてください。
項目 | 内容 |
正式名称 | 国立大学法人 群馬工業高等専門学校 |
公立/私立の別 | 国立 |
共学/別学 | 男女共学 |
所在地 | 〒371-8530 群馬県前橋市鳥羽町580 |
代表電話番号 | 027-254-9000 |
公式サイト | https://www.gunma-ct.ac.jp/ |
群馬工業高等専門学校の偏差値・難易度・併願校
群馬工業高等専門学校への進学を考える上で、最も気になるのが偏差値や難易度ですよね。ここでは、具体的な数字と、それがどのくらいのレベルなのかを詳しく解説します。
群馬高専の偏差値は、設置されている5つの学科すべてにおいて「67〜69」と、非常に高いレベルにあります。これは群馬県内の高校の中でもトップクラスであり、全国に約50校ある国立高専の中でも難関校の一つとして知られています。
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機械工学科:69
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電子メディア工学科:69
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電子情報工学科:69
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物質工学科:69
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環境都市工学科:69
この偏差値は、県内のトップ進学校である高崎高校や前橋高校に匹敵するレベルです。合格のためには、中学校の成績(内申点)も非常に重要になります。具体的な数字は公表されていませんが、主要5教科を中心に、ほとんどの教科で「5」に近い評価が求められると考えておくと良いでしょう。
特に注目すべきは、群馬工業高等専門学校の入試では「傾斜配点」が採用されている点です。これは、特定の教科の配点を高くする仕組みで、群馬高専では「数学・理科・英語」の3教科が重視されます。これは、将来エンジニアとして活躍するために不可欠な理数系の力と、国際的に活躍するための英語力を兼ね備えた生徒を求めているという学校からのメッセージです。受験勉強をする際は、この3教科に特に力を入れて対策することが合格への近道となります。
群馬高専は国立のため、群馬県の公立高校との併願もルール上は可能ですが、多くの受験生は、万が一に備えて私立高校を併願します。主な併願校としては、同じく理系に強いコースを持つ学校や、高いレベルの進学実績を持つ以下の私立高校が挙げられます。
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東京農業大学第二高等学校
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高崎健康福祉大学高崎高等学校
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前橋育英高等学校
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樹徳高等学校
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新島学園高等学校
群馬工業高等専門学校に設置されている学科・コース
群馬工業高等専門学校には、未来の産業を支える5つの専門学科が設置されています。どの学科も魅力的で、君の「好き」や「興味」に合った場所がきっと見つかるはずです。ここでは、各学科がどんなことを学び、どんな人におすすめなのかを簡潔に紹介します。
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機械工学科
ロボットや自動車、航空機など、動く「モノ」の仕組みを学び、設計・製作する技術を身につけます。機械いじりが好きで、未来の乗り物やロボットを作ってみたい人におすすめです。
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電子メディア工学科
スマートフォンやインターネット、エネルギー技術など、現代社会を支える情報通信やエレクトロニクスを幅広く学びます。私たちの生活を便利にする技術の裏側に興味がある人にぴったりです。
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電子情報工学科
コンピュータのハードウェアやソフトウェア、AI、ネットワーク技術などを専門的に学びます。将来、プログラマーやシステムエンジニアとして新しいサービスやアプリを開発したい人におすすめです。
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物質工学科
化学や生物の知識をベースに、新しい機能を持つ素材や医薬品などを生み出す「バイオ・化学技術」を学びます。実験が好きで、環境問題や医療に貢献したいと考えている人に向いています。
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環境都市工学科
自然環境と共存しながら、人々が安全で快適に暮らせる社会(街やインフラ)をデザインする技術を学びます。災害に強い街づくりや、地球環境の保全に貢献したいという大きな目標を持つ人におすすめです。
群馬工業高等専門学校の特色・校風
群馬工業高等専門学校の最大の特色は、その「自由と責任」を重んじる大学のような校風にあります。ここでは、中学生が本当に知りたい学校生活のリアルな部分を、口コミなどを基に詳しく紹介します。
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キーワードで見る校風
自由闊達、大学のような雰囲気、専門志向、自主自律
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宿題・勉強の量
宿題の量は学科や学年によりますが、全体的に「かなり多い」と感じる生徒が多いようです。特に専門科目が始まると、予習・復習やレポート課題に追われる日々になります。赤点の基準が一般の高校より厳しく、単位を落とすと「留年」する可能性があるため、日々の学習習慣と自己管理能力が強く求められます。この厳しさが、卒業後の高い専門性につながっています。
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校則(スマホ・服装など)
校則は「非常に緩やか」というのが、在校生や卒業生の一致した意見です。制服はなく、服装や髪型は基本的に自由。スマートフォンの持ち込みや校内での使用も、授業の妨げにならない限りは認められています。この自由な環境は、生徒一人ひとりの自主性を尊重し、大人として扱うという学校の方針の表れです。
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生徒たちの雰囲気
同じ「科学技術が好き」という共通の興味を持った仲間が集まるため、非常に落ち着いていて真面目な雰囲気です。いじめなどはほとんど聞かれず、お互いの個性を尊重し合える環境が整っているようです。休み時間には、専門的な話題で盛り上がることも珍しくありません。
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アルバイト
