青翔開智高等学校は、ただ勉強を教わるだけの場所ではありません。ここは、自分だけの「なぜ?」を見つけ、その答えを探す冒険に出るための特別なステージです。学校の教育の中心にあるのは「探究」という学びのスタイル。仲間と協力し、時にはぶつかり合いながら、社会が抱えるリアルな問題に挑んでいく中で、本物の思考力と表現力が育まれていきます。
これからの時代に本当に必要な力とは何か、その答えを学校全体で追求しているのが青翔開智高等学校です。先生方は生徒一人ひとりの挑戦を全力で応援し、生徒たちは互いに刺激し合いながら成長していきます。ここには、やらされる勉強ではなく、自ら学びたくなるワクワクするような毎日が待っています。
この記事では、そんな青翔開智高等学校がどんな学校なのか、中学生の皆さんや保護者の方々が知りたい情報を、進学アドバイザーの視点から分かりやすく、そして詳しくお伝えしていきます。未来の自分の可能性を広げるための、新しい高校選びの参考にしてください。
青翔開智高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 青翔開智高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 鳥取県鳥取市国府町新通り3丁目301番地2 |
代表電話番号 | 0857-30-5541 |
公式サイト | https://seishokaichi.jp/ |
青翔開智高等学校の偏差値・難易度・併願校
青翔開智高等学校への合格を目指す上で、どのくらいの学力が必要なのか、具体的なデータと共に見ていきましょう。
偏差値と難易度の目安
青翔開智高等学校の偏差値は、普通科でおおよそ61〜62とされています。この数値は鳥取県内の高校の中でもトップクラスに位置しており、高い学力が求められることは間違いありません。
ただ、偏差値の数字だけで難易度を判断するのは少し早計です。この学校の本当の難しさは、単に知識を暗記しているかどうかではなく、「物事を深く考える力」や「自分の考えを表現する力」が問われる点にあります。実際、入学試験では英語のリスニングテストが含まれるなど、実践的な能力が試されます。合格者の学力検査の平均点は7割弱というデータもあり、各科目で7割以上の得点を目指すことが一つの目安になるでしょう。
一方で、入試の競争倍率は例年1.1倍から1.2倍程度で推移しており、極端に高いわけではありません。これは、青翔開智高等学校が求める生徒像が明確であるため、自分に合っていると感じた生徒がしっかりと準備をして受験に臨んでいる結果とも言えます。つまり、学校の教育方針をよく理解し、それに合わせた対策をすれば、合格のチャンスは十分にあるということです。
同じくらいの偏差値の高校
鳥取県内で青翔開智高等学校と同じくらいの偏差値を持つ学校としては、以下のような高校が挙げられます。これらの学校と比較することで、青翔開智の学力的なポジションがよりイメージしやすくなるでしょう。
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鳥取西高等学校(普通科):偏差値 約63〜65
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倉吉東高等学校(普通科):偏差値 約62
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米子東高等学校(普通科):偏差値 約65〜67
主な併願校
青翔開智高等学校は私立高校のため、多くの受験生が公立高校と併願します。特に、県内のトップレベルの公立高校を目指す生徒が、挑戦校や併願校として選択するケースが多いようです。
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主な併願先(公立):鳥取西高等学校、米子東高等学校
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主な併願先(私立):鳥取敬愛高等学校(特別進学コース)、鳥取城北高等学校(志学コース)、米子北斗高等学校などが考えられます。
青翔開智高等学校に設置されている学科・コース
青翔開智高等学校には、他の多くの高校のように「特進コース」や「国際コース」といった区分けはありません。設置されているのは一つの学科のみです。
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普通科
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この学校では、すべての生徒が同じカリキュラムの土台の上で学びます。その最大の特徴は、学校の教育の核となっている独自の学習プログラムにあります。コース分けがない代わりに、全員が「探究」という学びを通じて、自分の興味や進路に合わせた専門性を深めていきます。
