埼玉県立越谷南高等学校、通称「越南(こしなん)」は、勉強にも部活動にも全力で打ち込みたいと考える中学生にとって、非常に魅力的な選択肢の一つです。JR武蔵野線「越谷レイクタウン」駅の目の前という抜群の立地にありながら、活気と規律が共存する独特の雰囲気を持っています。この学校の最大の魅力は、単に大学進学を目指すだけでなく、高校三年間を通じて人間的に大きく成長できる環境が整っている点にあります。
学校が掲げる「文武両道」という言葉は、越南では単なるスローガンではありません。95%以上の生徒が部活動に所属し、全国大会や関東大会レベルで活躍する部も少なくありません。その一方で、質の高い授業や手厚い進路サポートにより、多くの生徒が希望の大学へと進学しています。この両立は決して簡単ではありませんが、越谷南高等学校には、生徒たちが目標に向かって努力し続けられる仕組みと、それを支える熱心な先生方がいます。
皆さんは、どのような高校生活を送りたいですか?仲間と一つの目標に向かって熱くなる三年間、自分の可能性を信じて学業に励む三年間、あるいはその両方を全力で楽しむ三年間でしょうか。この記事では、越谷南高校が持つ独自の魅力と、在校生や卒業生たちのリアルな声を交えながら、偏差値から学校生活の隅々までを詳しく解説していきます。皆さんの高校選びの旅が、実りあるものになるよう、心を込めてご案内します。
越谷南高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 埼玉県立越谷南高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒343-0828 埼玉県越谷市レイクタウン7-9 |
代表電話番号 | 048-988-5161 |
公式サイトURL | https://koshigayaminami-h.spec.ed.jp/ |
越谷南高等学校の偏差値・難易度・併願校
高校選びで最も気になるのが、やはり偏差値と難易度でしょう。ここでは、具体的な数字と併せて、合格に必要な力の目安を分かりやすく解説します。
偏差値
越谷南高等学校の学科ごとの最新の偏差値の目安は以下の通りです。複数の情報源がありますが、おおむねこの範囲に収まっています。
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普通科: 61
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外国語科: 57-59
この偏差値は、埼玉県内の公立高校の中でも上位に位置し、しっかりとした学力が求められることを示しています。
難易度のイメージ
偏差値61がどのくらいのレベルなのか、具体的な指標で見てみましょう。
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同じくらいの偏差値の他の高校
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伊奈学園総合高等学校
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川越南高等学校
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所沢高等学校
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さいたま市立浦和南高等学校(偏差値62で少し上)
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合格に必要な内申点の目安
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合格者の平均的な内申点は、1年生で35、2年生で36、3年生で37-38程度と言われています。これは、通知表の9教科の評価で「オール4に5がいくつかある」状態を目指すレベルです。
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越谷南高校の入試では、第2次選抜において学力検査の点数と調査書(内申点)の比率が500:500と、内申点が非常に重視されるのが特徴です。つまり、中学1、2年生のころからコツコツと定期テストで良い成績を収めておくことが、合格への大きな鍵となります。当日の試験一発逆転が難しい配点のため、日々の学習への真摯な取り組みが評価される学校と言えるでしょう。
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合格に必要な当日点の目安
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入試当日の学力検査では、500点満点中349点前後が合格の一つの目安となります。これは、5教科平均で約70点を取る計算です。
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また、普通科は例年1.4倍を超える高い倍率で推移しており、人気の高さがうかがえます。
主な併願校
埼玉県の公立高校が第一志望の場合、併願校は私立高校を選ぶのが一般的です。越谷南高校を受験する生徒が多く選ぶ併願先としては、以下のような高校が挙げられます。
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叡明高等学校
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浦和学院高等学校
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浦和実業学園高等学校
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春日部共栄高等学校
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獨協埼玉高等学校
越谷南高等学校に設置されている学科・コース
越谷南高等学校には、それぞれ特色の異なる2つの学科が設置されています。自分の興味や将来の目標に合わせて選ぶことができます。
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普通科
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どんなことを学ぶ場所か:幅広い大学受験に対応できる、バランスの取れたカリキュラムで学びます。2年生からは文系・理系に分かれ、それぞれの進路希望に合わせた専門的な学習を深めていきます。
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どんな生徒におすすめか:まだ将来の夢が具体的に決まっていない人や、国公立大学や難関私立大学の理系・文系学部など、幅広い選択肢の中から進路を考えたい人におすすめです。
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外国語科
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どんなことを学ぶ場所か:英語を中心に、国際理解に関する専門的な学習に特化した学科です。普通科の1.5倍以上の外国語の授業時間があり、少人数での授業が展開されます。ALTの先生との授業も多く、第二外国語(ドイツ語、フランス語、中国語など)も選択できます。
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どんな生徒におすすめか:語学が大好きで、異文化に強い関心がある人に最適です。将来、国際的な舞台で活躍したい、語学力を活かした仕事に就きたいと考えている人におすすめです。
