岩手県立盛岡第三高等学校は、県内トップクラスの学力と、充実した高校生活を両立させたいと考える中学生にとって、非常に魅力的な選択肢の一つです。「さわやか三高」の愛称で親しまれ、高い目標を掲げながらも、爽やかで活気のある青春を送ることができる場所として、多くの生徒や保護者から支持されています。単に大学進学を目指すだけでなく、その先の未来を見据えた人間教育を大切にしているのが、盛岡第三高等学校の大きな特長です。

この学校の根底には、「文武両道」の精神と、生徒一人ひとりの「主体性」を重んじる文化が深く根付いています。勉強はもちろんのこと、部活動や学校行事、そして独自の探究活動にも全力で取り組むことが奨励されており、生徒たちは日々切磋琢磨しながら、自らの可能性を大きく広げています。盛岡第三高等学校は、生徒が自ら考え、行動し、仲間と共に成長していくための最高の舞台を提供してくれる学校と言えるでしょう。

そして2025年度、この伝統ある学び舎は、県内の公立高校として初となる「進学型単位制」を導入し、新たな一歩を踏み出しました。これは、生徒一人ひとりの夢や目標に、よりきめ細かく寄り添うための革新的な取り組みです。この記事では、そんな進化を続ける盛岡第三高等学校の魅力を、偏差値や進路実績といったデータから、在校生のリアルな声まで、余すところなくお伝えしていきます。

盛岡第三高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 岩手県立盛岡第三高等学校
公立/私立の別 公立
共学/別学 男女共学
所在地 〒020-0114 岩手県盛岡市高松4丁目17番16号
代表電話番号 019-661-1735 (事務室)
公式サイトURL http://www2.iwate-ed.jp/mo3-h/

盛岡第三高等学校の偏差値・難易度・併願校

盛岡第三高等学校の偏差値は、各種の模擬試験や塾のデータによると、おおむね64から65とされています。これは岩手県内の公立高校では盛岡第一高等学校に次ぐトップレベルの高さであり、合格には相応の学力が求められます。

難易度を具体的にイメージするために、合格に必要な点数にも触れておきましょう。入試本番で450点近い高得点を取る生徒がいる一方で、中学校での成績を示す内申点が非常に高ければ、330点台で合格するケースもあるようです。これは、当日の学力試験の得点だけでなく、中学校3年間の学習への取り組みが総合的に評価されることを意味します。つまり、日々の授業を大切にし、定期テストで着実に点数を取ることが、盛岡第三高等学校への合格切符を掴むための重要な鍵となります。人気校のため、近年は倍率も上昇傾向にあり、しっかりとした受験対策が不可欠です。

また、岩手県の公立高校入試では、原則として1つの高校しか受験できません。そのため、万が一に備えて私立高校を併願することが一般的な戦略となります。盛岡第三高等学校を目指す受験生の多くが、併願校として以下の私立高校を選んでいます。

  • 盛岡中央高等学校 (特に進学選抜Aコース)

  • 岩手高等学校

  • 盛岡大学附属高等学校

  • 盛岡白百合学園高等学校

盛岡第三高等学校に設置されている学科・コース

盛岡第三高等学校は、これまでの学年制から大きな変革を遂げました。2025年度の入学生からは、岩手県の公立高校で初めてとなる画期的なシステムを導入しています。

  • 進学型単位制

    • どんなことを学ぶ場所か:従来の「全員が同じ授業を受ける」スタイルとは異なり、大学のように自分の進路希望や興味関心に合わせて、多くの選択科目の中から時間割を組み立てていく学び方です。2年次から選択の幅が広がり、自分の目標に特化した学習を深めることができます。

    • どんな生徒におすすめか:「将来は理系の学部に進みたい」「難関私立大学の文系学部を目指したい」など、自分の進みたい道がある程度見えている生徒に特におすすめです。大学受験を見据えた効率的な学習計画を、高校のうちから主体的に立てることができます。

この「進学型単位制」は、生徒一人ひとりの多様な進路希望に対応するための、学校側の強い意志の表れです。少人数での授業や、個々の学力に合わせた習熟度別のクラス編成も充実しており、より手厚い指導が期待できます。ライバル校である盛岡第一高等学校も同様の制度を導入しますが、盛岡第三高等学校は2年次から幅広い選択科目が用意されており、より早期から柔軟なカリキュラムを組めるのが大きな特長です。

盛岡第三高等学校の特色・校風

学校全体の雰囲気を表すキーワードは、「文武両道」「自主・創造・友愛」「さわやか三高」、そして「主体性」です。これらは単なるスローガンではなく、学校生活のあらゆる場面に浸透しています。

口コミや評判を基に、中学生が気になるポイントを詳しく見ていきましょう。

  • 宿題の量:多くの在校生が「多い」と口を揃えます。授業の進度も速いため、日々の予習・復習は必須です。計画的に学習を進める習慣が自然と身につく環境と言えるでしょう。

