山梨学院高等学校、その名前を聞いて、全国レベルで活躍するスポーツの強豪校というイメージを持つ人も多いかもしれませんね。もちろん、そのイメージは間違いではありません。1946年の創立以来、山梨県の教育をリードしてきた歴史ある学校であり、特に部活動の輝かしい実績は多くの人が知るところです。しかし、その魅力はスポーツだけにとどまりません。

実は、山梨学院高等学校の最大の特長は、まるで「一つの学校の中に三つの異なる学校がある」かのような、多彩なコース制度にあります。難関大学を目指すための徹底した学習環境、グローバルな視野を育むための国際教育、そして全国の頂点を目指す部活動と学業を両立させるためのサポート体制。これらが、それぞれの目標に合わせて用意されているのです。

この記事を読めば、あなたが山梨学院高等学校でどんな3年間を送れるのか、その具体的なイメージがきっと湧いてくるはずです。あなたの夢や目標にぴったりの場所が、ここにあるかもしれません。さあ、一緒にその魅力を探っていきましょう。

山梨学院高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 山梨学院高等学校
公立/私立の別 私立
共学/別学 男女共学
所在地 〒400-0805 山梨県甲府市酒折三丁目3-1
代表電話番号 055-224-1600
公式サイトURL https://www.yghs.ed.jp/

山梨学院高等学校は、1946年に山梨実践女子高等学院として創立された長い歴史を持つ学校です。現在は、大学や短期大学、中学校、小学校、幼稚園までを擁する学校法人C2C Global Education Japanの一翼を担っています。

山梨学院高等学校の偏差値・難易度・併願校

山梨学院高等学校の大きな特徴は、コースによって偏差値や難易度が大きく異なる点です。これは、生徒一人ひとりの目標に応じた教育を提供するための意図的な設計であり、自分に合ったコースを選ぶことが非常に重要になります。

コースごとの偏差値

各コースの偏差値の目安は以下の通りです。

  • 特進コースP(プレミアム)系列: 61

  • 特進コースA(アドバンスト)系列: 54 – 56

  • 進学コース: 48 – 50

難易度のイメージと内申点の目安

偏差値だけでは分かりにくい難易度を、他の高校や内申点の目安と合わせて見てみましょう。

  • 特進コースP(プレミアム)系列(偏差値61):

    県内のトップクラスの公立高校と肩を並べる難易度です。東京大学や京都大学といった最難関国公立大学や医学部を目指す生徒が集まります。合格には、内申点37〜40程度が一つの目安となるでしょう。

  • 特進コースA(アドバンスト)系列(偏差値54-56):

    県内の主要な私立高校や中堅以上の公立高校と比較されるレベルです。早慶上理やGMARCHといった難関私立大学を目指す生徒に適しています。内申点の目安は32〜36程度です。

  • 進学コース(偏差値48-50):

    幅広い学力層の生徒にとって門戸が開かれています。特に、高いレベルで部活動に打ち込みながら、系列の山梨学院大学への進学を考えている生徒に人気があります。内申点の目安は29〜32程度とされています。

主な併願校

山梨学院高等学校は私立高校なので、公立高校を第一志望とする受験生の併願先として選ばれることが多いです。また、他の私立高校と合わせて受験するパターンも見られます。

  • 特進コースP・A系列の受験生:

    同じく高い進学実績を誇る駿台甲府高等学校(ハイグレードコース)や、富士学苑高等学校(特別進学コースA)、日本大学明誠高等学校(特別進学コース)などを併願校として考える生徒が多いようです。

  • 進学コースの受験生:

    公立高校の巨摩高等学校や甲府商業高等学校などを第一志望とする生徒の併願先として、また、同じ私立では東海大学付属甲府高等学校や甲斐清和高等学校などと一緒に検討されることが多いです。