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外国語科の存在は、学校全体の国際的な雰囲気を高める効果ももたらしています。例えば、希望者対象のオーストラリア海外研修は普通科の生徒も参加可能であり、質の高いALTの先生方の存在は全校生徒にとって良い刺激となっています。
越谷南高等学校の特色・校風
学校選びでは、偏差値だけでなく、その学校が持つ「空気感」も非常に大切です。ここでは、越南のリアルな学校生活について、口コミなどを基に詳しく見ていきましょう。
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校風を表すキーワード:文武両道、活気がある、真面目、メリハリ
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宿題の量は多いか少ないか
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授業の進度は速いと感じる生徒が多く、それに伴い宿題も定期的に出されるようです。特に数学では、授業で終わらなかった問題がそのまま宿題になることもあり、日々の予習・復習が欠かせない雰囲気です。
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校則は厳しいか緩やかか
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これは意見が分かれる点ですが、「厳しい」という声が非常に多いのが特徴です。特に服装や頭髪に関する規定は細かく定められています。
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スマホ:授業中の使用は禁止されているなど、一般的な高校と同様のルールのようです。
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服装:スカート丈や靴下の色、男子のズボンの着こなし方まで細かく指導されることがあります。頭髪についても、染髪やパーマはもちろん禁止で、男子は髪の長さもチェックされるようです。
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この厳しさは、学校が掲げる「文武両道」を高いレベルで実現するための戦略とも考えられます。1000人以上の生徒が勉強と多忙な部活動を両立させるためには、生活の乱れにつながる要素を極力排し、生徒が学業と部活動に集中できる環境を維持するための規律が必要だという学校側の考えが背景にあるのかもしれません。窮屈に感じる生徒がいる一方で、この規律があるからこそ安心して学校生活が送れるという声もあります。
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生徒たちの雰囲気
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「根は真面目」「優しくて明るい人が多い」という評判が大多数です。活発でエネルギッシュな生徒が多いですが、常識をわきまえており、いじめなどもほとんど聞かれません。勉強する時はする、楽しむ時は楽しむ、というメリハリのついた生徒が多いようです。
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アルバイトは可能か
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学校の許可を得れば可能ですが、学業成績や出席状況が良好であることが条件となるのが一般的です。
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制服の評判はどうか
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世界的デザイナーである森英恵さんがデザインした制服は、生徒からの人気が非常に高いです。特に、女子の夏服であるオリーブグリーンのセーラー服は個性的でおしゃれだと評判です。男子の学ランも伝統的なスタイルで、全体的に品のあるデザインです。
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土曜授業はあるか
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進学に力を入れているため、模試や補習などで土曜日に登校する機会はあるようです。
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越谷南高等学校の部活動・イベント
部活動
「文武両道」を掲げる越谷南高校の心臓部とも言えるのが、部活動です。1年生は全員加入が原則で、加入率は95%を超え、多くの生徒が3年間活動を継続しています。運動部17、文化部16と多彩な選択肢があり、活気に満ち溢れています。
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特に実績豊富な部活動
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陸上競技部:全国大会出場の常連で、学校を代表する強豪部です。
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書道部:こちらも全国高等学校総合文化祭に出場する実力派。文化祭での書道パフォーマンスは圧巻の一言です。
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ハンドボール部(男女):男女ともに県内トップレベルの実力を誇り、関東大会への出場経験も豊富です。
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バドミントン部:厳しい練習で知られ、インターハイや関東大会への出場実績を持つ強豪です。
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吹奏楽部:コンクールで西関東大会金賞を受賞するなど高い演奏技術を誇り、地域のイベントにも積極的に参加しています。
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新聞部:全国レベルでの活躍実績があります。
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珍しい部活動・注目の部活動
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チアダンス部:野球応援や学校行事を華やかに盛り上げる、人気の部活動です。
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アニメーション研究部:アニメやゲームが好きな生徒が集まり、文化祭に向けてイラスト制作などを行っています。和気あいあいとした雰囲気が魅力です。
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インターアクト部:ALTの先生と一緒に、英語でのディスカッションやプレゼンテーション、異文化交流などを行うユニークな部です。
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イベント
越南の学校行事は、生徒が主体となって作り上げるものが多く、非常に盛り上がります。これらの行事は、学校が教育目標として掲げる「知・徳・体」を実践する場でもあります。
