滋賀県立八幡工業高等学校は、近江八幡市にある県立の工業高校で、「八工(はちこう)」の愛称で親しまれています。1961年の開校以来、1万4千人以上の卒業生を輩出し、滋賀県を中心とした「ものづくり」産業を支える多くの技術者を育ててきました。「やればできる八工魂」をスローガンに掲げ、専門的な知識や技術の習得はもちろん、社会で活躍するための人間教育にも力を入れているのが大きな魅力です。

ものづくりに興味がある、専門的なスキルを身につけて将来の仕事に活かしたい、と考えている中学生にとって、滋賀県立八幡工業高等学校は非常に魅力的な選択肢の一つでしょう。この学校では、機械、電気、環境化学という3つの分野で、基礎から応用までをじっくりと学ぶことができます。充実した設備を使った実習が多く、座学だけでは得られない実践的な力が身につきます。

この記事では、そんな滋賀県立八幡工業高等学校について、偏差値や学科の特色、学校生活の様子、部活動、進路実績まで、受験生や保護者の皆さんが知りたい情報を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。この記事を読んで、八工の魅力を存分に感じてください。

八幡工業高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 滋賀県立八幡工業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒523-0816 滋賀県近江八幡市西庄町5
代表電話番号 0748-37-7227
公式サイトURL https://www.pref.shiga.lg.jp/edu/school/hachiman-th/

八幡工業高等学校の偏差値・難易度・併願校

八幡工業高等学校の合格の目安となる偏差値は以下の通りです。工業高校という特性上、普通科の高校とは少し物差しが異なりますが、専門分野への興味・関心が何よりも大切になります。

  • 機械科:40

  • 電気科:40

  • 環境化学科:38

同じくらいの偏差値の高校としては、県内の他の工業高校や総合学科の高校などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安としては、5段階評価で平均3程度が一つの目標となるでしょう。ただし、これはあくまで目安であり、当日の試験の点数や面接なども含めて総合的に判断されます。八幡工業高等学校を第一志望とする場合、併願校としては、技能連携制度のある私立高校などが選択肢となることが多いようです。

八幡工業高等学校に設置されている学科・コース

八幡工業高等学校には、社会の基盤を支える3つの専門学科が設置されています。それぞれの学科で特色ある学習を行い、将来のスペシャリストを目指します。

  • 機械科

    「ものづくり」の基礎から応用までを幅広く学びます。自動車やロボットなど、あらゆる工業製品のベースとなる知識と技術を習得したい人におすすめです。

  • 電気科

    電気エネルギーの発生から利用までを体系的に学びます。IT技術や自動制御など、現代社会に欠かせない電気のプロフェッショナルを目指す人におすすめです。

  • 環境化学科

    化学の知識をベースに、環境問題の解決や持続可能な社会の発展に貢献する技術を学びます。環境分析や新素材開発に興味がある人におすすめです。

また、これらの科とは別に、工業の基礎を学びながら大学進学を目指す「総合技術コース」も選択可能です(1年生の後半にコース選択があります)。

八幡工業高等学校の特色・校風

八幡工業高等学校は、「ものづくりを通した人づくり」を大切にしており、真面目で落ち着いた雰囲気の中で、生徒たちが熱心に実習や学習に取り組んでいます。

  • 校風・雰囲気: 「やればできる八工魂」がスローガン。挨拶や時間厳守といった社会人としての基本を大切にする指導が行われています。 生徒たちは専門分野の学習に誇りを持ち、真面目に取り組む姿勢が見られます。

  • 校則: 工業高校のため、安全面を考慮した規則があります。例えば、髪型や服装に関する規定は、感電事故などを防ぐ目的も含まれており、納得できる理由が示されているとの声があります。 スマートフォンは授業中に使用しなければ基本的に持ち込みは問題ないようです。 アルバイトは原則として長期休業中などに許可制で認められる場合があります。

  • 宿題・課題: 専門教科では、実習レポートなどの課題が多く出される傾向があります。 授業内容を確実に身につけるためのものであり、計画的に取り組むことが大切です。

  • 制服: 男子は黒の標準学生服、女子はブレザーとスカートまたはスラックスです。特に個性的というわけではありませんが、質素で清潔感のあるデザインです。

  • 土曜授業: 土曜授業は基本的に実施されていません。

八幡工業高等学校の部活動・イベント

部活動

八幡工業高等学校は部活動が非常に盛んで、多くの生徒が熱心に活動しています。運動部、文化部ともに充実しており、特にレスリング部やものづくりコンテスト関連の部活動は全国レベルでの活躍が目立ちます。

  • 運動部: レスリング部はインターハイや国体で上位入賞を果たすなど、輝かしい実績を誇っています。 他にも、サッカー部、バスケットボール部、ソフトテニス部、ハンドボール部、山岳部など多くの部が活発に活動しています。

  • 文化部・工業系: 工業高校ならではの「ものづくりコンテスト」を目指す部活動が盛んです。 ロボット競技大会で優勝するなど、日頃の学習の成果を存分に発揮しています。 また、新聞部が精力的に学校新聞を発行しているほか、eスポーツ部といった新しい部も誕生しており、活動の幅が広がっています。

