京都府立美術工芸高等学校は、1880年(明治13年)創立の京都府画学校を起源とする、長い歴史と伝統を誇る美術工芸の専門高校です。2023年4月には京都市立から京都府立へと移管され、京都駅東側の新校舎で新たな歴史をスタートさせました。「美工(びこう)」の愛称で親しまれ、美術や工芸の世界で活躍することを夢見る多くの中学生にとって、まさに憧れの学び舎と言えるでしょう。
京都府立美術工芸高等学校の基本情報
京都府立美術工芸高等学校の偏差値・難易度・併願校
京都府立美術工芸高等学校に設置されている学科・コース
日本画専攻 – 岩絵具などの伝統的な画材を使い、日本画の技法と表現を学びます。日本の文化や自然を描きたい人におすすめです。 洋画専攻 – 油彩画や水彩画を中心に、デッサン力と自由な発想で自己表現を追求します。個性的な絵画世界を創り出したい人におすすめです。 彫刻専攻 – 粘土や木、石などの素材を使い、立体造形の基礎から応用までを学びます。ものづくりを通して空間表現に挑戦したい人におすすめです。 漆芸専攻 – 漆を用いた加飾技法(蒔絵、螺鈿など)を習得し、工芸品を制作します。日本の伝統工芸に興味があり、緻密な作業が得意な人におすすめです。 陶芸専攻 – 土練りからろくろ、焼成まで、陶芸の一連の工程を学びます。土という素材と向き合い、自分だけのかたちを創りたい人におすすめです。 染織専攻 – 友禅染や絞り染め、織物など、糸を染め、布を織る伝統技術を学びます。テキスタイルデザインやファッションに興味がある人におすすめです。 デザイン専攻 – グラフィックやプロダクトなど、様々なデザイン分野の基礎を学び、社会の問題を解決するアイデアを形にします。豊かな発想力で暮らしを彩りたい人におすすめです。 ファッションアート専攻 – 服飾デザインから制作までをトータルに学び、アートとしてのファッション表現を探求します。独創的な衣服を創り出したい人におすすめです。
京都府立美術工芸高等学校の特色・校風
校則:髪染めやピアス、ネイル、メイクなども基本的に自由で、校則はかなり緩やかなようです。その分、生徒一人ひとりの自主性や自律性が求められます。 制服:制服はなく、私服での通学が認められています。生徒たちはそれぞれの個性を活かした服装で学校生活を送っています。実習で汚れることも多いため、動きやすく機能的な服装を選ぶ生徒が多いようです。 生徒の雰囲気:美術という共通の目標を持つ生徒が集まっているため、お互いの個性を認め合う、落ち着いた雰囲気があります。おとなしくて真面目な生徒が多いという声がある一方で、自分の世界観をしっかり持った個性的な生徒も多く在籍しています。 宿題・課題:特に専門科目の課題は多く、放課後遅くまで学校に残って制作に取り組む生徒も少なくありません。自分の作品と向き合う時間が豊富にあり、制作に打ち込みたい生徒にとっては最高の環境と言えるでしょう。 アルバイト:アルバイトは原則として許可制ですが、行っている生徒もいるようです。ただし、専門科目の課題制作に多くの時間を要するため、学業との両立を考える必要があります。 土曜授業:土曜授業の有無に関する具体的な情報は見当たりませんでしたが、制作活動や特別講習などが行われる可能性はあります。
京都府立美術工芸高等学校の部活動・イベント
部活動
文化部:演劇、フォークソング、ダンス、漫画研究、写真など、アート系のユニークな部活動があります。文化祭などのイベントでの発表を目標に、仲間と楽しく活動しています。 運動部:バレーボール、バスケットボール、バドミントンなど、いくつかの運動部も活動していますが、活動は活発とは言えないようです。部活動で本格的にスポーツに取り組みたい生徒には、物足りないかもしれません。
イベント
