新潟県立新発田高等学校、通称「芝高(しばこう)」は、130年近い歴史と伝統を誇る、地域を代表する進学校です。その一方で、人気映画『ストロボ・エッジ』のロケ地にもなったモダンで美しい校舎は、未来に向かって開かれた学びの場であることを象徴しています。伝統を重んじながらも、常に新しい時代を見据えているのが、この新発田高等学校の大きな魅力と言えるでしょう。
ここでは、「未来の俊傑(しゅんけつ)たれ」という揺るぎない教育理念のもと、生徒一人ひとりが学問と部活動、そして多彩な学校行事に全力で打ち込んでいます。文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、高度な探究活動に挑戦できる環境と、95%を超える高い部活動加入率が示す「文武両道」の精神。新発田高等学校は、その両方を高いレベルで実現したいと考える君にとって、最高の舞台となる可能性を秘めています。
高校選びは、君の未来を形作る大切な一歩です。このページでは、進学アドバイザーである私が、中学生の君と保護者の方々の視点に立って、新発田高等学校がどんな場所なのか、その本当の姿を詳しく、そして分かりやすく解き明かしていきます。一緒に、充実した3年間を送るための扉を開けてみましょう。
新発田高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。オープンスクールや学校説明会に参加する際にも役立ちます。
項目 | 内容 |
正式名称 | 新潟県立新発田高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/別学 | 男女共学 |
所在地 | 〒957-8555 新潟県新発田市豊町3-7-6 |
代表電話番号 | 0254-22-2008 |
公式サイトURL | http://www.shibata-h.nein.ed.jp/ |
新発田高等学校の偏差値・難易度・併願校
新発田高等学校の学力レベルは、新潟県内でもトップクラスに位置します。自分の目標設定や学習計画を立てる上で、偏差値や必要な内申点をしっかり把握しておくことが大切です。
-
理数科: 64~65
-
普通科: 61~64
模試の種類によって偏差値の数字は多少変動することがありますが、新発田高等学校を目指すなら、このレベルを一つの目標とすると良いでしょう。これは、新潟県内の公立高校の中でも上位に位置し、高い学力が求められることを意味します。
難易度をより具体的にイメージするために、合格の目安となる内申点や当日の学力検査の目標点数も見てみましょう。
-
合格に必要な内申点の目安: 普通科で135点満点中111点前後(平均37点/教科)、理数科で114点前後(平均38点/教科)が一つの目安とされています。
-
学力検査の目標点数: 500点満点で、普通科は320点~340点、理数科は340点~360点あたりが合格ラインになることが多いようです。もちろん、その年の問題の難易度や倍率によって変動しますので、過去問演習などを通じて、常に7割以上の得点を目指す学習を心がけましょう。
同じくらいの偏差値の高校としては、新潟中央高校(学究コース)や市立万代高校などが挙げられます。これらの高校のレベル感を参考に、自分の立ち位置を確認するのも良い方法です。
新潟県の公立高校入試では、一般選抜で他の公立高校を併願することはできません。そのため、新発田高等学校を第一志望とする多くの受験生は、私立高校を併願校として受験します。新発田市やその周辺地域からは、新発田中央高等学校などが主な併願先として考えられます。
新発田高等学校に設置されている学科・コース
新発田高等学校には、将来の目標に合わせて選べる2つの学科があります。それぞれの特色を理解し、どちらが自分の学びたいことや目指す進路に合っているかを考えてみましょう。
-
普通科
-
どんなことを学ぶ場所か:国公立大学や難関私立大学への進学を視野に、5教科を中心に幅広く、そして深く学ぶ学科です。2年次からは文系・理系に分かれ、それぞれの進路希望に応じた専門性を高めていきます。
-
どんな生徒におすすめか:文系・理系を問わず、大学進学を強く希望している人や、高校生活を通して自分の興味・関心を見つけ、将来の可能性を広げたい人におすすめです。
-
-
理数科
-
