勉強も、部活動も、学校行事も、全部本気で楽しみたい。もし君がそんな欲張りな高校生活を夢見ているなら、徳島市立高等学校、通称「市高(いちこう)」は、その夢を叶えるための最高のステージかもしれません。徳島県内で唯一の市立高校として、「真に自由で清新な校風」を掲げ、生徒一人ひとりの自主性を尊重する文化が根付いています。

この学校の大きな魅力は、県内トップクラスの学力を誇る「理数科」と、文武両道を高いレベルで実現する「普通科」という、二つの個性的な顔を持っている点です。どちらの学科に進んでも、充実した設備と熱意ある先生たちのサポートのもと、自分の可能性を最大限に伸ばすことができます。活気あふれる部活動や、生徒が主役となって作り上げる学校行事も、市高ならではの輝きを放っています。

この記事では、そんな徳島市立高等学校の魅力を、偏差値や進学実績といったデータから、在校生のリアルな口コミ、学校生活の細部に至るまで、詳しく、そして分かりやすく解き明かしていきます。この記事を読めば、市高がどんな場所で、どんな3年間が待っているのか、きっと鮮明にイメージできるはずです。さあ、一緒に市高の扉を開けてみましょう。

徳島市立高等学校の基本情報

まずはじめに、徳島市立高等学校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校選びの第一歩として、所在地や連絡先は正確に把握しておくことが大切です。

項目 内容
正式名称 徳島市立高等学校
公立/私立の別 市立
共学/男女別の別 男女共学
所在地 〒770-0873 徳島県徳島市北沖洲一丁目15番60号
代表電話番号 088-664-0111
公式サイトURL https://www.tokushima-m-hs.ed.jp/

徳島市立高等学校の偏差値・難易度・併願校

徳島市立高等学校の受験を考える上で、最も気になるのが偏差値や難易度でしょう。この学校は、学科によって難易度が大きく異なるという、非常に特徴的な構造を持っています。

学科・コース 偏差値(目安)
理数科 72
普通科 55

この偏差値の差は、単なる数字の違い以上の意味を持ちます。偏差値72の理数科は、徳島県内でも最難関レベルに位置し、東京大学や京都大学、医学部といった最難関大学を目指す生徒が集まるエリートコースです。一方、偏差値55の普通科は、幅広い学力層の生徒を受け入れ、徳島大学をはじめとする国公立大学や関西の有名私立大学への進学を目指す、県内の中核的な進学校としての役割を担っています。このため、徳島市立高等学校は「一つの学校の中に、二つの異なるレベルの学校が存在する」と表現されることもあります。自分がどちらの「市高」を目指すのかを明確に意識することが、受験戦略の第一歩となります。

難易度をより具体的に見ていきましょう。合格に必要な内申点の目安としては、9教科45点満点中、39点から40点あたりが一つの目標とされています。徳島県の公立高校入試では、中学1年生から3年生までの成績が均等に評価されるため、早期からコツコツと定期テスト対策を積み重ねることが非常に重要です。入試本番の学力検査(500点満点)では、普通科の合格ラインの目安が350点以上とされています。理数科を目指す場合は、これよりも高い得点が求められる上、数学と理科の配点が各125点と高く設定されているため、この2教科でいかに高得点を取れるかが合格の鍵を握ります。

同じくらいの偏差値の高校としては、普通科(偏差値55)の場合、徳島県立城北高等学校(普通科)などが挙げられます。理数科(偏差値72)は県内で突出しており、直接的なライバル校は少ないですが、城東高等学校(偏差値65)や徳島北高等学校(国際英語科、偏差値65)などが次のレベルの目標校として考えられます。

徳島県の公立高校入試は、原則として一つの高校・学科にしか出願できません。そのため、万が一に備えて私立高校を併願することが一般的な受験戦略となります。この併願校選びは非常に重要で、多くの受験生が徳島文理高等学校や生光学園高等学校を選択肢として考えています。徳島市立高等学校という高い目標に挑戦するためにも、安心して受験に臨めるよう、併願校の検討も早めに進めておきましょう。

