平安女学院高等学校は、1875年の創立以来、キリスト教精神に基づいた女子教育を行ってきた、京都でも有数の歴史と伝統を誇る学校です。京都御所の西側に位置する美しいキャンパスで、生徒一人ひとりの個性を大切に育む教育が実践されています。長い歴史の中で、常に時代の変化に対応しながら、社会で活躍できる女性の育成を目指してきました。

この学校の魅力は、なんといっても生徒の「なりたい自分」に寄り添う多彩なコース設定と、温かい校風にあります。進学はもちろん、専門的な分野への夢を応援する環境が整っているのが、平安女学院高等学校の大きな特長です。内部進学できる大学を持つ安心感と、外部の難関大学を目指せるサポート体制の両方を兼ね備えています。

この記事では、そんな平安女学院高等学校について、偏差値やコースの特色、実際の学校生活の様子まで、受験生や保護者の皆さんが本当に知りたい情報を、分かりやすく具体的にお伝えしていきます。この記事を読んで、あなたの未来の選択肢の一つとして、じっくり検討してみてください。

平安女学院高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 平安女学院高等学校
公立/私立の別 私立
共学/女子校の別 女子校
所在地 〒602-8013 京都市上京区下立売通烏丸西入
代表電話番号 075-414-8111
公式サイトURL http://jh.heian.ac.jp/

平安女学院高等学校の偏差値・難易度・併願校

平安女学院高等学校には複数のコースがあり、それぞれに目標とする進路が異なるため、偏差値にも幅があります。自分の学びたいことや目指す大学に合わせてコースを選ぶことが大切です。

最新の偏差値の目安は以下の通りです。

  • 立命館進学コース(RS):約60

  • エクスパート特進コース(ES):約53

  • 幼児教育進学コース(CS):-

  • アグネス・グローバル総合進学コース:-

立命館進学コースは、その名の通り立命館大学への進学を目指すコースで、人気も難易度も高めです。合格にはオール4程度の内申点が目安とされています。 エクスパート特進コースは、国公立大学や難関私立大学を目指すコースです。

同じくらいの偏差値の高校としては、京都橘高等学校(普通科)、京都先端科学大学附属高等学校、京都外大西高等学校などが挙げられます。

主な併願校としては、京都産業大学附属高等学校、龍谷大学付属平安高等学校、花園高等学校などが考えられます。平安女学院高等学校を第一志望とする受験生の多くが、これらの私立高校を併願校として選択する傾向があります。

平安女学院高等学校に設置されている学科・コース

平安女学院高等学校には、生徒一人ひとりの夢や目標に応えるための、特色ある4つのコースが設置されています。

  • 立命館進学コース(RS)

    立命館大学や立命館アジア太平洋大学への進学を前提としたコースです。 高大連携プログラムを通じて、大学での学びに必要なスキルを高校時代から身につけたい人におすすめです。

  • エクスパート特進コース(ES)

    国公立大学や関関同立などの難関私立大学への現役合格を目指すコースです。 少人数制で手厚いサポートを受けながら、大学受験に集中したい人に向いています。

  • 幼児教育進学コース(CS)

    保育士や幼稚園・小学校の先生を目指す人のための専門コースです。 併設の平安女学院大学子ども教育学部への内部推薦制度もあり、専門的な知識や技術を基礎から学びたい人に最適です。

  • アグネス・グローバル総合進学コース

    幅広い分野への進学に対応し、一人ひとりの興味や関心に合わせて多様な進路実現を目指すコースです。 指定校推薦などを活用し、自分のペースでじっくりと進路を考えたい人におすすめです。

平安女学院高等学校の特色・校風

平安女学院高等学校の校風は、「落ち着いた雰囲気」「アットホーム」といったキーワードで表現されることが多いようです。キリスト教の教えに基づいた人間教育を大切にしており、先生と生徒の距離が近いことが特長です。

