横須賀総合高等学校は、神奈川県横須賀市にある、横須賀市が設置している唯一の市立高等学校です。2003年に市内の3つの高校(横須賀高校、商業高校、工業高校)が統合して誕生した、比較的新しい学校として知られています。普通科目だけでなく、商業や工業などの専門的な科目も幅広く学べる「総合学科」が最大の特長です。

この学校の魅力は、なんといっても生徒一人ひとりの興味や進路に合わせて、100以上ある科目の中から自分だけの時間割を作れる点にあります。まるで大学のように、自分の学びたいことを主体的に選択できるため、将来の夢がはっきりしている生徒はもちろん、「高校生活の中で自分のやりたいことを見つけたい」と考えている生徒にとっても、最高の環境と言えるでしょう。

この記事では、そんな横須賀総合高等学校について、偏差値や難易度、学校生活の様子、部活動、進学実績など、受験生や保護者の皆さんが本当に知りたい情報を、分かりやすく具体的にお伝えしていきます。横須賀総合高等学校が持つたくさんの魅力を感じて、ぜひ志望校選びの参考にしてください。

横須賀総合高等学校の基本情報

以下に横須賀総合高等学校の基本的な情報をまとめました。

項目 内容
正式名称 横須賀市立横須賀総合高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒239-0831 神奈川県横須賀市久里浜6-1-1
代表電話番号 046-833-4111
公式サイト https://ysh.ed.jp/

横須賀総合高等学校の偏差値・難易度・併願校

横須賀総合高等学校への進学を考える上で、偏差値や難易度は重要なポイントになります。自分の学力と照らし合わせ、適切な目標設定に役立てましょう。

総合学科の偏差値は「53」前後とされています。同じくらいの偏差値の高校としては、伊志田高校(普通科)、荏田高校(普通科)などがあります。

合格するためには、内申点と学力検査のバランスが重要です。合格者の平均的な内申点は、中学2年生と3年生の9教科合計で「104」程度(3年生の成績を2倍する計算方法)が一つの目安とされています。学力検査では、5教科合計で325点〜330点あたりが目標点となるでしょう。

神奈川県の公立高校入試では、他の公立高校を併願することはできません。そのため、横須賀総合高等学校を第一志望とする受験生の多くは、私立高校を併願校として受験します。主な併願校としては、横須賀学院高等学校、湘南工科大学附属高等学校、三浦学苑高等学校、横浜高等学校などが挙げられることが多いようです。

横須賀総合高等学校に設置されている学科・コース

横須賀総合高等学校は「総合学科」のみを設置する単位制の高校です。総合学科は、普通科と専門学科の内容を統合したような学科で、生徒が自分の興味・関心や進路希望に応じて、幅広い選択科目の中から自分で授業を選び、時間割を作成できるのが大きな特徴です。

授業を選択しやすくするために、科目は8つの「系列」に分けられています。ただし、これはコースのように所属するものではなく、あくまで科目選びの目安です。生徒は系列の垣根を越えて、自由に科目を組み合わせることができます。

  • 国際人文系列:語学や世界の歴史・文化など、国際的な視野を広げる学びが中心。外国語や国際関係に興味がある人におすすめ。

  • 自然科学系列:数学や理科の専門的な科目を深く探究。理系の大学進学を目指す生徒や、科学的な思考力を養いたい人におすすめ。

  • 生活・福祉系列:保育や福祉、調理など、人々の生活に密着した分野を学ぶ。将来、保育士や介護福祉士、栄養士などを目指す人におすすめ。

  • 体育・健康系列:スポーツ科学やトレーニング理論など、体育や健康に関する専門知識を学ぶ。体育系の大学への進学や、スポーツに関わる仕事に就きたい人におすすめ。

  • 芸術系列:音楽や美術、書道など、芸術分野の知識と技術を本格的に学ぶ。音楽大学や美術大学への進学を考えている人におすすめ。

  • 情報系列:プログラミングやネットワーク技術など、高度な情報技術を学ぶ。IT分野の専門家やエンジニアを目指す人におすすめ。

  • ビジネス系列:簿記やマーケティングなど、経済やビジネスに関する実践的な知識を学ぶ。将来、起業したい人や商業系の学部に進みたい人におすすめ。

  • 工学系列:製図(CAD)や工業技術の基礎など、ものづくりの技術を学ぶ。工学系の大学進学や、技術者を目指す人におすすめ。

横須賀総合高等学校の特色・校風

横須賀総合高等学校の校風は「自主自律」や「個性の尊重」といった言葉で表現できます。単位制・総合学科というシステム上、生徒一人ひとりが自分の将来と向き合い、主体的に高校生活をデザインしていくことが求められます。