校則で禁止はされていませんが、学業が非常に忙しいため、アルバイトをしている生徒は少ないようです。長期休暇などを利用して短期のアルバイトをするケースはありますが、学業との両立は簡単ではないでしょう。
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制服の評判
前述の通り、群馬高専に制服はありません。私服での通学となるため、自分の好きなスタイルで学校生活を送ることができます。これも大学のような雰囲気を感じさせる大きな要素です。
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土曜授業
基本的に土曜授業はありません。ただし、学校行事や部活動の大会、特別な補習などが行われることはあります。
群馬工業高等専門学校の部活動・イベント
専門的な勉強が中心の群馬高専ですが、部活動や学校行事も活発で、充実したキャンパスライフを送ることができます。
部活動
群馬高専には体育系・文化系合わせて30以上のクラブや愛好会があり、多くの学生が学業と両立させながら活動を楽しんでいます。全体的に「趣味の延長で気軽に参加できる」雰囲気がある一方で、全国レベルで活躍する部も少なくありません。
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ロボット研究会
群馬高専の顔とも言える部活動です。毎年NHKで放送される「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(高専ロボコン)」の常連で、全国の強豪校と技術を競い合っています。授業で学んだ知識を活かして、仲間と協力しながら一つのロボットを作り上げる経験は、何物にも代えがたい財産になります。
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ユニークな技術系愛好会
「コンクリートカヌー愛好会」「エコノパワー愛好会」「構造デザイン研究会」など、普通の高校ではまず見られない、いかにも高専らしいユニークな愛好会が存在します。コンクリートでカヌーを作って速さを競ったり、手作りの車両で燃費の限界に挑戦したりと、ものづくりの楽しさを存分に味わえます。
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強豪の運動部
剣道部や硬式テニス部、陸上競技部などは、関東信越地区大会や全国高専体育大会で常に上位入賞を果たす強豪です。最新の人工芝テニスコートなど、施設も充実しています。
イベント
群馬高専のイベントは、一般的な高校とは少し異なり、専門性を活かしたユニークなものが多いのが特徴です。
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工華祭(こうかさい)
2年に1度、秋に開催される文化祭です。各学科の研究室や部活動が、日頃の研究成果を活かした展示やデモンストレーションを行います。ロボットの操縦体験や、化学実験ショーなど、来場者も楽しめる企画が満載で、地域でも評判のイベントです。
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体育祭・球技大会
工華祭のない年に体育祭が開催されます。また、毎年6月には学科対抗の球技大会があり、クラスの団結力を高める良い機会となっています。
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研修旅行・社会見学旅行
一般的な高校の修学旅行とは異なり、学年ごとに工場や研究所などを見学する「社会見学旅行」や「研修旅行」が実施されます。最先端の技術を目の当たりにすることで、将来へのモチベーションがさらに高まります。
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各種コンテスト
高専ロボコンの他にも、プログラミングの技術を競う「プログラミングコンテスト(プロコン)」や、建築やデザインのアイデアを競う「デザインコンペティション(デザコン)」など、全国の高専生が参加する知的な戦いの場が多く用意されています。
群馬工業高等専門学校の進学実績
群馬工業高等専門学校の最大の強みの一つが、その卓越した進学・就職実績です。5年間の学びを終えた後、卒業生たちは驚くほど多様で、かつ質の高い進路へと進んでいきます。卒業生の約7割が大学編入や専攻科進学を選び、約3割が就職するという比率は、他の高専と比較しても進学志向が非常に強いことを示しています。
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国公立大学への編入学
高専卒業生の多くは、4年制大学の3年次に編入学します。群馬高専の学生は、その高い専門知識が評価され、非常にレベルの高い大学への編入を成功させています。
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主な進学先(過去の実績を含む):東京大学、東京工業大学、東北大学、群馬大学、筑波大学、千葉大学、新潟大学、金沢大学、信州大学、長岡技術科学大学、豊橋技術科学大学など、多数の国公立大学。
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専攻科への進学
群馬高専内には、さらに2年間専門知識を深めるための「専攻科」が設置されています。専攻科を修了すると、4年制大学卒業と同等の「学士」の学位が取得でき、大学院への進学も可能になります。慣れ親しんだ環境で、より高度な研究に打ち込めるため、人気の高い進路です。
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就職
就職を希望する学生の就職率は、毎年ほぼ100%を誇ります。日本を代表する大手メーカーやIT企業から、引く手あまたの状況です。5年間で培った実践的な技術力と問題解決能力が、企業から高く評価されている証拠です。
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主な就職先(過去の実績を含む):SUBARU、JR東日本、NTT東日本グループ、信越化学工業、三菱電機、ソフトバンク、Amazon、太陽誘電、各市役所など。
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このような輝かしい進路実績は、5年間を通じた質の高い専門教育と、学生一人ひとりの努力の賜物と言えるでしょう。
群馬工業高等専門学校の特長・アピールポイント
他の高校や高専にはない、群馬工業高等専門学校ならではの強みやユニークな取り組みを7つのポイントにまとめました。
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1. 15歳から始まる5年一貫の早期専門教育
中学卒業後すぐに専門分野の学習をスタートできます。興味のある分野を5年間かけて深く探求できるため、同年代の学生に比べて圧倒的な知識と技術の「先行逃げ切り」が可能です。
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2. 「手を動かす」を重視した実践的カリキュラム
教科書だけの勉強ではなく、実験・実習・演習(卒業研究を含む)に多くの時間が割かれています。高専ロボコンに代表されるように、知識を実際に形にする経験を通して、本物の「技術力」が身につきます。
