広尾学園高等学校は、国内の最難関大学はもちろん、世界トップレベルの海外大学への進学も視野に入れることができる、先進的な教育で注目を集める学校です。国際的な街、広尾という立地を最大限に活かし、質の高いサイエンス教育とボーダーレスな学習環境を融合させている点が、この学校の大きな魅力と言えるでしょう。

近年、そのユニークな教育方針と目覚ましい進学実績から、広尾学園は多くの受験生や保護者から熱い視線を集めています。常に進化を続けるダイナミックな校風は、生徒たちに自ら考え、行動する「自律した学習者」となることを求めます。この紹介記事では、そんな広尾学園高等学校がどのような学校なのか、その実像に迫ります。

「実際の学校生活はどんな感じ?」「どんな生徒がこの学校で輝けるの?」そんな皆さんの疑問に答えるため、偏差値や難易度といった受験情報から、在校生のリアルな声に基づいた学校生活の様子まで、あらゆる角度から徹底的に解説していきます。未来の可能性を広げるための、大切な学校選びの一助となれば幸いです。

広尾学園高等学校の基本情報

まずは、広尾学園高等学校の基本的な情報を確認しましょう。学校選びの第一歩として、正確な情報を把握しておくことが大切です。

項目 内容
正式名称 広尾学園高等学校
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒106-0047 東京都港区南麻布5-1-14
代表電話番号 03-3444-7271
公式サイトURL https://www.hiroogakuen.ed.jp/

広尾学園高等学校の偏差値・難易度・併願校

広尾学園高等学校の学力レベルは、全国でもトップクラスに位置します。具体的な偏差値や、どのような学校と併願されることが多いのかを見ていきましょう。

偏差値

広尾学園高等学校に高校から入学する場合、募集があるのは以下の2コースです。それぞれの偏差値は非常に高く、最難関レベルであることがわかります。

  • 医進・サイエンスコース: 71

  • インターナショナルコース: 70

偏差値70以上というのは、全受験生の上位約2.3%以内に入る学力が必要であることを意味します。これは、首都圏全体でも屈指の難易度であり、合格を勝ち取るためには早期からの計画的な学習と、非常に高いレベルでの学力が求められます。私立高校のため、合格は主に入学試験の成績で決まりますが、中学校での学習内容を完璧に理解していることが大前提となります。

同じくらいの偏差値の他の高校

広尾学園高等学校を志望する受験生は、以下のような国公立や私立の最難関校を視野に入れていることが多いです。

  • 国立・公立高校:筑波大学附属高等学校、日比谷高等学校、戸山高等学校など

  • 私立高校:国際基督教大学高等学校 (ICU)、市川高等学校、渋谷教育学園幕張高等学校など

主な併願校

実際に併願校として選ばれることが多いのは、以下のような学校です。

  • 青稜高等学校

  • 朋優学院高等学校

  • 国際基督教大学高等学校 (ICU)

  • 市川高等学校

これらの併願校リストからも、広尾学園が最上位の学力層の生徒たちが集まる学校であることがわかります。特に、日比谷高校などのトップ公立校を第一志望とする受験生が、その高い専門性と進学実績に魅力を感じて広尾学園を併願するケースが目立ちます。学校側も、国公立大学の合格発表後まで入学手続きを待ってくれる延納制度を設けており、こうした優秀な受験生を確保する体制を整えています。

広尾学園高等学校に設置されている学科・コース

広尾学園高等学校では、生徒一人ひとりの夢や目標に合わせた専門性の高いコースが用意されています。高校からの入学者は、以下の2つのコースから選択することになります(本科コースは中学からの内部進学生のみ)。

  • 医進・サイエンスコース

    • どんなことを学ぶ場所か:医学部や薬学部、難関理系大学への進学を目指し、大学の研究室レベルの実験設備を使って本格的な科学研究に取り組みます。病理診断セミナーや宇宙天文合宿など、実践的な学びの機会が豊富です。

    • どんな生徒におすすめか:将来、医師や研究者になりたいという強い意志を持ち、高校時代から本物の科学に触れたい、探究心を深めたいと考えている生徒に最適です。

  • インターナショナルコース

    • どんなことを学ぶ場所か:海外大学への進学を強力にサポートするコースで、アメリカの大学の単位として認められるAP(アドバンスト・プレイスメント)プログラムを導入しています。帰国生や英語上級者向けのAG(アドバンストグループ)と、国内の生徒が英語力を飛躍的に伸ばすSG(スタンダードグループ)があります。