どんなことを学ぶ場所か:スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の中核を担う学科です。数学と理科に特化した高度な授業や、大学レベルの実験・研究活動(課題研究)に3年間を通して取り組みます。
-
どんな生徒におすすめか:科学や数学が大好きで、将来は研究者、医師、エンジニアなど、理数系の専門分野で活躍したいという強い意志を持つ人におすすめです。
-
さらに、理数科では2年次から、より専門的な2つのコースに分かれます。
-
メディカルコース:将来、医学・医療分野のリーダーとなる人材を育成するためのコースです。医療系の課題に特化した探究活動を行います。
-
フューチャーサイエンスコース:科学的探究力で新しい領域を切り拓く、未来の科学者や技術者を育成するコースです。最先端の科学技術に触れる探究活動が中心となります。
新発田高等学校の特色・校風
新発田高等学校の雰囲気は、いくつかのキーワードで表すことができます。「文武両道」「質実剛健」「自由闊達」、そして「未来の俊傑」。これらが、学校生活のあらゆる場面に息づいています。
-
宿題の量:口コミでは「課題が多め」という声が多く聞かれます。特に進学校であるため、日々の予習・復習はもちろん、週末課題などもしっかり出されるようです。中学校の感覚でいると大変かもしれませんが、この課題に真面目に取り組むことで、着実に学力が身につきます。
-
校則(スマホ、服装など):校則自体は細かく定められています。例えば、スマートフォンは始業から終業まで電源を切り、ロッカーで管理するのがルールです。服装も、男子は詰襟、女子はブレザーと指定されており、スカート丈は膝にかかる長さと決められています。しかし、在校生からは「校則は緩やか」「自由な校風」という声が多数挙がっています。これは、学校がルールで生徒を縛り付けるのではなく、生徒一人ひとりの自主性や良識を信頼していることの表れでしょう。真面目に学業に取り組む姿勢があれば、細かく注意されることは少ない、という大人の対応がされているようです。
-
生徒たちの雰囲気:真面目で落ち着いており、学習意欲の高い生徒が多いのが最大の特徴です。「周りの意識が高くて勉強しやすい」「誰と話しても、しっかりした人ばかり」という口コミが示すように、互いに高め合える環境が自然と出来上がっています。かといって堅苦しいわけではなく、優しく穏やかな生徒が多いようです。
-
アルバイト:原則として禁止されています。学業と部活動に集中してほしいという学校の方針がうかがえます。
-
制服の評判:男子は伝統的な黒の詰襟学生服、女子は上品なブレザースタイルです。特にデザインについて強い意見は見られませんが、式典などではきりっとした着こなしが求められる、伝統校らしい制服です。
-
土曜授業:3年生になると、大学受験対策のための進学講座が土曜日に行われることがあります。全学年で毎週あるわけではありませんが、受験期には手厚いサポート体制が敷かれています。
新発田高等学校の部活動・イベント
「文武両道」を掲げる新発田高等学校では、部活動や学校行事も非常に盛んで、高校生活を彩る大切な要素となっています。
部活動
部活動加入率は95.9%と非常に高く、ほとんどの生徒が学業と両立させながら活動に打ち込んでいます。運動部16、文化部9と選択肢も豊富で、活気に満ちています。
-
特に有名な部活動
-
陸上競技部、卓球部:全国大会の常連であり、学校を代表する強豪部です。高いレベルで競技に打ち込みたい生徒にとって、最高の環境が整っています。
-
弓道部:明治42年創部という、学校で最も歴史のある部の一つ。古き良き伝統を受け継ぎながら、全国大会出場経験もあるなど、実績も兼ね備えています。静かな集中力と精神力を鍛えたい人におすすめです。
-
自然科学部:SSH指定校の中核を担う部活動です。特に化学班は、県の発表会で最優秀賞を受賞し、全国大会に出場するなど目覚ましい活躍を見せています。物理・数学班、生物班もあり、本格的な研究活動に没頭できます。
-
書道部、ブラスバンド部:文化部の中でも特に部員数が多く、文化祭「杉原祭」でのパフォーマンスは圧巻です。ブラスバンド部は総勢90名近くが所属し、迫力ある演奏で学校行事を盛り上げます。
-
イベント
新発田高等学校の学校行事は、単なるお楽しみではなく、生徒の団結力を高め、学校の伝統を体感する重要な機会と位置づけられています。
-
応援練習:新入生が「真の芝高生」になるための伝統的な儀式です。応援団の厳しい指導のもと、校歌や応援歌を全力で覚えるこの練習を通して、学年を超えた一体感が生まれます。