  • 校則(スマホ、服装など):学校の教育方針である「主体性」という言葉から、自由な校風をイメージするかもしれませんが、実際には「管理された中での自由」という側面が強いようです。

    • スマホ:校内での使用は原則禁止です。登下校中や放課後の使用は認められているようですが、授業中はもちろん、休み時間も使用できないというルールがあります。

    • 服装・頭髪:2025年度入学生からは、新しいブレザータイプの制服になります。スカート丈は膝周辺、セーターの色は黒・紺・グレー・白・茶・ベージュの無地など、細かな規定があります。頭髪の染髪やパーマ、ピアスなどの装飾品は禁止されており、身だしなみは比較的厳しいと捉える声が多いです。

  • 生徒たちの雰囲気:真面目で向上心のある生徒が多く、お互いに高め合える環境です。普段は和気あいあいとしていますが、やるべき時にはしっかりと集中する、メリハリのある生徒が多いようです。いじめが少ないという声も多く、安心して学校生活を送れる雰囲気があります。

  • アルバイト:原則として禁止されています。ただし、家庭の事情などでやむを得ない場合は、学校の許可を得て行うことが可能です。その際も、学業成績や生活態度に問題がないことが条件となります。

  • 制服の評判:新しい制服は、現代的でスタイリッシュなブレザースタイルです。夏にはポロシャツの着用も可能で、機能性も考慮されています。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありませんが、模試や進学対策の講習が土曜日に行われることはあります。

  • その他:校舎は比較的きれいで、エアコンも完備されているため、学習環境は快適です。また、パンやお弁当を販売している購買は、品揃えが豊富で美味しいと生徒から人気です。

盛岡第三高等学校の部活動・イベント

部活動

「文武両道」を掲げる盛岡第三高等学校では、部活動が非常に盛んで、多くの生徒が学業と両立させながら熱心に活動に取り組んでいます。運動部、文化部ともに種類が豊富で、高いレベルでの活躍を目指せる環境が整っています。

特に近年、目覚ましい実績を上げている部活動や、特色ある部活動をいくつか紹介します。

  • 剣道部:個人戦で県大会優勝者を輩出するなど、県内屈指の強豪です。

  • 陸上競技部:全国レベルの大会であるジュニアオリンピックで入賞する選手が在籍しており、女子駅伝チームも東北大会に出場するなど、輝かしい実績を誇ります。

  • 演劇部:生徒が創作した脚本で県のコンクールに臨み、高い評価を得ています。表現力や創造性を磨きたい生徒にぴったりです。

  • 文芸部:「短歌甲子園」と並ぶ全国三大大会の一つ「高校生万葉短歌バトル」に連続出場しており、全国の舞台で文才を競っています。

  • 美術部・写真部:県の総合文化祭で特賞や優秀賞の常連であり、豊かな感性を育むことができます。

  • 珍しい部活動:岩手の自然環境を活かせる「ボート部」や「スキー部」があるのも、盛岡第三高等学校ならではの魅力です。

イベント

盛岡第三高等学校の学校生活を語る上で、生徒たちが全力で作り上げる学校行事は欠かせません。これらは単なる息抜きではなく、クラスの団結力を高め、一生の思い出を作る大切な機会となっています。

  • 体育大会:6月に行われる体育大会は、なんと3日間にわたって開催されます。全校生徒がクラスごとに様々な競技で競い合い、応援にも熱が入る、まさに学校全体が一つになる一大イベントです。

  • 三高祭(文化祭):夏休み明けの8月下旬に開催される文化祭は「三高祭」と呼ばれ、地域住民も多く訪れるほど盛大です。1年生は食堂、2年生はお化け屋敷や迷路などのアトラクション、3年生は屋台と、学年ごとに役割分担が決まっているのが特徴です。文化部の発表や有志のステージも大変な盛り上がりを見せます。過去には有名お笑い芸人がサプライズで登場したこともありました。

  • 修学旅行:2年生のビッグイベントです。行き先はその年によって異なりますが、近年では関西方面(京都・大阪・奈良)などを訪れ、歴史や文化を学びながら友人との絆を深めています。

盛岡第三高等学校の進学実績

東北でも有数の進学校として、盛岡第三高等学校は毎年優れた大学進学実績を誇っています。多くの生徒が国公立大学や難関私立大学への進学を果たしており、その指導力には定評があります。

最新の主な大学合格実績(2024年春・既卒生含む)を以下にまとめました。

大学分類 主な大学名 合格者数(のべ人数)
国公立大学 岩手大学 多数
東北大学 複数名
岩手県立大学 多数
山形大学、新潟大学など 多数
国公立大学合計 約220名以上
難関私立大学 明治大学、法政大学、中央大学、立教大学、東洋大学、日本大学、同志社大学など 多数
医歯薬系 岩手医科大学(医学部含む) 21名

