埼玉県立和光国際高等学校は、ただ勉強を教えるだけでなく、広い世界と自分自身について深く学ぶことができる特別な場所です。グローバルな視点を持ちながら、かけがえのない仲間たちと共に充実した3年間を過ごしたいと考えている中学生の皆さんと保護者の皆様にとって、最高の選択肢の一つになるかもしれません。

このガイドでは、多くの在校生や卒業生から親しみを込めて「和国(わこく)」と呼ばれる、和光国際高等学校の魅力を余すところなくお伝えします。活気あふれる学校行事、国際理解を深めるためのユニークなプログラム、そして何よりも生徒一人ひとりの個性が尊重される温かい校風。多くの先輩たちが「和国での3年間は宝物」と語る理由が、きっと見つかるはずです。

高校選びは、皆さんの未来を形作る大切な一歩です。偏差値や進学実績といった数字はもちろん、学校生活のリアルな雰囲気や先輩たちの声まで、詳しく、そして正直にお届けします。この情報が、皆さんが心から「この学校に行きたい!」と思える場所を見つけるための、頼れる道しるべとなることを願っています。

和光国際高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。問い合わせや学校見学の際に役立ちます。

項目 内容
正式名称 埼玉県立和光国際高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒351-0106 埼玉県和光市広沢4-1
代表電話番号 048-467-1311
公式サイトURL https://wakoku-h.spec.ed.jp/

和光国際高等学校の偏差値・難易度・併願校

和光国際高等学校の学力レベルや、受験の際に目標とすべき内申点、そして多くの受験生が併願先として選ぶ私立高校について見ていきましょう。

偏差値

最新の北辰テストなどに基づいた偏差値の目安は以下の通りです。

  • 普通科:61

  • 外国語科:62

この偏差値は埼玉県内の高校の中で上位約15%に入るレベルであり、しっかりとした学力が求められる人気の進学校です。人気が高いため、例年3人に1人程度が不合格となる厳しい入試になることもあり、十分な準備が必要です。

合格に必要な内申点の目安

合格を勝ち取るためには、中学校での日々の頑張りも非常に重要です。内申点の目安は以下の通りです。

  • 普通科:38/45

  • 外国語科:39/45

特に、外国語科の入学試験では英語の配点が2倍になる傾斜配点が採用されるため、英語が得意な生徒にとっては有利になります。和光国際高等学校を目指すなら、英語の学習には特に力を入れておきましょう。

主な併願校

埼玉県では、公立高校同士の併願はできません。そのため、和光国際高等学校を第一志望とする受験生の多くは、万が一の場合に備えて私立高校を併願します。主な併願先としては、以下のような高校が挙げられます。

  • 川越東高等学校

  • 大宮開成高等学校

  • 春日部共栄高等学校

  • 星野高等学校

  • 武南高等学校

  • 山村学園高等学校

  • 細田学園高等学校

これらの学校は、和国と同様に高いレベルの教育を提供しており、進学指導にも力を入れているため、併願校として人気があります。

和光国際高等学校に設置されている学科・コース

和光国際高等学校には、生徒の興味や将来の目標に合わせて選べる2つの魅力的な学科があります。

  • 普通科

    • どんなことを学ぶ?:幅広い大学入試に対応できる、総合的な学力をバランス良く育成します。文系・理系を問わず、しっかりとした学力の土台を築くことを目指します。

    • どんな生徒におすすめ?:まだ将来の夢が具体的に決まっていない人や、幅広い分野に興味がある人、大学で様々な学問に挑戦したいと考えている人におすすめです。

  • 外国語科

    • どんなことを学ぶ?:英語の授業時間が多く、その多くが英語のみで行われます。さらに、ドイツ語・フランス語・スペイン語・中国語の中から第二外国語を3年間必修で学びます。実践的な語学力と国際感覚を徹底的に磨きます。

