札幌東高等学校は、高い目標を掲げて勉学に励むことはもちろん、一生の思い出に残るような充実した高校生活を送りたいと願う、すべての受験生にとって非常に魅力的な選択肢です。札幌市内でも屈指の進学校群「東西南北」の一角を担う伝統校として、その名は広く知られています。
しかし、札幌東高等学校の本当の魅力は、高い大学進学実績だけにとどまりません。生徒たちは日々の学習に真剣に取り組む一方で、学校祭などの行事にはすさまじいエネルギーを注ぎ込みます。勉強と遊びの「メリハリ」をつけ、その両方に全力で打ち込む「文武両道」の精神が、この学校には確かに息づいているのです。
この記事では、偏差値や進学実績といったデータはもちろん、校風や学校生活のリアルな姿、在校生たちの声まで、皆さんが本当に知りたい情報を詳しく、そして分かりやすくお伝えします。この情報が、皆さんの高校選びの旅において、確かな一歩を踏み出すための羅針盤となることを心から願っています。
札幌東高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 北海道札幌東高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/別学の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒003-0809 北海道札幌市白石区菊水9条3丁目 |
代表電話番号 | 011-811-1919 |
公式サイトURL | http://www.sapporohigashi.hokkaido-c.ed.jp/ |
札幌東高等学校の偏差値・難易度・併願校
札幌東高等学校を目指す上で、最も気になるのが学力的な難易度でしょう。ここでは、偏差値や内申点の目安、そして多くの受験生が選ぶ併願校について解説します。
最新の偏差値は普通科でから前後とされており、北海道内の公立高校ではトップクラスに位置します。同じくらいの偏差値の高校としては、札幌旭丘高等学校などが挙げられます。この数値からも、札幌東高等学校が非常に競争の激しい難関校であることが分かります。
合格を勝ち取るために特に重要になるのが、中学校での成績を基にした「内申点」です。過去の合格者データを見ると、合格者の平均内申ランクはAランクであり、その割合が圧倒的に高いという事実があります。もちろん、学力検査の結果を重視する選抜枠もあるため、Bランク以下の生徒が合格する可能性がゼロではありませんが、その数はごく少数です。そのため、札幌東高等学校を第一志望に考えるのであれば、中学2年生の段階からAランクの獲得を目標に、日々の授業や定期テストに真剣に取り組むことが、合格への最も確実な道筋と言えるでしょう。
また、公立高校であるため、他の公立高校との併願はできません。そのため、受験生は万が一の場合に備えて、私立高校を併願することになります。主な併願先は以下の通りです。
受験日程 | 主な私立併願校(コース) |
A日程 | 札幌光星高等学校(特進)、札幌日本大学高等学校(特進、プレミアS) |
B日程 | 札幌第一高等学校(文理北進、文理選抜)、北海高等学校(特進) |
札幌東高等学校に設置されている学科・コース
札幌東高等学校に設置されている学科は以下の通りです。
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普通科
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どんなことを学ぶ場所か:特定の専門分野に偏ることなく、国語、数学、英語、理科、社会といった主要教科を高いレベルでバランス良く学びます。2年生からは文系・理系に分かれ、それぞれの進路希望に応じた専門性を深めていきます。
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どんな生徒におすすめか:将来の夢がまだ具体的に決まっていないけれど、国公立大学や難関私立大学への進学を視野に入れ、高校で幅広い教養と確かな学力を身につけたい生徒に最適です。
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札幌東高等学校の特色・校風
札幌東高等学校の雰囲気は、「自由闊達」「文武両道」「落ち着いた雰囲気」「メリハリ」といった言葉で表現されます。生徒たちは自律的に行動し、勉強するときは集中し、楽しむときは全力で楽しむ文化が根付いています。
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宿題の量:毎週、数学の問題集(4STEP)や現代文のプリント、英語のワークブックなどの提出が求められるようです。課題はコンスタントに出されるため、日々の学習習慣が非常に重要になります。ただし、3年生になると大学受験対策に集中できるよう、課題の量は減る傾向にあるようです。
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校則の厳しさ:公式な校則は存在しますが、生徒の口コミによれば、実際の運用は生徒の自主性に任されており、比較的自由な雰囲気のようです。
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スマホ:校内での使用は原則禁止ですが、厳しく取り締まられることは少なく、先生によっては調べ物での使用を許可することもあるなど、信頼に基づいた運用がされているようです。
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服装:女子は伝統的なセーラー服、男子は学ランです。特に女子のセーラー服は「かわいい」と昔から評判が高いです。スカート丈などについて、細かく注意されることは少ないという声が多く聞かれます。
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生徒たちの雰囲気:全体的に「真面目」で「落ち着いている」生徒が多く、学習に集中しやすい環境です。いじめはほとんど聞いたことがないという声が多く、安心して学校生活を送ることができます。一方で、いわゆる「ガリ勉」タイプばかりではなく、行事などでは非常に活発で、個性豊かな生徒が多いのも特色です。
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アルバイト:原則として禁止されています。学業や部活動が忙しいため、実際にアルバイトをしている生徒は少ないようです。
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制服の評判:前述の通り、特に女子のセーラー服はデザインの人気が非常に高いです。
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土曜授業:年間10日程度の土曜授業が実施されています。それに加え、ほとんどの土曜日には「SSD(Self-Study Day)」と呼ばれる自主学習の日が設けられており、学校の教室で先生に質問しながら勉強することができます。
札幌東高等学校の部活動・イベント
部活動
札幌東高等学校の「文武両道」を象徴するのが、非常に活発な部活動です。部活動加入率は92%にも達し、多くの生徒が勉強と両立させながら活動に打ち込んでいます。
運動部、文化部ともに種類が豊富で、全道大会や全国大会で活躍する部も少なくありません。
