川越女子高等学校埼玉県立川越女子高等学校、通称「川女(かわじょ)」は、県内トップクラスの学力だけでなく、生徒一人ひとりが主役になれる豊かな高校生活が送れる場所として、多くの受験生が憧れる伝統校です。

勉強はもちろん、部活動や学校行事に全力で打ち込む「文武両道」の精神が根付いており、生徒の自主性を重んじる「自主自立」の校風の中で、かけがえのない仲間たちと切磋琢磨しながら成長できます。特に、生徒が主体となって創り上げる文化祭「紫苑祭」の熱気は圧巻です。

この記事では、そんな川越女子高等学校の魅力を、偏差値や進学実績といったデータから、在校生のリアルな声まで、さまざまな角度から徹底的に解説していきます。川女での3年間が、あなたにとってどんな素晴らしい時間になるのか、具体的にイメージしながら読み進めてみてください。

川越女子高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。学校選びの第一歩として、所在地や連絡先は正確に把握しておくことが大切です。

項目 内容
正式名称 埼玉県立川越女子高等学校
公立/私立の別 公立
共学/女子校の別 女子校
所在地 〒350-0041 埼玉県川越市六軒町1-23
代表電話番号 049-222-3511
公式サイトのURL https://kawagoejoshi-h.spec.ed.jp/

川越女子高等学校の偏差値・難易度・併願校

川越女子高等学校を目指す上で、最も気になるのが学力レベルでしょう。偏差値はあくまで一つの目安ですが、合格するためにどれくらいの学力が必要なのか、具体的な目標設定に役立ててください。

川女は埼玉県内でも屈指の進学校であり、合格には高い学力が求められます。

項目 目安
偏差値 65~66
3年次内申点(45点満点) 43前後
3年間合計内申点(1:1:2換算) 165前後(180点満点)

同じくらいの偏差値の高校としては、男子校の県立川越高校や、共学校の所沢北高校(理数科)などが挙げられます。学力検査の合格ボーダーラインは、令和6年度入試で5教科合計345点あたりが目安とされていますが、これはその年の平均点や倍率によって変動します。内申点が目安より低い場合は、当日の学力検査でより高い得点を取る必要があります。

また、埼玉県内の公立高校を第一志望とする場合、他の公立高校を併願することはできません。そのため、併願校は私立高校を選ぶことになります。川越女子高等学校の受験生が選ぶ併願校は、他の進学校の受験生と同様に、私立の中でも難易度の高いコースが中心です。これは、川女を目指す生徒たちの学力レベルと意欲の高さを物語っています。主な併願校は以下の通りです。

学校名 主なコース名 共学/女子校
淑徳与野高等学校 選抜A・B・Cコース 女子校
星野高等学校 Ⅲ類特進選抜コース、共学部S類 共学(女子部あり)
大宮開成高等学校 特進選抜Ⅰ類・Ⅱ類 共学
栄東高等学校 アルファコース 共学
開智高等学校 S1・S2コース 共学
西武学園文理高等学校 アカデミックチャレンジ 共学
細田学園高等学校 特進Hコース 共学

川越女子高等学校に設置されている学科・コース

川越女子高等学校の学びの特色を理解するために、設置されている学科について見ていきましょう。

  • 普通科

    • 川女に設置されているのは普通科のみです。ほとんどの生徒が大学進学を目指しており、そのための質の高い教育が提供されています。

    • 大きな特徴として、多くの高校が2年生から文系・理系に分かれるのに対し、川女では2年次まで文理の区別なく全員が共通の科目を学びます。これは、「将来、どの分野に進んでも活躍できるよう、まずは幅広い分野の確かな基礎学力を養うことが重要」という学校の教育方針の表れです。3年生で初めて文系・理系に分かれ、それぞれの進路希望に応じた専門的な科目を深く学んでいきます。将来の夢がまだ具体的に決まっていない人や、文理の枠にとらわれず幅広く学びたい人にとって、最適なカリキュラムと言えるでしょう。