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学校の学びを特徴づけるプログラム
学科は一つですが、青翔開智高等学校の教育は以下のユニークなプログラムによって成り立っています。
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探究学習
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学校の教育理念そのものである、課題解決型学習です。社会のリアルな問題(例えば、地域の企業が抱える課題解決や人口減少問題など)をテーマに、チームで調査、分析、議論を重ね、解決策をプレゼンテーションします。学年が上がると個人研究へと発展し、最終的には論文としてまとめ上げます。自分の「好き」や「知りたい」を学問に繋げたい生徒に最適です。
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STEAM、共生と飛躍
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高校1年生で全員が履修する新しい科目です。科学・技術・工学・芸術・数学を融合させた「STEAM」と、他者との協働を学ぶ「共生と飛躍」を通じて、複雑な問題を多角的に捉える力を養います。文系・理系の枠にとらわれず、物事を柔軟に考えたい生徒におすすめです。
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青翔開智高等学校の特色・校風
学校選びでは、偏差値や進学実績だけでなく、学校全体の雰囲気、つまり「校風」が自分に合うかどうかがとても大切です。ここでは、青翔開智での高校生活がどのようなものか、キーワードと口コミを基に詳しく見ていきましょう。
キーワード:探究中心、生徒主体、少人数教育、自由と責任、グローバル、ICT先進校
リアルな学校生活の姿
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宿題の量は?
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いわゆる「ドリル」や「問題集」のような宿題は少ない傾向にあるようです。その代わり、「探究」の授業に関連した調査やレポート、プレゼンテーションの準備など、自分で計画を立てて進める必要のある課題が多くなります。コツコツ型の勉強よりも、プロジェクト型の学習が得意な人に向いていると言えるでしょう。
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校則は厳しい?緩やか?
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校則は比較的自由で、生徒の自主性を尊重する雰囲気があるようです。服装や頭髪に関する厳しい規則よりも、生徒一人ひとりがTPOをわきまえて行動することが求められます。スマホの校内での使用など、細かいルールについては学校説明会などで確認が必要ですが、全体的には「信頼」をベースにした自由な校風と捉えて良いでしょう。
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生徒たちの雰囲気は?
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1学年が40名程度と少人数なため、生徒同士の仲が非常に良く、アットホームな雰囲気です。お互いの個性や「挑戦したい」という気持ちを尊重し、応援し合う文化が根付いています。グループでの話し合いや発表の機会が多いため、活発でコミュニケーション能力の高い生徒が多いようです。
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アルバイトはできる?
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アルバイトに関する明確な情報はありませんが、探究学習などの課題に多くの時間が必要となるため、学業との両立は簡単ではないかもしれません。原則として許可が必要な場合が多いので、希望する場合は学校に確認しましょう。
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制服の評判は?
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制服はありますが、特に女子生徒からは「セーラー服の胸元が冬は少し寒い」「生地の肌触りが気になる」といった、実用面での意見が聞かれることがあります。デザインの好みは人それぞれですが、こういったリアルな声も参考にすると良いでしょう。
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土曜授業はある?