  • 宿題の量:コースによって差があるようですが、全体的には標準的な量という声が多いです。

  • 校則:以前に比べると緩やかになったという意見が見られます。 ただし、スマートフォンの校内での使用は原則禁止で、スカート丈や靴下などには規定があるようです。

  • 生徒たちの雰囲気:コースによってカラーは異なりますが、全体的におっとりとした真面目な生徒が多いと言われています。一方で、「THE女子校」といった雰囲気で、活発な生徒も多く、友人関係を楽しんでいる様子がうかがえます。

  • アルバイト:原則として禁止されています。

  • 制服の評判:日本で初めてセーラー服を制服として採用した歴史があり、伝統的で品のあるデザインが人気です。 2025年度からは制服と私服を選択できる「制服・私服選択制」が導入され、より自由なスタイルで通学できるようになりました。 ただし、制服と私服の組み合わせはできないなど、一定のルールは設けられています。

  • 土曜授業:週5日制のため、土曜授業はありません。

平安女学院高等学校の部活動・イベント

部活動

平安女学院高等学校では、多くの生徒が部活動に参加し、充実した学校生活を送っています。体育系・文化系合わせて約19のクラブがあり、初心者から全国レベルを目指す生徒まで、幅広く活動しています。

  • 運動部

    特に体操部(新体操)、テニス部、バドミントン部は全国大会に出場するなどの実績を誇ります。 ダンス部やバトントワリング部なども活発に活動しています。

  • 文化部

    吹奏楽部や、クリスマス・カンタータで美しい歌声を披露するコーラス部(アグネス・イルミネーション・コーラス部)などが有名です。 また、いけばな、茶道、書道といった日本の伝統文化を学べる「Agnes’ アクティビティ」という独自の活動もあり、専門の講師から本格的な指導を受けられるのが魅力です。

イベント

平安女学院高等学校では、キリスト教系の学校ならではの行事や、生徒が主体となって盛り上がるイベントが年間を通して行われます。

  • 文化祭(9月):各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や発表を行い、大変な盛り上がりを見せます。

  • 体育祭(5月):中高合同で開催され、学年やクラスの団結が深まる一日です。

  • クリスマス・カンタータ(12月):厳かな雰囲気の中で行われるクリスマス礼拝と音楽の祭典です。コーラス部による美しい賛美歌は、多くの人を魅了します。

  • 修学旅行(10月):高校2年生の秋に実施されます。近年はニュージーランドなど海外を訪れることが多いようです。 幼児教育進学コースでは、イタリアへ海外研修に行くプログラムもあります。

平安女学院高等学校の進学実績

平安女学院高等学校は、生徒一人ひとりの希望進路に合わせた手厚いサポートが自慢で、高い大学進学率を誇ります。特に、立命館大学への進学に強い「立命館進学コース」や、併設大学への道が開かれている「幼児教育進学コース」など、特色あるコースからの進学実績が際立っています。

以下は近年の主な進学実績です。(合格者数には既卒生が含まれる場合があります)

  • 国公立大学:滋賀大学、沖縄県立芸術大学など

  • 難関私立大学(関関同立など):

    • 同志社大学、立命館大学、関西学院大学、関西大学へは合計で90名以上の合格者を出す年もあります。

    • 特に立命館大学へは、立命館進学コースから多くの生徒が推薦で進学しています。

  • その他:

    • 併設の平安女学院大学・短期大学部へは、内部推薦制度を利用して多くの生徒が進学しています。

    • 同志社女子大学、京都女子大学、武庫川女子大学といった人気の女子大学にも多数の合格者を出しています。

進学サポートとして、放課後に利用できる学習室が完備されており、夜20時まで残って自学自習に励むことができます。 また、各種ガイダンスや模擬試験、教員との個別面談などを通じて、生徒の主体的な進路選択を支援しています。

