茨城県立土浦第一高等学校に興味をお持ちの中学生、そして保護者の皆様、こんにちは。数ある高校の中から、県内トップクラスの進学校である土浦一高に関心を持たれたこと、その素晴らしい探究心と高い志に、まずは心からのエールを送ります。
土浦一高は、ただ偏差値が高いだけの学校ではありません。120年以上の歴史の中で培われた「自主、協同、責任」という校訓と、「Noblesse Oblige(高き位に、重き務めあり)」という教育理念が、今も生徒一人ひとりの活動に深く根付いています。ここでは、勉強はもちろん、部活動や学校行事のすべてにおいて生徒が主役です。
この記事では、そんな土浦第一高等学校の本当の魅力と、そこで送る高校生活のリアルな姿を、皆さんが具体的にイメージできるよう、詳しく、そして分かりやすくご紹介していきます。
茨城県立土浦第一高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 茨城県立土浦第一高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒300-0051 茨城県土浦市真鍋4-4-2 |
代表電話番号 | 029-822-0137 |
公式サイトのURL | https://www.tsuchiura1-h.ibk.ed.jp/ |
茨城県立土浦第一高等学校の偏差値・難易度・併願校
土浦一高の学力的なレベルは、受験生にとって最も気になるポイントの一つだと思います。ここでは、具体的な数字とその意味を解説します。
偏差値・難易度
土浦第一高等学校の偏差値は、各種模擬試験で72から74とされており、茨城県内では水戸一高と並んで最上位に位置します。全国的に見てもトップクラスの難易度です。
この偏差値72以上というのは、単に中学校の教科書内容を完璧に覚えているだけでは到達が難しいレベルです。基本的な知識を土台として、それをいかに応用して複雑な問題を解き明かすかという、思考力や応用力が問われます。合格のためには、入試本番で500点満点中430点から450点以上を目指すのが一つの目安とされています。また、中学3年間の成績を示す内申点も重要で、135点満点中120点以上、つまり9教科のほとんどで評定「4」や「5」を取っておくことが望ましいでしょう。
この非常に高い学力基準は、単に優秀な生徒を集めるためだけではありません。土浦一高の教育の根幹にある「自主」の精神を体現できる生徒を選ぶための、最初のステップとも言えます。このレベルの成績を収めるには、塾や先生の指導だけでなく、自ら学習計画を立てて実行する自己管理能力が不可欠です。つまり、入学試験は学力と同時に、高校生活で求められる「自律的に学ぶ力」も試しているのです。
同じくらいの偏差値の高校
県内で土浦一高と同じくらいのレベルの高校として、以下の学校が挙げられます。これらの学校は、県内トップ層の生徒たちが目標とする学校です。
学校名 | 偏差値の目安 |
水戸第一高等学校 | 72 – 75 |
竹園高等学校 | 69 – 70 |
日立第一高等学校 | 66 – 68 |
緑岡高等学校 | 68 – 69 |
竜ヶ崎第一高等学校 | 66 – 70 |
主な併願校
茨城県の公立高校入試は1校しか受験できないため、土浦一高を受験する生徒の多くは、万が一の場合に備えて私立高校を併願します。併願先として選ばれるのは、やはり学力レベルの高い進学校が中心です。
主な私立併願校の例:
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江戸川学園取手高等学校
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常総学院高等学校
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土浦日本大学高等学校
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つくば秀英高等学校
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東洋大学附属牛久高等学校
茨城県立土浦第一高等学校に設置されている学科・コース
土浦一高では、生徒一人ひとりの高い目標に応えるためのコースが設置されています。令和6年度からは、より柔軟な学びを可能にする単位制に移行しています。
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普通科 (単位制)
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どんなことを学ぶ?:1・2年次は文系・理系を分けずに幅広い教科を学び、総合的な学力を養います。3年次でそれぞれの進路希望に合わせて科目を選択し、専門性を深めていくカリキュラムです。幅広い教養を身につけることを重視しており、これが将来、社会の様々な分野でリーダーシップを発揮するための土台となります。
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どんな生徒におすすめ?:東京大学や京都大学などの最難関国公立大学や、早慶などの難関私立大学を目指し、文系・理系を問わず幅広い分野に挑戦したい生徒に最適です。
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医学コース (普通科内)
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どんなことを学ぶ?:2年次から選択できる、医師を目指すための専門コースです。「医学概説」といった学校独自の科目や、大学病院での実習体験、現役医師による講演会などを通して、高い学力と医療人としての心構えを育みます。
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どんな生徒におすすめ?:「将来、人の命を救う医師になりたい」という強い意志(医志)を持ち、高度で専門的な学習に挑む覚悟のある生徒におすすめです。茨城県の地域医療に貢献したいという志を持つ生徒も力強くサポートします。
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これらのコース設定には、学校の教育理念「Noblesse Oblige」が色濃く反映されています。普通科で幅広い教養を重視するのは、多角的な視点を持つリーダーを育てるため。そして医学コースが地域医療への貢献を視野に入れているのは、恵まれた才能を社会のために役立てるという考え方の実践そのものです。