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陸上競技部:過去には全国制覇の経験もある伝統的な強豪部です。現在も全道レベルで活躍しています。
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体操部:全国大会に出場する選手を輩出するなど、高いレベルで活動しています。高校から体操を始める部員も多く、経験者と初心者が一緒に練習に励んでいます。
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放送局:文化部の中でも特に実績が豊富で、NHK杯全国高校放送コンテストで何度も入賞している全国区の強豪です。学校紹介ビデオの制作など、校内でも重要な役割を担っています。
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吹奏楽局:大人数を誇る人気の部活動で、コンクールでは常に札幌地区代表として全道大会へ進出しています。
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学友会総務(生徒会):約40人の生徒が所属し、一つの部活動のように活発に活動しています。学校行事の企画・運営を担う、学校生活の中心的な存在です。
イベント
生徒たちが全力で楽しむ学校行事も、札幌東高等学校の大きな魅力です。
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東高祭(学校祭):7月上旬に開催される、学校最大のイベントです。その熱気とクオリティの高さは有名で、準備のために1週間授業がなくなる期間が設けられるほど、学校全体で力を入れています。2、3年生のクラスが作るお化け屋敷やアトラクションは圧巻で、生徒たちの創造性と団結力が発揮される場となっています。近年ではキャッシュレス決済を導入するなど、生徒主導で新しい試みも行われています。
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体育大会:夏休み明けの8月や、夏季の7月に行われるクラス対抗の球技大会です。サッカーやバレーボールなどの種目で、クラス一丸となって優勝を目指します。
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見学旅行(修学旅行):2年生の時に、関西方面(大阪・京都など)や関東方面へ行きます。大きな特徴は、私服で参加し、班別自主研修の自由度が非常に高いことです。生徒の自主性と責任感を育む、貴重な体験となっています。
札幌東高等学校の進学実績
札幌東高等学校は、道内トップクラスの大学進学実績を誇ります。生徒の多くが国公立大学や難関私立大学を目指しており、その目標を達成するための手厚いサポート体制が整っています。
最新の大学進学実績(主に2023年〜2025年のデータ)は以下の通りです。
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国公立大学:
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北海道大学には毎年非常に多くの合格者を輩出しており、近年では62名から77名が合格しています。まさに、北大への登竜門と言える実績です。
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その他、小樽商科大学に約36名、北海道教育大学に約21名など、道内の主要国公立大学にも多数合格しています。
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国公立大学全体の現役合格者数は180名前後にのぼり、学年全体の半数以上が現役で国公立大学に進学するという高い実績を維持しています。
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難関私立大学:
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早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、国際基督教大学といった最難関私立大学グループ(早慶上理ICU)に、合計で52名が合格した年もあります。
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GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)には合計190名が合格するなど、首都圏の有名私立大学にも圧倒的な強さを見せています。
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その他の進路:
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医学部医学科への合格者も毎年コンスタントに輩出しています。その他、看護系の大学や専門学校、防衛大学校など、多様な進路に進む生徒もいます。
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これらの優れた進学実績は、学校の教育システムによって支えられています。学習効果を高める「55分授業」や、土曜日の自主学習をサポートする「SSD」、長期休暇中の講習、そして頻繁に行われる小テストなど、生徒の学力を着実に伸ばすための仕組みが整っています。しかし、これらの制度はあくまで生徒の自主性を支えるためのものです。学校が提供する機会を最大限に活用し、自ら学ぶ姿勢を持つことが、希望進路の実現につながっています。
札幌東高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、札幌東高等学校ならではの強みや魅力をまとめました。
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伝統の「文武両道」と90%を超える部活動加入率
札幌東高等学校では、高いレベルの勉強と部活動を両立させることが当たり前の文化として根付いています。9割以上の生徒が部活動に加入しているという事実は、この学校が全人教育を大切にしている証です。
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生徒の自主性を育む「SSD (Self-Study Day)」
土曜日に行われる自主学習支援プログラム「SSD」は、この学校の教育哲学を象徴する取り組みです。生徒が主体的に学習計画を立て、分からないことは先生に質問できる環境が、自ら学ぶ力を育てます。
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集中力を高める「55分授業」
1コマを55分に設定することで、授業への深い集中を促しつつ、放課後の部活動や自主学習の時間を確保しています。これにより、1日を最大限に有効活用することが可能です。
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学校生活最大の熱狂「東高祭」
単なる文化祭ではなく、生徒が主体となって創り上げる一大プロジェクトです。1週間の準備期間を設け、クラス一丸となって取り組むこの経験は、創造性、協調性、リーダーシップを育む伝説的な行事です。
