山口県に浮かぶ美しい島、周防大島。その豊かな自然に抱かれた場所に、地域と共に未来を創造するユニークな高校、周防大島高等学校があります。この学校は、ただ教科書で学ぶだけでなく、島全体をキャンパスとして、地域の人々と深く関わりながら実践的な学びを展開しているのが大きな魅力です。周防大島高等学校ならではの温かい雰囲気の中で、一人ひとりの個性を大切に育んでいます。

周防大島高等学校は、地域創生や福祉、環境といったテーマに真正面から向き合い、答えのない課題に仲間と共に挑戦できる場所です。島外からも多くの生徒が集まり、寮生活を通じて多様な価値観に触れながら、人間的に大きく成長できる環境が整っています。この記事では、そんな周防大島高等学校の特色や魅力を、進学アドバイザーの視点から詳しくご紹介していきます。

この記事を読めば、きっとあなたも周防大島でしか経験できない高校生活に胸を躍らせることでしょう。さあ、一緒にその扉を開いてみましょう。

周防大島高等学校の基本情報

周防大島高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 山口県立周防大島高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 安下庄校舎(普通科・地域創生科)<br>〒742-2806 山口県大島郡周防大島町西安下庄489<br>久賀校舎(福祉専攻科)<br>〒742-2301 山口県大島郡周防大島町久賀4851-2
代表電話番号 安下庄校舎<br>0820-77-1048<br>久賀校舎<br>0820-72-0024
公式サイト https://www.suo-oshima-h.ysn21.jp/

周防大島高等学校の偏差値・難易度・併願校

周防大島高等学校の偏差値は、学科やコースによって異なりますが、おおよそ38〜45程度とされています。山口県内の高校の中では、比較的入学しやすい難易度と言えるでしょう。しかし、偏差値だけで判断するのは早計です。この学校には、学力だけでは測れない独自の魅力と学びがあります。

同じくらいの偏差値の高校としては、山口県内では熊毛北高等学校(普通科)などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安としては、5段階評価で平均3程度を目標にすると良いでしょう。ただし、周防大島高等学校は全国から生徒を募集しており、人物重視の選抜も行われるため、中学校での活動や学習意欲も大切になります。

山口県の公立高校入試制度では、基本的に他の公立高校を併願することはできません。そのため、併願校としては私立高校を選択することになります。主な併願校としては、柳井市にある柳井学園高等学校などが考えられます。

周防大島高等学校に設置されている学科・コース

周防大島高等学校には、生徒一人ひとりの興味や進路希望に応える多様な学科・コースが設置されています。それぞれの特色を理解し、自分に合った学びを見つけましょう。

  • 普通科

    • 特別進学コース: 国公立大学や難関私立大学への進学を目指し、少人数クラスで応用力を養います。高い目標を持つ仲間と切磋琢磨したい人におすすめです。

    • 普通コース: 大学進学から就職まで、幅広い進路に対応できる基礎学力を身につけます。自分の可能性をじっくり探したい人におすすめです。

    • 環境コース: 周防大島の豊かな自然をフィールドに、環境問題について探究的な学習を行います。自然が好きで、環境保護に関心がある人におすすめです。

  • 地域創生科

    • 福祉コース: 島内の福祉施設での実習などを通して、実践的な介護福祉の知識と技術を学びます。将来、福祉の分野で人の役に立ちたい人におすすめです。

    • ビジネスコース: 商品開発や地域活性化イベントの企画・運営など、実践的なビジネスを学びます。地域を元気にしたい、起業に興味がある人におすすめです。

なお、令和8年度からは「山口県立大学附属周防大島高等学校」となり、普通科の中に「大学進学コース」と「キャリアコース」が設置される予定です。

周防大島高等学校の特色・校風

周防大島高等学校の校風は、「地域連携」「実践的探究」「アットホーム」といったキーワードで表現できます。島全体を学びの場とする「島じゅうキャンパス」を合言葉に、地域住民との交流が非常に盛んで、生徒たちは温かい環境でのびのびと学校生活を送っています。

生徒たちの雰囲気は、島内出身者と全国から集まる島外出身者が共に学ぶため、多様性に富んでいます。寮生活を送る生徒も多く、協調性や自立心が育まれる環境です。

校則については、特別厳しいという声は少ないようです。スマホの持ち込みは許可されていますが、授業中の使用などルールは守る必要があります。アルバイトは原則として許可されていませんが、長期休業中など条件付きで可能な場合もあるようです。制服は、男子が詰襟、女子がセーラー服で、落ち着いたデザインが評判です。土曜授業は基本的にありません。

周防大島高等学校の部活動・イベント

部活動

周防大島高等学校は、部活動も非常に盛んで、多くの生徒が文武両道を目指して活動に励んでいます。特に、全国レベルでの活躍が目立つ部活動もあり、学校全体の活気につながっています。

  • アーチェリー部: 全国大会常連の強豪で、高いレベルで競技に打ち込みたい生徒に人気です。

  • ボート部: 瀬戸内海の穏やかな海を練習フィールドに、インターハイなどでの活躍を目指しています。

  • eスポーツ部: 令和6年度から活動を開始した新しい部で、大会への参加やプログラミングの学習などを行っています。

  • 文化研究部(茶道・筝曲): 日本の伝統文化に触れ、落ち着いた雰囲気の中で活動しています。

運動部、文化部ともに充実しており、生徒たちは自分の興味に合わせて活動を選択できます。令和8年度の附属高校化に伴い、一部の部活動は「総合運動部」や「総合文化部」として再編される予定です。