川越女子高等学校の特色・校風

川女の本当の魅力は、データだけでは分かりません。ここでは、学校生活のリアルな雰囲気をキーワードや口コミから探っていきます。

学校全体の雰囲気を表すキーワードは、「文武両道」「自主自立」「自由闊達」「仲間との絆」「全力投球」といった言葉がぴったりです。生徒一人ひとりが高い目標を持ちながらも、お互いを尊重し、学校生活を心から楽しんでいる様子がうかがえます。

  • 宿題の量と授業のペース

    授業の進度は速く、予習・復習を毎日しっかりこなさないとついていくのが大変、という声が多く聞かれます。特に部活動との両立は計画性が求められますが、この忙しい日々を乗り越えることで、効率的な学習習慣と自己管理能力が身につきます。

  • 校則(スマホ、服装、頭髪など)

    校則は他の進学校と比較して「自由」「厳しくない」と感じる生徒が多いようです。これは、生徒の自主性と自制心を信頼している学校の姿勢の表れです。ただし、自由には責任が伴います。

    • 服装: 制服はブレザー、スカート(またはスラックス)、ベストの三点セットが基本です。スカート丈は膝丈が標準と定められており、セーターや靴下の色にも指定(黒・白・紺・灰色・ベージュ・茶などのベーシックカラー)があります。この「決められた範囲内での自由」こそ、川女の校風を象徴していると言えます。

    • 頭髪・化粧: パーマや染髪、化粧は禁止されています。

    • スマートフォン: 校内での使用に関する明確な記述は見当たりませんでしたが、「自由な校風」という評判から、休み時間などの使用は常識の範囲内で認められている可能性が高いです。もちろん授業中の使用は禁止です。

  • 生徒たちの雰囲気

    「優しくて面白い人が多い」「いじめは全くない」「女子校特有のギスギスした感じはなく、誰でも自分らしくいられる」といったポジティブな口コミが圧倒的多数です。勉強も行事も常に全力で、お互いを高め合える最高の仲間に出会える場所だと評価されています。

  • アルバイト

    原則として禁止されています。ただし、やむを得ない事情がある場合は、保護者からの届け出と学校の許可を得て行うことが可能です。

  • 制服の評判

    在校生や卒業生から唯一、不満の声として挙がりやすいのが制服です。「地味」「あまり可愛くない」という意見が散見されます。しかし、多くの生徒は「制服以外は何も不満はない」と語っており、学校生活の充実度が制服のデザインを上回っていることがわかります。これは、見た目よりも中身を重視する川女生の価値観を象徴しているのかもしれません。

  • 土曜授業

    隔週で土曜授業が実施されています。これは、難関大学進学に対応するための十分な授業時間を確保し、学習内容を削減することなく、質の高い教育を提供するための取り組みです。

川越女子高等学校の部活動・イベント

川女の「文武両道」を象徴するのが、活発な部活動と熱気あふれる学校イベントです。

部活動

部活動への加入率は非常に高く、多くの生徒が勉強と両立させながら活動に打ち込んでいます。運動部13、文化部24以上と選択肢も豊富で、どの部も活気に満ちています。

  • 特に有名な部活動

    • カラーガード部: 埼玉県内の高校では唯一と言われる珍しい部です。全国大会の常連であり、紫苑祭や地域のイベントでの演技は多くの人を魅了します。部員数も多く、人気の高さがうかがえます。