山梨学院高等学校に設置されている学科・コース

山梨学院高等学校の心臓部とも言えるのが、この3つのコース制度です。それぞれのコースが明確な目的を持っており、入学後の学校生活を大きく左右します。

  • 特進コース P(プレミアム)系列

    • どんなことを学ぶ場所か:東京大学や京都大学などの最難関国公立大学や、医学部・歯学部・薬学部への現役合格を目標とする、学校の学力を牽引するコースです。

    • どんな生徒におすすめか:高い学力を持ち、大学受験に向けてハイレベルな環境で仲間と切磋琢磨したい人。

  • 特進コース A(アドバンスト)系列

    • どんなことを学ぶ場所か:早稲田大学や慶應義塾大学、GMARCHなどの難関私立大学や海外大学への進学を目指します。実践的な英語力や、ディスカッション・プレゼンテーション能力を重視した授業が特徴です。

    • どんな生徒におすすめか:グローバルな視点を持ちたい人、英語が好きで得意な人、海外研修などに興味がある人。

  • 進学コース

    • どんなことを学ぶ場所か:系列の山梨学院大学・短期大学との連携を活かし、専門的な学びを深めると同時に、全国レベルの部活動との両立を強力にサポートするコースです。

    • どんな生徒におすすめか:本気で部活動に打ち込みたい人、高校のうちから大学での学びに触れたい人、山梨学院大学への進学を考えている人。

山梨学院高等学校の特色・校風

学校全体の雰囲気は、コースによって少しずつ異なりますが、共通しているのは「活気」と「規律」です。

  • 校風キーワード:文武両道、多様性、活気、規律

リアルな学校生活Q&A

中学生が本当に知りたい学校生活の様子を、口コミなどを基に詳しく見ていきましょう。

  • 宿題の量は多い?少ない?

    コースによって大きく異なります。「特進コースは課題も多く、かなり勉強させられる」という声がある一方で、「進学コースは部活動と両立できるくらいの量」という意見が多いようです。自分の目標と生活スタイルに合わせてコースを選ぶことが大切です。

  • 校則は厳しい?緩やか?

    全体的には標準的からやや厳しいという印象です。特に大きな特徴は「校内でのスマートフォンの使用が原則禁止」である点です。これは高校生活に大きく関わる点なので、しっかり理解しておく必要があります。その他、制服の着こなし(指定セーターのみ、カーディガンは不可)、スカート丈、頭髪(染髪・パーマ・奇抜な髪型は禁止)など、細かな規定があります。

  • 生徒たちの雰囲気は?

    非常に多様です。特進コースには真面目に学習に取り組む生徒が多く、進学コースには部活動に燃える活発な生徒が多い傾向があります。生徒数が多いため、様々なタイプの友人ができ、「社会勉強になる」という肯定的な口コミもあります。一方で、コースが違うと校舎や授業も分かれるため、別の学校のように感じるという声も聞かれます。

  • アルバイトは可能?

    公式な規定に関する情報は見当たりませんでしたが、特進コースの学習量や進学コースの部活動のスケジュールを考えると、原則として推奨はされていない可能性が高いです。許可制である場合も考えられますので、気になる場合は学校説明会などで直接確認することをおすすめします。

  • 制服の評判は?

    女子の制服は紺のブレザーにチェックのスカートで、「可愛い」と評判は良いようです。男子は伝統的な濃紺の学生服です。夏服はポロシャツも選択でき、機能性も考えられています。

  • 土曜授業はある?

    はい、あります。特に特進コースでは、大学受験対策のための「土曜特別講座」などが開かれており、学習サポートが充実しています。進学を目指す生徒にとっては心強いですが、週末の過ごし方として念頭に置いておく必要があります。

山梨学院高等学校の部活動・イベント

部活動

山梨学院高等学校のアイデンティティとも言えるのが、全国にその名を轟かせる部活動です。「強化育成クラブ」に指定されている部は、単なる放課後活動ではなく、全国の頂点を目指すための本格的なトレーニングの場となっています。