イベント

周防大島高等学校では、生徒たちの手で作り上げる学校行事が多く、クラスや学年の団結力を高める良い機会となっています。

  • 橘華祭(文化祭)・体育祭: 学校全体が一体となって盛り上がる最大のイベントです。文化祭では、各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や発表を行い、体育祭では熱い戦いが繰り広げられます。

  • 修学旅行: 近年では、ハワイへの語学研修を兼ねた修学旅行が企画されるなど、国際交流にも力を入れています。

  • ふれあいみかん収穫作業: 地域特産のみかん収穫を農家の方々と共に行う伝統行事です。 勤労の尊さや地域産業への理解を深める貴重な体験となっています。

周防大島高等学校の進学実績

周防大島高等学校の卒業生は、約7割が進学、約3割が就職と、多様な進路を選択しています。 進学指導にも力を入れており、生徒一人ひとりの希望に合わせたサポート体制が整っています。

  • 国公立大学: 山口大学、山口県立大学など、地元の国公立大学への進学実績があります。

  • 私立大学: 近県の私立大学を中心に、多様な大学へ進学しています。

  • 専門学校・就職: 福祉コースで学んだ知識を活かして介護福祉士を目指したり、ビジネスコースでの学びを地域企業で実践したりと、専門性を活かした進路選択も多いのが特徴です。

進学実績向上のため、「進路の日」を設けて大学や専門学校の講師を招いたガイダンスを実施したり、就職希望者には履歴書の書き方から面接指導まで手厚いサポートを行ったりしています。 令和8年度からの山口県立大学附属高校化により、県立大学への進学の道がさらに広がることが期待されています。

周防大島高等学校の特長・アピールポイント

周防大島高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさん詰まっています。

  • 島全体が学びのフィールド「島じゅうキャンパス」: 地域の課題解決に実践的に取り組む探究学習が充実しています。

  • 全国から生徒が集まる多様性: 全国募集を行っており、寮生活を通じて様々なバックグラウンドを持つ仲間と出会い、視野を広げることができます。

  • 地域との強い連携: 地元企業と連携した商品開発「夢塩プロジェクト」や、高齢者との交流活動など、地域住民との距離が非常に近いのが特徴です。

  • 充実した福祉教育: 校内に充実した実習施設があり、地域創生科福祉コースでは実践的な介護福祉を学ぶことができます。

  • 山口県立大学附属高校化(令和8年度〜): 高校と大学の7年間を見通した一貫教育がスタートし、データサイエンス教育や育成型選抜による県立大学への進学など、新たな学びの可能性が広がります。

  • ユネスコスクールとしての活動: 国際理解教育や環境教育を推進しており、グローバルな視点を養うことができます。

  • 手厚い寮生活サポート: 学校の近くに「あさなぎ寮」などがあり、遠方からの生徒も安心して学校生活を送れます。 舎監職員が常駐し、手作りの食事が提供されるなど、家庭的な雰囲気です。

周防大島高等学校の口コミ・評判のまとめ

周防大島高等学校の在校生や卒業生からは、そのユニークな教育環境に対する様々な声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「先生方が親身になって相談に乗ってくれる」

    • 「地域の人たちがとても温かく、学校全体が家族のよう」

    • 「探究学習など、普通科の高校ではできない貴重な体験ができた」

    • 「寮生活を通じて、一生の友達ができた」

    • 「自然豊かな環境で、のびのびと高校生活を送れた」

  • 気になる点:

    • 「交通の便があまり良くなく、通学に時間がかかる」

    • 「近くに遊ぶ場所やお店が少ない」

    • 「校舎や施設が少し古いと感じる部分がある」

    • 「虫が多いのが苦手な人には少し辛いかもしれない」

アクセス・通学

周防大島高等学校には安下庄校舎と久賀校舎があり、それぞれアクセス方法が異なります。

  • 安下庄校舎(普通科・地域創生科)

    • JR山陽本線「大畠駅」から防長バス(町立橘病院行)に乗車、「橘庁舎前」バス停下車すぐ。

  • 久賀校舎(福祉専攻科)

    • JR山陽本線「大畠駅」から防長バス(周防平野・町立橘病院行など)に乗車、「天神前」バス停下車。

島外からは、柳井市や岩国市からJRとバスを乗り継いで通学する生徒が多いようです。 また、全国から生徒が集まるため、多くの生徒が学校近くの寮で生活しています。

周防大島高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

周防大島高等学校は、「地域のために何かしたい」「自然の中で実践的な学びを深めたい」「多様な仲間と出会い、自分を成長させたい」と考える君にぴったりの学校です。偏差値や学力だけでなく、君の持つ個性や「やってみたい」という熱意を大切にしてくれます。

受験勉強では、まずは中学校の基礎的な内容をしっかりと固めることが大切です。特に、面接や小論文では、なぜ周防大島高校で学びたいのか、ここでどんなことに挑戦したいのかを自分の言葉で伝えられるように準備しておきましょう。学校の特色ある取り組み、例えば「地域創生」や「環境学習」について自分なりに調べて、考えをまとめておくと良いでしょう。

周防大島という特別な環境は、君にたくさんの出会いと学びの機会を与えてくれるはずです。温かい人々に囲まれて、ここでしかできない経験を積み、未来を切り拓く力を身につけてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。