徳島市立高等学校に設置されている学科・コース

徳島市立高等学校には、それぞれ特色の異なる2つの学科が設置されています。自分の興味や将来の目標に合わせて、最適な学科を選びましょう。

  • 普通科

    • どんなことを学ぶ場所か:幅広い進路希望に対応できるよう、基礎学力を固めながら、2年次からは国際コースと科学コースに分かれて専門性を高めていきます。

    • どんな生徒におすすめか:まだ将来の夢がはっきりと決まっていない人や、勉強と部活動を高いレベルで両立させたい人におすすめです。

  • 理数科

    • どんなことを学ぶ場所か:数学や理科の高度な内容を探究的に学ぶ、専門性の高いコースです。大学や企業と連携した研修など、特別なプログラムも用意されています。

    • どんな生徒におすすめか:将来、医師や研究者など、理系の専門職を目指しており、知的好奇心が旺盛で、難しい課題に挑戦するのが好きな人におすすめです。

徳島市立高等学校の特色・校風

徳島市立高等学校の最大の特色は、その校風にあります。キーワードは「自由闊達」「文武両道」「自主自律」です。

学校全体の雰囲気は、生徒の自主性を尊重する、非常に自由なものです。この校風は、学校生活の様々な側面に表れています。例えば、校則は他の高校に比べて緩やかだと評判で、特にスマートフォンの校内での使用が許可されている点は、多くの中学生にとって大きな魅力でしょう。休み時間にお菓子を食べることも認められており、生徒を信頼し、個人の判断に任せるという学校の姿勢がうかがえます。

この「自由」は、単なる「緩さ」ではありません。学校側は生徒に「自主自律」を求めており、自由な環境の中で自らを律し、責任ある行動をとることが期待されています。口コミでは、「自分でやりたいことを見つけられる生徒にとっては最高の環境だが、流されてしまうと大変かもしれない」という声もあり、自由を謳歌するためには、しっかりとした自己管理能力が必要になるようです。

生徒たちの雰囲気は、全体的に明るく活気があり、優しい人が多いと評判です。理数科と普通科では多少カラーが違うようですが、いじめなどの話はほとんど聞かれず、お互いの多様性を認め合う、ストレスの少ない過ごしやすい環境が整っているようです。

宿題の量については、特に理数科は高い学力レベルを維持するため、相応の量が出されることが予想されます。普通科も大学進学を目指すカリキュラムであるため、日々の予習・復習は欠かせないでしょう。アルバイトについては、学校の公式な規定を確認する必要がありますが、文武両道に力を入れる校風から、学業や部活動との両立は簡単ではないかもしれません。土曜授業は、学校の管理規則により原則として実施されていません。

制服の評判は、意見が真っ二つに分かれるのが面白い点です。「特徴的で可愛い」という声がある一方で、「とてつもなくダサい」という辛口な意見も見られます。こればかりは個人の好みによるので、公式サイトの写真などで自分の目で確かめてみるのが一番です。

また、数年前に校舎が建て替えられ、非常に綺麗で快適な学習環境が整っていることも魅力の一つです。特に、校内で焼きたてのパンが買えるパン屋さんがあり、毎日行列ができるほどの人気だそうです。

徳島市立高等学校の部活動・イベント

部活動

徳島市立高等学校は、「文武両道」を掲げる通り、部活動が非常に盛んな学校です。多くの部が県内トップレベルの実力を持ち、全国大会でも輝かしい実績を残しています。

運動部、文化部ともに種類が豊富で、多くの生徒が部活動に加入し、活気あふれる毎日を送っています。特に以下の部活動は、全国的にも有名です。

  • サッカー部:言わずと知れた全国屈指の強豪校です。過去にはインターハイ優勝や全日本ユース選手権優勝を成し遂げ、Jリーガーも多数輩出しています。全国大会ベスト8の常連でもあり、サッカーに打ち込みたい生徒にとっては最高の環境です。

  • 弓道部:特に女子は全国レベルの実力を誇り、全国高校弓道選抜大会で団体準優勝という素晴らしい成績を収めています。静かな集中力と精神力が鍛えられます。

  • 陸上競技部:個人種目での活躍が目覚ましく、全国高校総体で女子400mハードルのチャンピオンが誕生するなど、トップアスリートを育成しています。

  • オーケストラ部:文化部の顔ともいえる存在です。300席以上を誇る校内の「あしかびホール」で定期的に演奏会を開くなど、本格的な活動を行っています。

この他にも、テニス部、卓球部、ハンドボール部なども県内トップクラスの実力を持っています。文化部も、書道部や放送部、演劇部などが全国の舞台で活躍しており、自分の興味や才能を伸ばせる場所がきっと見つかるはずです。

