松本県ヶ丘高等学校、通称「縣陵(けんりょう)」は、1923年からの長い歴史と伝統を誇る、長野県内でも有数の進学校です。松本市内の静かな文教地区に位置し、緑豊かな「あがたの森公園」に隣接する落ち着いた環境で、生徒たちは日々の学習や部活動に励んでいます。

この学校の最大の魅力は、生徒の自主性を重んじる自由な校風と、「質実剛健であれ・大道を闊歩せよ・弱音を吐くな」という「縣陵三大精神」に象徴されるたくましい人間教育にあります。文武両道を実践し、充実した高校生活を送りながら、それぞれの希望進路を実現していく。そんな先輩たちの姿に憧れて、松本県ヶ丘高等学校を目指す中学生は後を絶ちません。

この記事では、そんな松本県ヶ丘高等学校の偏差値や気になる口コミ、学校生活のリアルな情報などを、進学アドバイザーの視点から分かりやすく解説していきます。あなたの高校選びの参考に、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

松本県ヶ丘高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 長野県松本県ヶ丘高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒390-8543 長野県松本市県2丁目1番1号
代表電話番号 0263-32-0471
公式サイトのURL https://www.nagano-c.ed.jp/kenryo/

松本県ヶ丘高等学校の偏差値・難易度・併願校

「縣陵」の愛称で親しまれる松本県ヶ丘高等学校は、県内トップクラスの学力を誇る進学校です。

偏差値

  • 普通科:64

  • 探究科(自然探究科・国際探究科):63

偏差値64というのは、長野県内の公立高校でトップ10に入るレベルです。同じくらいの偏差値の高校としては、近隣では松本蟻ヶ崎高等学校などが挙げられます。

合格に必要な内申点の目安

合格のためには、5段階評価で40前後の内申点が一つの目安とされています。もちろん、当日の学力検査の得点が最も重要ですが、日頃の授業態度や提出物など、中学校での学習への取り組みが評価されると考えておきましょう。

主な併願校

長野県の公立高校入試では、基本的に公立高校同士の併願はできません。そのため、松本県ヶ丘高等学校を第一志望とする受験生の多くは、滑り止めとして以下の私立高校を併願する傾向があります。

  • 松商学園高等学校

  • 松本第一高等学校

  • 東京都市大学塩尻高等学校

これらの私立高校には、特進コースや選抜コースなどが設置されており、万が一の場合でも高いレベルで学習を続けられる環境が整っています。

松本県ヶ丘高等学校に設置されている学科・コース

松本県ヶ丘高等学校には、普通科と探究科の2つの学科があります。

  • 普通科 – 幅広い科目をバランスよく学びながら、多様な進路実現を目指す学科です。2年次からは文系と理系に分かれ、3年次には国公立・私立の志望に合わせてさらに細かく科目を選択できます。自分の興味や目標に合わせて柔軟に学べるのが特徴です。

  • 探究科(自然探究科・国際探究科) – 課題解決学習やフィールドワークなど、より実践的な学びを深める学科です。3年間を通して「探究」の授業がコアとなり、タブレット端末などを活用した先進的な学習が行われます。将来、信州や日本、そして世界を舞台に活躍したいという高い意欲を持つ生徒におすすめです。

松本県ヶ丘高等学校の特色・校風

100年以上の歴史を持つ松本県ヶ丘高等学校は、「自主自律」や「文武両道」といった言葉がぴったりの校風です。

学校の雰囲気・文化

キーワードは「自由闊達」「質実剛健」「文武両道」です。生徒の主体性が尊重されており、学校行事や部活動は生徒会を中心に運営されています。

中学生が知りたいリアルな情報

  • 宿題の量: 進学校ということもあり、日々の予習・復習は欠かせません。量は「多い」と感じる生徒が多いようですが、計画的に取り組めばこなせる量です。

  • 校則: 他の高校と比較して「緩やか」という声が多いです。制服は定められていますが、頭髪や持ち物に関する厳しい規則は少ないようです。スマホの持ち込みも可能ですが、授業中の使用はもちろん禁止です。自主性が重んじられる分、一人ひとりの責任感やマナーが問われます。

  • 生徒たちの雰囲気: 真面目で落ち着いた生徒が多い一方で、行事や部活動には全力で取り組む活発な一面も持ち合わせています。個性的な生徒も多く、お互いを尊重し合える雰囲気があるようです。

  • アルバイト: 原則として禁止されています。

  • 制服の評判: 伝統的な詰襟(男子)とセーラー服(女子)で、特に女子の夏服は爽やかで人気があるようです。

  • 土曜授業: 基本的に土曜授業はありません。

松本県ヶ丘高等学校の部活動・イベント

部活動

松本県ヶ丘高等学校は部活動が非常に盛んで、加入率は90%を超えています。

  • サッカー部: 全国大会への出場経験も豊富な伝統ある強豪校です。専用のホームページもあり、OBとの繋がりも強いようです。

  • 山岳部・陸上部・空手部など: これらの部も全国大会出場の実績があり、高いレベルで活動しています。

  • 文化部: 吹奏楽部や音楽部(合唱)、インターナショナル部、新聞部なども全国レベルでの実績があり、活発に活動しています。

運動部、文化部ともに充実しており、多くの生徒が勉強と両立させながら熱心に活動しています。

イベント

生徒が主体となって作り上げるイベントは、縣陵生活の大きな魅力の一つです。

  • 縣陵祭(文化祭): 毎年6月下旬から7月上旬にかけて4日間にわたって開催される、学校最大のイベントです。一般公開日には6000人以上が来場することもあり、クラスごとの模擬店やお化け屋敷、文化部の発表などで大変な盛り上がりを見せます。