-
体育祭:6月に市内の陸上競技場を貸し切って行われる、全校あげての一大イベントです。学年ごとのクラス対抗で、リレーなどの競技はもちろん、各クラスが趣向を凝らして制作する衣装、巨大なバナー(一枚絵)、ルーム旗のデザインなども採点対象となり、総合優勝を目指して熱い戦いが繰り広げられます。
-
杉原祭(文化祭):9月に行われる文化祭は、生徒の創造性が爆発する場です。1、2年生はクラスごとにユニークな出し物を行い、校舎内は生徒が制作したアートや「アンブレラスカイ」などで華やかに装飾されます。体育館で行われる有志企画では、バンドやダンスなどのパフォーマンスでライブ会場さながらの熱気に包まれます。
-
修学旅行:普通科は京都・大阪・広島などを巡り、大学訪問や平和学習、班別自主研修などを通して見聞を広めます。一方、理数科はSSH事業の一環としてマレーシアへ海外研修に行き、現地の大学と連携した研究発表など、国際的な経験を積むことができます。これは新発田高校ならではの大きな魅力です。
新発田高等学校の進学実績
新発田高等学校は、下越地区を代表する進学校として、国公立大学を中心に非常に高い進学実績を誇ります。近年、その合格実績はさらに伸びている傾向にあります。
以下に、近年の主な大学合格実績(既卒生含む)を示します。
主な国公立大学合格実績(2024年入試結果より)
地元の新潟大学へ圧倒的な合格者数を輩出しているほか、東北大学などの旧帝大や、県内外の主要な国公立大学へも多数の合格者を出しています。
大学名 | 合格者数 |
東北大学 | 2名 |
大阪大学 | 1名 |
筑波大学 | 1名 |
千葉大学 | 2名 |
金沢大学 | 6名 |
新潟大学 | 51名 |
新潟県立大学 | 37名 |
主な難関私立大学合格実績(2024年入試結果より)
首都圏の難関私立大学群である「GMARCH」や「日東駒専」にも、毎年多くの合格者を輩出しており、多様な進路希望に対応できる学力が身につくことを証明しています。
大学群 | 大学名 | 合格者数 |
早慶上理 | 早稲田大学 | 2名 |
東京理科大学 | 4名 | |
GMARCH | 明治大学 | 12名 |
青山学院大学 | 6名 | |
立教大学 | 6名 | |
法政大学 | 9名 | |
中央大学 | 4名 | |
日東駒専 | 東洋大学 | 30名 |
日本大学 | 16名 | |
専修大学 | 9名 | |
駒澤大学 | 7名 |
このほか、新潟医療福祉大学(47名)や新潟薬科大学(20名)といった医療・薬学系の大学や、看護専門学校などへの進学者も多く、生徒一人ひとりの目標に合わせた進路実現を力強くサポートしています。
こうした高い進学実績を支えているのが、学校全体での手厚い学習サポート体制です。長期休業中や放課後には各学年で補習が組まれ、特に3年生になると、2学期の期末試験後から大学入学共通テストに向けた特別時間割が編成されるなど、万全の体制で受験に臨むことができます。
新発田高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、新発田高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。
-
スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校としての高度な探究活動
文部科学省の指定を受け、大学や研究機関と連携した最先端の科学に触れる機会が豊富にあります。理数科はもちろん、普通科の生徒も課題研究に取り組み、論理的思考力やプレゼンテーション能力を養います。
-
全校で取り組む探究プログラム「未来の俊傑プラン」
1年生では「地域とつながる」、2年生では「学問とつながる」、3年生では「進路とつながる」をテーマに、3年間を通して探究活動を行います。自ら課題を見つけ、解決していくプロセスを通して、社会で生きる力を育みます。
-
理数科のマレーシア海外研修
SSH事業の一環として、理数科の生徒はマレーシアへ渡航し、現地の大学生と英語で研究交流を行います。高校時代にこのような国際的な学術経験ができるのは、非常に貴重な機会です。
-
映画のロケ地にもなった美しく機能的な校舎