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平日の授業は、曜日によって6時間または7時間で構成されています。平常授業としての土曜授業は基本的にないようですが、行事や模試、特別な講座などが土曜日に行われる可能性はあります。
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青翔開智高等学校の部活動・イベント
勉強だけでなく、高校生活を彩る部活動やイベントも気になりますよね。青翔開智の課外活動は、学校の教育方針と深く結びついているのが特徴です。
部活動
青翔開智高等学校では、勉強や探究活動に主軸を置いているため、部活動は「全国大会を目指して猛練習!」という雰囲気とは少し異なります。運動部、文化部ともに活動していますが、生徒の自主性を重んじ、楽しみながら取り組むスタイルが中心のようです。
部活動への加入は必須ではなく、活動も週3日程度の部が多いとの声もあります。そのため、探究活動や課外活動、自分の興味がある分野の学習など、部活動以外の時間も有効に使いたい生徒にとっては、バランスの取りやすい環境と言えるでしょう。どのような部活動があるか、最新の情報は学校の公式サイトや説明会で確認することをおすすめします。
イベント
青翔開智のイベントは、一般的な高校の文化祭や体育祭とは一味違います。学びの延長線上にある、知的でユニークな行事がたくさん用意されています。
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Idea Camp(高1)
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入学してすぐに行われる合宿で、仲間とのチームビルディングや、探究学習の基礎となるアイデア発想の方法を学びます。
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プログラミングキャンプ(高1)
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これからの社会で必須となるテクノロジーのスキルを、集中的に学ぶキャンプです。
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Study Camp(高2・高3)
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大学受験を控えた生徒たちのための勉強合宿。集中して学力を高める機会です。
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青開学会(せいかいがっかい)
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青翔開智の年間イベントの中で、最も象徴的なのがこの「青開学会」です。これは、生徒たちが1年間かけて取り組んできた「探究」の成果を発表する場。学術発表会のような雰囲気で、生徒たちは自分の研究について、ポスターセッションやプレゼンテーションを行います。保護者や地域の人々も参加し、学校全体が知的な熱気に包まれます。
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グローバルキャリア講演会・留学カフェ
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世界を舞台に活躍する社会人や、海外の大学に通う卒業生を招いて話を聞く機会が頻繁に設けられています。自分の将来を具体的に考える上で、非常に貴重な刺激を得られるイベントです。
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青翔開智高等学校の進学実績
青翔開智高等学校は、そのユニークな教育内容が、確かな大学進学実績に結びついています。少人数ながらも、驚くほど質の高い結果を出しているのが大きな特徴です。
最新の大学合格実績(2024年度入試など)
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国公立大学
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最難関大学である東京大学をはじめ、筑波大学、神戸大学、岡山大学、広島大学など、全国の主要な国公立大学に合格者を輩出しています。特筆すべきは、鳥取大学や香川大学の医学部医学科といった、最難関の医学部にも合格者を出している点です。
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難関私立大学
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早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、国際基督教大学(ICU)といった首都圏の最難関私立大学や、同志社大学、立命館大学、関西学院大学などの関西の難関私立大学にも、多数の合格実績があります。
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海外大学
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この学校の進学実績で特に注目すべきは、海外大学への進学者が毎年出ていることです。アメリカ、カナダ、ベルギー、韓国など、世界各国の大学へ生徒たちが羽ばたいています。これは、学校のグローバルな教育と手厚いサポートの賜物です。
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進学実績を支える取り組み
青翔開智の優れた進学実績は、単に生徒の学力が高いからだけではありません。その背景には、「探究」を軸とした戦略的な進路指導があります。
公式データによると、大学合格者のうち実に71%が、「探究」での学びを活かした総合型選抜や学校推薦型選抜で合格を勝ち取っています。高校3年間かけて一つのテーマを深く掘り下げ、論文にまで仕上げる経験は、大学側が求める「主体性」「思考力」「表現力」を証明する最強の武器になります。面接や志望理由書で語れる自分だけのストーリーを持っていることが、他の受験生との大きな差別化に繋がるのです。
また、年3回の三者面談や、最新の入試情報を共有する進路研究会、海外大学進学希望者へのIELTS対策や出願サポートなど、一人ひとりの進路希望に合わせたきめ細やかな支援体制が整っています。
青翔開智高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、青翔開智高等学校ならではの魅力や強みを、5つのポイントに絞ってご紹介します。
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「探究」を軸とした課題解決型学習
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学校の教育そのものです。教科書の知識を覚えるだけでなく、社会のリアルな課題に挑む中で「本物の学ぶ力」を身につけます。この経験が、大学入試はもちろん、その先の人生でも大きな力となります。
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圧倒的な少人数教育と手厚いサポート