イベント

市高の学校生活を彩るイベントは、生徒が主役となって作り上げる、エネルギーに満ちたものばかりです。

中でも最大のイベントは、9月に行われる「市高祭」です。このお祭りは、文化祭と体育祭から構成されており、学校全体が一年で最も熱気に包まれる数日間です。

文化祭は、近年4年ぶりに一般公開が再開され、地域の人々も訪れる一大イベントとなっています。3年生は焼きそばやたこ焼きなどの模擬店を出し、2年生はクラスごとにお化け屋敷やゲームなどのアトラクションを企画します。中庭のステージでは有志によるバンド演奏やダンスパフォーマンスが繰り広げられ、校内の至る所で文化部の展示や発表が行われます。クラスTシャツを着て、仲間と協力して一つのものを作り上げる経験は、かけがえのない思い出になるでしょう。

体育祭では、「大ムカデリレー」や「台風の目」といったユニークな競技でクラスの団結力を競い合います。名物の応援合戦も大きな見どころの一つです。フィナーレで全校生徒が肩を組んで「市高賛歌」を歌う光景は、感動的です。

このほか、芸術鑑賞会や講演会、修学旅行など、多彩な行事が高校生活を豊かにしてくれます。

徳島市立高等学校の進学実績

徳島市立高等学校は、その高い教育水準を反映し、優れた大学進学実績を誇ります。特に国公立大学への進学者が多く、卒業生の約3人に1人が国公立大学へ進むという高い実績を持っています。

最新の大学進学実績(2024年入試など)を見ると、その実力がよく分かります。

  • 国公立大学:

    • 最難関大学への合格者を毎年輩出しているのが大きな特長です。特に理数科からは、東京大学、京都大学、大阪大学といった旧帝大や、徳島大学の医学部医学科といった最難関学部への合格者が多数出ています。これは、県内でもトップクラスの実績です。

    • 最も進学者が多いのは地元の徳島大学で、2024年度入試では48名の現役合格者を出しています。これは、地域に根ざした確かな進路指導が行われている証拠です。次いで、鳴門教育大学などへの進学者も多くなっています。

  • 難関私立大学:

    • 関西圏の有名私立大学にも多くの合格者を出しています。特に、近畿大学(27名)、京都産業大学(25名)、追手門学院大学(13名)などが主な進学先として挙げられます。立命館大学などへの進学者もいます。

  • その他の進路:

    • 多くの生徒が4年制大学へ進学しますが、地元の四国大学(40名)や徳島文理大学(24名)へも多数進学しています。また、毎年数名が公務員試験に合格し、希望の職種に就いています。

こうした高い進学実績を支えているのが、学校独自の充実した学習サポート体制です。理数科の生徒を対象とした「理数科セミナー」では、東京大学や京都大学、大手企業を訪問する宿泊研修を行い、最先端の研究に触れる機会を提供しています。また、普通科の生徒も参加する「市高レインボウプラン」では、徳島市や地元企業、大学と連携し、現場での研修や講演会を通じて、社会とつながる探究的な学びを深めています。徳島大学との連携事業も豊富で、高校にいながら大学レベルの学びに触れることができるのも大きな魅力です。

徳島市立高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、徳島市立高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 県内屈指の理数科と柔軟な普通科の二本柱

    • 最難関大学を目指すエリート教育を行う理数科と、幅広い進路に対応し文武両道を実践する普通科が共存し、多様な生徒のニーズに応えています。

  • 「自由と自主自律」を育む校風

    • スマートフォンの使用を許可するなど、生徒を信頼し、個人の裁量に任せる校風が根付いています。この環境が、生徒の主体性と責任感を育みます。

  • 全国レベルの部活動が彩る「文武両道」

    • 全国制覇の経験を持つサッカー部をはじめ、多くの部活動が全国の舞台で活躍しています。学業と部活動、どちらも本気で取り組める環境が整っています。

  • 地域と連携した独自の探究学習プログラム

    • 「市高レインボウプラン」など、徳島市や徳島大学と連携した実践的な学びの機会が豊富に用意されており、教室の外で社会とつながる力を養えます。

  • 最先端を目指す「理数科セミナー」と国際交流

    • 理数科の生徒は、国内トップの大学や企業を訪問する研修に参加できます。また、アメリカや台湾の姉妹校との交流事業も活発で、国際的な視野を広げることができます。

  • 生徒が主役で盛り上がる「市高祭」

    • 文化祭と体育祭からなる「市高祭」は、企画から運営まで生徒が中心となって作り上げる、学校生活で最も盛り上がるイベントです。市高のエネルギーと自由な雰囲気を象徴しています。