運動部、文化部ともに数多くのクラブがありますが、学校の顔となっているのはやはり運動部です。

  • 特に有名な部活動

    • 野球部:甲子園の常連校であり、2023年の選抜高等学校野球大会では見事全国制覇を成し遂げました。高校野球に憧れる球児にとっては、最高の環境と言えるでしょう。

    • サッカー部:こちらも全国高校サッカー選手権大会で2度の優勝を誇る名門です。プロ選手も輩出しており、部員数も非常に多く活気に満ちています。

    • 駅伝部:男女ともに「都大路」の常連で、男子は全国優勝の経験もあります。チーム一丸となって襷をつなぐ姿は、学校の誇りです。

    • その他の強豪部:近年急速に力をつけているラグビー部、インターハイ優勝経験のある女子ソフトボール部、世界レベルの選手を擁する空手道部、オリンピック選手を輩出した水泳部など、数え上げればきりがありません。

文化部も吹奏楽部、茶道部、ESS(英語部)など多彩なクラブがあり、それぞれの活動に打ち込んでいます。しかし、学校全体の雰囲気や知名度を形作っているのは、圧倒的な実績を誇るスポーツ系の強化クラブであることは間違いありません。

イベント

生徒たちが一体となって盛り上がる学校行事も、高校生活の大きな楽しみの一つです。

  • 芙蓉祭(ふようさい):6月に行われる文化祭です。クラスや部活動ごとの展示・発表、有志によるステージ企画、模擬店などでキャンパスが熱気に包まれます。生徒が主体となって作り上げる、学校最大のお祭りです。

  • 体育祭:9月に行われます。スポーツが盛んな学校だけあって、そのレベルの高さと盛り上がりは圧巻です。全校生徒が応援する側、される側になり、クラスや学校全体の一体感が生まれます。

  • 研修旅行:コースの特色が色濃く反映されています。

    • 特進コースA系列は、カナダへの海外語学研修旅行が大きな目玉です。

    • 特進コースP系列は、難関大学への見学研修や、集中して学習に取り組む「宿泊学習会」が中心です。

    • 進学コースは、国内での研修旅行が企画されています。

山梨学院高等学校の進学実績

3つのコース戦略は、大学進学実績にも明確に表れています。最難関大学から系列大学まで、幅広い出口を確保しているのが山梨学院高等学校の強みです。特に、医学部をはじめとする医療系への進学実績には目を見張るものがあります。

  • 国公立大学:

    東京大学、京都大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学といった旧帝大をはじめ、全国の国公立大学に合格者を輩出しています。中でも地元の山梨大学医学部には毎年安定して合格者を出しており、医療系を目指す生徒へのサポートの手厚さがうかがえます。

  • 難関私立大学:

    早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学といった「早慶上理」や、「GMARCH」(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)にも多数の合格実績があります。2024年度入試では、早慶上理に19名、GMARCHに43名が合格しています(現役生・既卒生含む)。

  • その他の進路:

    進学コースの生徒を中心に、非常に多くの生徒が系列の山梨学院大学・山梨学院短期大学へ内部推薦制度を利用して進学しています。2025年度入試では103名が内部進学しており、これは部活動に打ち込みながら安心して進路を確保できる大きな魅力となっています。また、海外の大学へ進学する生徒もいます。

これらの実績は、特進コースを中心に行われる土曜特別講座や、大手予備校と連携したサテライン授業、そして一人ひとりの目標に合わせたきめ細やかな進路指導によって支えられています。

山梨学院高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、山梨学院高等学校ならではの強みを5つのポイントにまとめました。

  • 「三つの学校」を持つ多様なコース制

    最難関大学を目指す道、世界へ羽ばたく道、トップアスリートを目指す道。一つの学校にいながら、全く異なる目標を持つ生徒たちがそれぞれの夢を追いかけられる環境が整っています。