  • 宿題の量:先生や選択する科目によって異なりますが、全体的には「あまり多くない」という声が多いようです。

  • 校則:校則は比較的厳しいという意見と、先生によって厳しさが違うという意見が見られます。髪の染色は禁止されています。メイクやピアスも校則違反ですが、実際にはメイクをしている生徒もいるようです。スマートフォンの扱いについては、授業中の使用は禁止ですが、休み時間などは使用可能な場合が多いようです。ただし、先生によってルールが異なることもあります。

  • 生徒たちの雰囲気:真面目な生徒から活発な生徒まで様々ですが、自分の目標に向かって主体的に活動している生徒が多い印象です。グループワークを取り入れた授業も多く、コミュニケーション能力が養われる環境です。

  • アルバイト:アルバイトは原則として禁止されていませんが、学業との両立が求められます。

  • 制服の評判:制服は人気があります。特に、女子はスラックスを選択することもでき、冬場に着用する生徒も多いようです。ネクタイとリボンのどちらも選べる点も好評です。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。ただし、3年生を対象とした模試や資格取得のための補習が行われることはあります。

横須賀総合高等学校の部活動・イベント

部活動

横須賀総合高等学校は部活動が非常に盛んで、多くの部が活発に活動しています。運動部・文化部ともに充実しており、自分に合った部を見つけやすい環境です。

特にアーチェリー部、ワープロ&検定部、美術部、書道部などは全国大会に出場するほどの実績を誇っています。また、室内楽部やものつくり研究部、テコンドー部といった少し珍しい部活動も存在します。体育館(SKYアリーナ)はバレーボールコート4面分の広さがあり、グラウンドも陸上競技場やテニスコート、アーチェリー場などが整備されているなど、施設が充実しているのも魅力です。

イベント

横須賀総合高等学校では、生徒が主体となって作り上げるイベントが年間を通して行われます。

  • 横総祭(文化祭・体育祭):6月に行われる体育祭と、9月に行われる文化祭を合わせて「横総祭」と呼ばれています。体育祭は8つのカラーに分かれて競い合い、特に騎馬戦やカラーリレーは大変盛り上がるようです。文化祭は例年9月に一般公開も行われ、多くの人で賑わいます。

  • 修学旅行:2年次の1月に実施されます。近年ではシンガポールなど海外へ行くこともあり、国際的な視野を広げる貴重な機会となっています。

  • コミュニケーションキャンプ:1年次には、入学してすぐの4月にコミュニケーションキャンプ(デイキャンプ)が実施され、新しいクラスメイトとの親睦を深めます。

横須賀総合高等学校の進学実績

横須賀総合高等学校は、総合学科の特色を生かし、多様な進路実現をサポートしています。卒業生の約9割が進学を希望しており、大学進学から専門学校、就職まで幅広い実績があります。

近年の主な進学実績(既卒生含む)は以下の通りです。

  • 国公立大学:横浜国立大学、東京都立大学、神奈川県立保健福祉大学、金沢美術工芸大学、信州大学、静岡大学など、毎年合格者を出しています。

  • 難関私立大学(GMARCHなど):早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、学習院大学などへ多数の合格者を輩出しています。

  • その他:日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学、明治学院大学、神奈川大学などへの進学者も多い傾向があります。

また、進路指導が手厚いのも横須賀総合高等学校の特長です。キャリアセンターには豊富な進路資料が揃い、専門の先生が進路相談に応じてくれます。模擬試験や進路講演会、大学入学共通テストの説明会なども計画的に実施され、生徒一人ひとりの希望進路実現を力強くバックアップしています。

横須賀総合高等学校の特長・アピールポイント

横須賀総合高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • 自分だけの時間割が作れる「総合学科・単位制」:最大の特長は、100を超える科目の中から自分の興味や進路に合わせて授業を選択できることです。普通科目に加え、商業、工業、福祉、芸術などの専門科目が充実しており、高校にいながら多様な学びに触れることができます。