イベント

八幡工業高等学校では、生徒たちの手で作り上げる学校行事が大きな盛り上がりを見せます。

  • 八工祭(文化祭・体育祭): 文化祭では、各学科の専門性を活かした展示や体験企画が人気です。日頃の学習成果を発表する貴重な機会となっており、多くの来場者で賑わいます。体育祭はクラス対抗で競い合い、団結力を高めます。

  • 修学旅行: 近年の修学旅行の様子は学校のウェブサイトや学校新聞で紹介されており、生徒たちにとって思い出深いイベントとなっています。

  • 校外学習・インターンシップ: 企業見学や就業体験(インターンシップ)など、実際の社会や仕事を肌で感じる機会が多く設けられています。進路を具体的に考える上で、非常に有意義な経験となります。

八幡工業高等学校の進学実績

八幡工業高等学校の卒業生は、その専門性を活かして多様な進路に進んでいます。特に就職に強いことが大きな特長で、多くの企業から高い評価を得ています。

  • 就職: 卒業生の約7割が就職を選択します。 県内の製造業を中心に、毎年多くの企業から求人があり、就職希望者の内定率は非常に高い水準を誇っています。 これは、学校で身につけた確かな技術力と、社会人としての基礎力が企業から信頼されている証です。

  • 大学・専門学校への進学: 約3割の生徒が進学を選びます。 工業系の知識をさらに深めるため、国公立大学や私立大学の工学部、理工学部へ進学する生徒が多いです。龍谷大学や立命館大学などへの指定校推薦枠もあります。 また、専門学校でより実践的なスキルを磨く生徒もいます。

  • サポート体制: 進路指導が手厚く、面接指導やSPI対策などを通して、生徒一人ひとりの希望進路実現をサポートしています。

八幡工業高等学校の特長・アピールポイント

八幡工業高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • 圧倒的な就職実績: 多くの企業からの厚い信頼があり、高い就職率を維持しています。 学校で学んだ専門知識や技術が、卒業後すぐに社会で役立つことを示しています。

  • 充実した資格取得サポート: 在学中に、2級ボイラー技士、ガス溶接技能講習、フォークリフト運転技能講習など、将来に役立つ多くの専門資格の取得を目指せます。

  • 地域社会との連携: 小学生向けの「ものづくり体験教室」を開催したり、地域のイベントでイルミネーション製作に取り組んだりと、学んだ技術を地域に還元する活動を積極的に行っています。

  • 全国レベルで活躍する部活動: レスリング部や、ものづくりコンテスト系の部活動など、全国の舞台で活躍する部が多く、高い目標を持って活動に打ち込める環境です。

  • 実践的な実習設備: 各学科に専門的な実習を行うための充実した設備が整っており、即戦力となる技術を身につけることができます。

  • 大学進学も目指せる「総合技術コース」: 専門知識を学びながら、大学進学にも対応したカリキュラムで学べるコースが用意されており、多様な進路希望に応えています。

  • 社会人基礎力の育成: 専門技術だけでなく、挨拶やマナーといった社会で必要とされる基本的な姿勢の指導にも力を入れています。

八幡工業高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、八幡工業高等学校での学びや生活について様々な声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「就職に非常に強く、先生方のサポートも手厚い」という声が最も多く聞かれます。

    • 「専門的な知識や技術が身につき、将来の夢が明確になった」といった、学習内容への満足度も高いようです。

    • 「資格がたくさん取れるので、自分の自信につながる」という意見も多くあります。

    • 「部活動が活発で、先輩と後輩の仲が良い」など、学校生活の充実感を評価する声もあります。

  • 気になる点:

    • 「工業高校なので、専門教科のレポート課題などが多くて大変な時もある」という声があります。

    • 「校舎や設備が少し古いと感じる部分がある」という意見も見られます。

    • 「最寄り駅から少し歩くので、アクセスが不便に感じる人もいるかもしれない」という点も挙げられています。

アクセス・通学

八幡工業高等学校へのアクセス方法は以下の通りです。

  • 最寄り駅:

    • JR東海道本線(琵琶湖線)および近江鉄道「近江八幡」駅から徒歩約20分

近江八幡市内のほか、東近江市、野洲市、守山市など、幅広いエリアから生徒が通学しています。自転車で駅まで来て、そこから電車を利用する生徒も多いようです。

八幡工業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

滋賀県立八幡工業高等学校は、「ものづくりが好き」「将来は技術者として社会の役に立ちたい」という強い意志を持っている君に、最高の学びの場を提供してくれる学校です。普通科の高校とは違い、早い段階から専門分野に特化して学ぶことができるので、自分の好きなことをとことん追求したい生徒にとっては、まさに夢のような環境と言えるでしょう。

八幡工業高等学校の受験を考えているなら、まずは「なぜこの学校で学びたいのか」「どの学科でどんな技術を身につけたいのか」を自分の中で明確にしておくことが大切です。学校見学会や体験入学には積極的に参加して、実際の設備に触れたり、先生や先輩の話を聞いたりして、学校の雰囲気を肌で感じてください。受験勉強では、中学校での基礎的な学力、特に数学や理科をしっかり固めておくと、入学後の専門的な学習にスムーズに入っていけるはずです。

「やればできる八工魂」を胸に、君の挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。