東京都立農産高等学校は、「農業高校」という名前から、どんなことを学ぶ場所か、具体的にイメージできる人は少ないかもしれません。実は、野菜やお米を育てるだけでなく、私たちが毎日口にするパンやジャムなどの食品加工、そして街を彩るフラワーアレンジメントまで、「食と緑」に関する幅広い専門知識と技術を、体験を通して楽しく学べるユニークな都立高校です。
東京都立農産高等学校の基本情報
東京都立農産高等学校の偏差値・難易度・併願校
学科・コースごとの偏差値
食品科: 42 園芸デザイン科: 41
難易度・内申点の目安
主な併願校
愛国高等学校(家政科など) 中央学院大学中央高等学校 立志舎高等学校 京華商業高等学校
東京都立農産高等学校に設置されている学科・コース
園芸デザイン科 どんなことを学ぶ?:野菜や草花、果樹の栽培から、フラワーデザイン、造園の知識と技術まで、植物を総合的に学びます。 畑での実習はもちろん、フラワーアレンジメントの制作など、実践的な授業が豊富です。 どんな生徒におすすめ?:植物を育てることが好きな人、ガーデニングやフラワーアレンジメントに興味がある人、緑のある空間づくりに関わりたい人におすすめです。
食品科 どんなことを学ぶ?:パンやジャム、お菓子などの食品製造技術や、食品の栄養・成分、衛生管理について専門的に学びます。 実習では、自分たちで作った加工品を販売することもあります。 どんな生徒におすすめ?:料理やお菓子作りが好きな人、食べ物に関わる仕事に就きたい人、食品の科学的な側面に興味がある人におすすめです。
東京都立農産高等学校の特色・校風
学校全体の雰囲気・文化 専門的なことを学ぶため、同じ目標や興味を持った仲間が集まりやすく、クラスの団結力が強いという声が多いようです。 3年間クラス替えがないため、気心の知れた友人たちと充実した学校生活を送ることができます。
宿題の量 普通科目は標準的ですが、専門科目では実習レポートの提出が求められることが多く、大変だと感じる生徒もいるようです。 しかし、このレポート作成能力が社会に出てから役立つという意見もあります。
校則 校則は、都立高校の中では標準的か、やや厳しいと感じる生徒もいるようです。頭髪の変色や化粧などは禁止されています。 服装は指定の制服を正しく着用することが求められます。スマホの校内での使用については、休み時間などは許可されているようですが、授業中の使用はもちろん禁止です。
生徒たちの雰囲気 「食」や「緑」に興味がある、真面目で穏やかな生徒が多い印象です。専門分野の学習に意欲的な生徒が多く、実習にも熱心に取り組んでいます。
アルバイト アルバイトは許可されているようですが、学業との両立が前提となります。多くの生徒が放課後は部活動に励んでいます。
制服の評判 制服はブレザースタイルです。特に女子生徒からは、リボンとネクタイが選べる点が好評のようです。
土曜授業 基本的に土曜授業はありません。
東京都立農産高等学校の部活動・イベント
部活動
特に有名な部活動・珍しい部活動 園芸部、造園部、園芸加工部、醸造部、穀類加工部、畜産加工部など、学科での学びをさらに深められる部活動が多数あります。 例えば、園芸加工部ではジャムやどら焼きなどのお菓子作りを、造園部ではフラワーデザインの作品制作などを行います。 和太鼓部も活発に活動しており、地域のイベントなどで演奏を披露することもあります。
運動部・文化部の様子 運動部は、バスケットボール部、バレーボール部、硬式テニス部、硬式野球部、サッカー部など一般的な部活動が揃っています。 文化部は上記で紹介した専門的な部のほか、軽音楽部や演劇部、茶道・華道部などもあります。 多くの生徒が部活動に加入し、勉強と両立しながら楽しんでいます。
イベント
農産祭(文化祭) 毎年11月に行われる最大のイベントです。 生徒たちが育てた新鮮な野菜や草花の苗、実習で製造したジャムやパン、焼き菓子などが販売され、毎年多くの来場者で賑わいます。 クラスや部活動ごとの展示や発表もあり、学校全体が活気に満ち溢れます。