    • どんな生徒におすすめ?:語学が大好きで、将来は海外で活躍したい、国際的な仕事に就きたいという強い意志を持っている人に最適です。

なお、令和8年度(2026年度)入学生からは、現在の外国語科がさらに発展し、新たに「国際科」として生まれ変わる予定です。より深く国際問題を探究するなど、さらに専門性の高い学びが期待されます。

和光国際高等学校の特色・校風

学校選びで最も大切なことの一つが、その学校の雰囲気です。和光国際高等学校のリアルな学校生活をのぞいてみましょう。

校風をキーワードで表すと

自由闊達、グローバル、文武両道、個性の尊重、穏やかで活気がある

中学生が知りたいリアルな学校生活

  • 宿題の量:宿題や小テストは多めという声が多いですが、ほとんどの生徒が部活動などと両立しながらこなしているようです。ただし、長期休暇中の課題は、特に受験を控えた3年生にとっては少し負担に感じられることもあるかもしれません。

  • 校則:公式なルールブックを見ると、服装や頭髪に関する規定は細かく定められています。例えば、スカートは膝にかかる長さ、化粧やピアス、髪の染色は禁止といった内容です。しかし、多くの在校生は「校則は緩やか」と感じています。これは、先生方が生徒を信頼し、自主性を重んじているため、窮屈さを感じにくい雰囲気があるからのようです。基本的には「面接試験に行っても恥ずかしくない身だしなみ」が基準とされています。

  • スマホの利用:校内への持ち込みは許可されていますが、授業中の使用は先生の許可がない限り禁止です。ルールを守らない場合は一時的に預かり指導となることもあります。

  • 生徒たちの雰囲気:これが和国の最大の魅力と言えるかもしれません。口コミでは「とにかく良い人しかいない」「いじめは聞いたことがない」といった声が圧倒的に多く、穏やかで優しい生徒が集まっています。活発な生徒も大人しい生徒も、お互いの個性を認め合い、誰もが自分らしくいられる居心地の良い環境です。男女問わず仲が良く、クラスの団結力が強いのも特徴です。

  • アルバイト:学業に専念するため、原則として禁止されています。

  • 制服の評判:現在の制服については「少し地味かも」という意見もありますが、「この制服を着るのが夢!」という受験生もいます。そして、これから入学する皆さんには朗報です。学校再編に伴い、より落ち着いた紺色を基調とした、新しいデザインの制服が導入されることが決定しています。

  • 土曜授業:土曜授業はありません。平日の授業を1コマ55分にすることで十分な学習時間を確保し、土日は部活動や自分のための勉強、休息にしっかりと使えるようになっています。

和光国際高等学校の部活動・イベント

勉強だけでなく、仲間との絆を深める部活動や学校行事も高校生活の醍醐味です。

部活動

和光国際高等学校には運動部18、文化部13、同好会2と、非常に多くの部活動があり、活気に満ちています。全国大会や関東大会に出場する強豪部も少なくありません。

  • 特に実績豊富な部活動

    • 少林寺拳法部:全国トップレベルの実力を誇り、全国高校選抜大会で優勝(女子規定組演武)、準優勝(女子団体演武)を果たすなど、輝かしい成績を収めています。

    • ワンダーフォーゲル部:登山などを通じて自然に親しむ部活で、全国高校総体に出場経験のある実力派です。

    • ESS部 (英語劇部):国際高校ならではの部活で、埼玉県高校英語劇発表大会で最優秀賞にあたる会長杯を受賞するなど、高い表現力で評価されています。

    • FEN部 (英語ディベート部):論理的思考力と英語力を駆使して競うディベートで、全国大会に出場しています。

    • その他、陸上競技部女子硬式テニス部吹奏楽部なども関東大会レベルで活躍しています。

  • 珍しい部活動

    「競技かるた部」や、フランス語や文化を研究する「AEF同好会」など、多様な興味に応えるユニークな活動も行われています。

イベント

和国の学校行事は、生徒が主体となって創り上げるため、非常に盛り上がります。

  • みづのき祭(文化祭・体育祭)