    • どんな生徒におすすめか:海外の大学で学びたい、世界を舞台に活躍したいという夢を持つ生徒や、実践的な英語環境で自分の能力を最大限に高めたい生徒におすすめです。

これらのコースはそれぞれが独立したカリキュラムを持つ「学校の中の専門学校」のような側面があります。これにより、同じ目標を持つ仲間と深く学ぶことができる一方で、口コミによればコース間の交流は限定的になる傾向もあるようです。専門性を追求するか、幅広い交流を求めるか、自分の高校生活のイメージと照らし合わせて考えることが重要です。

広尾学園高等学校の特色・校風

広尾学園高等学校は、どのような雰囲気の学校なのでしょうか。キーワードや口コミから、その特色と校風を探ってみましょう。

  • 校風を表すキーワード:自由闊達、グローバル、自主性の尊重、先進的

宿題の量や授業の進度

宿題の量は「多すぎず少なすぎず、よく練られている」という声がある一方で、授業の進度は「とても速い」と感じる生徒が多いようです。特に数学では、事前にオンラインで学習してから授業に臨む「反転授業」という形式が取られることもあり、自分で学習を進める力が求められます。このスピード感についていくために、塾に通っている生徒もいるという声もあります。

校則(スマホ、服装など)

校則は、私立高校の中では比較的緩やかだと評判です。

  • スマホ:持ち込みは可能で、休み時間などの使用も自由です。授業中でも調べ物などで使用が許可されることがあるなど、生徒の主体的な活用が信頼されています。

  • 服装:制服はありますが、頭髪に関する規則は厳しくなく、染髪などでなければ比較的自由です。制服はアーバングレーを基調とした現代的でスタイリッシュなブレザーで、細身のデザインが格好良いと評判です。着崩さず、清潔に着こなすことが求められます。

生徒たちの雰囲気

生徒たちは「明るく活発」で、男女の仲も良いようです。個性的で面白い生徒を指して「変人が多い」というユニークな表現もあり、多様なバックグラウンドを持つ生徒たちが集まっていることがうかがえます。一方で、中学からの内部進学生の輪に、高校からの入学者が入っていくには少し時間がかかる場合もあるという意見も見られます。

アルバイト・土曜授業

  • アルバイト:原則として禁止されています。ただし、家庭の事情など特別な理由がある場合は、学校の許可を得て行うことが可能です。

  • 土曜授業:土曜日の授業はありません。

広尾学園の校風は「大人の自由」とも言えます。生徒に大学のような自由を与える代わりに、高い学習意欲と自己管理能力を求めているのです。この環境は、自ら目標を立てて努力できる生徒にとっては最高の成長の場となりますが、手厚い指導を期待する生徒にとっては厳しいと感じるかもしれません。

広尾学園高等学校の部活動・イベント

部活動

広尾学園では、教育理念である「自律と共生」を育む場として部活動への参加を奨励しています。学業との両立を目指し、多くの生徒が活動に励んでいます。

運動部、文化部ともに充実しており、全国レベルで活躍する部も少なくありません。

  • 特に実績が豊富な部活動

    • 陸上競技部:関東大会や全国大会に駒を進める選手を輩出しており、高いレベルで活動しています。

    • 男子バスケットボール部:強化指定部に指定されており、東京都ベスト32に進出するなど、近年めざましい活躍を見せています。

    • チアリーディング部、ダンス部:全国大会や世界大会で活躍する強豪として知られています。

  • 文化部の注目株

    • 吹奏楽部:東京都のコンクールで金賞を受賞するなど、高い演奏技術を誇ります。

    • 合唱部:NHK全国学校音楽コンクールで金賞を受賞するなど、美しいハーモニーで高い評価を得ています。

    • STEM部:ロボット制作やプログラミングなど、理数系の探究活動に興味がある生徒に人気です。

全体の様子としては、学校の公式発表では約8割の生徒が部活動に加入しているとされていますが、一方で在校生からは「半数以上は帰宅部で、勉強を優先している」という声も聞かれます。これは、一部の強化指定部などに所属する生徒が非常に熱心に活動する一方で、多くの生徒は学業に専念するという、二極化の傾向があることを示唆しているかもしれません。