体育祭 5月に行われ、クラス対抗で様々な競技に挑みます。 3年間クラス替えがないため、クラスの団結力は非常に高く、応援にも熱が入ります。
修学旅行 2年生の1月に関西方面などへ行きます。 仲間との絆を深める貴重な機会となっています。
校外学習・農業クラブの活動 その他にも、農業クラブの意見発表会や、地域と連携した販売実習など、農業高校ならではの行事が年間を通して行われます。
東京都立農産高等学校の進学実績
主な進学先
国公立大学 具体的な大学名の公表はありませんが、農業系の学部を目指す生徒がいます。
難関私立大学 東京農業大学、日本大学(生物資源科学部)、麻布大学、玉川大学など、農業や食品、生命科学に関連する学部への進学実績があります。
その他 栄養士やパティシエ、調理師、フラワーデザイナーなどを目指して専門学校へ進学する生徒も非常に多いです。
就職
進学・就職へのサポート
東京都立農産高等学校の特長・アピールポイント
東京ドーム約1.5個分の広大な実習地 都内にありながら、野菜を育てる畑や果樹園、温室など、本格的な農業実習ができる広大な敷地を持っています。
実践的な学びを支える充実した専門施設 パンやジャムを作るための本格的な食品加工室や、微生物の培養実験を行う実験室、フラワーデザインを学ぶ実習室など、専門的な設備が整っています。
「作る」から「売る」までを体験できる販売実習 自分たちで生産した野菜や加工品を、文化祭や地域のイベントで販売する機会が豊富にあります。 この経験を通じて、流通や経済の仕組みも学ぶことができます。
将来に役立つ多様な資格取得のチャンス 在学中に、日本農業技術検定や食生活アドバイザー、ラッピングクリエーターなど、専門分野に関連する様々な資格取得に挑戦できます。
地域に根ざした「グローカル教育」の推進 地域のイベントへの参加や、近隣の公園の花壇管理など、学校での学びを地域社会に活かす活動を積極的に行っています。
3年間クラス替えなしで育む強い絆 同じ興味を持つ仲間と3年間同じクラスで学ぶことで、深い友情と強い団結力を育むことができます。
専門知識を持った先生方による手厚いサポート 各分野の専門家である先生方から、丁寧で分かりやすい指導を受けられます。進路相談なども親身に対応してくれると評判です。
東京都立農産高等学校の口コミ・評判のまとめ
良い点 「普通科では体験できない実習がたくさんあって楽しい」という声が最も多く聞かれます。 「同じ趣味や目標を持つ友達ができるので、毎日が充実している」といった、人間関係の良さを挙げる声も多いです。 「先生方が専門知識豊富で、質問にも丁寧に答えてくれる」「進路相談に親身に乗ってくれる」など、教員への信頼も厚いようです。 「作ったパンやジャムを家族に食べてもらうのが嬉しい」「自分たちで育てた野菜は美味しい」など、学びの成果を実感しやすい点も魅力です。
気になる点 「実習レポートの作成が大変」という声は少なくありません。計画的に取り組む必要があります。 「虫が苦手な人は、畑での実習に慣れるまで時間がかかるかもしれない」という意見もあります。 最寄り駅から徒歩15分以上かかるため、「駅から少し遠い」と感じる生徒もいるようです。 専門科目の割合が多いため、「大学受験で普通科目が重要な学部を目指す場合は、自分で勉強を進める必要がある」という指摘もあります。
アクセス・通学
最寄り駅からのアクセス JR常磐線「亀有駅」南口より徒歩約15分 京成本線「お花茶屋駅」より徒歩約20分
バスでのアクセス 亀有駅南口から京成タウンバスに乗り、「上千葉砂原公園」で下車する方法もあります。
通学エリア 所在地である葛飾区をはじめ、足立区、江戸川区、墨田区など、城東地区から通学する生徒が多い傾向があります。千葉県や埼玉県から通う生徒もいます。
東京都立農産高等学校受験生へのワンポイントアドバイス