東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校、通称「藝高(げいこう)」。その名前を聞いて、音楽家を志す中学生なら誰もが一度は憧れを抱くのではないでしょうか。日本で唯一の国立音楽高校であり、将来の音楽界をリードする若き才能が集う、まさに最高峰の学び舎です。

この学校には、一般的な「高校」というイメージだけでは語り尽くせない、特別な時間が流れています。授業の約3分の1が音楽関連科目で占められ、朝から晩まで音楽に浸る毎日。そこは、同じ夢を持つ仲間たちと互いに高め合い、一流の指導者から直接教えを受けられる、他に類を見ない恵まれた環境です。

この記事では、そんな特別な場所である東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校が一体どんな学校なのか、その特色や学校生活のリアルな姿を、進学アドバイザーとして中学生とその保護者の皆さんにも分かりやすく、丁寧にご紹介していきます。未来の芸術家たちが集うこの場所の魅力を、一緒に探っていきましょう。

東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校
公立/私立の別 国立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8
代表電話番号 050-5525-2406
公式サイトURL http://geiko.geidai.ac.jp/

東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校の特色・校風

東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校は、一言でいえば「音楽家の卵たちが集う、自由で専門的な学びの場」です。生徒たちは皆、将来プロの音楽家になるという高い志を持っており、校内は常に音楽への情熱と心地よい緊張感に満ちています。

  • 校風:「自由闊達」「自主自律」「芸術至上」

    生徒の自主性を重んじる自由な校風が特徴です。音楽という自己表現が活動の中心であるため、生徒一人ひとりの個性が尊重されます。

  • 宿題・課題:

    一般教科の宿題もありますが、それ以上に各専攻楽器の練習や音楽理論の課題など、音楽に関する課題が中心となります。日々の練習時間が非常に重要になるため、自己管理能力が求められるようです。

  • 校則:

    校則は比較的緩やかで、生徒の自主性に任されている部分が多いようです。

    • 服装:制服はありますが、普段は私服での登校が認められています。演奏会など式典の際には制服を着用します。

    • スマホ:校内での使用について特に厳しい規則はないようですが、授業中はマナーを守ることが求められます。

  • 生徒たちの雰囲気:

    全国からトップレベルの技術を持つ生徒が集まっているため、真面目で音楽に対する意識が非常に高いです。お互いがライバルでありながらも、同じ道を志す仲間として尊重し合う雰囲気があると言われています。

  • アルバイト:

    アルバイトは原則として禁止されているようです。学業と音楽の練習に専念することが求められます。

  • 制服の評判:

    紺色のブレザーにスカートまたはスラックスというシンプルなデザインです。制服が少し地味だという声も一部にはあるようですが、普段は私服通学が可能なため、あまり気にならないという意見が多いようです。

  • 土曜授業:

    土曜授業はありませんが、多くの生徒が自主練習やレッスンに時間を費しています。

東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校の部活動・イベント

部活動

東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校では、音楽の専門的な学びに重点を置いているため、一般的な高校のような部活動は活発ではないようです。生徒たちは放課後もっぱら各自の専攻楽器の練習に打ち込む時間がほとんどを占めます。部活動への加入率は低く、活動している部も限られています。

イベント

音楽高校ならではの、演奏に関わるイベントが年間を通して数多く開催されるのが大きな特徴です。

  • 定期演奏会:年に数回、日頃の練習の成果を披露する大規模な演奏会が開催されます。オーケストラや合唱など、生徒が一丸となって創り上げるステージは圧巻です。

  • 室内楽演奏会・アカンサスコンサート:授業の成果を発表する演奏会も行われます。 これらは生徒たちにとって、聴衆の前で演奏する貴重な経験の場となっています。

  • 公開レッスン:国内外の著名な音楽家を招いての公開レッスンが随時開催されており、世界レベルの指導に触れる機会が豊富にあります。

  • 修学旅行:一般的な高校と同様に修学旅行も実施されます。

これらの演奏会やイベントは、生徒たちの技術向上だけでなく、仲間との一体感を育む大切な機会となっています。

東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校の進学実績

東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校の卒業生の進路は、そのほとんどが東京藝術大学音楽学部への進学です。

長年にわたり、卒業生の大多数が東京藝術大学に進学するという実績があります。これは、高校3年間で藝大の授業スタイルやレベルに触れながら専門性を高めていく教育の賜物と言えるでしょう。 内部進学の制度があるわけではなく、生徒たちは一般受験を経て合格を勝ち取ります。

  • 国公立大学:東京藝術大学(大多数)

  • その他:一部、海外の音楽大学や他の大学に進学する生徒もいるようです。

進学のための特別な補習というよりは、日々の質の高い専門教育そのものが、国内最難関である東京藝術大学への進学に直結しているのが、この学校の最大の特徴です。

東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校ならではの魅力をまとめました。

  • 日本で唯一の国立音楽高等学校:国によって設立された、音楽家育成のための特別な学校です。

  • 東京藝術大学との緊密な連携:大学の教員が高校の授業を担当するなど、高大連携教育が非常に充実しています。 高校生のうちから大学レベルの指導を受けられるのは最大の魅力です。

  • 最高レベルの音楽教育環境:全教室にグランドピアノが設置されているほか、練習室、レッスン室、ホールなど、音楽を学ぶための施設が非常に充実しています。

  • 一流の指導者によるマンツーマンレッスン:各専攻の実技レッスンでは、専門の教師からマンツーマンで丁寧な指導を受けることができます。

  • 同じ志を持つ仲間との出会い:全国からトップレベルの音楽の才能を持つ生徒が集まります。互いに刺激し合い、高め合える環境は、何物にも代えがたい財産となるでしょう。

  • 音楽に集中できるカリキュラム:授業全体の約3分の1が音楽専門科目で構成されており、3年間音楽漬けの毎日を送ることができます。

  • グローバルな視野を育む教育:スーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定された実績もあり、国際的に活躍できる音楽家の育成を目指した教育が行われています。

東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校の口コミ・評判のまとめ

東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校の口コミをまとめると、音楽家を目指す生徒にとって最高の環境であるという声が圧倒的に多い一方で、その専門性の高さゆえの厳しさも伺えます。

  • 良い点:

    • 「音楽を学ぶにはこれ以上ない最高の環境。先生方も素晴らしく、毎日が刺激的」

    • 「同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できるので、モチベーションを高く保てる」

    • 「大学との連携が強く、高校生とは思えないような貴重な経験がたくさんできる」

    • 「自由な校風で、のびのびと自分の音楽を追求できる」

    • 「音楽系のイベントが豊富で、演奏する機会が多いのが嬉しい」

  • 気になる点:

    • 「とにかく練習と課題が多く、普通の高校生活をイメージしていると大変かもしれない」

    • 「周りのレベルが非常に高いため、精神的な強さが必要」

    • 「一般教科の学習も疎かにはできないので、両立が大変」

    • 「施設は充実しているが、建物自体は少し古いという印象がある」

アクセス・通学

東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校は、文化施設が集まる上野の森に位置し、複数の駅からアクセス可能です。

  • JR各線「上野駅」(公園口)から徒歩約13分

  • JR山手線・京浜東北線「鶯谷駅」(南口)から徒歩約10分

  • 東京メトロ千代田線「根津駅」(1番出口)から徒歩約11分

通学エリアは、東京都内だけでなく関東近県、さらには全国から生徒が集まっています。中には、この学校に通うために遠方から上京し、一人暮らしをしている生徒もいるようです。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。