石川県立金沢辰巳丘高等学校は、金沢市の南東に広がる緑豊かな丘陵地に佇む、個性と才能を伸ばせる学校です。 1986年に開校して以来、「自主・自律」の精神を重んじ、生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出す教育を実践してきました。 普通科の中に、幅広い進路に対応する「普通コース」と、県内の公立高校で唯一となる「芸術コース」が設置されているのが、金沢辰巳丘高等学校の大きな特長です。

普通コースでは、基礎学力の定着を大切にしながら、2年生からはそれぞれの興味や進路希望に応じて多彩な選択科目が用意されており、自分の未来をじっくりと描くことができます。 一方、芸術コースには音楽と美術の専攻があり、専門的な知識と技術を深く学べる環境が整っています。 校内に足を踏み入れると、生徒が制作した絵画や彫刻が飾られ、音楽棟からは美しい音色が聞こえてくる、まさに芸術と自然にあふれた金沢辰巳丘高等学校ならではの雰囲気が感じられます。

この記事では、そんな金沢辰巳丘高等学校の偏差値や気になる口コミ、学校生活の様子などを、進学アドバイザーの視点から詳しく、そして分かりやすく解説していきます。あなたの高校選びの参考に、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

金沢辰巳丘高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 石川県立金沢辰巳丘高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒920-1397 石川県金沢市末町ニ18番地
代表電話番号 076-229-2552
公式サイト https://cms1.ishikawa-c.ed.jp/tatsuh/

金沢辰巳丘高等学校の偏差値・難易度・併願校

金沢辰巳丘高等学校を目指す上で気になる偏差値や難易度について見ていきましょう。

学科・コースごとの偏差値の目安は以下の通りです。

  • 普通科(普通コース・芸術コース):41〜43

この偏差値は、石川県内の中堅レベルに位置します。同じくらいの偏差値の高校としては、小松商業高等学校や大聖寺実業高等学校、七尾東雲高等学校などが挙げられます。 合格に必要な内申点の目安としては、中学校での成績が5段階評価で平均3程度あると安心できるラインと言えるでしょう。ただし、芸術コースの場合は、学力試験に加えてデッサンや音楽の実技試験も重要になりますので、専門的な対策が必要です。

石川県の公立高校入試では、基本的に1つの高校しか受験できません。そのため、金沢辰巳丘高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、遊学館高等学校や金沢高等学校、星稜高等学校などが多くの受験生に選ばれているようです。自分の学力や将来の希望に合わせて、慎重に併願校を検討することが大切です。

金沢辰巳丘高等学校に設置されている学科・コース

金沢辰巳丘高等学校には、普通科の中に「普通コース」と「芸術コース」の2つのコースが設置されています。 それぞれのコースで、どんなことが学べるのか見ていきましょう。

  • 普通コース

    • どんなことを学ぶ場所か:1年次で基礎学力を固め、2年次からは文系・理系の選択に加え、興味や進路希望に応じた多様な選択科目で学習を深めます。国公私立大学や短期大学、専門学校、就職まで幅広い進路に対応できるカリキュラムが魅力です。

    • どんな生徒におすすめか:自分の興味や関心をじっくり見つけたい人、文武両道を目指して部活動にも力を入れたい人、多様な進路の中から自分に合った道を選びたい人におすすめです。

  • 芸術コース

    • どんなことを学ぶ場所か:音楽専攻と美術専攻に分かれ、専門的な知識と技術を学びます。国内外の芸術家による指導や鑑賞会など、感性を磨く機会が豊富に用意されています。

    • どんな生徒におすすめか:将来、音楽や美術の分野で活躍したいという夢を持っている人、専門的な環境で自分の才能を伸ばしたい人に最適です。

金沢辰巳丘高等学校の特色・校風

金沢辰巳丘高等学校は、「自主・自律」を建学の精神に掲げ、生徒の個性を尊重する自由な校風が特徴です。 県内唯一の芸術コースがあることから、学校全体が創造的で落ち着いた雰囲気に包まれています。