茨城県立土浦第一高等学校の特色・校風
土浦一高の最も大きな魅力は、その独特の校風と文化にあります。キーワードは「自主」「自由闊達」「文武両道」です。
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宿題の量は多いか少ないか
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「非常に多い」という声が圧倒的です。口コミでは「尋常じゃない量」といった表現も見られ、日々の学習習慣が確立されていないとついていくのは大変かもしれません。しかし、この課題をこなすことで、強制的に勉強する習慣が身につき、結果的に高い学力につながるという側面もあります。
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校則は厳しいか緩やかか
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全体的には、生徒の自主性を尊重する校風のため、細かく厳しい規則は少ないようです。ただし、守るべきラインは明確に定められています。
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スマホ:原則として昼休みと放課後のみ使用可能で、授業中の使用は禁止です。
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服装:制服があり、「品位と清潔感」が基本方針です。頭髪などについても、華美にならないようにという指導があります。
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アルバイト:原則として認められていません。やむを得ない事情がある場合は、保護者の承認を得て学校長の許可を得る必要があります。
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生徒たちの雰囲気
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「優しくてストイック」「勉強意欲が高い人が多く、刺激になる」といった声が多く聞かれます。中学校では生徒会長や部長などを経験してきた生徒が多く、精神的に大人びている(精神年齢が高い)と感じる在校生もいるようです。互いに高め合える、知的な雰囲気があります。
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土曜授業はあるか
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「土曜講座」という形で、年に10回程度、土曜日に授業が行われることがあります。
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口コミを見ると、土浦一高の評価は二つに分かれる傾向があります。一方では「最高の学習環境で、素晴らしい仲間と出会えた」と絶賛する声があり、もう一方では「授業の進度が速く、課題も多くて潰されそうになる。学校のサポートというより個人の努力次第」という厳しい意見もあります。これは、土浦一高の「自主」を重んじる校風が、生徒によって最高の環境にも、厳しい試練にもなり得ることを示しています。自分から積極的に学び、困難な課題に挑戦することを楽しめる生徒にとっては最高の場所ですが、手厚いサポートを期待する生徒には合わないかもしれません。この点を理解しておくことが、入学後のミスマッチを防ぐ上で非常に重要です。
茨城県立土浦第一高等学校の部活動・イベント
部活動
土浦一高は「文武両道」を掲げており、部活動への加入率は9割を超えています。40以上の部・同好会があり、選択肢が非常に豊富です。
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全体の様子
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運動部、文化部ともに非常に活発です。多くの生徒が勉強と両立させながら、高いレベルで活動に打ち込んでいます。
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注目の部活動
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科学部:県の「科学の甲子園」で優勝し、全国大会に出場するなど、全国レベルの実績を誇ります。知的好奇心旺盛な生徒が集まっています。
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ヨット部:公立高校には珍しい部活動で、霞ヶ浦を拠点に活動しています。関東大会にも出場する強豪です。
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應援指導部:旧制中学時代から続く非常に長い歴史と伝統を持つ部です。校歌や校旗を守る存在として、学校の精神的な支柱となっています。OB会組織も強力で、その活動はまさに「伝統の継承」です。
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クイズ研究会:テレビのクイズ番組さながらの活動を行う、ユニークな文化部の一つです。
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その他、弓道部や弦楽部なども活発な活動が報告されています。
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イベント
土浦一高の学校行事は、生徒たちの自主性と創造性が爆発する、学校生活のハイライトです。特に「一高三大行事」と呼ばれる3つのイベントは、学校の文化を象徴しています。
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一高祭(文化祭)
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6月に行われる文化祭です。最大の特徴は、企画から運営まで、そのほとんどすべてを生徒が取り仕切ること。口コミでは、クラスで協力して手動のコーヒーカップのアトラクションを作ったという話もあり、その本気度とクオリティの高さがうかがえます。クラスの団結力が高まり、終わった後の達成感は格別だそうです。