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教員一人あたりの生徒数は約9人。先生との距離が非常に近く、どんな小さな疑問や相談にも親身に乗ってもらえます。生徒一人ひとりの挑戦を、学校全体で応援してくれる温かい環境です。
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海外大学も視野に入れたグローバルな進路指導
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毎年、海外の有名大学へ進学者を輩出している実績は、県内でも際立っています。専門のサポート体制が整っており、世界を舞台に活躍したいという夢を現実的な目標に変えることができます。
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最新のICT環境とモダンな学習空間
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生徒一人1台のiPad、全館Wi-Fiを完備。図書館やラウンジなど、校内の至る所がおしゃれで機能的な学習スペースになっており、生徒たちの知的好奇心を刺激します。
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生徒の主体性を尊重する自由な校風
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厳しい校則で縛るのではなく、生徒の自主性と責任感を信頼する文化があります。自由な雰囲気の中で、自分の頭で考え、判断し、行動する力が自然と養われます。
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青翔開智高等学校の口コミ・評判のまとめ
実際に通っている生徒や卒業生、保護者からはどのような声が聞かれるのでしょうか。良い点と、少し気になる点を公平にまとめてみました。
良い点
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「先生方がどんな挑戦でも肯定し、応援してくれる」という声が非常に多いです。生徒の「やりたい」という気持ちを全力でサポートしてくれる姿勢が高く評価されています。
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「探究の授業を通して、プレゼン能力や論理的思考力が身についた。自分の進路を考える上で大きなきっかけになった」と、探究学習の価値を実感している卒業生がたくさんいます。
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「少人数なので、クラスメイト全員と仲良くなれる。アットホームで居心地が良い」と、友人関係の良さを挙げる声も目立ちます。互いを尊重し合える環境が魅力のようです。
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「校舎が新しくて綺麗。自習スペースも充実していて、勉強に集中できる環境が整っている」など、施設の素晴らしさも好評です。
気になる点
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「先生によって指導のスタイルや熱意に差があるように感じる」という意見もあります。少人数教育だからこそ、先生との相性が学習に影響しやすい側面もあるかもしれません。
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「勉強や探究活動が中心なので、いわゆる『キラキラした高校生活』をイメージしていると少し違うかもしれない」という声も。学校行事なども学びの一環と捉える校風のため、エンターテイメント性を求める人には物足りなく感じる可能性があります。
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「女子の制服が、冬は少し寒いと感じる」といった、実用面に関する具体的な意見も見られます。
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「自由な校風だからこそ、自分で自分を律する力がないと大変」という指摘もあります。受け身の姿勢ではなく、自ら学ぶ意欲が不可欠です。
アクセス・通学
青翔開智高等学校への通学方法についてです。スクールバスも運行されており、様々なエリアから生徒が通っています。
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最寄り駅からのアクセス
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路線バス(日ノ丸バス)を利用する場合:
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桜谷団地線:「青翔開智校前」バス停下車、徒歩約1分
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岩倉線・中河原線:「岩倉」バス停下車、徒歩約2分
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スクールバス
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JR「鳥取駅」や「鳥大前駅」など、市内の主要な場所から専用のスクールバスが運行されています。遠方から通学する生徒にとっては非常に便利な手段です。高校生は鳥取駅南と学校間の区間のみ利用可能など、一部ルールがあるため詳細は学校にご確認ください。
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通学エリア
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鳥取市内を中心に、スクールバスや公共交通機関を利用して広い範囲から生徒が集まっています。
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青翔開智高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれて、青翔開智高等学校に興味を持ってくれた君に、最後に応援のメッセージを送ります。
もし君が、「なぜだろう?」と考えるのが好きで、教科書に書いてある答えだけでは満足できない探究心旺盛なタイプなら、青翔開智高等学校は最高の場所になるはずです。ここは、君だけの「問い」をとことん追求できる学校。自由な環境の中で、自分の頭で考え、仲間と協力しながら新しい価値を創り出す、そんなエキサイティングな3年間が待っています。
青翔開智高等学校の受験勉強では、基礎学力を固めることはもちろんですが、ぜひ「自分の考えを言葉にする練習」に力を入れてみてください。一つの問題に対して、「なぜその答えになるのか」を説明するトレーニングは、この学校が求める思考力に直結します。学校の公式サイトで公開されている過去問にも目を通し、独特の出題スタイルに慣れておくことも大切です。君の挑戦を心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。