中学生が気になる学校生活のリアルなポイントを、口コミなどを基にまとめました。

  • 宿題の量:他の進学校と比較すると、量は標準的かやや少なめという声が多いようです。ただし、芸術コースでは専門的な課題が出されるため、計画的に取り組む必要があります。

  • 校則:比較的緩やかで、生徒の自主性が重んじられているようです。スマートフォンの持ち込みは可能ですが、授業中の使用は禁止されています。服装に関しても、制服の着こなしについて厳しく指導されることは少ないという意見が見られます。

  • 生徒たちの雰囲気:普通コースと芸術コースの生徒が互いに良い刺激を与え合っており、全体的に穏やかで真面目な生徒が多いようです。自分の好きなことや目標に向かって努力する生徒を応援する雰囲気があります。

  • アルバイト:原則として禁止されていますが、家庭の事情など特別な理由がある場合は、許可を得て行うことが可能です。

  • 制服の評判:男子は黒の学ラン、女子は紺色のブレザーとスカートで、伝統的で落ち着いたデザインが特徴です。特に大きな変更はなく、昔ながらのスタイルが受け継がれています。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。

金沢辰巳丘高等学校の部活動・イベント

部活動

金沢辰巳丘高等学校は、運動部12、文化部15と部活動が非常に盛んで、多くの生徒が参加しています。 特に、全国レベルで活躍する部や、ユニークな部活動があるのが魅力です。

  • 放送部:全国大会の常連であり、アナウンスや番組制作など様々な部門で高い実績を誇ります。表現力やコミュニケーション能力を磨きたい生徒に人気です。

  • ライフル射撃部:県内でも珍しい部活動で、集中力と精神力を鍛えることができます。全国大会にも出場しており、初心者からでも始められるのが特徴です。

  • 合唱部:各種コンクールで優秀な成績を収めており、美しいハーモニーを追求しています。

  • 美術部・書道部:芸術コースの生徒だけでなく、普通コースの生徒も多く所属し、全国高等学校総合文化祭などに出品しています。

運動部では陸上競技部やバドミントン部、バスケットボール部などが活発に活動しており、文化部では茶道部やJRC部など、多彩な選択肢があります。

イベント

学校生活を彩るイベントも、金沢辰巳丘高等学校の大きな魅力の一つです。

  • 辰巳祭(文化祭):毎年夏に開催される最大のイベントです。 クラスごとの展示やステージ発表、有志によるパフォーマンスなどで大変盛り上がります。特に芸術コースの生徒による作品展示やコンサートは圧巻です。

  • 体育祭:クラス対抗で様々な競技に熱中し、学年を超えて団結力を深めます。

  • 修学旅行:最近では北海道を訪れ、ノーザンホースパークでの体験や旭山動物園の見学など、自然や文化に触れるプログラムが組まれています。

  • 芸術鑑賞:年に数回、音楽や演劇、古典芸能など、一流の芸術に触れる機会が設けられています。

金沢辰巳丘高等学校の進学実績

金沢辰巳丘高等学校は、生徒一人ひとりの進路希望に合わせた手厚いサポートで、多様な進学実績を上げています。

国公立大学では、地元の金沢大学や富山大学をはじめ、芸術コースの生徒を中心に金沢美術工芸大学や愛知県立芸術大学、東京藝術大学といった難関芸術大学への合格者を輩出しています。

私立大学では、金沢工業大学、金沢星稜大学、金城大学などの地元私立大学への進学者が多いほか、関東や関西の有名私立大学にも合格者を出しています。 また、音楽大学や美術大学、各種専門学校への進学、そして公務員や一般企業への就職など、生徒の進路は多岐にわたります。

進学実績を支える取り組みとして、放課後や長期休暇中の補習や講習が充実しており、基礎学力の定着から応用力の育成まで、個々のレベルに合わせた指導が行われています。また、卒業生を招いて進路について語る会なども開催され、生徒のキャリア意識を高める機会となっています。