イベント

生徒たちが主体となって作り上げる感動体験型の学校行事が、一年を通して開催されています。

  • スポーツフェスティバル(6月):コースや学年を越えて団結し、熱い戦いを繰り広げる体育祭です。

  • けやき祭(10月):広尾学園最大のイベントである文化祭です。各クラスや部活動が趣向を凝らした展示や発表を行い、大変な盛り上がりを見せます。研究の成果報告など、アカデミックな発表が多いのも広尾学園ならではの特色です。

  • 修学旅行(高校2年 11月):行き先は年度によって異なりますが、仲間との絆を深める貴重な機会となっています。

その他にも、音楽会やオペラ鑑賞、著名人を招いての特別講演会など、知的好奇心を刺激する多様な行事が用意されています。ただし、口コミの中には「勉強がメインの学校なので、イベントは他の高校ほど盛り上がらないかも」という意見もあり、学校生活のどこに重きを置くかによって満足度は変わってくるようです。

広尾学園高等学校の進学実績

広尾学園高等学校の最大の魅力の一つが、その圧倒的な大学進学実績です。国内最難関大学から海外トップ大学、医学部まで、幅広い分野で輝かしい成果を上げています。

2025年の最新の大学合格実績(既卒生含む)は以下の通りです。

国公立大学(合計84名)

  • 東京大学:18名

  • 京都大学:2名

  • 一橋大学:5名

  • 東京科学大学(旧東京工業大学):11名

  • その他、北海道大学、東北大学、筑波大学、千葉大学など、旧帝国大学や難関国公立大学に多数の合格者を出しています。

難関私立大学

  • 早稲田・慶應義塾・上智・東京理科大学合計:372名

    • 早稲田大学:132名

    • 慶應義塾大学:80名

    • 上智大学:88名

  • GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)合計:189名

医学部医学科(合計96名)

  • 国公立大学医学部:21名

  • 私立大学医学部:75名

    この数字は全国でもトップクラスであり、医進・サイエンスコースの教育レベルの高さを証明しています。

海外大学(合計375名)

ハーバード大学やブラウン大学といったアメリカのアイビーリーグをはじめ、イギリスやカナダの名門大学にも多数の合格者を輩出しています。これはインターナショナルコースの成果であり、学校を挙げて奨学金獲得までサポートする手厚い体制が整っています。

進学実績を支える取り組み

この高い進学実績は、独自の学習サポート体制によって支えられています。

  • V-P.L.T.プログラム:毎朝行われる英単語テストで、一人ひとりの進度に合わせて語彙力を徹底的に強化します。

  • 質の高い授業:ベテラン・若手を問わず全教員が定期的に授業研修を受け、生徒の満足度を第一に考えた授業を展開しています。

  • 豊富な講習:放課後や長期休暇中には、大学受験対策など20以上の講座が開講され、生徒は自分のニーズに合わせて受講できます。

これらの実績は、広尾学園の専門的なコース設定が、それぞれの目標達成に向けて非常に効果的に機能していることを示しています。

広尾学園高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、広尾学園高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 全国トップクラスの海外大学進学支援

    海外大学への進学実績は、数・質ともに国内屈指です。アメリカの大学単位になるAPコースの設置や、経験豊富なカウンセラーによる奨学金獲得までの手厚いサポート体制が整っています。

  • 本格的な研究活動ができる医進・サイエンスコース

    大学の研究室レベルの最新設備が整ったサイエンスラボで、生徒が主体となって本物の研究に取り組みます。高校生の段階で学術論文を読み、研究発表を行う経験は、将来、医療や科学の分野で活躍するための大きな礎となります。

  • 最先端のICT教育環境

    生徒全員がChromebookを所有し、授業や研究活動に活用しています。特徴的なのは、生徒自身が運営する「ICT委員会」があり、生徒同士でICT活用をサポートし合う文化が根付いている点です。これにより、高いデジタルリテラシーが育まれます。

  • 多様なバックグラウンドを持つ生徒が交わるグローバルな校風

    帰国子女の受け入れに長い歴史があり、多様な価値観を持つ生徒たちが集まっています。国際色豊かな広尾という立地も相まって、日常的に異文化に触れることができる刺激的な環境です。