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南高祭(文化祭):地域でも評判の、越南最大のイベントです。各クラスが趣向を凝らした展示や出し物、文化部の質の高い発表、活気あふれる中庭ステージなど、見どころが満載です。生徒が中心となって運営するため、クラスや学校全体の一体感が非常に高まります。
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体育祭:クラスごとに作成したオリジナルのチーム旗のもと、熱い戦いが繰り広げられます。応援にも熱が入り、学校中が一体となる一日です。
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長距離大会:越南の伝統行事として有名な、心身を鍛えるイベントです。江戸川の河川敷を男子は約20km、女子は約14km走ります(距離は年度により変動の可能性あり)。長い距離を走り切った後の達成感は格別で、まさに「体」と、やり遂げる強い意志という「徳」を育む行事と言えるでしょう。
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修学旅行:2年生で実施されます。近年は広島・大阪方面などを訪れており、平和学習や文化体験など、学びと楽しみが詰まった思い出深い旅行となります。
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オーストラリア海外研修:夏休みに約2週間、希望者の中から選抜された生徒が参加できるプログラムです。語学力の向上はもちろん、異文化に触れる貴重な体験ができます。
越谷南高等学校の進学実績
「文武両道」の「文」の部分である大学進学。越谷南高等学校の生徒たちが、どのような進路を選んでいるのか、最新のデータで見ていきましょう。
卒業生のほとんどが4年制大学への進学を希望し、進路決定率は95%を超えています。一部のオンラインの口コミでは「自称進学校」といった厳しい意見も見られますが、実際のデータを見ると、特にGMARCHをはじめとする首都圏の難関私立大学への進学に非常に強いことが分かります。これは、学校の指導方針が、多くの生徒をこれらの大学群へ合格させることに非常に効果的である証拠です。
最新の大学進学実績(2025年春の実績)
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国公立大学:12名
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主な合格大学:埼玉県立大学 4名、秋田県立大学 1名、高崎経済大学 1名など
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難関私立大学
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早稲田・慶應・上智・東京理科大:合計11名(早稲田大 3名、慶應義塾大 2名、東京理科大 6名)
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GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政):合計74名(立教大 22名、法政大 21名、明治大 14名、学習院大 10名など)
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その他、進学者が多い大学
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東洋大学 87名、獨協大学 53名、日本大学 52名、文教大学 48名など、多くの生徒が有名私立大学に合格しています。
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専門学校・就職など
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専門学校へは医療・看護系、就職では公務員を目指す生徒が多い傾向があります。
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進学実績を支える取り組み
こうした高い進学実績は、学校の手厚いサポート体制によって支えられています。年間を通じて放課後や長期休業中に多くの進学補習や講習が開かれています。部活動で忙しい生徒のために、朝の時間帯に補習を行ってくれる先生もいるなど、生徒一人ひとりの状況に合わせた柔軟な対応が魅力です。また、全生徒がChromebookを所有し、「スタディサプリ」などのICT教材も導入することで、効率的な自学自習を支援しています。
越谷南高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、越谷南高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを7つのポイントにまとめました。
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抜群のアクセスと現代的な環境
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JR武蔵野線「越谷レイクタウン」駅から徒歩わずか3〜5分という、県内でもトップクラスの駅近な立地です。通学の負担が少なく、勉強や部活動に使える時間が増えるのは大きなメリットです。
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本格的な外国語教育と国際交流
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専門的なカリキュラムを持つ外国語科の設置や、全生徒が参加可能なオーストラリア海外研修など、グローバルな視野を育む機会が豊富に用意されています。
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「文武両道」を本気で追求する活気ある校風
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95%以上の生徒が部活動に熱中し、全国・関東レベルで活躍する部も多数あります。学校全体がエネルギッシュな雰囲気に包まれており、何事にも全力で取り組む姿勢が身につきます。
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ICTを活用した先進的な授業
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全生徒がChromebookを活用し、授業や家庭学習でICTを積極的に取り入れています。これにより、主体的で協働的な学びや、効率的な自学自習が可能になっています。
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地域で評判の盛り上がる学校行事
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生徒が主体となって作り上げる「南高祭」は、多くの来場者で賑わう名物イベントです。また、心身を鍛える伝統の「長距離大会」など、越南ならではの行事が強い絆と忘れられない思い出を作ります。
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生徒に人気のスタイリッシュな制服