    • 文化祭:6月に行われる和国最大のイベント。1日で4,000人以上が来場するほどの人気で、クラスごとの企画や文化部の発表は非常にクオリティが高いと評判です。特に外国語科の生徒たちによるユニークな出し物は必見です。後夜祭で打ち上げられる花火は、多くの生徒にとって忘れられない思い出になります。

    • 体育祭:秋に開催され、全学年を縦割りで団に分けて競い合います。学年を超えた交流が生まれ、学校全体が一体となって熱気に包まれます。

  • 海外修学旅行

    2年生の秋に、シンガポールへ3泊5日の修学旅行に行きます。単なる観光旅行ではなく、シンガポール国立大学での研修プログラムに参加するなど、国際理解を深める貴重な体験ができます。

  • イングリッシュキャンプ

    外国語科の1年生を対象に、入学してすぐの時期に2泊3日の英語漬けの合宿が行われます。ネイティブの先生たちと英語だけで過ごすことで、実践的なコミュニケーション能力とクラスの絆を育みます。

和光国際高等学校の進学実績

和光国際高等学校の生徒たちが、3年間の学びを経てどのような未来へ羽ばたいているのか、最新の進学実績を見てみましょう。

最新の大学進学実績(2024年3月卒業生)

卒業生の約9割が現役で4年制大学へ進学しており、特に難関私立大学への進学に強みを持っています。

  • 国公立大学:25名(現役)

    • 主な合格大学:埼玉大学、東京外国語大学、東北大学、北海道大学、横浜国立大学など。

  • 難関私立大学

    • 早稲田、慶應義塾、上智、東京理科大学:合計38名合格(うち現役34名)

    • GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政):合計235名合格(うち現役217名)

  • その他:海外の大学への進学者や、専門学校で専門知識を深める生徒もいます。

進学実績を支える取り組み

高い進学実績は、学校の手厚いサポート体制によって支えられています。

  • 進学補習:年間を通じて、また夏休みや冬休みにも、希望者向けの進学補習(課外授業)が数多く開講されており、多くの生徒が活用して学力アップに励んでいます。

  • 夏の集中勉強会:3年生を対象に、夏休みに4日間の集中勉強会を実施。受験に向けて仲間と励まし合いながら、ラストスパートをかける体制を整えます。

  • One Day Campus:1・2年生を対象とした和国独自の進路行事。大学の先生を学校に招き、90分間の模擬授業を体験します。学問の面白さに触れ、自分の進路を深く考えるきっかけになります。

和光国際高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、和光国際高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 本格的な第二外国語教育

    ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語の中から好きな言語を選び、ネイティブスピーカーの先生から少人数で直接指導を受けられます。生きた言語に触れることで、高いレベルの語学力を身につけることが可能です。

  • 活発な国際交流と海外研修

    修学旅行だけでなく、希望者向けにアメリカ、イギリス、オーストラリアなどへの短期留学プログラムが用意されています。また、海外からの留学生も積極的に受け入れており、日常的に異文化に触れる機会が豊富です。

  • アメリカの大学への進学連携(LCC協定)

    アメリカのワシントン州にある公立短期大学「Lower Columbia College (LCC)」と特別な協定を結んでいます。これにより、卒業後にLCCへ進学し、そこからアメリカの4年制大学の3年次へ編入するという、海外大学進学へのスムーズな道筋が用意されています。

  • 生徒の自主性と個性を尊重する校風

    和国の最大の財産は、その温かく自由な校風です。生徒一人ひとりの「やりたい」という気持ちを大切にし、行事も部活動も生徒が主体となって運営します。この環境が、生徒たちの強い絆と、活気あふれる学校生活を生み出しています。