  • 新しく快適な校舎と名物の焼きたてパン

    • 近年建て替えられた校舎は綺麗で広く、学習環境は抜群です。特に、校内で買える焼きたてのパンは生徒に大人気で、日々の学校生活の楽しみの一つになっています。

徳島市立高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からのリアルな声は、学校選びの重要な参考になります。ここでは、徳島市立高等学校に関するポジティブな口コミと、少し気になる点を公平に紹介します。

  • 良い点:

    • 「とにかく自由で楽しい!」という声が最も多く聞かれます。校則が厳しくなく、自分のペースで過ごせる居心地の良さを評価する意見が多数あります。

    • 「勉強も部活も本気になれる環境」である点も高く評価されています。文武両道を実践したい生徒にとって、理想的な環境だと感じられているようです。

    • 「優しくて面白い友達がたくさんできる」と、生徒同士の良好な人間関係を挙げる声も多いです。いじめもなく、安心して学校生活が送れるという意見が見られます。

    • 「先生はやる気のある生徒をしっかりサポートしてくれる」という口コミもあります。自分から積極的に質問に行けば、親身になって応えてくれる先生が多いようです。

    • 「学校が綺麗で、パンが美味しい!」など、快適な施設や設備を魅力に感じる声も少なくありません。

  • 気になる点:

    • 「自由すぎて、流されてしまう人もいるかも」という注意喚起の声もあります。自主性が求められるため、自己管理が苦手な生徒は苦労する可能性があるようです。

    • 「制服のデザインは好みがはっきり分かれる」というのは、多くの口コミで共通して見られる点です。可愛いという意見と、ダサいという意見の両方があります。

    • 「校舎が広くて、校門から教室までが遠い」という、新しくなったがゆえの少し不便な点も挙げられています。

    • 「徳島駅からは少し離れている」ため、交通の便を気にする声もあります。バス通学が基本となります。

    • 「理数科と普通科で雰囲気が少し違う」と感じる生徒もいるようです。学力レベルの違いが、クラスの雰囲気にも影響しているのかもしれません。

アクセス・通学

徳島市立高等学校への通学方法と、通学エリアについて説明します。

最寄りとなるのは徳島市営バスの「市立高校前」バス停で、学校のすぐ近くにあります。JR徳島駅など、市内の主要な場所からバス路線が複数出ているため、バスでの通学が最も一般的です。

通学可能なエリアは、学科によって異なります。これは徳島市立高等学校の大きな特徴の一つです。

  • 普通科:通学区域は原則として「第3学区」と定められており、主に徳島市内に住んでいる生徒が対象となります。ただし、一定の割合で学区外からの入学も認められています。

  • 理数科:通学区域は「徳島県内全域」と定められています。これは、理数科が県全体から優秀な生徒を募集する、特別な専門学科として位置づけられているためです。そのため、理数科のクラスには、県内各地から通学してくる生徒が集まります。

徳島市立高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

最後に、進学アドバイザーとして、徳島市立高等学校を目指す君たちにメッセージを送ります。この学校は、君の「やりたい」という気持ちを全力で受け止め、応援してくれる場所です。

特に、「自分の頭で考えて行動するのが好きな人」「高いレベルで勉強と部活動を両立させたい人」「自由な雰囲気の中で、のびのびと高校生活を送りたい人」には、徳島市立高等学校は最高の環境となるでしょう。自主性を重んじる校風の中で、君はきっと大きく成長できるはずです。

受験勉強に向けては、まず内申点が重要です。中学3年間すべての成績が評価されることを忘れず、1年生の時から授業を大切にし、定期テストで着実に点数を取ることが合格への近道です。普通科を目指すなら、5教科の基礎を固め、苦手科目を作らないようにバランス良く学習を進め、本番で350点以上を目指しましょう。理数科に挑戦する君は、高い総合力に加え、配点の高い数学と理科で他の受験生に差をつける必要があります。応用問題にも積極的に取り組み、思考力を徹底的に鍛えてください。

徳島市立高等学校での3年間は、きっと君の人生にとってかけがえのない宝物になります。自分の可能性を信じて、夢への挑戦を楽しんでください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。