    • 音楽部(合唱): 79名もの部員を擁する大所帯で、全国大会で優秀な成績を収めている強豪です。その美しいハーモニーは多くの感動を呼びます。

    • 弦楽オーケストラ部: 70名の部員が在籍し、こちらも県大会上位の常連です。文化祭での演奏会は毎年大盛況です。

    • 放送部: アナウンスや番組制作で全国大会に出場するなど、輝かしい実績を誇ります。学校行事の運営にも欠かせない存在です。

    • その他、陸上競技部、弓道部、書道部なども全国・関東大会レベルで活躍しています。

イベント

川女の学校行事は、生徒たちの手によって創り上げられる、まさに青春の舞台です。

  • 紫苑祭(しおんさい)- 文化祭

    毎年9月に行われる紫苑祭は、川女最大のイベントです。来場者数は1万人を超え、地域でも有数の規模を誇ります。この巨大なイベントを企画・運営するのが、有志の生徒による「紫苑祭実行委員会(紫実)」です。プログラム作成から会場設営、名物の巨大な門の制作まで、すべて生徒主体で行われます。各クラスや有志団体による出し物も、カジノや手作りのメリーゴーラウンドなど、高校生のレベルを超えた独創性とクオリティの高さで評判です。紫苑祭は単なるお祭りではなく、生徒たちが企画力、実行力、協調性といった社会で役立つスキルを実践的に学ぶ、壮大なプロジェクトと言えるでしょう。最終日に行われる在校生限定の「後夜祭」は、感動と涙で締めくくられる、最高の思い出となります。

  • 体育祭

    6月に行われる体育祭も、紫苑祭に劣らない盛り上がりを見せます。全学年を縦割りにした団対抗戦で、応援団を中心に学年を超えた強い結束力が生まれます。

  • 修学旅行

    2年生の12月には沖縄を訪れます。美しい自然や文化に触れる班別自主行動だけでなく、平和学習も組み込まれており、学びと楽しみを両立させた充実したプログラムとなっています。

川越女子高等学校の進学実績

伝統的に高い進学実績を誇る川越女子高等学校。その確かな指導力は、最新の大学合格実績にもはっきりと表れています。現役進学率は88%と非常に高く、多くの生徒が塾や予備校に頼らず、学校のサポートのみで第一志望合格を勝ち取っています。

2025年度の主要大学合格実績は以下の通りです。(人数は既卒生を含む延べ人数)

大学グループ 主な大学名と合格者数 合計
国公立大学 京都大学(2), 一橋大学(2), 東京科学大学(6), 東北大学(2), 北海道大学(2), お茶の水女子大学(11), 埼玉大学(12), 東京外国語大学(9), 東京都立大学(7), 筑波大学(4) など 120名
早慶上理 早稲田大学(38), 慶應義塾大学(8), 上智大学(33), 東京理科大学(42) 121名
GMARCH 立教大学(109), 法政大学(85), 明治大学(66), 中央大学(30), 青山学院大学(27), 学習院大学(26) 343名
医学部医学科 国公立(3), 私立(4) 7名

特筆すべきは、お茶の水女子大学(11名)、津田塾大学(29名)、東京女子大学(38名)、日本女子大学(54名)といった難関女子大学への圧倒的な合格者数です。これは、女子教育の伝統校としての強みを示しています。同時に、京都大学や一橋大学といった最難関国立大学や、早慶、GMARCHといった人気の共学大学にも多数の合格者を輩出していることから、川女の教育が、どのような環境でも力を発揮できる女性を育成していることがわかります。

この高い実績を支えているのが、手厚い進学サポート体制です。

  • 質の高い授業と進学課外・補習: 難関大学入試に対応したハイレベルな授業に加え、放課後や長期休暇中には希望者対象の補習が数多く開講され、多くの生徒が自主的に参加しています。

  • 段階的な進路ガイダンス: 1年次から学部学科研究や卒業生による懇談会などを実施。2年次には難関大・医学部志望者向けのガイダンス、3年次には受験本番を見据えたガイダンスと、生徒の意識を段階的に高めていきます。

  • 充実した自習環境: 進路資料室や図書館は自習スペースとして開放され、平日は19時まで、休日も利用可能です。赤本や卒業生の受験報告書も豊富に揃っています。

川越女子高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、川越女子高等学校ならではの強みや魅力をまとめました。

  • 生徒主体で創り上げる日本有数の文化祭「紫苑祭」

    企画から運営まで生徒が手がける文化祭は、来場者1万人超という圧巻の規模。リーダーシップや協調性を育む最高の舞台です。

  • SSH指定校ならではの高度な探究学習

    スーパーサイエンスハイスクール(SSH)として、大学の講義を受けたり、最先端の研究施設を見学したりと、知的好奇心を刺激する高度な学びの機会が豊富に用意されています。