平安女学院高等学校の特長・アピールポイント

平安女学院高等学校には、他の学校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • 目標に直結する多彩なコース設定:立命館大学への進学や、保育士・教員という明確な目標を持つ生徒にとって、専門性の高い学びができる環境は大きな強みです。

  • 日本初の制服と新しい選択肢:日本で初めてセーラー服を導入した伝統を守りつつ、2025年度からは新たに制服と私服が選べるようになりました。 生徒の自主性を尊重する校風の表れと言えます。

  • キリスト教精神に基づく人間教育:毎日の礼拝や宗教行事を通じて、感謝の心や他者を思いやる気持ちを育むことができます。

  • 京都御所西の歴史と緑豊かなキャンパス:校内には菅原道真公産湯の井戸が残るなど、歴史を感じさせる落ち着いた環境で学ぶことができます。

  • 充実した国際交流プログラム:オーストラリアの姉妹校との相互訪問や、各コースで実施される海外研修など、国際感覚を養う機会が豊富に用意されています。

  • 本格的なレッスンが受けられる「Agnes’ アクティビティ」:部活動とは別に、放課後に茶道や華道、日本舞踊など、専門の講師から日本の伝統文化を学ぶことができます。

  • 温かく家庭的な校風:先生と生徒の距離が近く、一人ひとりに目が届きやすい環境で、安心して高校生活を送ることができます。

平安女学院高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、平安女学院高等学校の様々な側面について、多くの声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「先生方が親身で、フレンドリーに接してくれるので相談しやすい」という声が多数あります。

    • 「保育士など将来の夢が決まっている子にとっては、専門的に学べる最高の環境」と、コースの専門性を評価する意見が多いです。

    • 「指定校推薦の枠が多く、真面目に学校生活を送っていれば希望の大学に進学しやすい」といった進学面でのメリットを挙げる声も見られます。

    • 「施設は綺麗で、特にチャペルが素敵」「京都御所に近く、環境が良い」など、立地や設備の良さを評価する口コミも多いです。

  • 気になる点:

    • 「大学受験を一般入試で頑張りたい生徒へのサポートは、推薦組に比べると少し手薄に感じるかもしれない」という意見があります。

    • 「女子校特有の人間関係が少しあるかもしれない」という声も一部で見られます。

    • 「校庭が少し狭く感じる」という口コミもあります。

アクセス・通学

平安女学院高等学校は、京都市の中心部に位置し、交通の便が非常に良いのが特長です。

  • 最寄り駅からのアクセス:

    • 京都市営地下鉄烏丸線「丸太町」駅 2番出口から徒歩約3分

    • 京都市営地下鉄烏丸線「今出川」駅 6番出口から徒歩約15分

    • 市バス「烏丸丸太町」バス停から徒歩約5分

京都市内からはもちろん、滋賀県や大阪府など、幅広いエリアから生徒が通学しています。最寄り駅からの近さは、毎日の通学において大きな魅力と言えるでしょう。

平安女学院高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

平安女学院高等学校は、将来の夢や目標が具体的になってきている人に特におすすめしたい学校です。「大学でこんなことを学びたい」「将来はこんな職業に就きたい」という思いがあるなら、この学校の多彩なコースは、あなたの夢への最短ルートを示してくれるはずです。特に、立命館大学への進学や、幼児教育の道を目指す気持ちが固まっている人にとっては、最高の環境が整っています。

受験勉強においては、まずは基礎学力をしっかりと固めることが大切です。その上で、自分がどのコースで何を学びたいのかを明確にし、過去問題などを通じて出題傾向を掴んでおきましょう。面接では、なぜ平安女学院高等学校で学びたいのか、自分の夢と学校の特色を関連付けて、熱意をもって語れるように準備しておくことが合格への鍵となります。

伝統ある落ち着いた環境の中で、同じ夢を持つ仲間と切磋琢磨しながら、自分らしい未来を描きたいと願うあなたを、平安女学院高等学校は温かく迎えてくれるでしょう。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。