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3. 驚異的な大学編入・就職実績
卒業生の進路は、東京大学や東京工業大学といった最難関大学への編入から、日本を代表する大企業への就職まで、まさにエリート級。希望就職率はほぼ100%を誇り、将来の選択肢が大きく広がります。
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4. 世界水準の教育を保証する「JABEE認定」
群馬高専の専攻科教育プログラムは、大学の工学部などと同じく、技術者教育の国際的な品質基準である「JABEE」の認定を受けています。これは、教育の質が世界レベルであることを証明するものです。
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5. 自主性を育む大学のような自由な校風
制服なし、校則も緩やかという自由な環境が、生徒の自主性と自己管理能力を育みます。敷地内にある学生寮での生活も、早期の自立を促す貴重な経験となります。
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6. 女子学生への手厚い理系進路支援(リケジョ支援)
「テック・ウーマン・ディスカバリー」といった企画や、女性技術者が活躍する企業の見学ツアー、座談会などを積極的に開催。女子生徒が安心して理系の道に進めるよう、力強くサポートしています。
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7. 地域や世界とつながる多彩なプログラム
地域の小中学生に向けた出前授業や、海外の大学との語学研修プログラムなど、キャンパスを飛び出して社会や世界と触れ合う機会が豊富に用意されています。
群馬工業高等専門学校の口コミ・評判のまとめ
実際に通っている在校生や卒業生の声は、学校選びの貴重な情報源です。ここでは、様々な口コミを公平にまとめました。
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良い点
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「自由な校風が最高。服装も髪型も自由で、大学みたい。その分、自分で自分を管理する力がついた」という声が非常に多いです。
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「将来の選択肢がすごい。難関大学への編入も、有名企業への就職も目指せるのが高専の強みだと思う」
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「専門的なことが好きな仲間ばかりなので、話が合うし、いじめもない。落ち着いた環境で勉強に集中できる」
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「実験設備や図書館などが充実している。専門的なことを学ぶには最高の環境」
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「先生方はその分野の専門家なので、授業が深くて面白い。質問にも丁寧に答えてくれる」
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気になる点
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「勉強は本当に大変。特に試験前は徹夜も覚悟。簡単に単位は取れないので、留年する人も毎年いる」という厳しい現実を指摘する声も。
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「最寄り駅から遠いのが最大のネック。徒歩だと30分以上かかるので、バスか自転車、原付が必須。寮に入る人も多い」
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「文化祭が2年に1回だったり、一般的な高校に比べるとイベントは少ないかもしれない」
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「入学時に学科を選ぶので、後から分野を変えるのは難しい。最初の学科選びがとても重要になる」
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アクセス・通学
群馬工業高等専門学校へのアクセスは、事前にしっかり確認しておくことが大切です。最寄り駅からは少し距離があるため、通学方法を具体的にイメージしておきましょう。
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JR新前橋駅より(約3km)
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徒歩で約30〜40分
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タクシーで約10分
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JR井野駅より(約3km)
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市内循環バス「ぐるりん」大八木線・中尾先回りに乗車し、「群馬高専前」で下車(約20分)
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JR高崎駅より(約8km)
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西口9番のりばより、市内循環バス「ぐるりん」大八木線・中尾先回りに乗車し、「群馬高専前」で下車(約35〜45分)
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前橋市や高崎市を中心に、群馬県内全域から生徒が通学しています。しかし、公共交通機関でのアクセスは少し不便な面もあるため、自転車や原付(許可制)で通学する生徒や、学校の敷地内にある学生寮に入って通学時間をなくし、勉強や研究に集中する生徒も多くいます。
群馬工業高等専門学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとう。最後に、進学アドバイザーとして、群馬工業高等専門学校を目指す君にエールを送ります。
群馬高専は、「好き」を究めたいという強い探究心と、自ら学ぶ力を持った君にこそ、ぴったりの学校です。誰かに言われて勉強するのではなく、自分の知的好奇心に従って、未来を創る技術者への道を突き進みたい。そんな君を、群馬工業高等専門学校は待っています。受験勉強で特に力を入れてほしいのは、傾斜配点が採用されている「数学」「理科」「英語」の3教科です。この3つの力をしっかり伸ばすことが、合格への一番の近道になります。
5年間の道のりは決して平坦ではないかもしれません。しかし、同じ夢を持つ最高の仲間たちと共に、専門知識をとことん学び、社会を動かす大きな力を手に入れることができる、最高の場所です。君の挑戦を心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。