  • 体育祭: 縣陵祭の初日に行われます。クラス対抗で様々な競技に臨み、団結力を高めます。

  • 強歩大会: 毎年10月に行われる伝統行事です。男子は約30km、女子は約25kmのコースを歩き通し、心身を鍛えます。

  • 修学旅行: 普通科は2年次に台湾へ、探究科は海外研修としてイギリスまたはマレーシアなどを訪れる機会があるようです(年度により変更の可能性あり)。

松本県ヶ丘高等学校の進学実績

県内有数の進学校である松本県ヶ丘高等学校は、国公立大学を中心に高い進学実績を誇ります。

  • 国公立大学: 地元の信州大学へは毎年50名前後が合格しています。加えて、北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学といった旧帝大や、東京大学、京都大学といった最難関大学へも合格者を輩出しています。

  • 難関私立大学: 早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学や、GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)、関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)といった大学にも多数の合格者を出しています。

  • 進学サポート: 生徒の進路実現のため、1年次から計画的に進路ガイダンスや個別面談が実施されます。また、無線LANを完備した自習室「陵友館」など、自主学習をサポートする環境も整っています。

松本県ヶ丘高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、松本県ヶ丘高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを紹介します。

  • 歴史と伝統に裏打ちされた「縣陵三大精神」: 「質実剛健」「大道闊歩」「弱音を吐くな」という精神が、日々の学校生活に根付いています。

  • 生徒の自主性を育む自由な校風: 校則が比較的緩やかで、学校行事の企画・運営も生徒が中心となって行います。

  • 文部科学省の事業指定校としての先進的な学び: 「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業」のカリキュラム開発共同実施校として、先進的でグローバルな探究活動を実践しています。

  • 「探究科」の設置: 3年間を通して課題解決学習に取り組む「探究科」があり、より専門的で実践的な学びが可能です。

  • 地域最大級に盛り上がる文化祭「縣陵祭」: 一般公開には毎年数千人が訪れ、生徒たちのエネルギーが爆発する学校の一大イベントです。

  • 充実した部活動: 9割以上の生徒が部活動に加入し、文武両道を実践しています。全国レベルで活躍する部も多数あります。

  • 緑豊かな学習環境: 国の重要文化財である旧制松本高校の校舎が残る「あがたの森公園」に隣接し、落ち着いた環境で学ぶことができます。

松本県ヶ丘高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、学校生活の充実度を評価する声が多く聞かれます。

  • 良い点:

    • 「自由な校風で、自分のやりたいことに挑戦できる」

    • 「行事が本当に楽しく、クラスや学校全体の一体感が強い」

    • 「個性的な友達が多く、視野が広がった」

    • 「先生方は進路相談に親身に乗ってくれる」

    • 「部活動が盛んで、勉強と両立しながら高いレベルを目指せる」

    • 「デジタル化が進んでいて、授業が分かりやすい」

  • 気になる点:

    • 「校舎が古く、特にトイレなどの設備が気になるという意見がある」

    • 「駅から少し距離があるため、バスや自転車の利用が必要」

    • 「自由な分、自主的に勉強しないと授業についていくのが大変」

アクセス・通学

JR松本駅からのアクセスが主な通学手段となります。

  • 最寄り駅からのアクセス:

    • JR「松本駅」お城口からバスで約15分、「県ヶ丘高校」バス停下車、徒歩約2分

    • JR「松本駅」から徒歩で約30分

  • 通学エリア: 松本市内からの通学者が多いですが、塩尻市、安曇野市など、中信地区の広範囲から生徒が集まっています。

松本県ヶ丘高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとう。松本県ヶ丘高等学校の魅力、伝わったでしょうか。この学校は、ただ偏差値が高いだけでなく、生徒一人ひとりの「やりたい」という気持ちを尊重し、応援してくれる場所です。自由な環境の中で自分を律し、仲間と切磋琢磨しながら成長したい、そんなあなたにこそ、松本県ヶ丘高等学校は最高の舞台となるはずです。

受験勉強では、まず中学校の基礎を徹底的に固めることが大切です。特に英語・数学・国語の主要3教科は、毎日少しずつでも良いので必ず机に向かう習慣をつけましょう。そして、学校の行事や部活動にも全力で取り組んでください。その経験が、面接やこれからの高校生活で必ずあなたの力になります。憧れの「縣陵」での高校生活を思い描きながら、最後まで諦めずに頑張ってください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。