美工祭(文化祭):最大のイベントは、毎年秋に開催される「美工祭」です。各専攻やクラス、有志団体が一年間の学びの成果を発表する場で、作品展示やパフォーマンスなど、校内がアート一色に染まります。生徒たちが主体となって企画・運営を行い、非常に盛り上がるようです。 体育祭:体育祭も開催されますが、学校の特性上、競技よりも楽しむことを重視したアットホームな雰囲気のようです。 美工作品展:京都市京セラ美術館などで、生徒たちの作品が一堂に会する「美工作品展」が開催されます。一般の来場者も多く訪れる本格的な展覧会で、生徒にとっては大きな目標であり、学びの集大成を発表する貴重な機会となっています。 美術研修旅行:1年生の時には、美術研修旅行が実施されます。美術館巡りやスケッチなどを通して、見聞を広め、感性を磨きます。
京都府立美術工芸高等学校の進学実績
国公立大学:京都市立芸術大学、金沢美術工芸大学、東京藝術大学、愛知県立芸術大学、沖縄県立芸術大学など、国公立の芸術大学へ毎年合格者を出しています。 難関私立大学:多摩美術大学、武蔵野美術大学、京都芸術大学、京都精華大学、成安造形大学といった、全国の有名美術大学への進学実績が豊富です。 その他の進路:美術系の専門学校へ進学し、デザイナーやクリエイターを目指す生徒や、学んだ技術を活かして就職する生徒もいます。
京都府立美術工芸高等学校の特長・アピールポイント
8つの専門分野から選べる本格的な専攻:2年次から日本画、洋画、彫刻、漆芸、陶芸、染織、デザイン、ファッションアートの8つの専門分野に分かれ、深く学ぶことができます。 大学レベルの充実した施設・設備:デッサン室や各専攻ごとの専門的な実習室など、大学に匹敵するほどの施設が整っており、思う存分制作に打ち込めます。 伝統と革新が融合したカリキュラム:140年以上の歴史の中で培われた伝統的な技法を学ぶと同時に、デジタル技術を活用した現代アートなど、新しい表現にも対応した教育が行われています。 「美工祭」や「美工作品展」など発表の機会が豊富:日々の学びの成果を、文化祭や美術館での作品展といった多くの人の目に触れる場で発表する機会が用意されています。 自由でのびのびとした校風:制服がなく校則も緩やかで、生徒の自主性が尊重される自由な雰囲気が魅力です。 同じ志を持つ仲間との出会い:美術や工芸が好きという共通点を持った生徒が集まるため、お互いに刺激し合い、高め合える仲間と出会えます。 京都駅近くの好立地と新校舎:2023年に移転した新校舎は、京都駅からも近くアクセス抜群です。最新の設備が整った魅力的な環境で学ぶことができます。
京都府立美術工芸高等学校の口コミ・評判のまとめ
良い点: 「専門的なことを深く学べる環境が素晴らしい。同じ目標を持つ友人たちと毎日刺激し合える。」 「先生方は各分野の専門家で、技術的な指導はもちろん、進路相談にも親身になってくれる。」 「自由な校風なので、自分の個性を大切にしながらのびのびと学校生活が送れる。」 「課題は多いけれど、好きなことに没頭できるので充実している。設備も整っていて制作に集中できる。」 「美工祭などのイベントは、生徒が主体となって作り上げるので一体感があり、とても楽しい。」
気になる点: 「美術に特化しているため、普通科の勉強、特に大学受験レベルの学力を身につけるのは本人の努力次第。」 「課題が多く、常に何かしらの制作に追われている感覚。自分の時間を確保するのが難しいこともある。」 「部活動に力を入れたい人には向いていないかもしれない。活動はあまり活発ではない。」 「専門性が高い分、入学後に『思っていたのと違った』と感じると、進路変更が難しいかもしれない。」
アクセス・通学
最寄り駅からのアクセス: JR・近鉄・地下鉄「京都駅」から徒歩約10分 京阪「七条駅」から徒歩約6分
通学エリア:京都市内はもちろん、府内全域から生徒が通学しています。専門的な学びを求めて、滋賀県や大阪府など、府外から通う生徒もいるようです。
京都府立美術工芸高等学校受験生へのワンポイントアドバイス