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一高オリンピック(体育祭)
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9月に行われる体育祭です。クラス対抗で様々な競技に全力で取り組み、学校全体が熱気に包まれます。
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歩く会
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10月に行われる伝統行事です。学校までの約30kmの道のりを、時には山道を越えながら一日かけて歩きます。体力的に非常に厳しいイベントですが、「めちゃくちゃ疲れるけど楽しい」「友達とたくさん話しながら歩けるのが良い」といった声があり、生徒にとっては忘れられない思い出になるようです。
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これらの行事は、単なる息抜きではありません。「一高祭」は企画力や協調性(協同)を、「歩く会」は忍耐力や自己への責任(責任)を育む、まさに校訓を実践する学びの場なのです。
茨城県立土浦第一高等学校の進学実績
土浦一高は、全国でも有数の進学校として、毎年輝かしい大学合格実績を誇ります。生徒の高い志と、それを支える学校の取り組みの成果が現れています。
最新の大学進学実績(2025年)
以下は、2025年春の主要大学への合格者数です(浪人生含む)。
大学群 | 主な大学名 | 合格者数 |
国公立大学 | 東京大学 | 14名 |
京都大学 | 4名 | |
東北大学 | 15名 | |
筑波大学 | 39名 | |
国公立大学医学部医学科 | 14名 | |
難関私立大学 | 早稲田大学 | 38名 |
慶應義塾大学 | 13名 | |
上智大学 | 14名 | |
東京理科大学 | 83名 | |
GMARCH (学習院・明治・青学・立教・中央・法政) | 合計 151名 |
その他、北海道大学や大阪大学といった旧帝国大学や、一橋大学などの最難関大学にも多数の合格者を輩出しています。地元の茨城大学にも毎年安定して合格者を出しています。
進学実績を支える取り組み
この高い進学実績は、生徒個人の努力はもちろん、学校独自のサポート体制によって支えられています。
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授業第一主義:特別な課外授業に頼るのではなく、日々の60分授業の質を最大限に高めることを最優先しています。教師は入念な準備を行い、生徒は予習・復習を徹底することで、密度の濃い授業が成り立っています。
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学習研究会:より高いレベルを目指す生徒のために、「東大進学研究会」や「医学部進学研究会」といった自主的な学習グループが組織され、切磋琢磨する環境が整っています。
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充実した進路指導室:進路指導室には、難関大学の過去問題集(赤本・青本)が豊富に揃えられており、生徒は自由に借りることができます。小論文や面接対策の資料も充実しており、年間1,000冊以上が貸し出されています。
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綿密な個別指導:入学直後から定期的な個別面談が行われ、学習状況や進路希望について、教員が親身に相談に乗ってくれます。
茨城県立土浦第一高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、土浦一高ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。
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独自の探究学習プログラムがある
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全校生徒が取り組む探究活動では、SDGsなどをテーマに、生徒が自ら課題を設定。企業へのフィールドワークや、専門家へのインタビューなどを通じて研究を深め、その成果を発表します。大学での研究の先取りとも言える本格的な活動です。
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グローバル人材を育てる海外研修が充実している
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希望者対象の海外研修プログラム「SEG」(理系中心・アメリカ東海岸)や「HEG」(文系中心・オーストラリアなど)では、マサチューセッツ工科大学(MIT)やハーバード大学といった海外トップ大学を訪問し、現地の研究者や学生と交流する機会があります。
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「授業第一主義」を支える60分授業
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一般的な50分授業より10分長い60分授業を採用。この時間を活用して、講義だけでなく、生徒同士の議論や発表(アクティブ・ラーニング)を授業内に組み込み、深い理解を促しています。
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生徒の「自主」を育む、生徒主体の学校行事
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文化祭や体育祭、歩く会といった三大行事は、企画から運営まで生徒が中心となって行います。これは、社会で必要とされるリーダーシップや協調性を実践的に学ぶ貴重な機会となっています。
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医学部進学を強力にサポートする「医学コース」
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医師を志す生徒のために、2年次から専門の「医学コース」を設置。独自のカリキュラムや病院での実習体験など、医学部受験に特化した手厚いサポートが受けられます。