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北海道大学への圧倒的な進学実績
北海道の最高学府を目指す生徒にとって、これ以上ない環境です。質の高い授業、充実したサポート体制、そして同じ目標を持つ仲間たちが、北大合格への強力な後押しとなります。
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自由と信頼の校風
校則は存在しますが、その運用は生徒の良識に委ねられている部分が大きく、自由な雰囲気が特徴です。生徒を一人の人間として尊重し、信頼する校風が、責任感と自律心を育みます。
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昔から人気の高い、伝統の制服
特に女子生徒のクラシックな二本線のセーラー服は、学校の誇りであり、100年を超える歴史と品格の象徴です。多くの生徒にとって、この制服は札幌東高等学校のアイデンティティの一部となっています。
札幌東高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生から寄せられた声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。
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良い点
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勉強と行事のメリハリが素晴らしい:学習に集中するべき時は真剣に、行事などの楽しむべき時は全力で盛り上がる、という切り替えがしっかりできる校風が高く評価されています。
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先生方のサポートが手厚い:授業が分かりやすく、質問にも親身に対応してくれる先生が多いようです。塾に通わなくても学校の授業だけで難関大学に合格できると感じる生徒も少なくありません。
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周りの生徒のレベルが高く、良い刺激になる:目標意識の高い、知的な仲間に囲まれることで、自然と学習意欲が高まります。互いに教え合い、高め合える環境は大きな魅力です。
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いじめがほとんどなく、平和な雰囲気:生徒たちが成熟しており、安心して過ごせる穏やかな環境であるという声が多数寄せられています。
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充実した学校行事:学校祭や体育大会、修学旅行は最高の思い出になると評判です。これらの行事を通じて、クラスや学年の絆が深まります。
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気になる点
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校舎が古く、設備が充実しているとは言えない:最も多く指摘されるのが、校舎の古さです。1981年に建てられた校舎で、最新の設備を期待すると、少しがっかりするかもしれません。この点をどう捉えるかは、受験生自身の価値観によります。最新の「ハードウェア(校舎)」を重視するか、教育内容や校風といった「ソフトウェア(人・文化)」を重視するかで、この点の評価は大きく変わるでしょう。
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駅から少し歩く:最寄り駅から徒歩で12分から20分ほどかかり、特に冬場の通学は少し大変に感じるかもしれません。
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課題や予習が多く、勉強は楽ではない:高い学力を維持するため、日々の課題や予習の負担は決して軽くありません。自己管理能力と計画性が求められます。
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アクセス・通学
札幌東高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。
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最寄り駅
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地下鉄東西線「東札幌」駅:徒歩約12〜14分
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地下鉄東西線「菊水」駅:徒歩約15分
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JR函館本線「苗穂」駅:徒歩約17〜20分
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バス
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駅から歩くのが大変な場合、バスの利用が便利です。JR北海道バスや夕鉄バスの「菊水9条3丁目」停留所や「東高校前」停留所からであれば、学校まで徒歩数分です。
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通学エリア
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札幌市内の全域から生徒が通学していますが、特にアクセスの良い地下鉄東西線やJR函館本線の沿線に住む生徒が多い傾向があります。
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札幌東高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
札幌東高等学校は、自ら学び、行動する意欲のある生徒、そして勉強だけでなく高校生活のすべてに全力で挑戦したいと考える生徒に、心からおすすめします。高い目標を持つ仲間と切磋琢磨しながら、学問の探求も、一生モノの友情や思い出作りも、どちらも諦めたくない。そんなあなたにとって、ここは最高の舞台となるはずです。
札幌東高等学校への合格の道は、入学試験当日よりもずっと前から始まっています。何よりも重要なのは、中学校での日々の努力の結晶である「内申点」です。まずはAランクの獲得を安定した目標としてください。その上で、入試本番では、付け焼き刃の知識ではなく、全教科の基礎を深く理解しているかが問われます。苦手科目を作らず、バランスの取れた学力を身につけることが合格への鍵となります。
高校受験は大変な道のりですが、それは皆さんが大きく成長するための素晴らしい機会でもあります。今この瞬間の努力が、未来の可能性を大きく広げてくれます。私たちは、この素晴らしい挑戦に臨む皆さん一人ひとりのことを、心から応援しています。
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。