  • 教員の質を担保する独自の研修制度

    すべての教員が定期的に厳しい授業研修を受けることで、常に授業の質を高く保っています。「生徒の授業満足度」を第一に考える姿勢が、高い学力と学習意欲を引き出しています。

  • 生徒の自主性を育む大学のような自由な雰囲気

    校則が比較的緩やかで、スマートフォンの使用などに関しても生徒の判断が尊重されます。この自由な環境は、生徒に自己管理能力と責任感を求め、自律した個人へと成長させることを目的としています。

広尾学園高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、広尾学園高等学校に対して様々な声が寄せられています。良い点と気になる点を公平に見ていきましょう。

良い点

  • 学習環境について:「自分から学ぶ意欲のある生徒にとっては最高の環境。先生もやる気のある生徒は全力で応援してくれる」という声が多数あります。

  • 生徒の雰囲気について:「周りの生徒のレベルが高く、特に英語は自然と得意になる」「個性的で面白い仲間が多く、毎日が刺激的」といった、切磋琢磨できる環境を評価する意見が多いです。

  • 施設・設備について:「校舎が新しくて綺麗」「大学レベルの実験ができるラボやICT設備が整っている」など、学習環境の充実に満足する声が聞かれます。

  • 進路について:「国内外の難関大学を目指せる手厚いサポートがある」「先生方の進路指導が熱心」など、高い進学実績につながる指導体制への信頼は厚いようです。

気になる点

  • 学習の進度について:「授業のスピードが非常に速く、一度つまずくと塾などの助けなしで追いつくのは大変」という意見は、複数の口コミで見られます。

  • 教員のサポートについて:「放課後はすぐに帰ってしまう先生もいて、質問しにくいことがある」という声も一部あります。

  • 人間関係について:「コース間の交流がほとんどない」「中学からの内部進学生と高校からの入学生との間に少し壁を感じることがある」といった指摘があります。

  • 学校生活全般について:「勉強第一の学校なので、文化祭などの行事を思い切り楽しみたい人には物足りないかもしれない」という意見もあります。

  • 施設について:「都心にあるため、校庭が狭いのは仕方がない」という声も聞かれます。

これらの口コミから、広尾学園は「自律した学習者」にとってはその能力を最大限に伸ばせる素晴らしい環境である一方、手厚いサポートを必要とする生徒には厳しい側面もある、「ハイリスク・ハイリターン」な学校であると言えるかもしれません。

アクセス・通学

広尾学園高等学校は、都心にありながらアクセスが非常に便利な場所にあります。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • 東京メトロ日比谷線「広尾」駅 4番出口より徒歩約1〜2分

      駅の出口からすぐという、最高の立地です。雨の日でもほとんど濡れずに通学できます。

  • バスでのアクセス

    • 都営バス「日赤医療センター下・広尾学園前」バス停下車すぐ

      品川駅や目黒駅からのバス路線があり、JR線からのアクセスも良好です。

どのエリアから通っている生徒が多いか

その利便性の高さから、非常に広範囲から生徒が通学しています。

  • 最も多いのは東京都の城南地区(世田谷区、大田区、目黒区、品川区)で、全体の4割以上を占めます。

  • 次いで神奈川県の横浜市や川崎市からの通学者も多く、全体の2割近くになります。

  • 近年では、千葉県や埼玉県から通う生徒も増えてきています。

この広大な通学圏は、広尾学園が首都圏全域から優秀な生徒を集めることができる要因の一つであり、その高い学力レベルを維持する基盤となっています。

広尾学園高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、広尾学園高等学校を目指す君にメッセージを送ります。

広尾学園高等学校は、「将来、医師になりたい」「世界を舞台に活躍したい」といった、明確な夢や目標を持つ君の背中を力強く押してくれる学校です。周りのレベルの高さに刺激を受けながら、自分の好きなことをとことん追求したい、そんな知的好奇心にあふれた生徒に特におすすめします。ここは、君の「やりたい」という気持ちを全力で受け止め、未来の可能性を無限に広げてくれる場所です。

広尾学園の入試を突破するためには、まず全教科の基礎を完璧に固め、その上で応用問題に対応できる思考力を養うことが不可欠です。特に、医進・サイエンスコースを目指すなら科学への探究心を、インターナショナルコースを目指すなら自分の考えを英語で表現する力を、日頃から意識して伸ばしていきましょう。道のりは険しいですが、その先には刺激的で充実した高校生活が待っています。君の挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。