  • 大学のキャンパスのような美しい校舎:校舎はガラス張りのモダンなデザインで、大学のキャンパスのような雰囲気です。上履きが不要で、土足のまま校舎内で過ごせるのも特徴的です。

  • 充実した専門施設:体育館(SKYアリーナ)や陸上競技場はもちろん、調理室、福祉室、製図室、コンピュータ室、CAD室、LL教室など、専門科目の授業に対応した特別な施設が整っています。

  • 主体的な探究学習「羅針」:1年次の「産業社会と人間」から始まり、2・3年次では「総合的な探究の時間(羅針)」という授業で、生徒が自ら課題を設定し、探究活動を行います。この活動を通して、思考力や表現力を養います。

  • 盛んな国際交流:オーストラリアの姉妹校との相互交流や留学生の受け入れを積極的に行っています。校内に常駐する外国人英語指導員(FLT)との日常的な交流も魅力です。

  • 手厚い進路サポート体制:キャリアセンターが設置されており、専門のスタッフが生徒の進路相談に親身に応じてくれます。豊富な資料やガイダンスで、多様な進路選択をサポートします。

  • 美味しいと評判の食堂:校内にある食堂はメニューが豊富で、特に担々麺やメロンパンが美味しいと生徒から人気です。

横須賀総合高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、横須賀総合高等学校の様々な点について、多くの声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「総合学科なので、自分の好きな科目や進路に合わせた授業が取れるのが良い」という、カリキュラムの自由度を評価する声が最も多いです。

    • 「校舎が綺麗で大学のよう。施設も充実している」と、学習環境の良さを挙げる声も多数あります。

    • 「進路について真剣に考える機会が多く、先生も親身に相談に乗ってくれる」など、キャリア教育や進路サポートの手厚さを評価する意見も見られます。

    • 「制服が可愛い、かっこいい」と、制服に関するポジティブな口コミも多いです。

    • 「部活動が盛んで、目標を持って打ち込める環境がある」という声もあります。

  • 気になる点:

    • 「校則が厳しいと感じる。特に頭髪や服装について先生によって厳しさが違うことがある」という意見があります。

    • 「単位制なので授業ごとに教室移動が多く、休み時間が短い」という声や、「校舎が広くて移動が大変」という物理的な負担に関する口コミも見られます。

    • 「自分でしっかり目標設定しないと、どの授業を取ればいいか分からなくなり、3年間を無駄にしてしまう可能性がある」という、自主性が求められることへの注意喚起の声もあります。

    • 「階段がガラス張りなので、スカートの女子は少し気になるかもしれない」という施設に関する意見もありました。

アクセス・通学

横須賀総合高等学校へのアクセスは以下の通りです。電車とバス、どちらの利用も便利です。

  • 京急久里浜線「京急久里浜駅」から徒歩約8〜10分

  • JR横須賀線「久里浜駅」から徒歩約10〜12分

  • 京急バス「総合高校」バス停から徒歩約2分

  • 京急バス「自衛隊前」バス停から徒歩約1分

横須賀市内からの通学者が多いですが、総合学科という特色から、横浜市や三浦市など市外から通学している生徒も少なくありません。

横須賀総合高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

横須賀総合高等学校は、自分の将来について真剣に考え、主体的に行動したいと願う君にぴったりの学校です。100以上もの科目から自分だけの学びをデザインできる環境は、大きな可能性を秘めています。もし君の中に「こんなことを専門的に学びたい」「将来こんな職業に就きたい」という思いが少しでもあるなら、横須賀総合高等学校はその夢を力強く後押ししてくれるでしょう。

受験勉強においては、内申点と当日の学力検査のバランスが大切になります。まずは、中学校の定期テストにしっかりと取り組み、授業態度も大切にして、安定した内申点を確保することを目指しましょう。その上で、苦手科目をなくし、5教科の実力をバランスよく伸ばしていくことが合格への鍵となります。特に、英語と数学は差がつきやすい科目なので、基礎を固めた上で応用問題にもチャレンジしておくと良いでしょう。横須賀総合高等学校で、自分だけの未来を描く第一歩を踏み出してください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。