2009年に完成した校舎は、デザイン性が高いだけでなく、吹き抜けの「スクールモール」など、生徒が快適に過ごせる工夫が凝らされています。この恵まれた環境が、日々の学習意欲を高めてくれます。
-
伝統と活気が融合した大規模な学校行事
全校生徒が一丸となる「体育祭」や、創造性あふれる「杉原祭(文化祭)」、新入生を鍛え上げる「応援練習」など、芝高ならではの伝統行事は、一生の思い出になるだけでなく、強い連帯感を生み出します。
-
生徒の自主性を重んじる「自由闊達」な校風
校則はありますが、基本的には生徒の良識と自主性が尊重されます。自らを律し、主体的に行動することが求められる環境は、生徒を精神的に大きく成長させます。
-
95%超の加入率が示す本物の「文武両道」
ほとんどの生徒が部活動に所属し、学業と高いレベルで両立させています。全国レベルで活躍する部も多く、仲間と切磋琢磨しながら人間的に成長できる場がここにあります。
新発田高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生からのリアルな声は、学校選びの貴重な参考になります。良い点と、少し気になる点を公平に見ていきましょう。
-
良い点
-
「学習環境が素晴らしい」という声が非常に多いです。新しく綺麗な校舎、整った自習スペース、そして何より周りの生徒たちの学習意欲の高さが、最高の環境を作り出しているようです。
-
「先生方が熱心で、質問にも丁寧に対応してくれる」と、生徒のやる気に応えてくれる教師陣への評価も高いです。
-
「文武両道が本当にできる学校。忙しいけれど、その分とても充実している」という声も多く、勉強も部活も本気でやりたい生徒にとって、理想的な環境であることがうかがえます。
-
「行事が楽しく、クラスの団結力が強い」など、勉強だけでなく、学校生活全体を楽しんでいる様子が伝わってきます。
-
-
気になる点
-
「課題の量が多くて大変」という声は、多くの生徒が感じているようです。高いレベルの授業についていくためには、相応の家庭学習が求められます。
-
「国公立大学への進学を強く勧められる傾向がある」という意見もあります。学校全体として国公立大学を目指す雰囲気が強いため、私立大学を第一志望に考えている生徒は、その点を理解しておく必要があるかもしれません。
-
「進学校なので、勉強と部活の両立はかなり努力が必要」という現実的な声も。時間をうまく管理し、体力的にもタフさが求められるようです。
-
「真面目な生徒が多い分、文化祭などの盛り上がりは、他の高校に比べると少し落ち着いているかも」というユニークな意見もありました。
-
アクセス・通学
新発田高等学校への通学方法です。通学時間や経路も、高校選びの重要なポイントになります。
-
最寄り駅:JR白新線・羽越本線「新発田駅」
-
駅からのアクセス:新発田駅東口から徒歩で約10分~15分です。駅からは地下通路を利用するとスムーズです。
-
バスでのアクセス:新潟交通観光バスの「新発田高校前」バス停が学校のすぐ目の前にあり、非常に便利です。
新発田市内の高校に通う生徒の約半数は市外から通学しているというデータもあり、新発田高等学校も例外ではありません。新発田市内からはもちろん、阿賀野市、聖籠町、胎内市、村上市など、広い範囲から生徒が集まっています。様々な地域から集まる仲間と出会えるのも、この学校の魅力の一つです。
新発田高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとう。最後に、進学アドバイザーとして、新発田高等学校を目指す君にエールを送ります。
新発田高等学校は、「やらされる勉強」ではなく「自ら学ぶ楽しさ」を知っている、知的好奇心旺盛な君にこそ、ぴったりの学校です。高い目標を持つ仲間たちと切磋琢磨したい、勉強も部活も行事も、すべてに全力で挑戦してみたい。そんな熱い想いを持つ君を、新発田高等学校は温かく迎え入れてくれるでしょう。
受験勉強においては、5教科の基礎を徹底的に固めることが何よりも重要です。その上で、応用問題や少しひねりのある問題にも積極的にチャレンジし、思考力を鍛えてください。そして、日々の授業を大切にし、高い内申点を確保することも合格への大きな鍵となります。この挑戦の先には、君を「未来の俊傑」へと導く、刺激的で充実した3年間が待っています。自分を信じて、頑張ってください!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。