  • 全国レベルで活躍する多彩な部活動

    少林寺拳法部やワンダーフォーゲル部、ESS部のように全国の舞台で活躍する部活がある一方で、文化系のユニークな部活も充実しており、誰もが自分の興味を追求し、打ち込めるものが見つかります。

  • 充実した語学教育環境

    英語のネイティブ教員(ALT)が4名常駐しているほか、第二外国語にもネイティブの先生がいます。校内の表示が英語で書かれていたり、洋書が豊富な図書スペースがあったりと、学校全体が語学学習に最適な環境となっています。

和光国際高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生のリアルな声から、和光国際高等学校の良い点と、入学前に知っておきたい点を公平にご紹介します。

良い点

  • 最高の友達と出会える:「優しくて面白い人ばかり」「一生ものの友達ができた」という声が非常に多いです。お互いの個性を尊重し合える雰囲気なので、安心して自分らしくいられます。

  • 行事がとにかく楽しい:文化祭や体育祭は、準備期間から当日までクラス一丸となって本気で取り組みます。その一体感と達成感は、高校生活一番の思い出になると評判です。

  • グローバルな環境で視野が広がる:留学生やネイティブの先生との交流を通して、自然と国際感覚が身につきます。英語力を伸ばしたい生徒にとっては最高の環境です。

  • 自主性が尊重される:先生方が生徒を信頼してくれるので、自分たちで考えて行動する力が身につきます。自由な雰囲気の中で、のびのびと高校生活を送りたい人にはぴったりです。

気になる点

  • 駅から少し遠い:最寄りの和光市駅から学校まで徒歩で17分から23分ほどかかります。毎日のことなので、体力に自信がない人は少し大変に感じるかもしれません。ただ、「友達と話しながら歩くので気にならない」という声も多いです。

  • 施設の古さ:校舎の一部が少し古いと感じる生徒もいるようです。

  • 難関国公立大学を目指すには強い意志が必要:GMARCHをはじめとする難関私立大学には非常に強いですが、最難関の国公立大学を目指す場合、授業だけでは足りないと感じることもあるようです。学校のサポートを最大限活用しつつ、自分自身で計画的に学習を進める強い意志が求められます。

  • 先生との相性:これはどの学校でも言えることですが、「一部の先生の指導方針が合わない」と感じる生徒も少数ながらいるようです。

アクセス・通学

和光国際高等学校への通学方法を確認しておきましょう。

  • 最寄り駅

    • 東武東上線/東京メトロ有楽町線・副都心線「和光市駅」

  • 駅からのアクセス方法

    • 徒歩:和光市駅南口から約17分〜23分。多くの生徒がこの方法で通学しています。

    • バス

      • 和光市駅南口から東武バス「西大和団地」行きに乗車、「西大和団地」バス停で下車し徒歩約3〜5分。

      • 和光市駅南口から西武バス、または西武池袋線大泉学園駅から西武バスに乗車、「税務大学校和光校舎」バス停で下車し徒歩約5分。

  • 通学エリア

    和光市、朝霞市、新座市、志木市といった近隣の市だけでなく、東京都に隣接しているため、練馬区や板橋区など都内から通学している生徒も多くいます。

和光国際高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、和光国際高等学校を目指す皆さんへ応援メッセージを送ります。

和光国際高等学校は、「世界に興味がある」「新しいことに挑戦したい」「勉強も行事も全力で楽しみたい」そんなあなたにぴったりの学校です。ここで得られるのは、学力だけではありません。多様な価値観に触れることで広がる視野、仲間と何かを成し遂げる喜び、そして自分自身への自信です。もしあなたが、個性を大切にしながら成長したいと願うなら、和国は最高の舞台になるでしょう。

受験勉強では、まず5教科の基礎を徹底的に固めてください。特に外国語科を目指す人は、英語が合否を分ける鍵となります。単語や文法はもちろん、長文読解やリスニングにも力を入れ、英語を「武器」にできるよう頑張りましょう。和光国際高等学校で、あなたの可能性を大きく花開かせてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。