金沢辰巳丘高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、金沢辰巳丘高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 県内公立で唯一の「芸術コース」:音楽・美術の専門的な教育を受けられる恵まれた環境は、最大の特長です。

  • 自然と芸術に囲まれた美しいキャンパス:校内の至る所に生徒の作品が飾られ、オランダ製のカリヨン(鐘)が美しい音色を響かせるなど、感性を刺激する環境が整っています。

  • 作家・五木寛之氏作詞の「学生歌」:一般的な校歌はなく、生徒たちが愛唱する2曲の「学生歌」があります。

  • 主体性を育む探究活動「辰巳探究」:生徒が自ら課題を設定し、調査・研究を行う探究活動に力を入れており、プレゼンテーション能力や問題解決能力を養います。

  • 地域との交流活動:敷地内にあるリンゴ並木の収穫祭や、文化祭(辰巳祭)などを通じて、地域住民との交流が盛んです。

  • 充実した芸術関連施設:音楽棟にはレッスン室、美術棟にはデッサン室や彫刻室など、専門的な学習に対応した施設が充実しています。

  • 国際交流の機会:中国語の授業を選択できるなど、国際理解教育にも力を入れています。

金沢辰巳丘高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からの声をまとめると、金沢辰巳丘高等学校の魅力と、少し気になる点が見えてきます。

  • 良い点:

    • 「自分のペースで勉強できる自由な校風が良い」

    • 「芸術コースがあり、専門的なことを学びたい人には最高の環境」

    • 「先生方が親身に進路相談に乗ってくれる」

    • 「辰巳祭などの行事がとても楽しく、クラスの団結力が深まる」

    • 「穏やかで優しい生徒が多く、いじめなどの話は聞かない」

  • 気になる点:

    • 「金沢市の中心部から離れた丘の上にあるため、交通の便が少し悪い」

    • 「坂道が多く、冬の通学が大変」

    • 「校舎や体育館などの施設が少し古いと感じる部分がある」

    • 「大学進学を目指すなら、塾や予備校に通う必要があるかもしれない」

アクセス・通学

金沢辰巳丘高等学校は金沢市の南東部の丘陵地に位置しており、主な通学手段はバスになります。

  • 最寄りバス停とアクセス:

    • 北陸鉄道バス「辰巳丘高校」バス停下車、徒歩約1分

    • 北陸鉄道バス「永安町」バス停下車、徒歩約5〜7分

JR金沢駅からは「辰巳丘高校」行きのバスが出ており、所要時間は約25〜30分です。 また、野々市方面や鶴来方面からもバス路線があります。 金沢市内を中心に、白山市、野々市市、かほく市など、比較的広いエリアから生徒が通学しているようです。

金沢辰巳丘高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

金沢辰巳丘高等学校を目指す皆さん、こんにちは!進学アドバイザーとして、最後に応援メッセージを送ります。

この学校は、何よりも「自分の好き」を大切にしたい、穏やかな環境で高校生活を送りたい、という人に心からおすすめできる学校です。特に、音楽や美術の道に進みたいと考えている人にとっては、夢への第一歩を踏み出すための最高の舞台が用意されています。普通コースを考えている人も、芸術に触れる機会が多いこの金沢辰巳丘高等学校で過ごす3年間は、きっとあなたの感性を豊かにしてくれるでしょう。

受験勉強においては、まず中学校の授業内容を完璧に理解し、基礎を固めることが最も重要です。特に、苦手科目をなくすように意識してください。芸術コースを志望する人は、学力試験の対策と並行して、デッサンや楽器の練習など、実技の準備を計画的に進めましょう。体験入学やデッサン講習会などには積極的に参加し、学校の雰囲気を肌で感じてみてください。 金沢辰巳丘高等学校で、あなたらしい花を咲かせることを応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。