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世界的デザイナー・森英恵氏による制服は、特に女子のオリーブグリーンの夏服が個性的でおしゃれだと評判です。制服が学校への愛着や誇りにつながっています。
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生徒一人ひとりに向き合う手厚い進路サポート
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熱心な先生方が、生徒の進路実現のために親身になって相談に乗ってくれます。豊富な補習や講習、充実した進路室の資料など、大学受験を乗り越えるためのサポート体制が万全です。
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越谷南高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられるリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。学校選びは、良い面だけでなく、自分に合わない可能性のある面も知っておくことが大切です。
良い点
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友人関係が良く、毎日が楽しい
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「優しくて真面目な人が多い」「すぐに仲良くなれる」という声が多数あります。部活動や学校行事を通して、一生付き合えるような大切な仲間に出会えたという卒業生も多いようです。
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先生のサポートが手厚い
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勉強で分からないことがあれば丁寧に教えてくれ、進路相談にも親身に乗ってくれると、先生方の熱心さを評価する声が目立ちます。生徒と先生の距離が近いと感じる人が多いようです。
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行事が最高に盛り上がる
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「文化祭や体育祭が本当に楽しい」「クラスの団結力が強まる」など、学校行事への満足度は非常に高いです。生徒主体の運営が、楽しさを倍増させているようです。
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文武両道で人間的に成長できる
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勉強と部活の両立は大変ですが、その経験を通して時間管理能力や忍耐力が身につき、社会に出てから役立ったと感じる卒業生が多くいます。
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駅が近くてとにかく便利
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越谷レイクタウン駅から徒歩すぐという立地は、ほぼ全ての生徒が高く評価しているポイントです。
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気になる点
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校則が厳しい
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最も多く聞かれる不満点です。「頭髪や服装のルールが厳しすぎる」「時代に合っていない」と感じる生徒が一定数います。自由な校風を求める人には、少し窮屈に感じられるかもしれません。
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施設が少し古い
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トイレなど一部は改修されていますが、校舎全体としては年季が入っているという意見があります。
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授業のペースが速い
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部活動との両立を目指す中で、授業の進度が速く、ついていくのが大変だと感じる生徒もいるようです。日々の予習・復習が欠かせません。
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これらの口コミを見ると、ポジティブな評価とネガティブな評価は、実は表裏一体であることがわかります。例えば、「手厚いサポート」や「規律ある環境で成長できる」という長所は、「厳しい校則」や「管理的な側面」という短所とつながっています。つまり、越谷南高校が自分に合うかどうかは、こうした学校の特性をポジティブに捉えられるかどうかにかかっていると言えるでしょう。
アクセス・通学
毎日のことだからこそ、通学のしやすさは重要なポイントです。
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最寄り駅とアクセス
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JR武蔵野線 「越谷レイクタウン」駅 南口から徒歩3〜5分。
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駅の改札を出てすぐ学校が見えるほどの近さで、雨の日なども非常に便利です。
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主な通学エリア
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越谷市内はもちろん、JR武蔵野線沿線の吉川市、三郷市、草加市や、さいたま市方面から通学している生徒が多いです。以前は南越谷駅などから自転車で通う生徒も多かったようですが、越谷レイクタウン駅の開業により、電車通学が主流となっています。
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越谷南高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。最後に、進学アドバイザーとして、越谷南高等学校を目指す皆さんへ応援メッセージを送ります。
越谷南高等学校は、「高校では勉強だけでなく、部活動や行事にも全力で打ち込みたい!」というエネルギッシュな人に特におすすめの学校です。仲間と切磋琢磨しながら、高いレベルで文武両道を実現したいと考える君には、最高の環境が待っているでしょう。ただし、その道は決して楽ではありません。だからこそ、そこで得られる達成感や友情は、一生の宝物になるはずです。
受験勉強では、当日の学力検査の対策はもちろんですが、中学3年間の「内申点」を絶対に軽視しないでください。越南の入試では、皆さんが中学生活をいかに真面目に、コツコツと頑張ってきたかが問われます。苦手科目をなくし、全教科で安定して良い成績を収めることを意識しましょう。もし興味が湧いたら、ぜひ一度学校説明会に足を運んで、越南の活気ある空気を肌で感じてみてください。皆さんの挑戦を心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。