  • 盤石な基礎力を築く独自のカリキュラム

    2年間は文理に分けず、幅広い教養を身につけることを重視。65分授業で一つのテーマをじっくり掘り下げるため、深い理解と思考力が養われます。

  • 活発で全国レベルの部活動

    「文武両道」を地で行く活気あふれる部活動。全国レベルで活躍する部や、県内唯一のカラーガード部など、打ち込めるものが必ず見つかります。

  • 卒業生との強い絆が生む手厚い進路サポート

    様々な分野で活躍する卒業生が、後輩のために進路懇談会などで惜しみなく協力してくれます。在校生にとって、将来の自分をイメージする貴重な機会となっています。

  • 信頼に基づいた「自由」な校風と温かい仲間関係

    生徒の自主性を尊重する自由な雰囲気の中、何事にも全力で取り組む仲間たちと強い絆を育むことができます。いじめもなく、誰もが安心して過ごせる環境です。

  • 充実した自習環境と徹底した進学指導

    夜遅くまで利用できる自習室や豊富な進路資料、そして経験豊富な先生方によるきめ細やかな指導が、生徒一人ひとりの第一志望合格を力強く後押しします。

川越女子高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からの「生の声」は、学校選びの重要な判断材料になります。良い点と気になる点を公平に見ていきましょう。

  • 良い点

    • 「とにかく学校生活が楽しい!最高の青春が送れる」という声が圧倒的に多いです。

    • 「勉強、部活、行事、何事にも全力で取り組む仲間がいて、刺激し合える環境が素晴らしい」。

    • 「先生方は熱心で、質問にも親身になって答えてくれるなど、サポートが手厚い」。

    • 「女子校ならではの気楽さがあり、いじめもなく、優しくて面白い人が多い。一生の友達ができる」。

    • 「行事、特に紫苑祭の盛り上がりは想像以上。川女生で良かったと心から思える瞬間がたくさんある」。

    • 「図書館や自習室が充実していて、勉強する環境が整っている」。

    • 「生徒の自主性を尊重してくれる校風なので、自分らしくのびのびと過ごせる」。

  • 気になる点

    • 「制服が地味で可愛くない、という意見は昔から根強くある」。

    • 「授業の進度が速く、課題も多いため、自主的に勉強しないとついていくのが大変」。

    • 「歴史がある分、校舎など一部の施設が古いと感じることがある」との声もありますが、体育館が改修されるなど、改善も進められています。

アクセス・通学

川越女子高等学校は駅からのアクセスが非常に良く、通学しやすい立地です。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • 東武東上線 「川越市駅」より徒歩5分

    • 西武新宿線 「本川越駅」より徒歩8分

  • 通学エリア

    川越市内だけでなく、東武東上線や西武新宿線、JR川越線沿線など、広範囲から多くの生徒が通学しています。在校生の8割以上が電車通学というデータもあり、埼玉県西部地域を中心に、さまざまなエリアの生徒が集まっていることがわかります。

川越女子高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでいただき、川女の魅力が伝わったでしょうか。最後に、進学アドバイザーとして、皆さんへの応援メッセージをお伝えします。

川越女子高等学校は、「高いレベルで勉強したい」という気持ちはもちろん、「高校生活のすべてを全力で楽しみたい!」と強く願うあなたにこそ、ぴったりの学校です。周りも同じように情熱を持った仲間ばかりなので、お互いに刺激し合いながら、想像以上に充実した3年間を送ることができるでしょう。

受験勉強においては、埼玉県の学校選択問題(数学・英語)で高得点を取ることが合格への鍵となります。基礎を固めることはもちろん、応用問題にも粘り強く取り組む練習を重ねてください。苦手科目があっても、得意科目でカバーできるのが高校入試です。最後まで諦めずに、自分の強みを最大限に伸ばしましょう。川越女子高等学校で過ごす未来を思い描きながら、日々の勉強に励んでください。皆さんの努力が実を結ぶことを心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。