  • 全国屈指の部活動実績

    野球、サッカー、駅伝をはじめ、多くの部活動が全国の舞台で輝かしい成績を収めています。本気でスポーツに打ち込みたい生徒にとって、これ以上ない環境です。

  • 医学部・難関大に強い特進コース

    長年のノウハウが蓄積された進路指導により、医学部や旧帝大などの最難関大学・学部へ多数の合格者を輩出しています。高い目標を持つ生徒が集まる、刺激的な環境です。

  • 安心の山梨学院大学への内部進学

    進学コースの生徒にとって、系列の山梨学院大学・短期大学への内部進学という道が用意されています。これにより、部活動や専門的な学びに安心して集中することができます。

  • グローバルな視野を育む教育

    特進コースA系列を中心に、海外語学研修(カナダ)や実践的な英語教育に力を入れています。海外大学への進学も視野に入れた、国際的な人材育成を目指しています。

山梨学院高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からのリアルな声は、学校選びの重要なヒントになります。良い点と気になる点を公平に見ていきましょう。

良い点

  • 「目標が同じ仲間と切磋琢磨できる」

    特に特進コースや強化指定の部活動では、同じ高い志を持つ仲間が集まるため、お互いに高め合える環境があるという声が多数あります。

  • 「先生のサポートが手厚い」

    特に大学受験を控えた特進コースの生徒に対しては、先生方が遅くまで質問に対応してくれるなど、親身なサポートが評価されています。

  • 「部活動がとにかく強く、高いレベルで挑戦できる」

    これは多くの生徒が挙げる魅力です。全国レベルの環境で3年間を過ごせることは、他では得られない貴重な経験です。

  • 「学校生活が楽しく、友達がたくさんできる」

    生徒数が多く、様々なタイプの生徒がいるため、気の合う友人を見つけやすいという意見も多く見られます。

気になる点

  • 「コース間の差が大きく、別の学校のよう」

    これが最も多く聞かれる意見です。学習内容や校舎、生徒の雰囲気まで異なるため、入学前にどのコースが自分に合っているかを真剣に考える必要があります。

  • 「進学コースから系列大学以外を目指すのは大変」

    カリキュラムが進学コースの目標に合わせて組まれているため、一般入試で外部の難関大学を目指す場合は、個人の相当な努力が必要になるという声があります。

  • 「校則が厳しい(特にスマホ)」

    校内でのスマホ使用禁止は、今の時代の中学生にとっては大きなポイントかもしれません。自由な校風を求める人には、少し窮屈に感じられる可能性があります。

  • 「推薦のための評定が厳しいという声も」

    特に外部大学への推薦を考えている生徒から、内申点の評価が厳しいという意見が一部で見られます。

アクセス・通学

山梨学院高等学校は、交通の便が非常に良い場所にあります。

  • 最寄り駅:

    • JR中央本線「酒折駅」から徒歩約3〜5分

    • JR身延線「善光寺駅」から徒歩約10〜12分

  • バス:

    • 山梨交通バス・富士急行バス「酒折宮前」停留所から徒歩約5分

    • 「山梨学院中学高校」停留所からは徒歩約2分です。

  • 通学エリア:

    甲府市内はもちろん、県内全域、さらには長野県から通学している生徒もいます。駅からの近さに加え、郡内方面などへスクールバスも運行されており、広範囲からの通学が可能です。

山梨学院高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとう。最後に、進学アドバイザーとして、山梨学院高等学校を目指す君たちにメッセージを送ります。

山梨学院高等学校は、「これを極めたい」という強い意志を持つ君にこそ、最高の環境を提供してくれる学校です。日本のトップ大学を目指して猛勉強したい君、世界を舞台に活躍できる英語力を身につけたい君、そして、大好きなスポーツで全国の頂点を目指したい君。それぞれの夢を全力で応援してくれる場所が、ここにはあります。

受験勉強では、まず自分がどのコースで3年間を過ごしたいのかを真剣に考えてみてください。特進コースを目指すなら、中学レベルの英・数・国の基礎を完璧に固めることが合格への近道です。進学コースを考えているなら、面接や作文で「高校で何をしたいのか」という情熱をしっかり伝えられるように準備しましょう。山梨学院高等学校の受験は、ゴールではなく、君の夢へのスタートです。

受験勉強は大変ですが、その先には夢中になれる何かが待っています。自分に合った場所を見つけるために、最後まで頑張ってください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。