この実績が示すのは、一部のトップ層だけでなく、多くの生徒が着実に学力を伸ばし、目標とする大学への進学を叶えているという事実です。特に、地元の岩手大学へは毎年県内トップクラスの合格者数を送り出しており、地域社会を支える人材を数多く輩出しています。これは、学校が特定の超難関大学だけでなく、生徒一人ひとりの希望に合わせた現実的で手厚い進路指導を行っている証拠です。

こうした高い進学実績を支えているのが、充実した学習サポート体制です。放課後や夏休みなどの長期休暇中には、大学受験対策の講習が数多く開講され、生徒たちは自分のレベルや目標に合わせて受講することができます。また、校内の至る所に自習スペースが設けられており、生徒が集中して学習に取り組める環境が整っています。

盛岡第三高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、盛岡第三高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 岩手県初の「進学型単位制」

    大学受験という目標に対し、自分だけの最適な学習プランを組み立てられる最先端のカリキュラムです。生徒の主体性を最大限に尊重し、夢の実現を強力に後押しします。

  • 本格的な探究学習「おおとりリサーチプログラム」

    全校生徒が1年間かけて、自分の興味あるテーマについて研究し、発表するプログラムです。過去のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)事業などの経験を活かしたこの取り組みは、大学で求められる思考力や表現力を高校時代から養う絶好の機会です。

  • 圧倒的に盛り上がる学校行事

    3日間にわたる体育大会や、地域を巻き込む三高祭など、生徒が主役となって作り上げる大規模なイベントは、一生忘れられない高校生活のハイライトになります。

  • 高いレベルで実現する「文武両道」

    部活動に打ち込みながら、国公立大学や難関私立大学を目指せる環境がここにはあります。学業と部活動、どちらも妥協したくない生徒にとって、理想的な学校です。

  • 充実した学習環境と高い進学実績

    清潔で快適な校舎、熱心な先生方のサポート、そして高い目標を持つ仲間たち。これらが一体となって、東北でもトップクラスの進学実績を生み出しています。

  • 意識の高い仲間と出会える環境

    真面目で、目標に向かって努力する生徒が集まる場所です。互いに刺激を受け、励まし合いながら成長できる人間関係は、高校3年間で得られる何よりの財産となるでしょう。

盛岡第三高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からのリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。

  • 良い点

    • 「体育大会や三高祭は本当に楽しくて、クラスの団結力がすごく強まる」

    • 「一生の友達ができる。周りの意識が高くて、勉強するのに最高の環境」

    • 「先生方は熱心で質問にも丁寧に答えてくれるし、校舎が綺麗で過ごしやすい」

    • 「勉強も部活も本気でやりたい人には、これ以上ない学校だと思う」

    • 「校内の至る所に自習スペースがあって、集中したい時に場所に困らない」

  • 気になる点

    • 「宿題の量が多く、授業のペースも速いので、毎日しっかりやらないとついていけなくなる」

    • 「『主体性』を掲げている割には、スマホのルールなどが厳しく、少し矛盾を感じることがある」

    • 「いわゆる『自称進学校』なので、勉強へのプレッシャーは常に感じる。合わない人にはきついかも」

    • 「バス停は近いけれど、家が遠いと通学時間が長くなるのが少し大変」

アクセス・通学

盛岡第三高等学校への主な通学方法です。

  • バスを利用する場合

    • JR盛岡駅からのアクセス:東口11番のりばから岩手県交通バス(307系統、311系統)、または西口25番のりばから岩手県北バス(E01系統)に乗車し、「三高前」バス停で下車すぐです。

    • IGRいわて銀河鉄道 厨川駅からのアクセス:岩手県北バス(E01系統、E21系統)に乗車し、「三高前」バス停で下車すぐです。

  • 電車・徒歩の場合

    • IGRいわて銀河鉄道 青山駅からは、徒歩で約23分です。

盛岡市内やその近郊から、多くの生徒がバスや自転車を利用して通学しています。

盛岡第三高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、盛岡第三高等学校を目指す皆さんへメッセージを送ります。

この学校は、「高い目標に向かって努力することが好き」「勉強も部活も学校行事も、全部に全力で取り組みたい」と考える君に、特におすすめの場所です。厳しいけれど、それ以上に得られるものが大きい3年間が待っています。盛岡第三高等学校で過ごす日々は、君を大きく成長させてくれるはずです。

受験勉強では、応用問題に挑戦するのも大切ですが、まずは全教科の基礎を完璧に固めることを意識してください。そして、盛岡第三高等学校の入試では、中学校の成績(内申点)も非常に重視されます。日々の授業を大切にし、提出物をきちんと出し、定期テストで一つでも良い点を取る。その積み重ねが、合格への一番の近道です。夢に向かって頑張る君を、心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。