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教員との距離が近い「教科別職員室」
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全教員が集まる大きな職員室はなく、教科ごとに職員室が分かれています。そのため、生徒は質問したい教科の先生を訪ねやすく、気軽に学習相談ができる環境が整っています。
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茨城県立土浦第一高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生からのリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。
良い点
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「周りの生徒のレベルが非常に高く、常に良い刺激を受けられる環境です。自然と勉強へのモチベーションが上がります。」という声が多いようです。
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「勉強だけでなく部活動にも本気で打ち込める『文武両道』が実践できる学校です。どちらも頑張りたい人には最高だと思います。」
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「一高祭などの行事は生徒が主体なので、自分たちで作り上げる楽しさと大きな達成感を味わえます。クラスの団結力も強くなります。」
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「先生方は生徒を大人として扱ってくれ、自由な校風の中で高校生活を送れます。自分で考えて行動する力が身につきました。」
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「受験に関係ない教科もしっかり学ぶので、幅広い教養が身につき、大学進学後や社会に出てから役立つ知識が得られます。」
気になる点
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「とにかく課題の量が多く、授業の進度も速いので、ついていくのが大変です。ギリギリで入学すると苦労するという意見もあります。」
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「学校はいわゆる『放任主義』なところがあります。先生が手取り足取り教えてくれるわけではないので、自分から質問に行くなど、積極的な姿勢がなければ置いていかれます。」という声も聞かれます。
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「応用問題ばかりで基礎がおろそかになっていると感じることがありました。定期テストの平均点が非常に低いこともあります。」
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「校舎やトイレなど、施設が少し古いという意見があります。」
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「駅から少し距離があるのが難点です。」
アクセス・通学
土浦一高への通学方法と、どのエリアから通う生徒が多いかをまとめました。
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最寄り駅:JR常磐線「土浦」駅
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駅からのアクセス:
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徒歩:約25分~30分。天気の良い日は歩いて通学する生徒も少なくありません。
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バス:土浦駅西口バス乗り場から約10分。
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自転車:駅前の駐輪場を契約し、駅から自転車で通学する生徒が非常に多いです。人気の駐輪場はすぐに埋まってしまうため、合格が決まったら早めに申し込むのがおすすめです。
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主な通学エリア:
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土浦市内はもちろんですが、つくば市から通学する生徒が非常に多いのが特徴です。つくばセンターや研究学園駅からは土浦一高への直行バスも運行されており、通学の利便性が高まっています。その他、牛久市など、近隣の市町村から広い範囲の生徒が集まっています。
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茨城県立土浦第一高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。最後に、進学アドバイザーとして、土浦第一高等学校を目指す皆さんへメッセージを送ります。
土浦一高は、「誰かにやらされる勉強」ではなく「自ら学ぶこと」に喜びを感じる人、難しい課題にぶつかった時に「どうすれば解決できるだろう」とワクワクできる人にとって、最高の環境が整っている学校です。周りのレベルの高さに気後れするのではなく、それを成長のチャンスと捉えられる、そんな前向きなあなたにこそ、土浦第一高等学校の門を叩いてほしいと心から思います。
受験勉強においては、公式や単語をただ暗記するだけでなく、「なぜそうなるのか」という本質を理解することに力を入れてください。土浦一高の入試では、その深い理解を問う応用問題が多く出題されます。そして、今のうちから自分で計画を立てて勉強する習慣を身につけておきましょう。その習慣は、入学後の膨大な課題を乗り越え、充実した高校生活を送るための何よりの武器になります。皆さんの挑戦を、心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。